東京争議団ニュース第377/2022年11月12日


争議の全面解決に向け、協議は大詰めに!
鶴川高校教職員組合

 1993年の組合結成以降、組合差別・排除の攻撃を続けてきた学園に対し、鶴川高校教職員組合は、2018年以降、存続をかけたフルスペック6本の法廷闘争をたたかってきましたが、常勤講師解雇事件の勝利確定、昨年8月の理事長交代を機に解決に向け大きく動き始めました。
 常勤講師の解雇や授業外しの不当労働行為事件の中労委調査の場で、和解協議を実施、並行して団交も実施する中で解決が見えてきました。
 10月26日、中労委で行われた和解協議では、それまでの団交での回答から一歩踏み出す回答を行い、百瀬義貴新理事長の争議を解決したいとの思いが示されました。合意までもう一息です。
 中労委は、「団交で労使双方がさらに内容を詰め、次回11月28日の調査時には和解協定を締結できるようにしてほしい」と指示しました。


一審不当判決覆す労災認定の実現へ。東京高裁に控訴!
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件

 10月14日、東京地裁は、Fさんの職業性ぼうこう癌を労災と認めない不当判決を出しました。
 判決は、病気となった因果関係は当事者が立証すべきとし、「特定の発がん物質が使われていた証拠はなく、それ以外の発がん性物質(芳香族アミン一般)についてはまだ研究途上で科学的知見として確立していない」「当時中国の工場でぼうこう癌患者が発生していたことは検証困難な伝聞であるため信用性が不十分」として労災を認めませんでした。
 中国での労働環境を個人で調べることには限界があります。そうした中で被害に遭った労働者を救済する視点に欠ける不当な判断です。
 Fさんは引き続きたたかうことを決意し、10月27日に東京高裁に控訴。並行して、安全配慮義務違反などを理由に会社に対し損害賠償を請求、会社は代理人を立て、代理人交渉が行われることになりました。引き続き、皆さまのご支援をお願いします。


10.14 不当判決後の報告集会


訴訟指揮軽視の国側対応で弁論期日が3カ月遅れに!
コープみらい及川労災事件

 労災認定を求める行政訴訟の第11回口頭弁論が10月26日に行われました。
 6月に国側吉本医師の意見書を基に「脳脊髄液減少症」を否定したことに対し、原告側は前回9月の弁論で及川さんを治療した高橋医師の意見書を基に反論しました。これに対し今回反論する番の国側は、「医師の意見書は出たが反論書面は2カ月待ってほしい」といい、次回口頭弁論は1月25日と3カ月遅れとなりました。吉本医師の傷病を否定する意見書で、多くの疾病患者が泣き寝入りさせられており、この現状を変えていくことが求められます。
 コープみらいに対する損賠訴訟は、証人調べが終わり11月25日に結審します。及川さんを支援する会では、司法判断を待たずに早期解決するため、コープみらいに対し話し合いに応じるよう署名活動に取り組んでいます。引き続き皆さまのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。


不当解雇事件はいよいよ本裁判。新たな署名にご協力を!
帝京長岡高教職組

 10月17日、東京地裁で不当労働行為事件の行政訴訟があり、結審となる見通しでしたが、学園側が突然8年以上前の連絡ノートを証拠として出してきたため結審せず、12月8日に次回期日が設定されました。引き続き傍聴支援をお願い致します。
 10月20日には、解雇事件本裁判の第3回口頭弁論が新潟地裁で行われ、今後の進行についての話がされました。次回は12月12日です。裁判後の報告集会では、弁護士が当日の裁判の説明や訴訟の展望について説明、集まった多くの支援者の中には、吉田先生が担任をしたクラスの生徒の親もおり、今後に向けて力強い集会となりました。
 ここで、皆様にお願いがあります。いよいよ始まった本裁判に向けて新たに署名(個人・団体)をスタートしました。これまでの署名数の4倍を目指しています。皆様方のお力をお貸しください。


