東京争議団ニュース第392/2024年2月3日


和解が成立しました!
皆様に感謝し、これからも連帯を続けます!
東京国際福祉専門学校事件

 2019年に組合結成して以降、学園による廃校・解雇と闘ってきましたが、2024年1月25日に、東京地裁で和解が成立しました。
 和解の内容は、@原告と被告の雇用関係が2021年3月に終了していたことの確認、AB解決金に関すること、C組合との団体交渉をせず廃校を決定したこと、学園全体の財務三表を組合に示さなかったこと、組合員に自宅待機命令を出したことに「遺憾の意」を表明すること、D学園は原告らに卒業生交流会や勉強会の開催のため、東京外語専門学校を年3日を限度に貸与すること、E訴訟に至る経緯、内容、和解の成立に至る経緯とABの内容について第三者には一切を明らかにしないが、但しAB以外の和解内容を説明するために必要な限度ではこの限りではないこと、F原告と被告は互いに名誉を棄損しないこと、G原告はその余の請求を放棄すること、H原告と被告の間に和解条項に定めるもの以外に債権債務がないこと、I訴訟費用は各自の負担とすること、となりました。
 地位保全に至らず、職場復帰を勝ち取るまで闘えなかったことは大変無念です。しかし、組合や組合員に対する行為に「遺憾」が表明されたことや、卒業生支援のために、これまで学園とは争議を闘う関係であった組合員の私たちが、学校の施設を使用することが認められたことが、組合を認めさせた成果と考えます。間違いなく、皆様のご支援と運動がなければ、得られなかったものです。
 これから、今回の闘いについての総括や、和解で獲得したものをどのように活かして、卒業生や労働者の権利に寄与できるかが、私たちの課題です。そして、今後もこれまで以上に、労働争議に連帯していきます。
 3月25日(月)18時から、エデュカス東京5階会議室で、東京国際福祉専門学校を守る会総会がありますので、是非ご参集ください。


1.25 和解成立の後に東京地裁裁前で


解雇撤回の県労委命令発出される!謝罪文の掲示も!
帝京長岡高教職組

 帝京長岡高校(新潟県長岡市)が吉田大教諭を不当解雇した事件で、新潟県労働委員会(県労委)は1月26日、学園に対して、吉田氏の解雇撤回などの救済命令を発しました。同日夜、新潟県私立学校教職員組合連合(新潟私教連)と吉田さんは、長岡市で報告集会を開きました。
 命令の内容は@解雇を撤回すること、A解雇日の翌日から復帰するまでの間の賃金相当額を支払うこと、B吉田さん、帝京長岡労組、新潟私教連に対し今後このような行為を繰り返さない趣旨の文書を手交すること、Cその文書を帝京長岡高校の教務室内に10日間掲示すること、とするものです。
 命令は、組合に加入した吉田さんに「嫌悪感を継続していたことが解雇の決定的動機と認められる」とし、組合員であることを理由にした解雇を禁じる労働組合法違反(不当労働行為)にあたると判断しています。


1.26 勝利報告集会での土屋弁護士と吉田さん(右)


竃セ治に「リスク判断」迫る闘いに総力!
明治乳業争議団

 日経平均株価が高値を更新するなか、2016年をピークに業績不振を背景に株価長期低迷が続く明治グループ。この異常企業体質の背景には、1960年から続く解雇、思想差別、女性労働者隔離、不当労働行為など絶えない労働争議の継続があります。
 明治グループは企業行動憲章および行動規範において、人権の尊重を掲げ「尊厳と権利について平等であることを常に認識し、企業活動において公正かつ誠実に実行します」と宣言しています。しかしながら、中労委命令は「会社は信条や組合活動を問うことなく、従業員を公平・公正に取り扱うべき義務を負っていたにもかかわらず、(略)」と指弾し、会社は「非難を免れ得ない」と断罪したのです。
 今年の争議団は、企業行動憲章に反する長期労働争議の存在を、経営陣が「企業活動上の重大リスク」と判断せざるを得ない状況に追い込み、都労委を舞台に全面解決への道筋を切り拓く決意で奮闘します。


1.25   明治HD前 第85次 座り込み集会


再雇用事件結審年度内に地裁判決が言い渡されます
フェリシア(旧鶴川)高校教職員組合

 1月31日、東京地裁において組合員3名の再雇用拒否裁判が結審しました。
 学園は、一日も早く組合員を排除するために「年度末定年」から「誕生日定年」に就業規則を変更しました。
 証人尋問で明らかになったことは、「誕生日定年」で再雇用となった教員には誕生日から年度末の短期の雇用契約を結ぶものの、翌年度の4月からはまた新たに1年契約を締結しているという事実でした。
 さらに、証人尋問後新たに判明したのは、今年度の就業規則から「年度末定年」に変更していたということです。教育現場において「誕生日定年」が不合理であることを学園は自ら証明しています。
 再雇用拒否事由の不当労働行為性とともに、この実態を最終準備書面で主張しました。結審後、公正判決を求めて第一次分の署名を提出しました。


