東京争議団ニュース第368/2022年2月5日


第3陣訴訟で、労働組合側が完全勝利判決を勝ち取る!
オランダ航空雇止め解雇事件

 1月17日、東京地裁で、KLMオランダ航空雇止め事件第3陣訴訟(原告3名)の完全勝利判決が出されました。2019年8月の労働審判勝利に続き、2度目の司法判断です。
 客室乗務員養成訓練を含めて5年2ヵ月の雇用となり、訓練が雇用か否かが争点でした(雇用なら無期転換で雇い止め無効)。
 判決は、訓練は乗務に必要不可欠であり、訓練の成果は会社の利益に還元されると指摘し「訓練契約は、労働契約に該当する」と判示した上で、「期間の定めのない労働契約上の地位を確認する」と明記されました。当然、雇い止め以降の未払い賃金も支われます。
 当日の記者会見で、原告は「昨日から緊張していましたが、全面勝利し本当に嬉しいです。コロナだからこそ経験ある客室乗務員が必要です。使い捨てをやめ、安定雇用にすべきです」、とその思いを発言しました。
 会社は、1月28日に時間稼ぎと言える控訴を行いましたので、まだ闘いは続きます。
 引き続きご支援をお願いします。


1.17 無期転換が明記された完全勝利判決後の地裁前で


共立メンテナンスは府労働委員会命令を履行し、9名を復職させよ!
守口学童保育指導員原告団

 1月19日に「府労委命令を履行せよ」と、共立メンテナンスとの団体交渉を開催しました。
 会社側は「命令は履行している」としながら「復職は困難で、地裁での和解協議に期待したい」、と解決姿勢が全く感じられない不誠実な対応に終始しました。復職できない理由を質すと「原告が戻ってくると、今いる支援員が辞めると言っている。事業が成り立たなくなる」と責任を支援員に押しつけています。
 組合は「会社を守るためには法律を遵守しないということか」、「会社は原告と現場の支援員の双方に不当労働行為を謝罪し、辞めるという支援員を説得して、職場の環境を整えよ。それが会社の役割だ」、と詰め寄りましたが、最後まで「復職は困難」という対応でした。
 こんな会社に負けてはいられません。引き続き頑張ります!


1.19 共立メンテナンスとの団交に臨む組合員の皆さん


「赤組か、白組か」で年間一〇〇万円もの格差!
明治乳業争議団

 明乳事件都労委残留39事件の第4回調査(昨年12月23日)で、公益委員は「市川事件・全国事件それぞれを併合し、2事件を一括審査する」、と指揮しました。
 争議団は、年度を超えて累積した格差(差別)の実態を明確にし、差別の原因が「活動家集団(赤組)に属したか、インフォーマル組織(白組)に属したか」による、差別・選別であることを明確にする準備書面を提出しました。
 例えば、人事考課権者の秘密会議では、議題を「赤退治について」とし、A職制「赤退治について未討議部分を検討すればよい」、B職制「赤への打撃は金と暇を与えるべきでない」、C職制「赤の現状分析、ベト(注:赤組の別称)には金を与えない方向」と確認しています。秘密会議で従業員を差別・選別することを論議し、恣意的に申立人らに対して「B考課を与えずに」低職分に据え置いたのです。
 都労委審査では、事件の全体像を鮮明にして必ず解決局面を切り拓く決意です。


12.23 明乳都労委第4回調査後の報告集会


労働災害の背景にある勤務実態に、裁判官も注目!
coopみらい及川労災事件

 2月18日(金)の10時から、さいたま地裁101号法廷にて、労災の使用者責任を求める民事訴訟の口頭弁論が開かれます。
 前回、原告側から受診記録、画像データを取り寄せさらに証拠提出や主張をしたいと訴えたところ、3名の裁判官が席を立ち合議をしました。 その後右陪席裁判官が被告側に「当時の勤務実態を知りたい」と提出を促しましたが、COOPみらいは「10年前のことなので存在するかどうか」と否定的答弁でした。理由は、労働記録データは5年経ったら破棄するルールになっていると説明しました。参加傍聴者から「え〜」と言う驚きの声が法廷に響きました。 次回10回目の口頭弁論は診療データと、準備書面を出していきます。
引き続きご支援をよろしくお願いいたします。


