東京争議団ニュース第292/2015年9月5日


八月、反尋問と主尋問を攻勢的に闘い抜く
明治乳業争議団

 明乳争議団は猛暑の8月、中労委で第一回主尋問への反対尋問(8月7日)と、残り6証人の主尋問を闘い抜きました。会社は反対尋問(8月19日)を、5証人のうち3証人に絞って行いました。特に、集団間格差の存在と、格差拡大を可能にする職分・昇格制度の恣意的運用実態を鮮明にした、桜井証人への反対尋問が注視されました。
 しかし、桜井証人は尋問に対して、制度の仕組みや運用実態を含めて丁寧に反論し、主尋問を補強する毅然とした証言を貫きました。残り2証人への反対尋問も含め、累積格差の存在と格差拡大を生む人事考課や昇格制度の、恣意的運用実態が鮮明になりました。
 8月19日の主尋問では、明確になった累積格差の原因、すなわち不当労働行為の動機と具体的事実について、6証人が明確に立証しました。特に、会社が組合活動に介入した決定的動機が、人減らし大「合理化」の達成にあったことが鮮明にされました。また、都労委命令がインフォーマル組織を「自主的組織」と判断した誤り、貴重な秘密資料類を「入手経路が明らかでないノートやメモ」とした誤りを証拠で明確にする等、全体として異常な不当労働行為意思を立証し切りました。
 反対尋問は10月27日(13時)からです。


8月19日中労委第3回審問報告集会


123便事故後の検証シンポジウム「安全」と「解雇」を問う
JAL不当解雇撤回争議団

 史上最悪の520人もの犠牲者を出した123便事故から30年。マスコミ各社が特集を組んで報道するなか、8月10日、JAL不当解雇撤回シンポジウム「明日への誓い」が開催され600名が参加しました。
 事故後、出された経営方針の4つの誓い「絶対安全の確立」「現場第一主義」「公正明朗な人事」「労使関係の安定・融和」の検証を中心に、4名のパネリストが「安全」と「165名の不当解雇」の関係を労働組合の闘いの歴史に照らして解明しました。
 数々の事故の背景には、利益第一主義による「合理化」や労働組合敵視の労務政策があったこと、経営破綻の原因は利権がらみの放漫経営や航空行政にあったこと、そして、JALの異常性を根本から変える労働組合の闘いがあったこと、その過程で経営破綻に乗じた不当解雇が強行されたことの経緯が明らかにされました。
 「安全」は、国民・利用者の要求でもあり、闘う労働組合がその事を実現する確かな存在として期待されていることも再認識する場となりました。


8月10日JAL不当解雇撤回シンポジウム


「東京都CAD争議勝たせる会」広がる
公共一般東京都団交拒否CAD解雇事件

 中嶋委員長ら職業訓練講師を3月末に解雇した東京都CAD争議の「勝たせる会」が7月17日に発足後、宣伝や物品販売を開始し、会員を広げています。
 よびかけ人に全労連の野村副議長、自治労連委員長・東京地評議長も迎え、8月22〜25日の名古屋での自治労連大会で中嶋委員長が発言し、会場で加入よびかけ・署名。お茶の販売をしました。
 また、公共職業訓練を充実する立場で「職業訓練のあるべき姿」を提起しCAD争議を側面支援する「マイスターの会(略・仮称)」準備会も7月29日開かれ、新たに工業高校や高専の元教員も加わり、教育問題も含め、多面的な議論を開始しました。
 非常勤団交問題では、7月24日に都と団体交渉。都は特別職の労働条件では団交に応じるが、一般職は「意見を伺う」として団交を拒否。今年度からの非常勤職員の一般職化のねらいが「団交のがれ、公共一般労組封じ」であることが明らかになりました。


8月22日自治労連非正規公共評大会で争議支援を訴える原告の中嶋委員長


オペラ合唱団員は労働者
新国立劇場合唱団員争議

 2003年の事件勃発から12年、現在、新国立劇場合唱団員契約打ち切り事件は、音楽ユニオンと新国財団との間で解決のための話し合いが続行中です。
 新国財団が、この争議解決に真摯に向き合い、新国立劇場が欧米並の劇場運営に着手するよう、また劇場内で働く人々の権利が守られるよう、私たちは強く望みます。
 引き続き、ご支援をよろしくお願いします。


