東京争議団ニュース第369/2022年3月5日


全国の仲間に力を与える勝利和解!
第一交通労働組合

 2月10日、中央労働委員会で第一交通産業と、子会社である鯱第一交通、千成第一交通の不当労働行為事件についての和解が成立しました。
 事件は、第一交通産業の子会社に「労働基準法を守れ」と第一交通労働組合を結成したことから次々と不当労働行為が行われ、労働委員会とともに裁判を闘ってきました。
 ところが、愛知県労働委員会が労働組合の申立てを不当に棄却し、その影響で名古屋地裁でも敗訴が続き厳しい局面に追い込まれました。
 しかし昨年、名古屋高裁で書記長の退職を不当労働行為と認める逆転勝訴判決を勝ち取り、続く最高裁でも勝利して、それを契機に割増賃金訴訟でも全面的に勝利しました。
 これを受け、事件の一括解決を目指す協議が行われ、組合の要求に沿った勝利和解が成立しました。このことは、物心両面で支えて頂いた多くの皆様のおかげであり、全国の第一交通労働者の仲間に大きな力を与えてくれます。
 第一交通産業傘下の子会社では、今も労働法違反が横行しています。今後組合としては、この勝利解決を踏まえ、法違反が是正される職場を目指して闘い続ける所存です。


2.10 中労委での参加者


「生産阻害者」として申立人ら集団を差別・排除!
明治乳業争議団

 昭和41年の春闘妥結にあたって明乳労組中央本部は、会社の主張を代弁し「生産阻害者とは、共産党員、民青加入者等で、平常の円満な労使関係の樹立を妨げる者を言う」との差別的声明を出しました。
 これに呼応して会社は、申立人ら集団が組合活動を行う全国の主要工場に、職制総動員で「インフォーマル組織」を結成し、申立人ら集団を「生産阻害者・職場秩序破壊者・赤虫」と誹謗・中傷の対象にしました。そして会社は、昇給昇格制度に「生産阻害者はその限りでない」との例外を設け、申立人ら集団を昇格制度から除外したのです。
 その上で、個々の労働者を昇給昇格や仕事差別で脅し、「君は赤組(申立人ら集団)か、白組(インフォーマル組織)か」の踏み絵を迫ったのです。
 明乳争議団は、これら長年の不法行為を断罪する集大成として、都労委残留39事件の闘いに総力を結集しています。 


都労委で報告する松本議長


学園が拒んできた財務三表が提出されました!
東京国際福祉専門学校事件

 第5回口頭弁論が2月9日にあり、学園から過去5年間の財務三表(貸借対照表、資金収支計算書、事業活動収支計算表)が証拠提出されました。
 2019年の学園の廃校宣言以来、組合は財務三表の提出を常に求め、学園は拒否し続けました。財務三表すら出さず、説明責任を果たさぬままの廃校・解雇は許されず、それを阻止することができました。皆様のご支援を受けながら、組織的に粘り強く働きかけてきた成果です。
 しかし、学園側の組合軽視は大きな問題です。今後は財務分析を行い、廃校・解雇の合理性を問うと同時に、組合員に対するハラスメントも含めての不当労働行為を問うていきます。存続する東京外語専門学校に復帰し、学園を民主化する闘いはこれからも続きます。
 2月22日の「守る会」の総会には、多くの方にご参加頂き、連帯を確認しました。これからも、学校前宣伝、署名、デモ行進、卒業生支援等の取り組みを続けて行きます。ご支援をお願い致します。


2.22 「守る会」第3回総会


1・2・4陣訴訟は大いに有望な展開に!
オランダ航空雇止め解雇事件

 2月10日、東京地裁で1・2・4陣訴訟(原告29名)の15回口頭弁論が行われました。
 弁論の軸はオランダ国内法適用問題(3年働くと無期雇用実現)で、組合側は書面で主張の総まとめを行いました。
 論点は2つで、@オランダ国内法適用条件の労務提供地をオランダとする根拠、Aオランダ国内法適用があるとして、別途3年以上の有期雇用を可能とする労使協定がある場合のその有効性です。会社側の有効主張に対し、オランダ人弁護士の意見書を基に協定の無効性を反論しました。
 裁判後の進行協議で、会社側は「労使協定の問題には反論せず、オランダ国内法の適用問題で争う」としました。ここは、組合側が会社主張への反論にほぼ成功しており、勝負の行方は大いに有望です。
 裁判所は本年度内判決を意識した訴訟進行を提起、組合側はそれに応え、4名の証人尋問、29名の陳述書の準備を急ピッチで進めて行きます。