都労委命令は教育努力への弾圧を批判
鶴川高校教職員組合

 12月20日、「勝利命令報告集会」が開催されました。北海道帯広から栃木・千葉・香川・広島まで全国をオンラインで結び、運動の成果を喜びあいました。
 命令は教育活動における組合差別についても言及しています。
 「生徒と接し授業を行い、生徒指導することは重要な教育活動であり、組合員からこの教育活動の場を奪うことは組合の弱体化を図るものである」また、朝の挨拶活動をした組合員への処分については「朝の挨拶活動は鶴川高校教員の教育活動として意義が認められる一方、これを禁止しなければならない理由は認められない。」と指摘し、組合員の教育努力さえも敵視する学園の姿勢を厳しく批判しています。
 私たちは百瀬義貴理事長・百瀬志麻理事らに向けて30年に及ぶ不当労働行為を清算し、正常な労使関係を構築するよう決断を求めて行きます。


12/20 勝利命令報告集会

鶴川YouTube「三木ひろ子チャンネル」の登録をお願いします。


傍聴支援と街宣の応援、よろしくお願いします
東京国際福祉専門学校事件

 第5回口頭弁論は2月9日です。今回は相手方の弁論です。前回裁判官に財務の公開はしない考えか、と問われて持ち帰り検討すると回答しました。学校法人が財務諸表の公開なしに学校を閉じることや教員を解雇することの是非が問われています。527法廷を溢れる傍聴者で囲んでいきたいです。ご支援お願いします。
 1月25日定例の街宣中に、宣伝妨害を受けました。近隣のオフィスの利用者らしい男性が騒音だと迷惑を訴えてきました。これは初めてのことで、参加者がいつもより少なかったことが影響していたかもしれません。着実に宣伝活動を続けていきます。次回の応援をよろしくお願いいたします。
 公正な裁判を求めた「裁判官への要請署名」は1月に個人1557筆、193団体で松濤裁判官に直接届けることができました。残り1500筆を目標に取り組みます。守る会として3月には卒業生対象のゼミナールを開催します。SNSでの発信など合わせて多彩な活動で、進んでいきたいです。
 組合は、学校法人の身勝手な廃校や人権を尊重しない方針に切り込み、職場復帰を目指して闘い抜きます。


1/11 東京外語専門学校前定例宣伝


行訴・抗告審と東京での闘いにご支援を
帝京長岡高教職組

 1月24日、行政訴訟(学園が不当労働行為命令取消を求める)の第5回口頭弁論が開催されました。訴訟参加人の組合側から準備書面を陳述し、学園側が次回3月7日に反論します。双方の主張は次回で終了予定、証人尋問について学園側は「検討する」と発言しました。生徒または父母を出し、吉田先生を批判する証言をすることが考えられ、その対策を準備します。
 解雇事件は、仮処分命令取り消しに対する抗告審が2月7日東京高裁第2民事部で行われます。仮処分裁判の異議審では、懲戒処分の理由として新たに出してきたレポート(学園が生徒などに書かせたもの)に対する反論が不足していたため、その反論書面を準備して臨みます。
 解雇は不当労働行為だと2020年12月、新潟県労働委員会に救済申立をした事件は、1月13日に9回目の調査が行われましたが、まだしばらく調査が続く状況です。
二つの事件は東京での闘いとなっています。裁判を続けるため、カンパや支援傍聴など皆さまひとり一人のお力をお貸しください。


1/24 報告する新潟私教連渡辺書記長(左)と土屋弁護士(右)


客乗原告団は、2月以降当面の間活動を休止
JAL不当解雇撤回争議団

 JAL争議客乗原告団は、これまで乗員原告団と共に解決に向けて取り組んで来ました。そして、全国の支援者の皆さまのおかげで、現時点で2名の客乗原告、4名の乗員原告の地上職への復帰を実現することが出来ました。これまでのご支援に感謝申し上げます。
 昨年の春闘以降、客乗原告団内では、要求の具体化や活動方針、会社対応の評価等を巡って、不一致が表面化してきました。そして、昨年末には、客乗原告団員の所属組合もCCUとJHU(JAL被解雇者労働組合)になりました。そこで、1月23日の客乗原告団集会で、「2月以降、当面の間客乗原告団としての活動を休止し、今後はCCU・JHUそれぞれ所属する組合の方針に則り、全面解決を目指す」ことを決めました。皆さまのご理解をよろしくお願い致します。


