東京争議団ニュース第373/2022年7月2日


高裁勝利判決?上告断念・職場復帰を求めます!
鶴川高校教職員組合

 6月8日東京高裁は、原告への雇止め(27年雇用の常勤講師)を無効とし、専任教諭と同等の賃金と慰謝料55万円の支払いを命じる全面勝利判決を下しました。
 判決は専任教諭と同等の労働契約にあたると認め、裁判後の無期転換権行使を有効としました。加えて、「常勤講師の処遇改善及び専任教諭化という組合の運動の中心課題を解決し、実現するために欠くことができない存在であった事が認められる」としています。昨年12月には東京都労働委員会からも、職場復帰の命令が発せられています。
 昨年8月に就任した百瀬義貴新理事長は、上告するか否か明らかにしていません。
 6月11日の報告集会には東京争議団をはじめ、広島・香川・大阪・新潟・青森・宮城・栃木・埼玉・千葉・神奈川から100名を超える仲間が集い、勝利を喜び合いました。全面解決を果たすためより一層力を尽くします。


6.8 全面勝訴判決の高裁前で


第三陣控訴審、会社は白旗をあげる!
オランダ航空雇止め解雇事件

 訓練期間を含めて雇用期間が5年を超えたにも拘わらず雇い止めされ、一審で完全勝利した第3陣訴訟(原告3名)の控訴審第1回口頭弁論が6月7日に行われました。
 会社の控訴理由は、一審と変わらず1回での結審を求めて裁判に臨むと、裁判長は「双方提出した書面陳述後、結審する」とあっという間に結審。判決は8月4日言渡しとし、続いてすぐに和解協議を行うことを告げました。
 支援傍聴者もあっけにとられる急展開は、和解協議の場で明らかになりました。会社側は事前に「無期雇用を認める」と裁判所に連絡し、すでに白旗をあげていました。
 ただ、コロナ感染拡大による日本人旅客減少、さらにウクライナ戦争でロシア上空が飛べなくなり、日本直行便が韓国経由便となっているため、客室乗務員として日本では働けないことを前提に解決策を提起、その議論をするための和解協議でした。
 無期雇用は確保、引き続き客室乗務員として働く道を切り開くため、判決日まで粘り強く交渉していきます。


6.1 地裁高裁前宣伝で訴える


争議団に次々届く経営刷新を求める内部告発!
明治乳業争議団

 明治HDの2022年3月期連結業績は、売上高1兆130億(△15%)等と深刻で、株価も最高時から4割強も下落する異常事態です。
 株主総会(6月29日)を前に、今年も経営姿勢を糾弾する内部告発が争議団に届きました。「明治の本社の幹部社員として働くものですが」、「明治HDの川村社長の独善的で専横的なやり方にグループ全体がおかしくなっている」等とし「責任をとって退陣すべき」と告発。別の告発では川村経営体制を、「業績の格好をつける為にリストラ、売却、コストカットと値上げのみで対処」と糾弾し、「貴兄達の問題を解決するためにも、「中山 ・川村体制」を一日も早く終わらせることが肝要」と指摘する等、経営刷新を求める内部告発です。
 争議団員の株主は明治HDを訪問(6月21日)し、内部告発を踏まえた「株主総会事前質問書」を提出し説明。同時に、総会の議場発言でも異常企業体質の追及と早期争議解決を求め奮闘します。


6.21 第66次明治HD前座り込み


発がん原因となった業務実態を詳細に陳述!
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件

 6月10日、裁判の山場となる原告Fさんの証人尋問が行われました。
 Fさんは、国外勤務経験と中国語力を評価され、アパレルメーカーに採用され、中国工場の生産・品質管理業務を任されました。吸水速乾商品の開発時や、出荷した製品の異臭クレーム対応で「匂いをかぐ」異臭確認を行っていたこと、生地の取引先の染工場は低コストで生産するため、劣悪な環境で仕事をしていた実態を証言しました。
 膀胱がんの原因化学物質は、当時中国では使用禁止となっていましたが、染工場で膀胱がんを発症した人が3人おり、この染工場が有害物質による労働災害を引き起こしたと言える状況を明らかにしました。
Fさんは、これまで4回膀胱がんを発症し、将来不安が高まる中で闘かっています。 
 裁判は8月5日に結審しますが、裁判所は発症経緯を踏まえ、労災として認めるべきです。


