東京争議団ニュース第396/2024年6月15日


審査計画確定。攻勢的闘いで局面打開をめざす!
明治乳業争議団

 都労委残留39事件の第18回調査(5月15日)において、審査計画が確定しました。7月24日から申立人ら証人尋問(5証人340分)が開始され、会社証人尋問(1人120分)を最後に9月4日には結審の見通しです。申立人らは、都労委が審査計画書の最後に「審査進行中であっても、当事者間における自主的な和解に向けての努力を怠らないようにお願いします」と明記したことを重視し、局面打開に向け頑張ります。
 今年も株主総会の時期を前に、上場企業を中心に2024年3月期決算の発表がありましたが、最終的儲けである純利益の総額が3年連続で最高益を更新との報道です。しかし、上場企業全体が純利益を更新するなか、明治HDの純利益は27%減であり、これに反応した株価は翌日に121円も下落する等、長期業績低迷への株主の怒りは止みません。申立人らは6月27日の株主総会を節目に、全面解決への道筋に向け総力で奮闘する決意です。最後までのご支援を!


5/15 第18回調査で解決への道筋を訴える小関団長


学園は、争議のないフェリシア高校への決断を!
フェリシア高校教職員組合

 5月8日、2024年度第1回目となる団体交渉が行われました。今年3月27日、東京地裁から再雇用拒否を無効とする勝利判決が下されましたが、学園はこれを不服として東京高裁へ控訴をしています。一方で学園と組合は、2022年に中労委において和解協定を締結し、雇止めとなった常勤講師を専任教諭として職場復帰させること、現職組合員への仕事外しを行わないこと、誠実に団体交渉に応じること、を確認しています。実際に、職場内での組合差別はなくなり、団体交渉についても昨年度は9回行われています。
 学園が再雇用拒否を撤回する決断に踏み切れば、今すぐ争議の全面解決が実現出来ます。組合は「中労委和解」の精神を再確認し、争議のないフェリシア高校にしたいと全面解決への決断を求めました。


6/5 小田急線鶴川駅での駅頭宣伝後に


「新守る会」を発足。卒業生と共に学び活動します!
東京国際福祉専門学校事件

 組合は、争議解決の報告・周知と、労働争議や運動への引き続きの連帯を続けています。また、和解で獲得した東京外語専門学校の教室使用の権利を活かし、学園とやりとりし、教室使用しての卒業生交流会の準備を進めています。
 6月2日、「新東京国際福祉専門学校を守る会」の発足集会には、約30名の方にご参加いただきました。卒業生、各争議団、教育関係者、労組関係者等々、様々な立場・角度から職場や活動の状況、この会に向けた真摯な思いが語られました。東京争議団サポーターの支えによる漬物、コーヒーの販売や、諏訪事務局長提供のサボテン・多肉植物販売も盛況で、心強い活動費作りとなりました。
 手探りですが、これからも皆で議論をしながら、卒業生、労働者の仲間で活動を創っていきます。


6/2 「新東京国際福祉専門学校を守る会」発足


労災事件の解決を目指す支援共闘会議結成へ!
古川職業性ぼうこうがん労災事件

 大手アパレルメーカー福助で働いていた古川さんが、中国の工場勤務で職業性膀胱がんに罹患した事件は、地域労組こうとうに加入して団交での解決を目指しています。
 国外勤務で、厳密な因果関係の立証が困難だったため労災認定されませんでしたが、繊維の染料を扱う職場で、社員を化学物質に対し無防備な状態で働かせ、膀胱がんを発症させた会社の責任は重大です。
 多くの日本企業が海外進出している中で、この問題は他人ごとではありません。安全・安心な海外勤務の実現へ、この事件を解決することは社会的にも大きな意義があります。古川さんの労災訴訟を闘ってきた支援する会、東京争議団は、大きな枠組みでの運動を築くため、関連する団体を含めた支援共闘会議結成への取り組みを進めています。


中央労働委員会審査始まる!当日朝に宣伝行動!
帝京長岡高教職組

 6月3日午前11時から不当労働行為解雇事件の中央労働委員会(中労委)審査が始まりました。当日朝には多くの支援者が参加し30分間の「中労委前宣伝」を実施、大量に用意したチラシがほぼなくなりました。
 この中労委で、今年1月にでた新潟県労働委員会での画期的な勝利命令を維持し、職場復帰を勝ち取れるよう、引き続きのご支援をお願いいたします。次回は8月21日(水)11時からと決まりました。なお、中労委に向けた要請署名も始めます。目標は2万筆です。
 「中央労働委員会スタート集会」を6月23日に長岡市で行います。前回4月の報告集会には100人以上が集まり立ち見がでるどころか、会場に入りきれないほどでした。この中労委と本訴新潟地裁が勝負どころです。引き続きのご支援ご協力をお願いします。


6/3 中労委前宣伝


労災事件解決に向けて取り組みを強める
コープみらい及川労災事件

 6月3日労災認定を求めた控訴審が東京高裁で開かれました。2月16日の裁判官忌避申立が却下された後、再開された口頭弁論でした。
 萩尾弁護士が「控訴審で審理されていない」と、証拠説明を求めようとすると、裁判長は「説明の必要はない、読んでおく」と一方的に発言を遮って、次回7月3日「判決」として2名の裁判官と共に立ち去りました。
 食品一般ユニオンは「労災事件」の話し合い解決を求め、コープみらいと団体交渉を行っていますが、第2回団交では代理人弁護士が出席し「これで飯を食っている」と言い放ち、解決姿勢を放棄する異様な対応をしてきました。その後、第3回団交を拒否したため、やむなく埼玉県労働委員会に不当労働行為救済申立を行いました。第1回調査期日が7月12日となりました。
 最高裁への署名・要請行動、駅頭宣伝、労働委員会調査と、労災事件の解決に向けた取り組みを強めています。皆さまのご支援をお願いします。