新加盟争議の紹介
職業性ぼうこうがん患者Fさんの労災認定を支援する会

 12月の東京争議団の総会で原告Fさんが訴え、1月に正式加盟しました。 FさんはA社中国工場で発がん性のある染料を扱う業務を4年余り続け、帰国後ぼうこうがんを発症し、2月に4回目の手術を控えています。   ぼうこうがんは高齢者・喫煙者が多く発症し、40代・非喫煙のFさんの発症は、染料による職業性がんであることが強く疑われます。
 労災申請しましたが、会社は染料業務自体が無かったとし、労基署なども新たな調査もせず、十分な証拠が無いとして不支給にしました。
 Fさんは一昨年自費で中国に行き、当該工場や周辺でぼうこうがんが多いことなども知りましたが、一人で行う現地調査には限界があります。
 昨年東京地裁に提訴し、「支援する会」も発足しました。12月22日の口頭弁論には東京争議団の方々にも数名来ていただき感謝します。
 労災認定に向け今後もがんばります。


1.11 東京争議団の東京地裁前共同宣伝に初参加


サポーターの広場
六〇回総会に参加して・下
藤井 將貴

 労災職業病の闘いは鈴木さん、木下さんは敗訴でしたが、九七年横浜の鈴木保母さんの最高裁判決以来勝ちが続いているようです。
 鶴川高の皆さんの「私たちの教育活動が認められた」との報告。冷たい風を浴びながらの帰り道、小生は九四年頃の都労委審問を思い出しました。皆さんの教育実践が「証言」され、それに感動してしんと静まり返った審問室。ほかの事件でのヤジと怒号が飛び交う審問とは全く違ったものでした。
 今年が最後かなと思って参加したのですが来年もう一度と思い直しました。


5年前84才の藤井さん(現在89才!)


編集部より

 コロナの爆発的な感染拡大のなか、争議団は頑張っています。今まで以上のご支援を宜しくお願いします。なお、日程が変更する場合もありますので、事前にご確認ください。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼帝京長岡高等学校職員労働組合
 ☆裁判へのご支援を
 解雇事件抗告審 2月7日 14:00 東京高裁16階 第2民事部 行政裁判 3月7日 10:30 東京地裁527号法廷
 ☆カンパのご協力を
 連絡先(吉田大)yoshidad515@yahoo.co.jp
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 2月9日(水)11:00〜東京地裁527号法廷で第5回口頭弁論 ご参加ください。
 毎月第2第4火曜日12時30分から東京外語専門学校前街宣、お力添えください。
 争議応援〜裁判官への要請署名、ご協力ありがとうございます。個人署名3000筆達成を目指します。是非、ご協力を?
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 第1・2・4陣裁判 2月10日 13:30 709号法廷
▼コープみらい及川労災事件
 2月18日、10時、埼玉地裁101号法廷にて労災の使用者責任を求める民事訴訟の口頭弁論が開かれます。
▼鶴川高校教職員組合
 2月21日(月)10:00〜都労委2.3次申立 都庁38階
 3月4日(金)13:30〜パワハラ裁判 地裁立川支部
 3月9日(水)13:30 常勤解雇高裁結 高裁825号
▼明治乳業争議団
 異常企業体質の包囲告発運動に総力 !
 京橋エドグラン前「座り込み」2月は中止、3月は実施予定
 コロナ・厳冬と・・厳しいですがご支援を!
▼Fさん労災事件
 3月4日11:30〜 裁判「進行協議」参加にご協力を
 地裁13階民事11部 参加者は1週間前にご連絡下さい。
 tokyo-inoken@grape.plala.or.jp Tel03-5976-3941いの健東京


====東京争議団予定===

2022年
三月
 〇三13:00三役会議
 〇五13:00発送作業・全体会議
  
四月
 〇一13:00三役会議
 〇二13:00発送作業・全体会議


===行動予定===

二月
 〇七14:00帝京長岡高校 抗告審 東京高裁第2民事部
 〇八12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前
 〇九11:00東京国際福祉 解雇裁判 東京地裁527号法廷
 〇十13:00第一交通中労委調査 中労委608会議室
    13:30KLMオランダ航空裁判 東京地裁709号法廷
 十八10:00コープみらい及川労災裁判(損害賠償)さいたま地裁101号法廷
 二一10:00鶴川不当労働行為 都労委(調査)都庁第一庁舎南塔38階
 二二12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前

三月
 〇二08:30東京争議団共同宣伝 東京地裁前
    16:00コープみらい及川労災裁判(行政訴訟)さいたま地裁105号法廷
 〇四11:30Fさん職業性がん労災認定裁判(進行協議)東京地裁13階民事11部
    13:30鶴川パワハラ裁判 東京地裁立川支部
 〇七10:30帝京長岡高校 行政訴訟 東京地裁527号法廷
 〇八12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前
 〇九13:30鶴川常勤解雇裁判(結審)東京高裁825号法廷
 二二12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前
 二九10:30明乳都労委(調査)都庁第一庁舎南塔38階


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