東京争議団ニュース第391/2024年1月13日
闘いの正当性と要求に揺るぎない確信をもち
勝利に向け争議団共闘を拡大する新年にしよう!
東京争議団共闘会議議長 小関 守
仲間の皆さん、明けましておめでとうございます。
東京争議団に結集し共に闘う争議団の昨年の到達点は、一部勝利和解した事件、勝利への道筋に向け前進した事件、労働委員会や司法で重要な審査・審理の途上にある事件、不当な司法判断により厳しい闘いが強いられる事件があり、様々な到達点に立つ新年です。
どのような到達点にある争議も、自らが掲げた要求と闘いの正当性に揺るぎない確信をもち、闘いの到達点を冷静に分析して今年の目標を明確に定め、求められる運動を早期に組み立てることが重要です。
闘う相手の頑なな門戸は、争議団の共同・共闘で包囲し突破する決意で、今年も力を寄せ合い大いに奮闘しようではありませんか。
第62回総会で発言する小関議長
39年長期争議の解決に「まったなし」の新年です!
明治乳業争議団
明乳争議団の昨年は、会社との都労委残留39事件の審査方法を巡り、激しい攻防が第15回調査(11月6日)まで続き、審査の枠組みが確定しての年明けです。
昨年12月の都労委総会で担当公益委員が交代し、新公益委員(團藤公益委員)による第16回調査が2月5日に設定されました。証人尋問に向け審査計画が確認される調査ですが、申立人らは弁論更新を求め新公益委員に事件の全体像を正確に伝えることを重視し、その上で5証人で「大量観察方式による集団間比較」に耐え得る立証をやり切る決意です。
同時に、昨年も続いた不祥事の絶えない(株)明治と明治HDに対し、「人権守れぬ明治では消費者の安全も守れない」の告発・包囲運動に総力を挙げ、「争議自体が企業活動の重大リスク」の経営判断を迫り、6月株主総会を節目に39年争議に決着を付ける決意で新年を迎えています。今年もよろしくお願い申し上げます。
12/21 明治HD前第84次座り込み 大熊啓さん激励演奏
法廷溢れる!証人尋問傍聴ありがとうございました!
東京国際福祉専門学校事件
12月7日、東京地裁で証人尋問が行われました。組合差別の実態を白日の下にさらすことができたと思います。組合員も、たくさんの傍聴支援を背中に感じ、思い切った相撲をとることができました。
学園からは梶原理事長が証人に立ちました。組合に財務諸表を示さなかった理由を聞かれると、理事長は「学園の財政難が明らかになると、学園の評判に響き、学生募集にも影響がでると考えた」と答えました。そのような理由であることは、当時、組合に対して何の説明もありませんでした。争議になり、組合が宣伝行動を行ったり、裁判所に財務諸表をだすことになる方が、よほど学園の評判に影響するでしょう。そうならないためにも財務諸表を公開し、正常な労使交渉をするべきだと、組合は再三述べてきたにも関わらず、このような答弁をすることは、不当労働行為以外の何物でもありません。
12/16 第62回東京争議団総会で発言する浜田委員長
労災認定控訴審の第一回期日は2月16日、損賠訴訟は最高裁に上告!