8月4日、第8回口頭弁論。傍聴支援をお願いします
東京国際福祉専門学校事件

 6月3日(金)不当な廃校と解雇に抗議する「光と怒りのパレード」は大成功!新宿の街が席巻されました。大勢の人が注目する中、車道を、交差点を、隊列を組んで進む爽快さを参加者の皆が味わいました。
 8月4日(木)11時から806号法廷で第8回口頭弁論です。コロナの傍聴支援の人数制約が解かれました。法廷を満席にするには、50人以上の傍聴が必要です!
 運動により得られた学校の財務諸表から@ゴルフ会員権の「デリバティブ運用損」が約3千万円、A現理事武田千恵子氏も関連しているタイ国の企業への5億円弱の「貸付金」が回収不能となっている、B廃校の協議の時期に「役員報酬」は減額ではなくむしろ増額されている。更に、2019年の緊急融資3億円は使途が不明瞭である等がわかりました。放漫経営の責任が厳しく問われるべきです。


6/3「光と怒りのパレード」新宿西口広場を進む支援者


抗告審は勝利し本裁判スタート
行訴は7月7日証人尋問!
帝京長岡高教職組

 学園側が不当労働行為救済中労委命令の取り消しを求める行政訴訟の証人尋問が7月7日の11時から行われます(東京地裁527号法廷)。傍聴支援をお願い致します。
 解雇無効の仮処分決定取り消しに対する抗告審(東京高裁)は、6月27日、解雇無効の逆転勝利の決定が出ました。
 解雇撤回を求める本裁判(新潟地裁)は、6月2日に開始、次回9月1日の口頭弁論に向け、双方から準備書面を提出します。また、解雇が不当労働行為だとして無効を求めている新潟県労働委員会の調査は、1か月に1回のペースで進んでいます。
 学園からパワハラを受け不登校・転学に追い込まれた元生徒の損害賠償裁判控訴審が6月13日、東京高裁でありました。20名程の傍聴支援があり、本人、母親、支援参加の吉田先生も勇気づけられました。9月7日に判決が出ます。


損賠訴訟で原告側2名の証人採用を実現
coopみらい及川労災事件

 労災認定を求める行政訴訟は、6月8日第9回弁論が行われ、国側より大量の医師の意見書が出されました。「真の脊髄液漏出とは判断できない」などと、原告が4年半全身症状で苦しみ、検査、治療、完治にたどり着いた実態を無視した、机上の空論と言える内容です。次回第10回口頭弁論は9月7日です。
 損害賠償訴訟は、6月17日第12回弁論が行われました。コープみらいが「1棟418戸の担当で荷重労働はない」と主張したことに対し、マンションの見取り図を示して4棟1045戸を担当し、広い中庭の台車移動だけで150m、片道5分以上も台車を押していた実態を陳述しました。次回に行われる証人尋問は、原告に加え、一緒に働いていた同僚の証人も認めさせました。多数の支援傍聴の力が示されたものです。


6/17支援者と及川さん弁護団


編集部より
解雇の金銭解決に要注意

 4月12日、解雇の金銭解決制度を議論していた厚労省の検討会が、報告書をまとめました。今後は、労使代表などで構成する労働政策審議会で、制度の導入可否を含めて議論が行われます。
 報告書内容では、裁判・労働審判で解雇無効となった場合、金銭解決の「申立をできるのは労働者に限定」として、会社側の濫用(お金を支払って労働者を排除)防止は考慮されているようです。
 しかし、現在でも解雇無効となった時、労働者が職場復帰せずに金銭解決する事例は数多くあり、あえて制度化する必要はありません。この制度は労働側ではなく、経営側が要求していることを考えれば、解雇無効〜金銭解決を制度化することで、解雇しやすい社会、会社の意に沿わない労働者を排除できるようにしていくことが、経営側の狙いだと言えます。
 解雇の金銭解決制度は、最終的には法律として国会で審議されます。現在参院選が行われていますが、立法化を防ぐには、労働者の雇用・権利を守ってくれる政党を伸ばしていくことが大切です。(厚労省の報告書を受けて日本労働弁護団は4月21日に導入反対の声明を出しました。)



