東京争議団ニュース第341/2019年10月12日


東京高裁第9民事部和解勧告!
東電モラハラ裁判

 東電に勤めて2年目の芦澤拓磨君が、先輩社員のいじめにより自殺に追い込まれた事件の損害賠償請求控訴審の第6回目の弁論が9月25日、東京高裁で開かれました。
 昨年3月に控訴以来1年半に亘って高裁審理の結審にあたり、代理人、控訴人である拓磨君の両親の3名が意見陳述を行いました。
 最初に代理人を代表して山際弁護士は「拓磨さんの自殺は先輩社員の嫌がらせや職場環境に起因するもので、損害賠償責任を否定する誤った判断の一審判決は取り消されるべき」と主張しました。
 次に意見陳述を行った父親の明さんは自らが東電社員であった実体験を踏まえ、東電社内の自殺者が多いこと、当初の段階から東電では弁護士を巻き込み、事実を隠蔽していたことを鋭く指摘しました。 最後に母親のひとみさんが最愛の息子を亡くした悲しさをこらえ涙声で、いじめの張本人の先輩社員と遺族が分かりあえる日が訪れることを望んでいると訴えました。
 これらを受け、東京高裁より和解勧告がなされ、東京電力もこれを受け入れる方向で協議に入ることとなりました。 


拓馬君の遺影と仏壇及び愛用の空手衣


名古屋地裁 解雇撤回裁判で不当判決
第一交通労働組合

 9月27日、名古屋地方裁判所において第一交通不当解雇撤回裁判の判決が出されました。
 判決内容は、「請求棄却」という不当なものでした。
 判決では、成田委員長の解雇は、無届欠勤と診断書の不提出で解雇有効としていますが、成田さんが休んでいた理由は通勤時の交通事故による労災であり、労災申請書も出されています。また、診断書も労災申請書の遺志の記載であれば提出できると説明しているにもかかわらず、会社はそれを拒否していたのです。
 宮田書記長の解雇については、会社の度重なる嫌がらせで自律神経失調症を発症、これを労災として申し立てていますが、判決では会社の業務上の手続きに問題はなく、就業規則に則って解雇は有効としています。
 今回の判決は、県労委の不当命令が大きく影響していると思われます。
 今後、高裁に控訴する中で、中労委を含む闘いを強化していきます。


9月27日名古屋地裁判決後の報告集会


同一労働同一賃金裁判の署名協力を
鶴川高校教職員組合

 10月3日、根岸先生の常勤講師差別賃金に対する同一労働同一賃金を求めた裁判が結審となりました。
2016年8月31日に提訴して3年。のべ587名もの傍聴支援をいただきました。 ご支援に心より感謝申し上げます。
 鶴川高等学校に同一労働同一賃金を実現することは、原告が侵害されつづけてきた尊厳を回復するとともに、今なお将来を見通すことも出来ずに働く常勤講師に希望を示すことでもあります。また、45%を占める全国私学職場の非正規の先生に声を上げる勇気を与えるものと思います。
 原告は担任を22回つとめ正規と完全に同じ仕事をしながら、総額2700万円に及ぶ差別賃金を受け、27年勤務しながら無期転換直前で解雇されました。
 8月より東京地裁(民事19部春名茂裁判長)に向けて1万筆を目標に署名に取り組んでいます。
 10月4日、「司法総行動」に参加し、第1次集約分(団体88・個人861筆)を提出しました。引き続き取り組みます。12月12日が判決言い渡しと決まりました。
 一筆でも多くの署名をお寄せ下さい。


局面打開に向け裁判体への要請継続
明治乳業争議団

 中労委命令取消訴訟を闘う明乳争議団は、重要な節目となる高裁第3回弁論期日(10月15日)を迎えます。
 争議団は、法的争点に関する意見書の提出や4人の証人申請を行うなど、不当労働行為と格差を認定しながら「棄却」とした中労委命令の取消しに向け、東京争議団共同行動として書記官を通した裁判体への要請を4月から実施。特に、9月と10月は第3回期日を念頭に月2回の要請を行い、事件判断に関わる重要争点の解明に向け、少なくとも1人の証人採用を求めて奮闘中です。
 同時に、(株)明治の異常企業体質を鮮明にする資料を添付し、事件の全体像への理解を求め全面解決に結びつく訴訟指揮を求めています。
 今秋から来春が正念場、争議解決まで「明治の製品は買わない・食べない」大運動の拡散にご支援・ご協力を!