コープみらい及川労災事件
国へ労災認定を求めた行政訴訟は、昨年9月のさいたま地裁「請求棄却」の不当判決に対し、東京高裁に控訴しました。弁護団、支援する会、及川さんは、地裁判決を入念に検討し、真実を明らかにする控訴理由書を提出しました。第1回口頭弁論は2月16日13時30分、824号法廷です。多くの皆さまの傍聴支援をお願い致します。
コープみらいに過重労働・転倒事故の責任を求めた損害賠償訴訟は、東京高裁の不当判決に対し、昨年12月に最高裁に上告、現在「理由書」等を準備中です。
及川さんの所属する食品一般ユニオンは、埼玉県労委にコープみらいとの団交を求め「あっせん」を申請、労働委員会の尽力もあり実現した第2回団交が昨年12月に行われました。損害賠償事件の解決を目指しましたが、コープ側の交渉を拒否するような対応で、進展は見られませんでした。ユニオン側が第3回団交を申し入れ、コープ側からの返事を待っています。
12/16 総会で訴える及川さん
最高裁判所まで闘い通したFさん(古川さん)の思い
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件
労災認定裁判は、残念な結果となりましたが、皆さまからの沢山のご支援ご協力を頂き、誠にありがとうございました。
「支援する会」は声明を出し、中国勤務時の発がん物資のばく露、工場の発がん者の実態が明確にできないことや、近年発がん物質として指定されてない化学物質で職業がんが多発する事例もある中で、最高裁が厳密な証拠主義により上告を棄却し、労災と認めなかったことを厳しく批判しています。
世間での注目度の低さや労災申請件数が少ないため、化学物質の職業がん認定基準のみがかなり遅れている印象を持っています。EU調査データによれば、日本では約5万人が、職業がんと知らずに苦しんでいると推定され、今後も掘り起こしや疑われる多くの方の労災申請が必要だと思います。
裁判は終わりましたが、今後は組合を通して、安全管理体制の不備や療養費の問題について会社(福助梶jと交渉していきます。今年もよろしくお願いいたします。
12.16 第62回東京争議団総会で議長を務める古川さん(右)
争議報告集会を開催!80人余が集まり盛況
帝京長岡高教職組
新潟県長岡市で12月16日、帝京長岡高校が吉田大教諭を不当解雇した事件の争議報告集会が開かれ、争議を支援する市民ら80人以上が参加しました。
吉田教諭は、生徒のために教員のスキルを上げたいと組合に入った初心を話し、罪のない生徒を利用し、転校を強いられた生徒も生んだ学園のやり方を批判、「解雇から3年9カ月のたたかいの中で、経済的にも精神的にも不安があったが、組合員や支援者に支えられて頑張ってこられた」と感謝を述べ、勝利判決・勝利命令を報告できるように頑張りたいと決意表明しました。
参加者からは「こんな理不尽が教育現場で行われていることに大きな怒りを感じる。当たり前の教育ができる世の中に変えていこう」など、激励がありました。
2024年は序盤から、新潟県労働委員会の命令、東京高裁の(行訴)判決など、大きく動いてきます。
12/16 争議報告集会で発表する吉田教諭
第3陣解決に続き今年は全体の勝利解決を
オランダ航空雇止め解雇事件
12月1日、第3陣事件(原告3名)が和解解決しました。
第3陣は2ヵ月の訓練期間を含め雇用期間が5年を超えたことから、無期雇用を申し込みましたが、KLMは「訓練は客室乗務員のライセンスの取得目的で雇用ではない」と主張して2019年5月に雇い止めしました。
労働審判、一審勝利後、控訴審の東京高裁での和解協議は、コロナ禍で客室乗務員の日本ベースがなくなったこともあり難航しました。
解決へ向け様々な可能性について1年半に及ぶ協議となりましたが、当事者が納得する解決を実現することができました。
1・2・4陣の控訴審は、12月18日2回目の口頭弁論が開かれ、会社側が組合側付帯控訴への答弁書と一審判決に批判的な論文などを証拠に準備書面を出し、さらに研究者の意見書を2通出すと主張しました。
裁判長は「双方2月中旬までに書面を提出し次回弁論は3月11日。和解の意向など聞くので弁論後に進行協議を行う」としました。
弁論は40名の参加で傍聴席は満席。12・6争議支援総行動はKLM社前に60名の参加がありました。
提訴から5年、今年は勝利解決の実現を目指します。
12/6総行動の社前行動
第28回共闘会議総会で全面解決をめざす決意
フェリシア(旧鶴川)高校教職員組合
昨年12月14日、第28回鶴川闘争支援共闘会議総会を行いました。オンラインでのサテライト会場参加を含め、総勢70名のご参加をいただきました。
総会では中労委での和解成立を受け、昨年4月に組合員が専任教諭として職場復帰を果たしたことへの喜びの声に溢れました。その一方で、4名の組合員の再雇用拒否について、学園と和解合意に至らなかったことを総括しつつも、全面解決まであと一歩であると確認されました。全国私教連葛卷書記長をはじめ私教連・町田地区労からは、解決をめざし運動を強める決意が述べられました。今年3月までには地裁判決、夏頃には都労委命令が交付される見通しです。公正判決・命令を勝ち取るため、署名の取り組みが開始されました。全国各地へ署名を広げ、勝利判決を梃子に職場復帰を実現するため、全力で取り組みます。
