東京争議団ニュース第301/2016年6月11日


解雇撤回・職場復帰の全面勝利!
市進学院争議団

 5月20日、中央労働委員会が提示した和解勧告書を組合・会社双方が受諾し、合意書が交わされました。2013年3月から3年3ヶ月にわたる争議が、全面・一括和解しました。
 各組合員との間で交わされた合意書では「乙(株式会社市進)は、甲(組合員)に対してなした平成26(27)年2月末日をもって甲との雇用関係を期間満了につき終了させる(雇止めする)旨の意思表示を撤回する」と明記され、各自へのバックペイも含めた解決金が支払われました。 また6月1日より、並木委員長が職場復帰しました。今回の全面勝利は、多方面の方々の物心両面にわたる大いなるご支援・ご協力があったからこそかなえられたものだと思っております。
 これからも、労働者・教育者としての地位と権利、生活と家族を守るため闘ってまいります。皆様、本当にありがとうございました。


5・20解雇撤回を勝ち取った8名の組合員


最高裁、ここでも不当な門前払い!
白鵬女子高校黒崎先生雇止め争議

 2013年3月に神奈川県の白鵬女子高校で起きた黒ア千智さんの「雇止め事件」について、最高裁は4月19日、上告棄却の決定をしました。
 2015年2月23日付で最高裁に上告理由書、上告受理申立理由書を提出して以降、弁護団は上告理由補充書を4次にわたって作成しました。こうした書面が十分に読まれた形跡もないまま、濡れ衣のような雇止め理由が法的には確定してしまうことに憤っています。
 とはいえ、法廷闘争の終結が争議の終結ではありません。白鵬女子高校では経営者による恣意的な雇止めが続いています。今回の決定で経営者の専横が助長されないよう、本人や当該職場の皆さんの意向を聞きながら、今後の方針を模索していきます。
 これまでのご支援に感謝するとともに、今後もぜひ、知恵をお貸しくださるよう、お願い申し上げます。


行訴判決を待たず裁判取り下げよと学園へ要請
鶴川高校教職員組合

 3月31日、東京地裁民事第11部は緊急命令を発しました。そして4月4日、学園はとうとう組合員を担任に復帰させました。
 学園が、2015年1月に東京地裁に対し国・中労委を被告として不当労働行為救済命令取消請求を求めて提訴した行政訴訟の判決言い渡しは、来たる6月29日です。
 この判決前に緊急命令を発したのは、裁判所がこの事件の違法性を強く認識し、判断したからに他なりません。
 学園が不服とするのは組合員の担任解任処分の取り消しと教師としての名誉を棄損する文書を保護者などに配布したことについての謝罪文の掲示です。担任復帰をさせていることから学園が取り消しを求めた主たる部分はなくなっています。
 組合は、いたずらに争議を長引かせることなく、また行訴地裁判決を待たずにすみやかに謝罪文掲示を行い、裁判を終結させるよう求める要請FAXに取り組んでいます。


解決報告集会を開催
新国立劇場合唱団員争議

 2003年2月の同劇場合唱団員・八重樫節子さんの契約打ち切りから13年、幾多の苦難を乗り越え迎えた勝利の争議支援共闘会議第三回総会(解散総会)と、解決報告集会が、2月10日、東京・文京シビックセンター・スカイホールで開催され、80人が参加しました。
 解散総会では、新崎誠吾・支援共闘会議議長は「何回も交渉がデッドロックにのり上げ、解決の見通しがたたなかったが、ついに解決した。音楽家の活動、職場環境の改善、多くのファンのため、芸術振興のために、八重樫さんはこれからもがんばってください」と、エールを送りました。
 どんな困難にもめげずに新国と対峙した八重樫さんは「契約打ち切りから足かけ13年、ようやく協定が締結された。試聴会廃止には至らなかったが、歌劇場としての土台づくりができた。長きにわたり、ご支援をありがとうございました」と喜びと感謝の言葉を述べました。
 集会では、宮里邦雄弁護団々長が「この争議は『オペラ合唱団員は労働者である』という音楽家の社会的地位の確立に貢献した」と評価しました。
皆さまのご支援に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