9月4日裁判所共同宣伝


労働審判は不当な引き延ばしで裁判へ移行
オランダ航空雇止め解雇事件

 KLMオランダ航空(KLM)の日本人契約制客室乗務員雇止め事件の第3陣(5月雇止めの3名)は、労働審判でバックペイと無期雇用を認める完全勝利を勝ち取りましたが、会社側が異議を申し立てたため、裁判に移行することとなりました。
 これは、第1陣2陣(原告28名)が雇い止めの撤回・無期転換を求めて裁判をしている中で、3名の無期雇用を認めてしまうと「日本人は有期雇用でなければならない」とするKLMの方針が大きく揺らいでしまうからです。今後の裁判への影響を避けるために、まったく勝ち目がないにも拘わらず、時間稼ぎを図る不当な引き延ばしだと言えます。
 9月19日の東京地評「争議支援総行動」では、KLM日本支社前の抗議行動に50名が参加、地評柴田副議長の主催者あいさつに続き、東京争議団小関議長から力強い連帯あいさつがありました。そして、KLM日本支社、東京地裁への要請行動を実施、争議解決、裁判勝利に向けた要請書を提出しました。
 次回裁判は10月17日、裁判に続き進行協議が行われます。


9・19地評争議支援総行動・支社前


経営者は仕事の本質に立ち返れ
建交労東京クラシテユニオン分会 

 マンション居住者に良い居住空間を提供する縁の下の力持ちのような仕事です。仕事は出来て当たり前、出来なかったときは直接、顧客に迷惑が掛かります。設備異常による断水・停電などが最たるものです。
 マンション管理は安心・安全で快適な居住空間を顧客に与えるものと謳われます。快適な生活には安全が必要不可欠です。では、安心とは?。安心とは、私たち管理会社の誠実な業務が顧客に与える信頼感です。
 経営者は社員の給与を下げ、退職者を増加させ、顧客に不安を与え、信頼損失を重ねてきました。ネット上のクラシテの評判は的を得ているものが数多くあります。そして、強引な施策・パワハラが横行し、社員は分からないことを聞いたり、指摘を行う、逆に問題にされると恐れています。経営者は顧客の信頼を守っている社員を大切にすべきです。


信念と生き甲斐
JAL不当解雇撤回争議団 榊原正好 

 JAL争議団福岡で孤軍奮闘しています。東京の活動にはなかなか参加出来ず、歯痒い思いですが、気持ちは一緒です。我々JALの争議団は、「いつも明るいね!」とよく言われます。それには2つの要因があるように思います。
 大企業に理不尽な仕打ちをされても、「我々は間違っていない」との確固たる信念があり、それを支える生き甲斐があるからだと思います。
 私の現在の生き甲斐はソフトボールです。転勤族であった私は、どこに行っても地域の野球やソフトボールのチームに参加し活動してきました。25年前に福岡に転居した際は、新興住宅地であった為にチームがありませんでした。そこで私が声をかけ、作ったチームで現在も活動しています。今年からは兼任監督としても奮闘しています。これまでに沢山怪我もしましたが、試合後の仲間との交流に勝る楽しみはありません。仲間と共に闘う気概はここで培ったのかもしれません。


榊原さん


10・4司法総行動


午前に意思統一集会、昼は裁判所前行動(写真)、午後の要請行動が取り組まれました。


東京争議団サポーターの広場
サポーターの皆さん交流会に集まってください!