23/12/16 支援共闘会議総会


中立な立場なのか疑問、会社側研究者の意見書
オランダ航空雇止め解雇事件

 12月18日控訴審の第2回口頭弁論で、会社側が研究者の意見書を2通出すと主張し、その1通目が12月28日に出されました。
 道垣内正人氏(早稲田大学法科大学院教授・東大名誉教授・弁護士)の鑑定意見書で、「日本人客室乗務員の雇用契約の最密接関係地は日本である」「仮にオランダ法が適用になる場合は、消滅時効等の関連するオランダ法の規定も一体として適用される」との内容が記されていました。
 その内容を見ると、日本でのスタンバイ(前日に連絡がなければ休日になる)を業務として位置付けるなど、会社の主張を前提に見解を述べており、公正中立な立場なのか疑問を感じさせます。
 道垣内氏の主な経歴には、国際私法学会理事長などと記されていますが、裁判所はその権威に惑わされず、書いてある中身をきちんと吟味すべきです。
 新たに提起された「労働契約の消滅時効と出訴制限」については、関連法を一体として適用すると通則法には書いてありません。
 組合側は2月中旬の反論書面の提出に向け、研究者を含めて検討を重ねています。
 次回3月11日の口頭弁論後には進行協議も予定されています。裁判官にアピールする傍聴支援をお願いします。


1/10 高裁前宣伝


紛争解決に背を向ける代理人の不誠実団交
コープみらい及川労災事件

 国へ労災を求めた行政訴訟は2月16日、東京高裁824号法廷にて開廷します。
コープみらいに過重労働・転倒事故の責任を求めた損害賠償訴訟は東京高裁の不当判決に対し12月13日最高裁に上告及び上告受理申立しました。
 及川さんの所属する食品一般ユニオンは、紛争の話し合い解決を目指し12月14日、第2回団体交渉を行いましたが、コープみらいは答弁の一切を含めた進行の全権を代理人弁護士に委ねる当事者責任を回避する姿勢に終始しました。しかも代理人は「裁判の結果がベースで、これ以上も以下もない」「私はこれで飯を食っている」などと発言し、合意に向けて真摯に交渉する団体交渉本来の姿からかけ離れた異常な対応でした。
 この不誠実な対応に、12月24日コープみらい代表熊ア伸理事長宛に「第3回団体交渉」を申し入れました。


職業がん問題への思い、会社には団交申し入れ
古川さん職業性ぼうこうがん労災事件

 EU労組の調査では、がん発症の5%が業務起因性だとしています。日本で毎年約100万人ががんを発症、約5万人の方は職業がんと知らず、労災申請もしていない現状があります。
 現状は、@職業がんが社会に認知されていない、A職業がんの労災認定における厳密な証拠主義の壁が高い、B近年発がん性物質の指定外の化学物質による職業がんが多発しているという問題があります。
 真面目に働いてがんになり、高い認定要件により労災の補償もされず、会社からも排除されるようなことはあってはなりません。皆さまの周りでがんを発症し、過去に業務で化学物質に触れていた方がいたら、ぜひ労災申請を勧めてください。
 労災裁判は終わりましたが、「地域労組こうとう」に加入、福助鰍ノ対し、がん発症の責任、療養費支給、不当評価の是正を求めて1月17日団交を申し入れ、23日に応じるとの回答がありました。今後もご支援をよろしくお願い致します。


24春闘、たたかう労働組合の出番!


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼コープみらい及川労災事件
 2月16日(金)13:30 労災認定訴訟控訴審第1回口頭弁論 東京高裁824号法廷
▼明治乳業争議団
 京橋エドグラン前 第86次「座り込み行動 2月20日(火)12時〜13時。
 継続は力 ! 今年こそ! 防寒対策の上、ご支援を!
▼KLMオランダ航空雇止め解雇事件
 3月11日15:00東京高裁511号法廷 控訴審第3回口頭弁論
▼帝京長岡高校教職員組合
 2月15日(木)13:30 東京高裁「判決」808号法廷
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 和解が成立しました!ご支援ありがとうございました。
 今後の組合運動の支援物販つけもの(500円)購入希望の方はご連絡ください。tiwc.union@gmail.com
 3月25日(月)18:00〜:守る会総会(エデュカス東京)
▼フェリシア(旧鶴川高校)教職員組合
 3月に再雇用拒否事件判決言い渡し


====東京争議団予定===

三月
 〇一13:00 三役会議
 〇二13:00 全体会議

四月
 〇五13:00 三役会議
 〇六13:00 全体会議


===行動予定===

二月
 〇四13:00 東京争議団「新春の集い」 ラパスホール
 〇五13:00 明乳都労委 調査 都庁南塔38階 
 〇七08:30 東京地裁高裁前共同宣伝
  十15:00 明乳支援共闘会議「総会」東京地評地下中会議室
  十18:00 明乳支援共闘会議「新春旗開き」ラパスホール
 十五13:30 帝京長岡 不当労働行為 控訴審 判決 東京高裁808号法廷
 十六13:30 コープみらい労災行訴 控訴審 東京高裁824号法廷
 二十12:00 明乳 第86次座り込み 京橋エドグラン前
 二十14:30 和洋九段未払い賃金訴訟 控訴審 東京高裁717号法廷
 二二08:00 コープみらい本部前宣伝

三月
 〇六08:30 東京地裁高裁前共同宣伝
 十一15:00 KLMオランダ航空 控訴審 東京高裁511号法廷
 二五18:00 東京国際福祉専門学校を守る会「総会」エデュカス東京五階会議室
 二七13:10 フェリシア高校再雇用拒否事件 東京地裁「判決」606法廷


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