東京争議団ニュース第357/2021年3月6日


中労委 証人尋問終了し結審、命令へ
名古屋高等裁判所 解雇撤回裁判一部勝訴
第一交通労働組合

 2月16日、中央労働委員会(中労委)において第一交通不当労働事件の証人尋問が行われました。証人は、組合も申請した河原畑代表取締役です。彼は委員長の成田さんに連絡を取り、喫茶店で会って「組合をやめてくれないか」と露骨に介入した人物です。
 証言では肝心なことはごまかしていましたが、成田委員長に会って話したこと等、事実に関しては基本的に認めていることは、組合側の主張を裏付けるものです。
 2月18日には名古屋高等裁判所において第一交通不当解雇撤回裁判の判決が出されました。判決は、組合に対する不当労働行為を認めて宮田書記長の解雇を無効としましたが、成田委員長に対する解雇は認める内容となりました。
 しかし今回の判決は宮田書記長に対して、組合に対する嫌悪に基づいて会社から排除する目的で解雇していると明確に書かれており、中労委の命令に大きく影響するものと思われます。今後も勝利に向けて闘いを強化していきますので、よろしくお願いします。


中労委前 中央成田委員長、左横宮田書記長


解雇ふたたび!最後まで闘い抜きます
東京国際福祉専門学校事件

 廃校を控え、任意退職者募集が行われましたが、組合員は、同法人の他校での雇用継続を希望し、退職に応じませんでした。そんな中、学園は組合員3名の解雇を再度強行しました。
 しかし、解雇の理由は「廃校だから」の一点張りで、組合に対して財務諸表も明らかにせず、具体的な数値に基づいた解雇理由の説明は一切ありません。また、非常勤講師の組合員の無期転換権行使も、「業務委託である」という理由で未だ受理されません。同学園が経営する東京外語専門学校は、今後も残りますので、仮に廃校になっても、その学校で雇用し続けるよう、要求しています。
 理由説明なき恣意的な廃校、解雇の強行は学校の公共性、労働者の権利を侵害する行為であり、労働委員会、裁判所への提訴や組合運動を通して、最後まで闘い続けます。東京国際福祉専門学校を守る会も継続していきます。引き続きご支援お願い致します。


2月20日オンライン併用で開催した守る会総会


決意新たに支援共闘総会で議論深める
明治乳業争議団

 明乳争議支援共闘会議は、第24回総会(2月15日)をラパスホールで開催し、局面打開の道筋を切り拓く議論を深めました。
 第一は、異常企業体質を徹底的に告発・包囲する運動に総力を挙げること。第二は、都労委に残留する未審査39事件を、併合を前提に確実に軌道に乗せ、「負の連鎖を断ち切る闘い」として奮闘することです。特に、死者2人など深刻な被害の爪水虫治療薬への睡眠導入剤混入事件では、製造元「小林化工」には116日間の業務停止命令ですが、販売元のMeiji Seikaファルマの管理責任も厳しく問われなければなりません。争議団は、厚労省のヒヤリング等で全体像を解明し、明治グループの社会的責任を追及する告発包囲運動に総力を挙げる決意です。


2月17日 明乳争議支援共闘会議第24回総会。
中央は挨拶する松本共闘会議議長


8割非正規を変えて未来を切り開きたい!
鶴川高校教職員組合

 「先生、来年はいる?」年度末を迎え、生徒たちはこんな言葉をいろんな先生にかけています。昨年の22名の大量退職に加え、今年度になってから継続雇用拒否で5名もの先生を失った生徒たちの悲痛な叫びです。
 正規とされる「専任教諭」と同一労働でありながら、1年契約のまま、昇給もボーナスも退職金もない「常勤講師」。そんな労働実態が大量退職を生み出しました。現在、鶴川高校は非正規率80%。それでも鶴川高校の「生徒が大好き」な先生たちは奮闘しています。昨年11月、「常勤講師解雇裁判」の証人尋問で、百瀬和男理事長は「職場からは不満も抗議もない」と証言しましたが、春闘アンケートには待遇改善を求める声が次々に寄せられています。忍耐のみを強いる学園を変えるために、解決の道筋を開くのは交渉です。私たちは「あきらめない」。


