東京争議団ニュース第393/2024年3月2日


高裁裁判官の忌避を申し立て
自主解決を迫りコープ本部前で宣伝!
コープみらい及川労災事件

 労災認定を求める行政訴訟は、2月16日東京高裁で控訴審第1回口頭弁論が行われました。
 裁判長は及川さん側の証人申請を却下し結審しようとしたため、代理人の萩尾弁護士はその場で、「一審、控訴審とも証人調べもしないことは、審理不尽の上塗りで裁判を受ける権利を奪うものであり当事者主義に反する」と、裁判官三名の忌避を申し立てました。この結果、裁判は中断し結審とはなりませんでした。
 2月22日は8時から9時までコープみらい本部ビル前で、事件の内容、コープの問題ある対応を従業員に知らせるチラシを配布しつつ、宣伝行動を行いました。東京争議団を含め、支援者約20名が参加しました。
 及川さんの所属する組合(食品一般ユニオン)は、埼玉県労働委員会に2度目のあっせんを申し立て、委員会は2月15日にあっせん開始を決めましたが、コープみらいはこれに応じて事件の解決に動くべきです。


2.2 東京高裁前で訴える及川さん

2.22 コープみらい本部前行動で自主解決を迫る及川さん


東京高裁は極めて杜撰な不当判決!
中労委に上告を要請
帝京長岡高教職組

 東京高裁第16民事部は2月15日、学園による吉田教諭への懲戒処分及び教頭・校長の言動を不当労働行為に当たると認定した中労委命令を取消した東京地裁の不当判決を維持し、中労委及び補助参加人らの控訴を棄却する不当判決を下しました。
 控訴審から加わった2名の女性弁護士が判決書の訴訟代理人に記載漏れとなっていることに象徴されるような、杜撰な判決です。
 新潟県労働委員会命令の真摯な態度に比べ、本件懲戒処分の事実調査の不十分さと、学園の組合嫌悪の不当な動機・目的を見抜くことができず、かつ帝京本部の組合排除の姿勢を覆い隠す役割も果した極めて不当な判決であると言わなければなりません。
 2月22日、吉田教諭・全国私教連・新潟私教連と東京争議団で、最高裁への上告を行うよう中労委へ要請しました。


公益委員が交代!
争議団、明治双方が意見陳述を申請
明治乳業争議団

 都労委第16回調査(2月5日)は、担当公益委員が昨年12月に交代(金井康雄委員から團藤丈士委員)しての調査でした。
 申立人らが申請した公益委員交代に伴う弁論更新(意見陳述)が確認されたことを受けて会社も申請し、次回第17回調査(3月15日)での意見陳述が確認されました。従って、審査計画(証人尋問)の具体化は次々回調査(4月以降)となります。
 申立人らは、先行した市川工場事件(2年度分3件)、全国事件(1年度分1件)の単年度審査の誤りを正し、全事件併合を前提に「大量観察方式での集団間比較」の審査・認定に向け、5証人の尋問を全力で取り組みます。
 同時に、異常企業体質の告発包囲に総力を挙げ、「労働争議自体が企業活動上の重大リスク」の判断に追い込む運動を強め、解決への道筋を示した中労委命令「付言」を武器に、市川工場事件から40年目を迎え、人権問題として許し難い長期争議の全面解決に向け、奮闘します。


2.5 都労委 第16回調査で報告する菊池弁護士


3月27日(水)再雇用拒否事件で東京地裁が判決言渡しへ!
フェリシア(旧鶴川)高校教職員組合

 3月27日(水)13時30分より、東京地裁606号法廷において松山・村田・三木組合員の再雇用拒否についての判決が言い渡されます。
 学園は、3名の再雇用について1年に及んで回答を留保し団交拒否を続けた末に、濫発した不当処分を理由として2020年の60歳誕生日定年をもって再雇用を拒否しました。
 3名は35年以上、鶴川高校(現フェリシア高校)の教育に情熱を傾けてきました。同時に、組合活動の中心を担い、およそ30年間に及ぶ前理事長からの筆舌に尽くしがたい組合弾圧に抗してきました。
 再雇用拒否には一片の合理性もありません。この継続雇用拒否から3年が経過しています。3名は一日も早く現在のフェリシア高等学校に戻り、生徒とともに新たな学びをつくりたいと切望しています。
 私たちは、公正な判決を求めます。