東京高裁・中労委に加え、新たな都労委の闘争開始
市進学院争議団

 全面敗訴にもかかわらず、中労委への再審査申立と東京高裁への控訴をしてきた市進学院。東京高裁での控訴審第1回が10月6日に、中労委の初回調査が10月30日に決定しました。
 また、今年2月末をもって雇い止め解雇された並木委員長と大原副委員長の解雇撤回を求め、7月21日都労委に対し不当労働行為救済申し立てをしました。 組合の弱体化、さらには消滅を謀った組合員狙い撃ちの不当解雇。新たな闘いに対し、組合員一同毅然として断固徹底的に闘いぬきます。
 7月19日には船橋市の薬円台公民館において、昨年結成された「市進の仲間を励ます会」の報告会が行われました。3連休の中日にもかかわらず40名ほどの方々にお集まりいただき、詩人会議の宮本さんによる詩の朗読や、千葉県議の丸山さん、ブラック企業をなくす東葛の会事務局長の中島さんをはじめ多くの方々から励ましのお言葉を頂戴しました。


「市進の仲間を励ます会」1周年報告会 7/19


組合員・常勤講師も無期雇用に転換するよう求めます
鶴川高校教職員組合

 組合は、「安心して教育に打ち込める労働条件を」と1年契約の「常勤講師」を無期雇用の「専任教諭」にするよう求め続けてきました。
 常勤講師は、担任・部活動顧問など無期雇用とまったく同じ仕事内容です。それにもかかわらず、定期昇給はなく、退職金も出さないという著しい待遇差別を行っています。私学助成金は、一人あたりの教員に413万円の支給していますが、それを下回る年収のため助成金が適正に支出されず内部留保されています。
 百瀬理事長は今年4月、学園は2年目以降の常勤講師8名を専任教諭にしました。非常に画期的なことです。しかし、20年以上の長期雇用となっている組合員は、専任教諭に転換しませんでした。
 中労委命令は今地裁で争っている担任外しについて「専任教諭化等の要求を続けていた組合に打撃を与え」ることが目的であったと認定しています。
 二重三重の不当労働行為をなんとしても是正する決意で10月6日、団交に臨みます。


7/24 教育集会で訴える鶴川高校教職員組合


日東整裁判は上告し
東京高裁の判断の誤りを正す
日東整争議団

 日東整裁判は、7月6日に最高裁に上告し8月28日に上告受理申立理由書を提出しました。
 この理由書では、東京高裁の労働組合法7条の使用者性判断の誤りを、日東整と日本航空との支配従属関係の実態と事実から反論した内容です。 また、裁判の根幹である日本航空の整備部門の再編・統合から日東整だけを排除したのは、日東整労組とその組合員らが日本航空内の民主的な労働組合と大同団結することに危機感を持った日本航空が、日東整を会社ごと潰し、そこで働いていた従業員全員の雇用を奪った行為には、不当労働行為意思が強く働いてのことを、日本航空の社内文書を基にあきらかにし、東京高裁の誤りを正す内容としてあります。
 日東整争議団としては、最高裁宛の団体と個人の署名を取り組み、毎月、東京争議団が主催する共同での最高裁前での宣伝と要請行動に積極的に参加して、東京高裁での判決の見直しを強く求めて行きます。


成田空港宣伝での佐藤原告


「自殺隠蔽」なぜ認められなかったか
再雇用拒否田畑和子争議

 教師にとって教え子の自殺ほど悲しいものはありません。
 足立区の中学校に在職中、担任していた生徒の母親が 自殺したことがあり、その時は随分気を遣いました。
しかし、千川中学校の生徒の自殺は、中神校長が自殺を隠蔽したため、当たり前の教育活動ができませんでした。普通は原因を究明し二度と起きないよう対策を講じ、教職員が一致して生徒の指導を行うのです。
 ところが校長が「ウッカリ階段から足を滑らせた事故」と本人の落ち度にしたため、原因の調査や生徒への指導は無用となり、どこからも追及はなく校長は安泰でした。覚悟の自殺だったことは自宅マンション六階から八階にまで昇っていったことで分かります。
 校長の行為は死への冒涜で許せない気持ちです。校長に協力した教員達は出世し校長になっています。中神校長は、今、東京音大で教員養成を担当しています。訴訟が勝訴で終われば、東京の教育界の正常化に寄与できたと思うと残念です。