命令不履行は「弁護士が言ったから」と百瀬新理事長!
鶴川高校教職員組合

 2月24日、度重なる団交拒否の末、半年ぶりとなる団体交渉が行われました。
 組合側は最初に12月交付の都労委命令の履行を求めました。鶴川学園側は、命令を不服として中央労働委員会への再審査申立をしています。
 中労委は「再審査申立をしても命令の効力は停止されないので履行しなければなりません。」と学園に対して通知し、都労委命令の履行報告を求めていますが、2名の職場復帰・謝罪文の掲示は行っていません。
 百瀬義貴理事長は「代理人弁護士がそう言った訳ですからそれが全てです。間違っていようが何んだろうが代理人がそう答えた訳ですから。」と述べ、自ら最高責任者としての立場をはぐらかしました。
 新理事会には、百瀬和男前理事長による負の遺産と組合差別を一掃し、争議を解決して新たな学校運営へと踏み出すよう、重ねて要求して行きます。
 私たちはこんなことでは諦めません。


2.2 継続雇用裁判の支援の皆さん

鶴川YouTube「三木ひろ子チャンネル」の登録をお願いします。


守口市は実施主体としての責任を果たせ!
大阪守口学童保育指導員原告団

 大阪府労働委員会の命令が11月15日に確定したにもかかわらず、1月19日の団体交渉では「復職は困難」「地裁の和解協議に期待している」を繰り返す共立メンテナンス。次の団体交渉の申し入れにも、「3月17日の和解協議の内容を見てから設定します」と勝手な返事が返ってきました。
 実施主体の守口市も、保護者や組合が「労働委員会命令を守るように会社に指導してほしい」と訴えても「労使で解決して下さい」と無責任な対応。守口市に何とか動いてもらいたいと市議会あてに「陳情書」を提出し、児童クラブのことを審議する「福祉教育委員会」の議員さん全員と懇談をしました。
 2月7日からは市内を毎日宣伝カーで回り「職場に戻してほしい」と訴えています。険しい道のりですが、できることをやり切っていかなければと思っています。


2/16守口市役所前での宣伝行動


明るさが見えた解雇事件東京高裁抗告審
帝京長岡高教職組

 2月7日、不当解雇(不当労働行為)事件、仮処分裁判の抗告審が東京高裁でありました。解雇無効の仮処分を取り消した異議審決定は、学園が新たに出したスクールハラスメントを主張した書面を重視し、組合側の主張は信頼できないとする特異なものでした。
 しかし抗告審では、それらは背景事情とする受け止めで、事実を明らかにするとともに、学園が「指導しても改善されない」と主張した点について、学園に指導の具体的中身を示すよう求めました。
 教師に問題があった時に、報告書や始末書を提出させるだけでは十分な指導がなされたとはいえません。それを積み上げて解雇するのは不当労働行為性ありと判断されます。
 観点が当初の仮処分裁判時に戻った感じですが、油断はできません。次回期日は、3月28日です。引き続き皆さまのご支援をお願いします。


2/7 支援者に報告する原告吉田先生、新潟私教連渡辺書記長、土屋弁護士


ぼうこうがんの発症原因は有害染料
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件

 3月4日東京地裁進行協議に向け、2月21日弁護団会議で国側準備書面に対しての反論を準備しました。国側の主張は「染料工場で発がん性を有する染料が使われていない、有害染料にばく露が無い」です。
 医師や専門家に陳述書をお願いしており、「原告には有害染料のばく露以外に危険因子が無いこと。また全ての化学物質について安全性が確認されているものは一つもないこと。専門機関において発がん性が無いとされている染料についても実際には発がん性を有していること」などを主張します。
 ばく露について、国側は原告が作業していた時期に入社していなかった後任の者に証人として証言させていること、証言全てについて信ぴょう性が無く、事実と異なるものであることを主張します。
 今後証人尋問を行う予定です。ご支援をよろしくお願い致します。