職業がん労災事件の解決へ第一回団体交渉を実施しました
古川さん職業性ぼうこうがん労災事件

 職業性ぼうこうがんの労災認定は取れなかったものの、その発症原因に業務が影響していることは明らかなことから、使用者である福助鰍ノ対し、当時の管理責任を問うとともに、労災申請後の不当な扱いの是正を求める団体交渉を申し入れ、2月5日に1回目の団体交渉が行われました。
 会社は代理人弁護士を立て、要求の前提となる事実関係を確認するやりとりから始まりました。組合(地域労組こうとう)は、@業務日報に基づき化学物質に曝露する業務をしていたかどうか、A労災申請後の不当評価の内容、B安全配慮義務について確認していくため、会社に資料の提出を求めました。
 労災申請した結果、その当事者が大きな不利益を被るような社会ではいけないと思います。今後もみなさまのご支援が大きな力となりますのでよろしくお願いします。


意見書は会社の注文に応じて書いたようなもの
オランダ航空雇止め解雇事件

 昨年12月18日の第2回口頭弁論で会社側は通則法関連の研究者2名の意見書を提出すると発言し、12月の道垣内正人氏に続き1月31日付、北澤安紀氏(慶応大学法学部教授)の意見書が出されてきました。
 内容は、当然ですが会社の主張に沿ったものです。
 2つの意見書を見ると、道垣内氏は自らの著書の記述と異なることを書いたり、時効については根拠を示さず適用されるとの見解を示すなど、会社側代理人の注文に応じて書いたようにも見えます。
 また、両意見書とも日本でのスタンバイを業務として位置付けていますが、前日に連絡がなければ休日になる仕組みであり、業務ではありません。事実ではないことを前提に意見を述べています。
 これらの意見書に対する反論は、次回3月11日の口頭弁論で行います。次回は弁論後の進行協議もあり、法廷一杯の傍聴で、この事件への関心の高さを裁判長に示していくことが大切です。皆さまのご支援をお願いします。


2/7東京高裁前宣伝で訴える


3月25日、守る会総会・解決報告集会にご参加ください!
東京国際福祉専門学校事件

 1月25日に、東京地裁で和解が成立しました。解決金と団交を経ずに廃校決定したこと、学園全体の財務諸表を開示しなかったこと、組合員に自宅待機命令(ロックアウト解雇)したことに対する「遺憾の意」、卒業生支援のための学校施設貸与を勝ち取りました。間違いなく、皆様のご支援と運動なくして勝ちえなかったものです。
 2月18日には、争議闘争の最中、7月に急逝した組合員の「上高原さんと語る会」を、卒業生・組合・守る会による実行委員会で実施し、20人以上の卒業生が参加しました。
 東京国際福祉専門学校を守る会総会・報告集会を 3月25日(月)18時より、エデュカス東京5階会議室で予定していますので、是非ご参集ください。


編集部たより
未払い賃金訴訟控訴審は、1回結審で和解を検討

 和洋九段女子中高教職員組合

 定期昇給の一方的ストップに対し、未払い賃金として請求した和洋九段女子中学高校教職員の訴訟は、昨年10月30日「定期昇給実施の労使慣行はない」として請求棄却の不当判決が出されました。組合側が不服として控訴した控訴審の第一回口頭弁論が2月20日に行われ、裁判長は双方の提出書面を踏まえて結審を宣言、判決は4月25日としました。 
 裁判長は、その場で和解について学園側の意向を確認、「金銭を支払う和解はない」と答えると、裁判長は組合側に対し「金銭以外の和解は検討できるか」と聞きました。組合側は、検討すると答えて裁判は終わりました。
 長年実施されてきた定期昇給が確定した労働条件ではないとする一審不当判決を前提とした訴訟指揮に怒りを感じますが、組合側は和解への対応を検討します。


24春闘、たたかう労働組合の出番

 24春闘本番ムードになってきました。23春闘では多くの企業でベースアップが行われ、30年ぶりの高水準といいますが、物価上昇の中で実質賃金は20ヵ月連続で前年を下回っています。
 24春闘、政府は賃上げに期待、経営者団体も賃上げ容認、大手労組は積極的な賃上げ・一時金要求をします。ただ要求するだけでは取れません。アメリカの自動車労組はストライキで闘い、バイデン大統領も激励に行く中で、組合は25%の賃上げを実現しました。日本でもこうした闘いが必要でしょう。


大幅賃上げへシュプレヒコール!「1.31国民春闘総決起集会」


4年ぶり「新春のつどい」で元気に

 2月4日、東京争議団4年ぶりの「新春のつどい」を開催しました。約60名の参加で、森本副議長の豪華手作り料理、合唱団コールラパスの歌ごえと、諏訪事務局長のマジックで、争議の合間の楽しいひと時を過ごすことができました。