5/14 JR南浦和駅前での宣伝


6月10日、控訴審4回目の口頭弁論が行われました
オランダ航空雇止め解雇事件

 今回は会社側研究者の意見書2通に対し組合側が反論書面を提出、会社側はそれに対する反論を裁判当日に提出してきました。
 控訴審で会社側が新たに主張してきた「オランダ法の時効と出訴制限(雇用の権利は消失・訴訟で争えない)」に対しては、組合側がオランダの弁護士と検討中で次回に反論書面を提出すると主張、会社側は内容を見て反論をしたいと発言しました。
 以上のやりとりを踏まえ、裁判長はあと2回で結審を予定するとし、次回口頭弁論を9月11日に設定しました。
 口頭弁論に続き行われた和解協議では、4月22日に提出した組合和解案に対し、会社の検討内容が示されました。しかし、水準が低すぎてその場で検討する必要も無いようなものでした。ただ、今後主張が出尽くした時点で再度協議できる面があることから、組合側は持ち帰り検討する形で和解協議を継続することとし、次回口頭弁論後に設定されました。
 裁判傍聴には原告、多くの支援者が駆けつけ傍聴席はほぼ一杯となりました。次回も重要な期日となります。引き続きご支援をお願いします。


編集部たより

差別する企業は グローバル市場での未来はない

 東京争議団も参加する国際人権活動日本委員会が主催する第9回国際人権入門講座「ビジネスと人権」が4月12日に開催され、東京法律事務所笹山尚人弁護士が講演しました。
 講演は、2004年野村証券昇格差別事件でEUの格付け会社を訪問した時、対応した担当者が「差別をする企業に未来はない。そうした企業に投資して損をしないようにするのが自分たちの仕事だ」と発言、EUと日本の人権感覚に大きな差を感じたことを紹介して始まりました。
 2020年「ビジネスと人権」行動計画が策定され、国連のビジネスと人権作業部会が24年6月に最終報告を出す予定です。人権無視、差別を行う企業は商売できなくなっていきます。明治ホールディングスも、40年に及ぶ差別争議を解決できない企業体質では、グローバル化する国際市場の中で未来はありません。


4/12第9回国際人権入門講座 「ビジネスと人権」


東京争議団 夏季物品販売
争議解決にご支援・ご協力を、お願いいたします!
(ご注文は8月31日迄)!


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼コープみらい及川労災事件
 6月20日(木)8:15 南浦和駅宣伝早朝宣伝
 6月21日(金)11:00 最高裁書記官要請行動
 7月3日(水)13:30 労災認定控訴審「判決」東京高裁824号法廷
 7月12日(金)14:00 埼玉県労働委員会 第1回調査
 7月19日(金)10:00 最高裁書記官要請行動
▼帝京長岡高校教職員組合
 6月23日(日)「中央労働委員会スタート集会」を長岡市
 8月21日(水)11:00 中労委審査
 中労委に向けた要請署名も始めます。目標は2万筆です。
▼明治乳業争議
 京橋エドグラン前=6月も2日間連続の「座り込み行動」を決行!
 「6・27株主総会」に向け
    =25日(火)・26日(水)、12時〜13時。
 継続は力 ! 正念場の今! 頑張ります。 ご支援を!!
▼KLMオランダ航空雇止め解雇事件
 9月11日(水)11:00 東京高裁511号法廷 控訴審第5回口頭弁論
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 「新東京国際福祉専門学校を守る会」にご入会下さい!
 今後の運動の支援物販つけもの(500円)購入希望の方はご連絡ください。 tiwc.union@gmail.com


====東京争議団予定===

七月
 〇五13:00 三役会議
 〇六13:00 全体会議

八月
 〇二13:00 三役会議
 〇三13:00 全体会議


===行動予定===

六月
 二十 08:15 コープみらい及川労災事件 JR南浦和駅前宣伝
 二一 11:00 コープみらい及川労災事件 最高裁要請行動
 二五 12:00 明乳 第90次座り込み 京橋エドグラン前
 二六 12:00 明乳 第91次座り込み 京橋エドグラン前
 二七 08:45 明乳 株主総会前宣伝 プリンスタワー東京 都営三田線 芝公園駅

七月
 〇三 08:30 東京争議団 東京地裁高裁前共同宣伝
     13:30 コープみらい及川事件 東京高裁(判決)824号法廷
 十二 14:00 コープみらい及川事件 埼玉県労働委員会
 十六 12:00 明乳 第92次座り込み 京橋エドグラン前
 十九 08:30 東京争議団 最高裁前共同宣伝
     10:00 東京争議団 最高裁要請行動(コープみらい損害賠償)
 二四 13:30 明乳 都労委 証人尋問 都庁南塔38階

八月
 〇五 13:30 明乳 都労委 証人尋問 都庁南塔38階
 〇七 08:30 東京争議団 東京地裁高裁前共同宣伝
 二一 11:00 帝京長岡 中労委調査
 二九 13:30 明乳 都労委 証人尋問 都庁南塔38階


東京争議団のホームページへ戻る