2月10日解決報告集会


中労委結審を受け救済命令に全力!
明治乳業争議団

 明乳争議の全国事件は、5月19日に最終準備書面提出と意見陳述を行い結審しました。いよいよ、都労委不当命令の全面的見直しと救済命令に向けた重要局面です。 
 争議団と同支援共闘会議は、全面解決への道筋を切り拓く決意を固め総力戦で闘っています。一つは、救済命令を確実にする中労委対策の強化。二つは、(株)明治及び明治HDの異常企業体質を告発・包囲し、全面解決への決断を迫る闘いです。結審から命令交付までを重要な運動期間と位置づけ全力投球です。
 特に、救済命令を求める団体署名が重要となりますので、各団体の末端組織までのご協力をお願いします。
 また、明治HD株主総会(6月29日)に向けた、HD社前「座り込み行動」など等、命令交付時期を念頭に年内運動での局面打開をめざし奮闘します。


5月19日中労委「結審」報告


救済命令に向け中労委要請継続
日東整争議団 

 日東整争議団は、JAL植木社長など会社幹部の自宅に「日東整争議の早期解決に向けてご尽力を頂きたい」という主旨で要請に伺いました。あいにく不在なので要請書を郵便受けに投函して帰って来ました。今後も、JALの会社幹部に対する争議の解決を目的とした要請は続けて行く決意をしております。
JALでは、ベテランや中堅などの中核を成す人々が不足していると聞いています。こんなことで、整備現場ではミスやトラブルが後を絶たず、欠航便が出るという深刻な状況が生まれているそうです。
また、地方空港への整備士の新たな配置や教育訓練などで、整備現場の反対を押し切って導入したばかりの夜勤を一部止めることになったそうです。これは、経験豊富なベテランや中堅が少ないことから十分な整備体制が取れないことにあるのです。
 このような実態に対し、JALの整備士などの労働組合は「むりやり会社をつぶして雇用を奪った日東整の皆さんに謝罪して戻って貰えば済む問題」と主張しております。
このような支えを大切に、争議解決に向けて精一杯頑張る決意をしております。


6/1JALプラザ前で座込み 


争議支援行動、大阪市の個人請願640筆
 大阪市労組組合事務所争議

 大阪市は昨年12月15日、「不当労働行為の意思があった」と認定した中労委命令を受け入れ、「今後このような行為は繰り返さない」とした文書を市労組に手交しました。
 しかし大阪市は、平成28年4月からの組合事務所の使用に関しても、不当な高裁判決を根拠に「使用不許可」の処分をしました。団体交渉に関しても「管理運営事項だから、団体交渉はできない」とする回答をしました。
 労使間の話し合いにより、問題を解決することが正常な労使関係を築くことですが、「組合への便宜供与はしない」「管理運営事項は組合と交渉しない」とした労使間条例を盾に拒否をしています。
 5月26日の大阪争議支援総行動では、大阪労連をはじめ、民間労組の仲間による640筆の個人請願を大阪市に提出しました。短い期間でしたが、たくさんの請願書が集まりました。


大阪市への個人請願に参加する仲間のみなさん


非正規公務員の不安定な地位の
抜本改善めざすCAD裁判
公共一般東京都団交拒否事件

 5月27日争議支援総行動では、9時からの集会に先立ち、組合独自で8時から宣伝し、集会後は都へ要請。鶴川高校・JALに連帯挨拶を頂きました。CAD争議は、都労委(6月7日)、地裁(6月13日)で、公務員の雇用が明治の制度をひきずる「任用」(任命権者の専決事項)である問題を、前田金沢大名誉教授の意見書もいただき、反論します。「任用」論を突破すれば、非正規公務員全体の地位の安定化・向上に役立ちます。自治労連中央委(福島)や全労連「非正規ではたらく仲間の全国交流集会」(6月4・5日、北海道)でも訴えました。労働委では最近のパワハラの実態を述べ、不当労働行為委意思の存在を立証して行きます。 


メーデーで署名を訴える中嶋委員長


一日も早い職場復帰をめざして
JAL不当解雇撤回争議団
徳田みゆき

 2010年の大晦日に解雇された時、遠く離島に住む老いた両親にどう伝えようか、そのことで頭がいっぱいだったことを昨日のことのように思い出します。こんな理不尽な解雇は絶対に許せない、職場に戻りたい、その一心で無我夢中で駆け抜けてきた5年半。職場復帰の報告を待ち望んでいた父も他界しました。嫌でも時の流れを感じざるを得ません。この間、本当に多くの支援者の方々、そして職場の仲間が私たちにいつも寄り添い支えてくださいました。最高裁の不当決定が出され法廷での闘いは決着しましたが、おかしいものはおかしいし、私たちは絶対にあきらめません。「意義ある交渉を行え」とするILO第三次勧告を生かし、会社に自主解決をもとめるために今後も力を尽くしてまいります。
 一日も早い職場復帰をめざして今日も頑張ります!


