東京争議団ニュース第367/2022年1月8日


結成60年を迎えた東京争議団
  歴史の教訓に学び前進する新年にしよう!
東京争議団共闘会議議長 小関 守

 仲間の皆さん、あけましておめでとうございます。
 東京争議団は結成(1962年)から60年の新年を迎えました。厳しい闘いの中で、「結集し団結して闘わないと勝利への展望は拓けない」との認識に到達し、「もう後にはひけない」の必死の決意で30争議団が結集し結成されたのです。それから59年の闘いを通し、約800件の争議解決に深く関わり多くの教訓を蓄積してきました。 私たちは、これらの教訓を学ぶ中で共闘・共同を強めていますが、各加盟争議労組におかれては闘いの到達点に確信を持ち、新たな決意で新年を迎えられたものと思います。
 岸田内閣は、「憲法9条」を主眼とする改憲への暴走を加速させるなど、安倍・菅政権の継承に止まらない危険性を露わにしていますが、今年は参議院選挙の年です。強まる「野党共闘」分断の策略を跳ね返し、人権・雇用・暮らし・平和が当たり前に守られる新しい政治の実現に向け、共に奮闘する決意を申し上げ年頭のご挨拶とします。


60回総会で挨拶する小関議長


東京争議団共闘会議 第60回総会開催

生演奏コンサートも大好評

 12月18日、東京争議団共闘会議第60回総会をラパスホールで開催しました。
 コロナ対応で今回も半日の総会とし、初のオンライン併用にしました。
 好評のミニコンサートは総会前に30分行いました。日本音楽ユニオンの安並さんのご協力で実現している生演奏のコンサートは、2年振りでしたが大好評でした。東京争議団ならではのイベントであり、心が癒されます。
 総会には45名(会場41名、オンライン4名)の参加があり、鶴川高校教職員組合の村田さん、東京国際福祉専門学校教職員組合の川島さんが議長団に選出されました。
 小関議長の開会あいさつに続き、来賓メッセージの紹介、守口学童保育指導員原告団の新加盟の報告、たたかう仲間(労災膀胱がん事件、和洋九段女子中高等学校賃金不払い事件)からの訴えの後に、議案の討論を行いました。
 活動報告・方針は諏訪副議長が提案、会場から9名、帝京長岡、第一交通労組はオンライン画面から発言し、合計11名の発言がありました。小関議長の討論のまとめの後、決算報告と予算案、新役員選出を含めて承認されました。


19回目の勝利命令!
都労委が2名の教壇復帰を命ず!
鶴川高校教職員組合

 12月9日、都労委は組合側勝利の命令を交付し、百瀬義貴理事長に対し「このようなことを繰り返さない」と掲示することを命じました。
 命令は、@27年間有期雇用として働いた常勤講師の雇い止め、A60歳誕生日定年での再雇用拒否、B組合員5名の授業時間大幅削減は、不当労働行為だと認定し、2名の原職復帰と差別の是正を求めています。
 学園は、組合員を担任や顧問から外し、入学式などのすべての学校行事に参加させず、別職員室に隔離するなどを継続し、その挙げ句に雇用を奪いました。
 前理事長百瀬和男氏による徹底した教育現場からの組合排除は、今回で19回断罪されました。理事長はこの負の遺産を断ち切るべきです。
 組合及び弁護団は、12月20日に記者会見を行い、不正常な学校運営を直ちに改めるよう求めました。この会見はMXテレビ・東京新聞等によってニュース報道されました。


12.20 鶴川教組記者会見


都労委の審理を軸に、局面打開めざす新年に!
明治乳業争議団

 都労委残留39事件を「第3次の闘い」として、長期争議の集大成を目指し奮闘する明乳争議団。
 「敗訴の連鎖を断ち斬る闘い」として、@人事考課成績で「意図的にB考課を与えない」で長期に低職分に据え置く差別、Aその差別の根幹は活動家集団「赤組」に属するか、インフォーマル組織「白組」に属するかの不当な選別であり、それらを明確にする準備書面を提出しました。
 累積格差(平成6年で年収約100万円)と継続的不当労働行為を鮮明にするためには「全事件の併合審査」が必要である、と一貫して求めてきました。その結果、第4回調査(12月23日)において、金井公益委員は「市川工場事件と全国事件の全体を併合審査」する、との指揮を執りました。
 会社は異議を述べ、申立人ら準備書面への認否反論書面と併せ「意見書」の提出となりました。
 申立人らは公益委員の指揮に基づく新たな審査の枠組みで、「不当労働行為・差別事件」の全体像を早期に解明し、都労委を舞台に解決局面を切り拓く決意で、新春から奮闘します。