大規模マンションの重労働の実態を示す
coopみらい及川労災事件

 2月18日損賠訴訟第10回口頭弁論があり、21名の支援傍聴がありました。原告側から、担当していた大規模マンションの写真、利用者への配達方法、注文量に応じて配達回数が増える重労働の実態を示し、今では2チーム3人体制で配達している事実を説明しました。
 裁判長から問われた証人申請は、原告側は申請予定、被告側は「今のところ考えていない」との返答でした。
 行政訴訟は3月2日口頭弁論で、提出予定の高橋浩一医師意見書に基づき脳脊髄液漏出症が発症した事が優に認められること、脳脊髄液漏出症の専門家でもない者の意見を提出し国はいたずらに被災者原告を苦しめるものであり、人道にももとると訴えていきます。


サポーターの広場
東京争議団60周年を迎えて
藤田 淑子

 東京争議団が60周年を迎えたことに感慨深いものがあります。
 50周年の時は日暮里で大きな記念集会を開きました。会場いっぱいの仲間であふれていました。この50周年をきっかけに緩やかな組織を作り、活動を始めました。
 争議団では一日、一日、解雇などは許さないと強い決意で闘っています。
 争議団とその支援者(サポーターなど)と頑張りが60年継続を支えていました。この10年間に20余りの新しい争議団が入会しています。帝京長岡、オランダ航空、国際福祉、コープみらい、第一交通、守口学童などの闘いは、新たな空気を入れてくれています。
 これからも団結と連帯を大事にして行きましょう。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼帝京長岡高等学校職員労働組合
 ☆裁判へのご支援を
  行政裁判 3月7日 10:30 東京地裁527号法廷
  解雇抗告審 3月28日 14:00 東京高裁 第2民事部
 ☆カンパのご協力を 振込先 新潟県労働金庫長岡支店 普通2445455 中越地区労働組合総連
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 裁判 3月28日 東京地裁706号法廷
 毎月第2第4火曜日12時30分東京外語前定例宣伝
▼鶴川高校教職員組合
 3月9日(水)13:30 常勤解雇結審 東京高裁825号
 3月18日(金)15:30 中労委 第1回調査
 4月4日(月)15:30 再雇用裁判 東京地裁606号
 4月14日(木)16:00 都労委調査(団交拒否他)
 4月18日(月)16:00 都労委調査(再雇用拒否)
▼明治乳業争議団
 第65次京橋エドグラン「座り込み」
 3月22日(火)=12時〜13時
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 第1・2・4陣裁判 4月21日16:00 5月26日16:00
▼コープみらい及川労災事件
 4月22日(金)10:00及川労災裁判(損賠訴訟)
 さいたま地裁101号法廷


====東京争議団予定===

四月
 〇一13:00 三役会議
 〇二13:00 全体会議
五月
 〇七13:00 三役会議
 〇八13:00 全体会議


===行動予定===

三月
 〇七10:30 帝京長岡高校行政訴訟 東京地裁527号法廷
 〇八12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 〇九13:30 鶴川常勤解雇裁判(結審) 東京高裁825号法廷
 十八15:30 鶴川常勤雇止め中労委 1回調査602号
 二二12:00 明乳第65次座り込み 京橋エドグラン前
    12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 二八14:00 帝京長岡高校抗告審 東京高2部民事室16階
    15:00 東京国際福祉解雇裁判 東京地裁706号法廷
 二九10:30 明乳都労委(調査) 都庁南塔38階
四月
 〇四15:30 鶴川再雇用裁判 東京地裁606号法廷
 〇六08:30 東京争議団共同宣伝 東京地裁前   
 一二12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 一四16:00 鶴川団交拒否 都労委(調査) 都庁南塔38階
 十八16:00 鶴川継続雇用拒否 都労委(調査) 都庁南塔38階
 二一16:00 KLMオランダ航空裁判 東京地裁709号法廷
 二二10:00 コープみらい 及川労災裁判(行政訴訟) さいたま地裁101号法廷
 二六12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 二七09:30 全労連・東京地評 争議支援総行動 第1次オルグ


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