コールラパスの皆さん。指揮は八重樫さん

手作り料理の一部

サポータの皆さんも替え歌を披露


東京争議団サポーター広場
再審開始へ頑張る決意を確認
大崎事件首都圏の会 事務局長 福田磨理子

 2月3日、大崎事件首都圏の会の総会が32名の参加で行われました。
大崎事件は、鹿児島大崎町で殺人犯にされた原口アヤ子さん(96歳)が無罪を訴え、再審を請求している事件で、判決への疑問からマスコミに何度も取り上げられ、現在第4次再審請求をしています。 
 総会では、弁護団の佐藤弁護士が他事件の判断方法を取れば再審開始となるとの補充書を提出すると報告、アヤ子さんの長女ご夫妻、冤罪事件当事者のあいさつがあり、全体で再審開始に向けて頑張る決意を確認、元気の出る総会となりました。
 私たちは、東京争議団全体会議にも出席し、サポーターとして積極的に争議支援活動も行っています。勝利を目指し、ともに頑張りましょう。


阪神がアレすると「災厄」が…
元目黒電波測器労組 藤井 将貴

 昨年は珍しくダメ虎(失礼)が「アレ」し、さらに日本一にもなった。そこで思い出すのが、六二年、六四年、八五年のわが組合(目黒電波測器労組)のこと。
 六二年、年末に受け取る夏の一時金が、年越しとなる。六四年、組合員二名が相次いで火事で焼け出され、さらに若い二名が相次いでなくなる。 八五年八月には、私や今年の旗開きで「乾杯」をやった井上氏など一五名に首切が出る…。怒りで直前に起きた日航機墜落や都議会選挙を一時忘れてしまった。
 東京争議団に加盟(一度目)したのはこの時だった。初めて参加した代表者会議では、沖電気、池貝鉄工ほか百名ほどのサムライに圧倒され、明乳争議団には気がつかなかった。
 組合事務所の電気水道を止めて追撃する会社に対して、弁護団は組合事務所使用妨害排除の仮処分をとり執行官と共に会社に通告し反撃した。
 以後、組合・被解雇者団は、目黒、大田、品川、さらに電波共闘会議の組合に支援要請のオルグを続ける。また九月未には解雇無効の仮処分を申請。翌八六年四月に勝利の仮処分決定が出た。
 それからは、貸金を受け取りながら闘いを続ける。八月、親会社が社長のくびをすげ替え、組合に全面降伏した。荒れた職場に三年ぶりで平和が戻った。
 八六年、幸い阪神はアレできなかつた。


5・1(水)
第95回中央メーデー
場所:代々木公園
時間:午前一〇時〜

ご参加をお願いします


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 3月11日(月)15:00 東京高裁511号法廷 控訴審第3回口頭弁論
▼明治乳業争議団
 京橋エドグラン前 第87次「座り込み行動=3月18日(月)12時〜13時。
 継続は力 ! 今年こそ!  防寒対策の上、ご支援を!
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 和解が成立しました!ご支援ありがとうございました。
 今後の運動の支援物販つけもの(500円)購入希望の方はご連絡ください。tiwc.union@gmail.com
 3月25日(月)18:00〜 守る会総会・解決報告集会(エデュカス東京5階会議室)
▼鶴川高校教職員組合
 3月27日(水)13:30 東京地裁606号法廷 再雇用拒否事件判決


====東京争議団予定===

四月
 〇五13:00三役会議
 〇六13:00発送作業・全体会議
五月
  十13:00三役会議
 十一13:00発送作業・全体会議


===行動予定===
***訂正あり

三月
 〇六 08:30東京地裁高裁前共同宣伝
 十一 15:00KLMオランダ航空 控訴審 東京高裁511号法廷
 十五 15:30明乳 都労委 調査 都庁南塔38階
 十八 12:00明乳第87次座り込み 京橋エドグラン前
 二一 08:30コープみらい本部前宣伝
 二五 18:00東京国際福祉専門学校を守る会「総会」エデュカス東京5階
 二七 13:10フェリシア高校 再雇用拒否事件 東京地裁606号法廷(判決)***
 二九 15:00フェリシア高校 都労委(結審)都庁南塔38階***

四月
 〇三 08:30東京地裁高裁前共同宣伝
 二三 12:00明乳第88次座り込み 京橋エドグラン前
 二五 09:30全労連・東京地評「争議支援総行動」第一次オルグ
    13:15和洋九段定昇未払い 控訴審(判決)東京高裁717号法廷

五月
 〇一 10:00メーデー
 〇九 09:30全労連・東京地評「争議支援総行動」第二次オルグ
 三十 終日 全労連・東京地評「争議支援総行動」


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