12.23 都労委調査に参加した支援者


裁判傍聴にたくさんの支援を頂き、ありがとうございました!
東京国際福祉専門学校事件

 12月20日、第4回口頭弁論は、学校法人が財務諸表の公開なしに教職員を解雇することの是非を問う内容となり、36名の傍聴支援の皆さんから大きな励ましを頂きました。
 その後原告4名は、あきる野市公民館で、缶詰め状態で準備書面の作成に取り組み、改めて、解雇・廃校・ハラスメント・業務委託を許すことはできない、と決意を固めました。
 抗議文と共に、常勤理事の武田千恵子氏と武田房子・武田信夫氏宛てに、団交への参加を求める要求書の手渡しも行いました。
 「裁判官への要請署名」は、12月現在1500筆、130団体となり、1月提出を予定しています。
 組合は、学校法人の身勝手な廃校や人権を尊重しない方針に切り込み、職場復帰を目指して闘います。また卒業生対象のゼミナール開催、SNSの発信など多彩な活動を行っていきますので、ご支援をお願いします。


12.20 東京地裁口頭弁論を終えた原告


闘いは東京高裁へ!皆さんのお力をお貸しください!
帝京長岡高教職組

 帝京長岡高校の吉田先生への不当解雇に対し、新潟地裁長岡支部は昨年9月「解雇は無効」として賃金の仮払いを命じました。これに対し学園が異議申立を行い、10月15日、先の決定が覆され、賃金の仮払いがストップしました。現在、この決定の取り消しを求めて、東京高裁へ地位保全の抗告を行っています。闘いは東京高裁に移り、2月7日から審理が始まります。
 吉田先生の争議を「支援する会」は、11月12日に緊急報告集会を開き、学校から差別をなくし、人権を守り、教職員や生徒が安心して学べる学校にして行くため、争議を物心両面で支援して行くことを確認しました。
 裁判を続けるためにも援助が必要です。皆さんお一人おひとりのお力をお貸しください。


11.12 帝京長岡緊急報告集会


第3陣の勝利判決に向け支援の傍聴を
オランダ航空雇止め解雇事件

 KLMオランダ航空の無期転換逃れの雇い止め事件は、原告29名の1・2・4陣の14回目の口頭弁論が11月29日に開かれました。
 通則法に基づくオランダ国内法の適用問題(オランダ法による無期転換実現)で、30ページに及ぶ会社側の反論書面が出されました。
 組合側は、前回と今回の会社主張に次回2月の期日に反論し通則法問題の双方の主張は終わります。そして、いよいよ証人尋問の日程調整に入ります。
 12月2日は「全労連・東京地評争議支援総行動」で、KLM社前に40名が集まり、自主解決を求めて日本支社要請を行いました。
 1月17日には、訓練期間含めて5年2ヵ月の雇用となり無期転換を求める原告3名の第3陣裁判の判決が出されます。裁判では、組合側主張に会社はまともな反論も出来ず、最終準備書面も出せない状況で、完全勝利判決が期待されます。
 多くの皆さまの支援傍聴をお願いします。


12月2日 社前行動


共立メンテナンスは府労委命令に従い復職させよ!
大阪守口学童保育指導員原告団

 10月14日交付された大阪府労働委員会の命令が11月15日に確定しました。命令の内容は、復職やバックペイなど私たちの主張がほぼ認められた、完全勝利命令でした。
 共立は「命令は履行する」と言いながらも確認できたのはポストノーティスのみです。謝罪文の手交は、ある日突然会社の管理職3人が原告の自宅を訪問して、手渡そうとしたようですが、留守だとわかると委員長自宅の郵便受けに謝罪文を投函。バックペイは何の明細もなく現金を一方的に口座に振り込むという乱暴なやり方。そして復職については、今になって「戻せない」と言い出す始末です。
 私たちは復職の日時、バックペイ明細の提出、謝罪文の手交を求め、団交開催を申し入れ、1月の中旬ごろに開催予定です。