12/14 共闘会議総会
東京争議団第62回総会
12月16日、東京争議団共闘会議第62回総会をエデュカス東京で開催しました。
オンライン併用なしの総会には37名の参加があり、継続雇用裁判をたたかうフェリシア(旧鶴川)高校教職員組合村田さん、職業性膀胱がん労災事件古川さんが議長団に選出されました。
小関議長の開会あいさつに続き、東京地評井澤事務局長、自由法曹団東京支部西田幹事長、国民救援会東京都本部金高会長、都労委北労働者委員の来賓あいさつを頂きました。全労連小畑議長、中労委北口労働者委員よりメッセージが寄せられました。
23年に全面解決した争議はありませんでしたが、フェリシア高校教職員組合は、昨年末に雇止めされた常勤講師を専任教諭として復帰させる画期的な和解協定の締結を実現しました。また、KLMオランダ航空第3陣は当事者が納得する和解を実現し、それぞれ報告がありました。
たたかう仲間からの訴えでは、昨年の総会に参加したキャバ&アルバイトユニオンOWLsが訴えを予定していましたが、直前のインフルエンザで欠席となりました。
23年は、新加盟、卒業争議はなく、サポーターを含めて11名より発言がありました。加盟各争議からは、状況報告と今後のたたかいへの決意、サポーターからはかかわっている事件に関する報告と支援の訴えがありました。
23年の活動報告、24年活動方針、会計決算・予算を決定、新役員を選出(全員留任)し、新たな1年がスタートしました。
東京争議団を支える皆さまの期待に応えられるよう頑張っていきます。
自由法曹団東京支部西田幹事長 東京地評 井澤事務局長
都労委 北労働者委員 国民救援会東京都本部金高会長
ご出席頂いた来賓の皆さん、激励のご挨拶ありがとうございました。
東京争議団サポーター広場
支援者の立場から
神奈川私教連 比留間健一
教員の争議は、生徒や保護者を味方にしなければならない、という側面があります。そのためしばしば「こんなに素晴らしい実践をしている先生が解雇されるのはおかしい」という宣伝をしてきました。けれども、こういう戦法が当事者を追い詰めてしまうことがある、と思うようになりました。ふつうの先生は解雇されてもよいのでしょうか。
当事者の教壇復帰はかなわなかったけれど、後に続く者の役に立ったという経験もしました。具体的には、不当解雇の抑止効果や今後の裁判闘争に使える判例が得られました。泣き寝入りする人ばかりではこうはいきません。だからこそ、立ち上がった人に敬意を表し、応援したいと思っています。
二月四日(日)
東京争議団共闘会議
「新春のつどい」
場所:ラパスホール
時間:午後一時〜
ご参加をお願いします
各争議組合、争議団の要請・近況報告
▼鶴川高校教職員組合
1月31日 13:30フェリシア 地裁「結審」606号法廷支援傍聴をよろしくお願いします。
▼明治乳業争議団
京橋エドグラン前 第85次「座り込み行動=1月25日(木)12時〜13時。
継続は力!今年こそ!十分な防寒対策の上、ご支援を!
次回都労委
2月5日13:00 明乳都労委調査 都庁南塔38F
2月11日15:00 明乳支援共闘会議総会 東京労働会館地下中会議室
18:00明乳支援共闘「新春旗開き」ラパスホール
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
争議支援物販つけもの(500円)購入希望の方はご連絡ください。tiwc.union@gmail.com
新しい裁判所宛署名にご協力ください
▼帝京長岡高等学校職員労働組合
2月15日13:30 不当労働行為事件控訴審「判決」東京高裁808号法廷
▼コープみらい及川労災事件
労災認定訴訟控訴審第1回口頭弁論
2月16日 13:30 東京高裁824号法廷
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
控訴審第3回口頭弁論
3月11日 15:00 東京高裁511号法廷
====東京争議団予定===
二月
〇二13:00三役会議
〇三13:00発送作業・全体会議
三月
〇一13:00三役会議
〇二13:00発送作業・全体会議
===行動予定===
一月
二五12:00明乳第85次座り込み 京橋エドグラン前
三一13:30フェリシア高校学園裁判(結審)東京地裁606号法廷
二月
四13:00東京争議団「新春のつどい」 ラパスホール
五13:30明乳 都労委 第16回調査 都庁南塔38階
七08:30東京争議団共同宣伝 東京地裁前
十15:00明乳支援共闘会議総会 東京労働会館 地下中会議室
十18:00明乳支援共闘「新春旗開き」ラパスホール
十五13:30帝京長岡高校 不当労働行為裁判 控訴審 (判決)東京高裁808号法廷
十六13:30コープみらい 労災行政訴訟控訴審 東京高裁824号法廷
二十12:00明乳第86次座り込み 京橋エドグラン前
三月
六08:30東京争議団共同宣伝 東京地裁前
十一15:00KLMオランダ航空 裁判控訴審 東京高裁511号法廷