サポーター世話人
佐藤二郎 藤田淑子 寺島やえ

 東京争議団サポーターの活動が始まったのは2012年7月からです。同年5月に東京争議団50周年記念レセプションが行われましたが、その準備を手伝ってくれた有志の元争議団、支援者の皆さんが中心となって「東京争議団サポーター」を立ち上げました。
 それ以前から有志での現役争議の裁判傍聴や社前行動等の支援やHPの管理支援等が行われておりました。
 サポーターの会を立ち上げてからは、それまでの支援活動を基本にしつつ、サポーターとして独自の取り組みを企画するようになりました。例えば、争議経験者を講師に来ていただき、学習交流する会を年に1回程度ですが重ねてきました。また、この争議団ニュースにサポーターの広場を設けさせていただき、サポーターから発信することで、お互いに支援活動の励みとなっています。この他に春の花見の会、メーデーでの物販、各種集会でのコーヒー販売等でもサポーターが頑張っています。
 7年たったところで、サポーターの人だけで集まり、懇談会をもち、意見を交流したいと思います。
 サポーターの皆さん、積極的にご参加ください。

11月16日(土)13時〜15時
東京労働会館5階 東京地評・会議室
内容:懇談と意見交換


10・23東京争議団総行動

争議解決に向け、みなさんのご支援・ご協力をお願いいたします


東京争議団 第五八回総会
12月14日(土) 一〇時より
会場=ラパスホール
皆様のご支援ご協力を宜しくお願い致します。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼明治乳業争議団
 10月15日、高裁第3回弁論期日:13時30分〜424号。重要期日です!
 10月29日、46次「京橋エドグラン座り込み」12時〜13時 & オリ・パラ組織委員会前宣伝行動:14時30分〜15時30分(トリトンスクエア)
▼KLMオランダ航空雇止め解雇事件
 10月17日(木)11時30分〜 第5回裁判 地裁709号
 10時30分から裁判前宣伝を行います。傍聴支援合わせてご協力を
▼第一交通
 10月25日14:00 第一交通 中労委第四回調査です。
 ぜひ傍聴支援をお願いします。
▼東電モラハラ東電
 署名筆数報告について(9/25提出分と累計)
   ・民事裁判:115筆(累計9636筆)
   ・行政裁判:130筆(累計9461筆)
 行政訴訟の判決が10月30日に。
 民事訴訟では和解交渉日程が入りました。
 最後までご支援を宜しくお願いします。
▼鶴川高校教職員組合
 同一労働同一賃金を求める裁判の判決日が12月12日と決まりました。
 裁判所宛公正判決を求める署名にご協力を!


====東京争議団予定===

十一月
 〇八13:00三役会議
 〇九13:00発送作業・全体会議

十二月
 〇六13:00三役会議
 〇七13:00発送作業・全体会議
 十四09:00第五八回東京争議団総会


===行動予定===

十月
十二09:30日本国民救援会東京都本部大会 全労連ホール
十五13:30明乳高裁口頭弁論 424号
十七10:30KLMオランダ航空 地裁前宣伝
   11:30KLMオランダ航空地裁 709号法廷
   12:00裁判報告集会
二三 終日 東京争議団総行動
二五14:00第一交通中労委調査
二九12:00明乳第46次座込み 京橋エドグラン前
   14:30明乳オリ・パラ組織委員会前宣伝トリトンスクエアー(大江戸線勝どき駅)
   18:00JAL争議都内6駅一斉宣伝行動
三〇15:00東電モラハラ行政訴訟 判決高裁101号

十一月
〇二12:30東京働く者の権利討論集会 ラパスホール
十〇12:00JAL羽田空港アピール 大宣伝
十六13:30サポーター懇談会 東京地評5階会議室
二六 東電モラハラ民事訴訟 和解交渉日
   18:00JAL争議都内6駅一斉宣伝行動

十二月
〇九18:30JAL本社大包囲行動
十二13:05鶴川地裁判決527号
   18:30鶴川判決報告集会 共闘会議総会エデュカス
十四10:00東京争議団第58回総会 ラパスホール
二六18:00JAL争議都内一斉宣伝行動

2019年
一月
二六18:00東京争議団新春のつどい ラパスホール
二九    東電モラハラ民事訴訟判決


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