信頼性に疑問がある国側医師の意見書
coopみらい及川労災事件

 12月22日、労災行政訴訟第7回口頭弁論が開かれました。被告の国側は、脳脊髄液減少症が業務中の災害によって発症したという医学的診断基準を満たしていないとして「自動車事故対策機構千葉医療センター脳神経外科小瀧勝医師の意見書」なるものを出してきました。
 原告代理人、萩尾弁護士、山田弁護士は、これに反論することを表明するとともに、「小瀧医師の意見書が出てきているが、小瀧医師の経歴を調べると脳脊髄液減少症の論文が見つからない人であるため、小瀧医師の意見書は信頼できるものではない」と裁判長に述べました。
 裁判長は、2月14日を目処に書面の提出を求め、「あと一往復くらいあるとみなし、次回も弁論を続行」と発言しました。次回は2022年3月2日です。ご支援よろしくお願いいたします。


目指すはタクシー労働者が普通に働ける社会
第一交通労働組合

 12月16日、第一交通労組不当労働行為事件、中労委第9回目の調査が行われました。今回の調査は、名古屋地裁での未払い賃金勝利判決を踏まえ、全面的な和解解決をさぐるものでした。
 組合が、@謝罪、A再発防止策、B今後の法令遵守、C解決金、D組合書記長の再雇用、E未払い賃金の完全履行を提示したことに対し、会社は和解への強い希望があるとしつつも、示した回答は不十分なものでした。そのため双方が持ち帰り検討した上で、次回2月10日に調査が行われることとなりました。
 名古屋では、未払い賃金の裁判に勝利、新たな組合加入者が生まれる中で、宮田書記長の再雇用要求に対する団交を会社が拒否したため、12月10日、愛知県労委に不当労働行為救済を申し立て、新たなたたかいが始まっています。
 中労委調査後、宮田書記長は、集まった支援者に「全国のタクシー労働者が普通に働ける社会にしたい」と、このたたかいへの思いを語りました。


地上職での職場復帰本社部門に一名内定
JAL不当解雇撤回争議団

 12年目に入ってしまったJAL争議ですが、昨年12月17日に「JAL解雇争議の早期解決でジェンダー平等を」と題して院内集会を開催。国会議員6名を含めて64名が参加しました。
 主催者を代表して婦団連の柴田会長が開会挨拶。内田団長からこれまでの経緯を説明、2日前に1人が本社部門で職場復帰が内定したと報告すると会場から拍手が湧き起りました。そして、呼びかけ人の浅倉先生、吉永MIC議長からジェンダー平等の立場からも早期解決をとの訴えがあり、竹信先生からのメッセージも読み上げられ、牛久保弁護士からILOの活用をとのアドバイスも頂きました。
 CCU平岩書記長からは、コロナ禍で客乗職の賃金が大幅にダウン。社内での格差も生まれており、解雇問題の解決と併せて取り組む決意が表明されました。
 今年こそ早期解決を目指します。よろしくお願い致します。


12月17日 院内集会


編集部より
東京争議団11月全体会議で裁判支援の訴え

 当事者は老舗アパレル会社に勤め、2007年から4年余り中国の縫製工場に勤務し、衣料品の試作品の生地・製品の臭いを嗅ぐ確認作業をしていました。作業では染料が手に付き、洗っても落ちないこともありました。
 2012年帰国後、2015年に膀胱がんを発症し3度の手術を受けました。主治医は、「若年の膀胱がんはまれで、業務で扱っていたアゾ染料は発がんリスクが有り、職業病が疑われる」と発言、当事者は2015年労災申請をしました。
 しかし労災は不支給となり、再審査請求も棄却、2020年3月に労災認定を求めて東京地裁に行政訴訟を提訴しました。化学分野の労組や職業病関連組織の支援も受け、支援する会も発足しました。中国での調査・立証は困難ですが、膀胱がんの原因は化学物質以外あり得ません。皆さまのご理解と、ご支援をお願いします。