10.17 裁判報告する土屋弁護士


反共労務屋組織と明治の癒着は鮮明です!
明治乳業争議団

 多くの大企業が労組対策で反共労務屋組織を利用していた事実は明白です。
 明治は極東情報研究所、日本政治経済研究所、近代労働研究会等との癒着です。例えば、近代労働研究会の月刊誌「近代労働」(昭和43年12月号)に、「明治乳業市川民主化の記録」があります。
 内容は、申立人ら集団の組合活動を「共産党・民青の過激な職場闘争」と描き、それに対し下級職制が自主的に「インフォーマル組織」を結成し、労組の民主化を実現したとの内容です。
 会社が昇格や仕事差別で脅し、申立人ら集団「赤組」か、インフォーマル組織「白組」を踏み絵に転向を迫り、労働組合を右傾化した事実を隠ぺいし、「労労対立であり会社は一切関与しない」等と主張しています。しかし、反共労務屋組織「極東情報研究所」等を工場に招き、インフォーマル育成・強化の研修を密かに行うなどの癒着は証拠上も鮮明です。


10.24 座り込み・大熊啓さんの歌とトーク


会社証人は事実に反する内容を発言
オランダ航空雇止め解雇事件

 原告29名の1・2・4陣訴訟の2回の証人尋問の調書が示され、12月15日の結審に向けて最終準備書面作りを進めています。
 会社側証人の川瀬人事本部長は、原告所属のジャパンキャビンクルーユニオン(JCU)と団交をしたことがないにも拘わらず「団交をした」と発言。KLMオランダ航空では日本人客室乗務員をオランダ本国で管理し、就業規則や36協定もありませんが、川瀬氏が人事担当をしていた他の外国航空会社の日本支社の客室乗務員も、勤務に関しては同じような状況だと発言しました。
 しかし川瀬氏が所属していた会社は、JCUと同じく航空労組連絡会に加盟する労組があり、日本支社と客室乗務員の勤務に関する協定、36協定も結んでいます。当然、就業規則もあり、日本支社が日本の法律に基いてきちんと管理し、KLMとは全く違っています。
 こうした内容を指摘し、通則法に基づくオランダ国内法の適用による無期転換実現を主張していきます。


10/7司法総行動で訴えるJCU木谷委員長


和解協議始まる!さらなるご支援を!
東京国際福祉専門学校事件

 9月29日、第9回口頭弁論の直後、倉重裁判官より和解の提案がされました。提案を受けて、和解の準備を進めています。初回の和解協議は11月28日(月)10時からです。東京地裁13階民事第11部へ応援をお願いします。こちらの弁護士によると、和解協議の場では、双方の考えを率直に出し合うことができるそうです。長年続く学園の、組合活動に対する誤った信念を変化させたいものです。
 私たちは理不尽な廃校と解雇を受けた3年前から、学校の公共性と雇用の責任を追及し、運動を続けてきました。この方針に確信をもって今後も運動を盛り上げ、和解協議と並行して学園との団交を重ね、放漫・私物化経営と不当労働行為を追求し続け、また、必ず雇用も勝ち取ります。
 東京外語専門学校には、多くの留学生が学びに来ています。留学生や外国人労働者の人権について注目が集まる中、私たちの組合活動が、職員と学生の人権が守られる学校づくりに結実するよう、闘いを続けます。


9/29第9回口頭弁論を闘う地裁前


強引な決定・結論ありきではじまった定昇停止
和洋九段女子中高教職組

 学園理事会は2016年度から定期昇給(定昇)をストップ。団体交渉では、定昇を止める具体的な根拠や、その裏付けとなる資料を提出しない等の不誠実な対応を続け、最後には「一事不再理(一度手続き経て決定したら、同じ内容で2度目の追及はできない)」を理由に定昇実施の組合要求を拒みました。
 これに対し組合は、18年6月、東京私教連、東京中央法律事務所の力をかりて、都労委に不当労働行為救済申立を行い、19年には東京地裁に定昇分の未払い賃金請求訴訟を起こしました。
 不当労働行為事件は、21年7月「申立棄却」の不当決定が出され、中労委に再審査を申し立てました。現在、中労委、東京地裁で係争中です。皆さまのご支援をお願いします。


編集部より
「22年司法総行動」国民に開かれた司法に

 10月7日、東京争議団も実行委員会に加わる「司法総行動」が行われました。今年で、23回目となります。
 当日は一日行動で、東京地裁前の宣伝、意思統一集会、最高裁前宣伝、裁判所・労働委員会・各省庁要請と、国民に開かれた民主的な司法を求める取り組みを行いました。
 東京地裁前の早朝宣伝では、冬の寒さと強風、雨の中、KLMオランダ航空と東京国際福祉専門学校教職員組合(写真)から、係争中の事件に関する訴えを行い、14時からは地裁宛ての要請行動(要請書の提出と訴え)を行いました。 編集部記