東京争議団サポーターの広場
皆で応援しましょう
サポーター世話人 藤田淑子

 6月の上旬は裁判が続いていて、忙しい日程でした。
 6月9日には東京国際福祉解雇裁判の口頭弁論があり、傍聴席を満席にしました。その翌日10日には、職業病、労災認定を求めて闘うFさんの原告証人尋問があります。みんなでこの裁判にも行こうと、声を掛け合いました。連日の裁判所行きになりましたが、殆どの人が参加したのです。もちろん、傍聴席は満席でした。開始後も参加する人が入ってきて、裁判長自ら「もう一杯ですので入れません。立見もできません」と声掛けする程でした。裁判ではFさんも落ち着いて陳述し、色々なことが判明してきました。
 これからも争議団の団結の力で、各争議を応援していきましょう。


東京争議団サマーレク
九月十一日(日)〜十二日(月)日帰りも可
皆さんのご参加をお待ちしています


東京争議団
夏季物品販売へのご協力をお願い致します


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼帝京長岡高等学校職員労働組合
 7月7日(木)11時 527号法廷 行政訴訟(学園による中労委命取消し請求訴訟)山場の証人尋問!
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 7月7日(木)11:00〜1・2・4第陣第18回口頭弁論 709号
 8月4日(木)13:15 第3陣控訴審「判決」511号法廷「和解協議継続のため延期」
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 8月4日(木)11:00〜東京地裁806号法廷 第8回口頭弁論  裁判傍聴にご参加ください。
 毎月第2第4火曜日12時30分から東京外語専門学校前街宣、お力添えください。
 守る会の活動資金を、会員継続で支えてください。
▼Fさん職業性膀胱がん労災事件
 8月5日(金)11:30 東京地裁527号法廷
 公正判決を求める「団体署名」を開始予定
▼コープみらい及川労災事件
 9月7日(水)16時(行政訴訟)さいたま地裁105法廷
 9月16日(金)13時30分(損賠訴訟)101号法廷 原告及川と増田証人尋問、傍聴者支援お願いします。
▼明治乳業争議団
 7月19日(火)16時〜17時 京橋エドグラン前 第67次「座り込み行動」
 継続行動ですがサマータイムに変更。ご参加ご支援を!
▼鶴川高校教職員組合
 7月13日(水)13:00 継続雇用裁判 地裁606号法廷
 8月24日(水)13:10 常勤賃金裁判 地裁606号法廷 
 8月24日(水)15:30 パワハラ裁判 地裁立川支部
 8月26日(金)16:00 都労委(団交拒否)南38F
 8月29日(月)16:00 中労委


====東京争議団予定===

八月
 〇五13:00 三役会議
 〇六13:00 全体会議
九月
 〇一13:00 三役会議
 〇三13:00 全体会議


===行動予定===

七月
 〇六08:30 東京地裁高裁前宣伝
 〇七11:00 KLMオランダ航空裁判 東京地裁709号法廷
   11:00 帝京長岡不当労働行為 行政訴訟(尋問)東京地裁527号法廷
 十二12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 十三13:00 鶴川継続雇用裁判 東京地裁606号法廷
 一九16:00 明乳第67次座り込み 京橋エドグラン前
 二六12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
八月
 〇三09:30 東京地評「争議支援総行動」第一次オルグ
 〇四08:30 東京地裁高裁前宣伝
   11:00 東京国際福祉解雇裁判 東京地裁806号法廷
 〇五11:30 Fさん労災裁判(結審)東京地裁527号法廷
 十八11:00 和洋九段賃金裁判 東京地裁527号法廷
 二三16:00 明乳第68次座り込み 京橋エドグラン前
 二四09:30 東京地評「争議支援総行動」第二次オルグ
   13:10 鶴川常勤賃金裁判 東京地裁606号法廷
   15:30 鶴川パワハラ裁判 東京地裁立川支部
 二六16:00鶴川都労委団交拒否(調査)都庁南塔38階
 二九10:00 KLMオランダ航空「原告証人尋問」東京地裁709号法廷
   16:00 鶴川中労委
 三〇13:30 和洋九段中労委


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