1月鶴川高校を経営する学校法人へ要請行動を実施


いよいよ結審が見えてきたKLM第3陣裁判
オランダ航空雇止め解雇事件

 KLMオランダ航空雇い止め撤回裁判は、2月8日に第3陣5回目の口頭弁論が行われました。会社が雇用性を認めない客室乗務員訓練について、原告側は「KLM客室乗務員養成のため」とし、会社側は「EU資格取得のためだ」と双方が改めて主張しました。
 裁判長は、会社側にEU資格取得者採用時の訓練内容、訓練終了後に他企業に移る実例を示すよう求め、会社の主張に疑問を感じているように見えました。
 裁判後には、進行協議で和解の可能性を探りましたが、「コロナにより本国で人員削減が行われており、和解での職場復帰は困難だ」と会社側弁護士が主張したため、原告側が納得できる解決は難しい状況です。
 引き続き口頭弁論が続きますが、ほぼ主張は尽くされ、次回4月22日の期日では、証人尋問の日程を決める進行協議が行われる予定です。
 第3陣裁判は、いよいよ結審が見えてきました。


東京争議団 東京地裁前共同宣伝


中労委が懲戒処分の撤回を命じた事件の概要
帝京長岡高教職組

 2014年に吉田大先生に対して教頭が「組合に入れば女子バレーボール部が強化指定部から外されるので顧問からも外す」と発言し、校長も「組合に入って強化指定部を持てるわけがない」として、学園側は吉田先生に譴責と謹慎の懲戒処分を行い、監督も顧問も外してきました。
 これに対して、吉田先生は、2015年に新潟県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立て、労働委員会は2017年に懲戒処分の撤回、監督復帰、謝罪文の手交を命令しました。
 学園側はこれを不服として、中労委に再審査申立てを行いました。
 中労委では長らく和解協議が進められましたが、学園は和解を拒否し、吉田先生を解雇しました。この解雇は裁判一審で勝利し、中労委も2020年12月16日に、ポストノーティスを追加した救済命令を出しました。
 しかし学園側は命令を履行せず、取消し訴訟を検討中と報道されています。


ジェンダー差別に反対し、経団連前で抗議のコール
JAL不当解雇撤回争議団 鈴木 圭子

 2月19日JAL争議団はけんり春闘実行委員会主催の経団連前春闘宣伝行動に参加しました。経団連前には各団体で100名が結集しました。
 経団連の中西会長は、森前オリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言に関し、「日本社会にはそういう本音が正直ある」と表明しています。
 各労組・団体からの報告の後、ジェンダー差別の経団連に対し女性が前面に出てアピール行動を行いました。
 中西会長出身の日立のコマーシャルソング「日立の樹」の替え歌を唄い、「おっさんクラブの経団連!ジェンダー差別の経団連!女性の声聴け経団連!もうたくさんだ経団連!そろそろ変われよ経団連!」と抗議のコールを行いました。 その後各争議団を代表してユナイテッド闘争団が参加者に引き続きの支援と連帯を訴え、最後に経団連に向けシュプレヒコールと団結がんばろうで締めました。
 JAL争議団は納得ゆく解決までがんばります!