サポーターの広場
六〇回総会に参加して・上
藤井 將貴

 二年ぶりに参加した総会。恒例の生演奏タンゴが、小生の不安?を吹き払ってくれました。
 諏訪副議長が報告で触れた労契法18条や派遣法40条のこと、「東京」(一二月三日付)で「みなし制度が初めて適用され大企業の『偽装請負』が裁かれた」と報じられていたことを思い出しました(東リ、大阪高裁)。
 選挙で勝っても、政権が変わっても、資本やお役所、それに裁判所までも、法に定められたあれこれに従うとは限りません。それを一つ一つ闘って守らせるのが私たちの闘いです。各争論団の報告がそれを如実に示していました。近頃は存在感の薄い「労組」…賃上げも政府が代って…しかし争議団はたたかっている、それを強く感じた四時間でした。
 労災職業病で、今はコープみらい及川さん、じん肺が闘っていますが、過去は、けい腕で中出さん(三和銀)、鱸さん(全国税)、酒本さん(本州製紙)、木下さん(NTT)、保母の鈴木さん(横浜市従)など、東京争議団に結集して多くの闘いが行われました。(2月号に続く)


一月二二日(土)
東京争議団「新春のつどい」
コロナ感染急拡大を受けて
三役会議で中止を決定しました


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼鶴川高校教職員組合
  1月12日(水)14:00〜16:30 常勤解雇高裁 学園側 証人尋問 825号法廷
  2月2日(水)13:30〜 継続雇用拒否 地裁606号法廷*** 「弁論準備」となり傍聴は出来ません***
  2月21日(月)10:00〜都労委2.3次申立 都庁38階
  3月4日(金)13:30〜 パワハラ裁判 地裁立川支部
  3月9日(水)13:30 常勤解雇高裁結審 高裁825号
  鶴川YouTube「三木ひろ子チャンネル」の登録をお願いします。
▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
  第3陣裁判 1月17日13:10 631号法廷「判決」
  第1・2・4陣裁判 2月10日 13:30 709号法廷
▼帝京長岡高等学校教職員労働組合
  行政裁判 1月24日10:45〜 東京地裁527号法廷
▼明治乳業争議団
  異常企業体質の包囲告発運動に総力 !
  京橋エドグラン「座り込み」12:00〜13:00、
  第65次1月25日(火)***中止***、第66次2月22日(火)
  新年、決意新たに・・ ご支援を!
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
  2月9日(水)11:00〜東京地裁527号法廷
  第5回口頭弁論にご参加ください。
  毎月第2、第4火曜日の12時30分から
  東京外語専門学校前街頭宣伝にご参加を
  争議応援〜裁判官への要請署名・抗議ファックス・オリジナルタオル販売、是非ご協力を


====東京争議団予定===

2022年
二月
 〇四13:00三役会議
 〇五13:00発送作業・全体会議
三月
 〇四13:00三役会議
 〇五13:00発送作業・全体会議


===行動予定===
***変更訂正あり***

一月
十一08:30東京争議団共同宣伝 東京地裁前
  12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前
十二14:00鶴川常勤解雇裁判 東京高裁825号法廷
十七13:10KLMオランダ航空 判決 東京地裁631号法廷
二四10:45帝京長岡高校 行政訴訟 東京地裁527号法廷
二五12:00明乳65次座り込み エドグラン前***中止***
  12:30東京国際福祉 定例宣伝 東京外語専門学校前

二月
〇二08:30東京争議団共同宣伝 東京地裁前***中止***(コロナ感染拡大・まん延防止措置適用のため中止)
  13:30鶴川継続雇用拒否裁判 東京地裁606号法廷***「弁論準備」となり傍聴は出来ません***
〇七14:00帝京長岡高校 抗告審 東京高裁第2民事部
〇九11:00東京国際福祉 解雇裁判 東京地裁527号法廷
〇十13:00第一交通中労委 調査 中労委608会議室
  13:30KLMオランダ航空裁判 東京地裁709号法廷
十八10:00コープみらい及川労災(損害賠償)さいたま地裁101号法廷
二一10:00鶴川不当労働行為 都労委調査 都庁第一庁舎南塔38階
二二12:00明乳66次座り込み エドグラン前
二六15:30鶴川決起集会・駅頭宣伝 町田市鶴川駅前「ポプリホール」

三月
〇二16:00コープみらい及川労災(行政訴訟)さいたま地裁105号法廷
〇四13:30鶴川パワハラ裁判 東京地裁立川支部
〇九13:30鶴川常勤解雇裁判 結審 東京地裁825号法廷


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