メーデー前夜祭にてJAL争議団合唱団、IBM争議団の仲間と(中央筆者)


5・27の争議支援への感謝と今後の闘い
建交労ダイワードユニオン分会

 5・27総行動にご参加・支援を下さった全ての方に感謝を申し上げます。
 この皆様への感謝と共に、ダイワード笹晃弘社長の不当な労働組合潰しを止めさせ、必ず私たちの権利を取り戻すことを宣言をします。ダイワードでは企業命令は絶対であると位置づけられ、多くの従業員が反対意見を言えない企業風土が作られてきました。この風土が退職金カット・成果主義等の不当な賃金政策を助長させてきました。私たちが中労委で勝ち取った団体交渉の権利はこれらを打破し、労働者の権利を回復させるためのもです。
私たちは笹晃弘社長の不当な経営政策で、失った賃金や低下した顧客サービスを取り戻し、今こそ働き甲斐のある職場を取り戻そうと思います。


5・27ダイワード社前


東京争議団サポーターの広場

 今のところ争議はありませんが・・
村上 敏一(金融労連)

 AIG、八千代銀行、ステートストリート信託、アメックスと続いた金融労連の争議は、東京争議団の力もお借りし、勝利的解決して争議団を「卒業」することが出来ました。1年ぐらいは「お礼奉公」しなければと、裁判所前宣伝や全体会議にも参加するようにしていましたが、徐々に争議団とは縁遠くなってきているのが現状で、申し訳なく思っています。
 今も退職勧奨やパワハラ、有期契約労働者の無期転換問題などの労働相談はありますが、交渉で何とか解決し、争議にまでは至っていません。これはやはり喜ぶべきことなのでしょうね? でも、いつ何時、争議になるかわかりませんので、「困った時の争議団頼み」ではなく、可能な限り日常的に争議団の活動に参加していきたいと思ってます。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼公共一般東京都団交拒否事件
6月13日(月)13時15分〜CAD東京地裁631号法廷。
▼明治乳業争議団
解決局面を切り拓く決意で頑張ります。6月15日(水)・16日(木)午前11時〜13時、明治HD社前「座り込み」行動へのご協力をよろしくお願いします。?
▼大阪市労組組合事務所争議
6月17日(金)8時から最高裁西門で宣伝。9時半から10時まで最高裁要請。
▼鶴川高校教職員組合
6月29日(水)中労委命令取消訴訟地裁判決。13:05〜地裁527法廷、18時半〜判決報告集会、全国教育文化会館地下会議室
▼日東整争議団
7月6日と8月3日10:30〜13:00で
JR有楽町駅前の日比谷口側にあるJALプラザ前での宣伝と座り込みを実施します。ご協力下さい。


====東京争議団予定===

7月
〇一13:00三役会議
〇二13:00発送作業・全体会議

8月
〇五13:00三役会議
〇六13:00発送作業・全体会議


===行動予定===

6月
十三13:15CAD地裁631号法廷
十四12:00明治関東支社14:30明治HD
   16:00みずほ本店 宣伝行動
十五08:00東京争議団共同宣伝中労委
   11:00明治HD座り込み
十六11:00明治HD座り込み
十七08:00大阪市労組最高裁宣伝
   09:30大阪市労組最高裁要請
二一08:00東京争議団共同宣伝都庁
二二09:00JAL舞浜駅前宣伝
   10:00JAL株主総会宣伝 舞浜アンフィシアター
二九13:05鶴川高校行政訴訟裁判 判決地裁527号法廷
   18:00鶴川高校判決報告集会 全国教育文化会館
   18:00JAL争議一斉宣伝行動

7月
〇六08:00東京争議団共同宣伝裁判所
   10:30日東整有楽町JALプラザ前宣伝
   11:30日東整有楽町JALプラザ前座り込み
十四18:00JAL本社前行動
十五08:15国民救援会最高裁宣伝
   10:00国民救援会最高裁要請
二十08:00東京争議団共同宣伝中労委
   11:00明治HD社前座り込み
二一11:00明治HD社前座り込み
二九18:00JAL争議団一斉宣伝

8月
〇三08:00東京争議団共同宣伝裁判所
   10:30日東整有楽町JALプラザ前宣伝
   11:30日東整有楽町JALプラザ前座り込み
十五08:00東京争議団共同宣伝都庁
十七08:00東京争議団共同宣伝中労委
二八〜二九サマーレク


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