2021.2.19 経団連前春闘宣伝行動


行政訴訟の第3回目が開廷しました
coopみらい及川労災事件

 「療養費補償給付不支給処分取消事件」の第3回口頭弁論が、2月17日(水)13時30分から、さいたま地裁105号法廷で開かれました。
 相手(被告国)側は、代理人弁護士が「県境を越える移動ができない」という不明な理由により代理人が不在で、労働局の人のみでした。
 原告側は、被告準備書面に対して認否反論を行い、平均的労働説については「当時のカルテの記載から推察すると、2010年5月6日に受診した担当医師の誤解によるものと考えられる」と反論。指摘されている船橋整形外科転院の経緯についても、「担当医師の機嫌を損ねたため」と説明しました。
 今後の進行は、被告側が依頼している《脳脊髄液減少症》の意見書完成が2月末になり、その後文書作成に2ヶ月位かかるとのことで、次回は5月12日(水)10時30分から105号法廷で開廷予定となりました。

脳脊髄液減少症とは 

 脳脊髄液が《減少状態》になるために、頭痛をはじめとする種々の症状が出現する疾患です。
 脳脊髄液減少症の一般的な特徴は、起きあがると激しい頭痛が発生し、横になると頭痛が軽快する「起立性頭痛」が起こることです。
 教科書的には「起きて15分以内に悪化する」とされますが、午後から頭痛が始まったり、夕方になると頭痛が強まるといった発生時期が不明瞭な「起立性頭痛」もあり、絶え間なく頭痛が続くこともまれではありません。
 頭痛以外には、頸部痛、倦怠感(易疲労)、めまい、吐き気(悪心)などが起こりますが、症状は人それぞれです。 


五・二七
全労連・東京地評争議支援総行動

ご支援、ご協力をよろしくお願いします


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼KLMオランダ航空雇止解雇事件
 3月11日16:00 第1・2・4陣裁判 地裁709号法廷 
 4月22日16:00 第3陣裁判 地裁709号法廷
▼明治乳業争議団
 異常企業体質の包囲告発運動に総力!
 3月16日(火)12時〜13時。京橋エドグラン「座り込み」
 重要な局面での第61次行動、ご支援を! 
▼COOPみらい及川労災事件
 3月12日(金)13:15〜 損賠訴訟 さいたま地裁101号法廷
 5月12日(水)10:30〜 行政訴訟 さいたま地裁105号法廷
▼鶴川高等学校教職員組合
 3月17日13:00〜 都労委 組合側証人尋問 都庁38階
 重要3月19日13:15〜 常勤解雇裁判・判決 地裁527号法廷
 3月22日12:00〜 都労委 学園側証人尋問 都庁38階
 3月24日13:20〜 継続雇用拒否裁判 地裁606号法廷
▼東京国際福祉専門学校教職員組合          
 組合員3名に対する再度の不当解雇を許さない!
 非常勤講師に対する無期雇用転換拒否を許さない!
 理由の説明なき恣意的な廃校・解雇に断固抵抗します!


====東京争議団予定===

2021年
四月
  〇二13:00 三役会議
  〇三13:00 全体会議

五月
  〇七13:00 三役会議
  〇八13:00 全体会議


===行動予定===
***変更訂正あり***

2021年
三月
十一16:00 KLMオランダ航空 地裁:709号法廷
十二13:15 コープみらい及川労災 埼玉地裁:101号法廷
十六12:00 明乳京橋エドグラン前座り込み
十六12:00 JAL争議国会前宣伝(原告中心)***中止***
十七13:00 鶴川高校都労委 組合側証人尋問 都庁38階
十八12:00 JAL争議トリトン(オリパラ組織委員会)前宣伝***3/25に延期***
十九13:15 鶴川高校常勤解雇裁判(判決)地裁527号法廷
二二12:00 鶴川高校都労委 学園側証人尋問 都庁38階
二三18:30 裁判所・労働委員会対策会議 東京地評5階会議室
二四13:20 鶴川高校継続雇用拒否裁判 地裁:606号法廷
二六17:30 けんり総行動 JAL本社前宣伝
二九18:00 JAL争議都内6カ所駅頭宣伝
 
四月
〇七08:30 東京争議団共同宣伝 東京地裁前
十九12:00 明乳京橋エドグラン前座り込み
二二16:00 KLMオランダ航空地裁:709号法廷
二八18:00 JAL争議都内6カ所駅頭宣伝

五月
十二10:30 コープみらい及川労災 埼玉地裁105号法廷


東京争議団のホームページへ戻る