東京争議団サポーターの広場

 猛暑日が嘘のように過ぎ去って行きましたが、お変わりありませんか。
 東京争議団のサマーレクリエーションでは、車の運転を担ってサポーターが大活躍しました。
その他に10人が参加しました。

 9月は行動が目白押しです。多くのサポーターの参加を期待します。

 9月8日東京地評争議支援総行動

 9月15日司法総行動プレ企画のコーヒー販売は中止と致します。



30日堂ヶ島にて戦争反対憲法守れ!


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼建交労ダイワードユニオン
9.8東京地評争議支援総行動では9月8日(火)10:05〜10:30に社前行動を実施します。よろしく!
▼JAL不当解雇撤回争議団
9月14日〜16日(08:30〜13:00)国土交通省前で宣伝行動と座り込みを実施します。不当解雇撤回争議の解決に向け、行政指導を求める取り組みです。
▼鶴川高校教職員組合
9月18日(金)15:00から行訴第4回口頭弁論 東京地裁527号法廷。終了後16:00まで弁護士会館にてミニ集会を行います。ビラ等お持ちください。
▼新国立劇場合唱団員争議
10月1日(木)18〜19時、楽劇「ラインの黄金」初日、同月17日(土)13〜14時、同最終日の新国立劇場前宣伝行動にご協力をお願いします。
▼市進学院争議団  
 東京高裁での控訴審第1回が10月6日午前10時817号法廷で、中労委の初回調査が10月30日10時より行われます。高裁での傍聴支援、宜しくお願い致します。
▼日東整争議団
10月6日10:30〜11:30有楽町JALプラザ前宣伝。最高裁宛の団体と個人署名に引き続きご協力下さい
▼公共一般東京都団交拒否事件
東京都CAD争議で「勝たせる会」広がる。団交問題では、都が今春一般職にした非常勤の団交を拒否(特別職のみ応じる)。一般職化が公共一般封じであることが明確に。


====東京争議団予定===

十月
〇二 17:00三役会議
〇三 13:00全体会議
十一月
〇六 13:00三役会議
〇七 13:00全体会議


===行動予定===

9月
〇二08:00東京争議団共同宣伝 裁判所前
   10:30日東整JALプラザ前宣伝
   16:00司法総行動会議 労働会館5F
〇四18:30JMIU高見沢電機支部 争議勝利解決報告会全労連
〇七17:00東京地評争議支援総行動 コース責任者会議
〇八 終日東京地評争議支援総行動
   18:30国際人権委員会代表者会議
十一09:30東京争議団総行動 第一次統一オルグ
十三14:00明乳争議団JR松戸駅宣伝
   15:30JR柏駅宣伝
十四08:30JAL不当解雇争議 国交省前宣伝座り込み
十五08:30JAL不当解雇争議 国交省前宣伝座り込み
   12:00明乳坂戸工場
   16:00戸田工場宣伝
   18:00司法総行動プレ企画全労連
十六08:30東京争議団共同宣伝 中労委前
   08:30JAL不当解雇争議 国交省前宣伝座り込み
十八15:00鶴川行訴第4回口頭弁論 東京地裁527号法廷
二四08:00東京争議団共同宣伝最高裁
   10:00東京争議団共同要請最高裁
   10:00公共一般第2次申立事件 中労委
三〇17:00東京地評争議支援総行動 総括会議労働会館5階会議室

10月
〇一18:00新国立劇場前宣伝
〇二09:30東京争議団総行動 第2次統一オルグ
〇六10:30日東整有楽町JALプラザ前宣伝
   13:00司法総行動・中労委要請
〇七 終日司法総行動
十七13:00新国立劇場前宣伝
二三 終日東京争議団総行動
二七13:00明乳中労委第4回審問

11月
〇四08:00東京争議団共同宣伝 裁判所前
〇七13:00東京争議団全体会議
十六08:00東京争議団共同宣伝都庁前
   13:00明乳中労委第5回審問
十八08:30東京争議団共同宣伝 中労委前

12月
〇二08:00東京争議団共同宣伝 裁判所前


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