東京争議団サポーターの広場
「4つの大事なこと」
サポーター 衣川 清子

 先日、日立武蔵の争議をたたかった田中秀幸さんのお話を聴きました。「残業を1回拒否しただけで解雇され、その有効性を争った裁判では仮処分と地裁で勝ったものの高裁で負け、最高裁でも棄却されたが、その後の大運動で勝利的な解決をかちとった」という伝説的な存在の方です。巨大な相手を屈服させた解決には4つの大事なことがあったと話してくださいました。
@国際的な運動にしたこと、特に国連人権委員会への申立
A大学門前の学生向けの宣伝
B株主総会への参加・質問
Cホームページでの宣伝
 運動が広がるにつれ、日立が抱える多くの労務上の問題点も知られるようになり、国内外からの批判にもさらされ、就職希望者が目に見えて減り始めた(ビラを受け取った就職内定者の辞退が続出したとか)ことが決め手になったそうです。争議をかかえていては、大企業としてのサステナビリティが危ういです。
 そうですよね、(株)明治さん?



12・18(日)
東京争議団共闘会議「第六十一回総会」
with ミニコンサート
場所:ラパスホール
時間:午後13時〜

ご参加をお願いします


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼明治乳業争議団
 11月21日(月)12時〜13時 京橋エドグラン前
 第71次「座り込み行動」 継続行動です。寒くなりましたが防寒対策の上、参加・ご支援をお願いします。
▼コープみらい及川労災事件
 11月25日(金)10:30(損賠訴訟)さいたま地裁101号法廷
 1月25日(水)11:00(行政訴訟)さいたま地裁105号法廷
 コープみらいに対する署名活動に取り組んでいます。
▼鶴川高校教職員組合
 11月28日(月)17時〜 中労委調査、和解協議です。
▼和洋九段教職員組合
 12月9日(金)15:30未払賃金裁判(和解協議)地裁民事19部
 12月14日(水) 16:00 不当労働行為事件 中労委 
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 12月15日10:00 1・2・4陣訴訟 地裁709法廷 「結審」
▼帝京長岡教職員組合
 12月12日吉田解雇事件本裁判の第3回口頭弁論が新潟地裁
 いよいよ始まった本裁判に向けて新たに署名(個人・団体)をスタート!これまでの署名数の4倍を目指しています。
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 毎月第2・第4火曜日の東京外語専門学校前宣伝行動は和解協議により、現在休止。
 守る会の活動資金を、会員継続で支えてください。
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====東京争議団予定===

十二月
 〇二13:00 三役会議
 〇三13:00 全体会議
 十八13:00 東京争議団 第61回総会

一月
 〇六13:00 三役会議
 〇七13:00 全体会議


===行動予定===
***変更追加***

十一月
 十四15:00 明乳都労委(調査)都庁南塔38階
 十七09:30 全労連「争議支援総行動」第二次オルグ
 二一12:00 明乳第71次座り込み 京橋エドグラン前
 二五10:30 コープみらい 及川労災裁判(損害賠償)結審 さいたま地裁101号法廷
 二八10:00 東京国際福祉 東京地裁民事11部 和解進行協議
 二八17:00 鶴川 中労委(調査)

十二月
 〇一終日 全労連「争議支援総行動」
 〇七08:30 東京地裁高裁前宣伝
 〇八11:30 帝京長岡 当労働行為行政訴訟 東京地裁527号法廷***
 〇九15:30 和洋九段未払い賃金裁判 東京地裁民事19部 和解進行協議
 十三18:30 鶴川支援共闘会議「総会」エデュカス東京7階***
 十四16:00 和洋九段 中労委 不当労働行為
 十五10:00 KLMオランダ航空 結審 東京地裁709号法廷
 十八13:00 東京争議団「第61回総会」ラパスホール
 十九12:00 明乳第72次座り込み 京橋エドグラン前

一月
 二五10:30 コープみらい 及川労災裁判(行政訴訟)さいたま地裁105号法廷


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