東京争議団ニュース第279/2014年8月2日


最高裁が上告不受理
行政に迎合し続ける司法を糾弾

矢田部過労死裁判

 (株)クォークが労基法・労安法をはじめ数々の労働法違反を繰り返し、過酷な過重労働を強要し、退職後も過労による疲労は回復せず6ヶ月後に暁則さんを過労死させた矢田部過労死事件。
 一審の東京地裁は、法と証拠に基づく事実認定を行い、暁則さんの死因は異常労働によって命を奪った典型的な過労死事件であるとの認定判断を行なった。
 二審の東京高裁は「先に結論ありき」の判決で、これまで確立してきた過労死の判例法理や証拠を排斥し、厚労省の意図を全面的に採用する不当判決。
 最高裁は、裁判の生命とも言われる「法と証拠」を投げ捨て、事実を葬り、国家権力(厚労省)に追随し、司法の責務を投げ捨てた許しがたき不当な上告不受理。
 元裁判官は著書「絶望の裁判所」で、裁判所は司法としての責務を放棄していると内部告発しています。
 国連の人権委員会は、司法として国連規約を尊重した裁判適用を行うよう日本政府に勧告しています。
 最高裁の不当措置(上告不受理)に対し、厳しく抗議するとともに、「損賠訴訟」の上告受理にむけて、運動を強めていく決意です。


提訴して1年半
アメックス解雇争議

 2年間の療養生活で、リワークプログラムも終了し、主治医も会社指定医からも就労可が出て、これで復職できると思っていたら、2012年12月20日、休職期間満了につき「雇用終了」の通知。驚いて組合にすぐ連絡し、本社へ抗議に行きましたが、受付でストップされ、人事部に電話しても出ません。
 年明け、団交を行いましたが、会社側は、「以前と同じように完璧に働けるようにならなければ、復職は認められない、復職を前提としない解決なら考える」、との不当な態度を、組合の追及にもかかわらず変えようとはしませんでした。
 いろいろ迷いもありましたが、やっぱりこんなことは許せないと、裁判を決意。2013年1月31日、東京地裁に雇用関係の確認を求めて提訴しました。
 初めて経験する裁判に戸惑いもありましたが、提訴して1年半。証人尋問も無事こなし、やっと8月6日、結審を迎えることになりました。
 復職をめざしてさらに頑張っていきたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。


日本IBM支部大会で挨拶をする原告


新たな展開・厚労省交渉行う
NTT木下解雇争議

 7月22日、参議院議員会館において厚労省交渉が行われました。 私たちは小関議長をはじめとし共闘会議、東京労組、そして福島議員と秘書の14名、厚労省側は3名。
 冒頭にこれまで皆様に頂いた1080団体の署名を提出し、厚労省側から、事前に提出していた6項目の要請(@電電公社の企業内認定の矛盾A当時の国会での議論をどう捉えていたかB頸肩腕障害の多発の原因C業務上・外の認定結果Dプロジェクト答申についてE当時の業務上の認定基準から外れた人の救済)の回答を受けました。厚労省側は、「認定制度等当時の法律に基づき適切に運用・指導してきた、本日皆様の貴重なご意見を頂き今後に役立てたい」等回答。
 私たちは、国策上のゆがみが問題の発端、なぜ見逃してきたのか、指導してきたというなら、国の指導責任と厚労省側を追及。
 あらためて総務省を交えた交渉を持ち直すことを確認し、90分間の交渉を終了しました。


厚労省に団体署名提出


日航は日常的に日東整を支配
日東整争議団

 裁判で明らかにした日航による日東整の日常的支配は、運航親会社として安全運航確保のために、日東整に日航と同一の整備水準・品質を確保するため、整備マニュアル、訓練等を通じて、整備業務が日航の方針に従って実施されるよう、日常的に管理・指揮監督する体制を取っていました。
 日東整の福利厚生も日航の子会社としての位置付けがあり、定年退職後の継続雇用制度は、JALグループシニアセンターが適用され、JALの一元的な人事管理となり、JAL退職者が日東整で雇用継続されるなど、日航の支配が明白でした。2006年のJAL・JAS統合と同時にJALグループ健康保険組合に移行したことで、日東整従業員はJALグループの一員でした。


地裁前で訴える両原告


中労委にて副校長が証言
鶴川高校教職員組合

 昨年11月、都労委は年度途中の担任外しが不当労働行為であると認め、4月から組合員を担任に戻すよう命じました。
 しかし、百瀬理事長(校長兼務)は再審査申立を口実に「現段階で担任に戻すことはできない」などとし、命令を履行していません。
 この4月以降、一旦担任になった先生が2名退職しました。その代わりとして組合員を担任に戻す機会があったにも関わらず、今年着任したばかりの先生を担任にしました。命令を履行する姿勢は見られません。
 8月25日、中労委にて副校長が証言をすることになりました。皆さんの傍聴支援が勝利命令への大きな力になります。お一人でも多くのご支援をいただきますようお願いいたします。


工場門前 & ターミナル宣伝の継続
明治乳業争議団

 中労委で逆転救済命令を目指す明治乳業争議団は、同時に、解決局面への道筋を切り拓く決意を固め、会社包囲の事業所宣伝や主要ターミナル宣伝を強めています。
 首都圏では、長期に継続している「明治HD→みずほ→(株)明治」の三ヶ所宣伝に続き、主要工場門前行動として「戸田工場(牛乳)・坂戸工場(菓子)・埼玉工場(粉ミルク)・神奈川工場(牛乳)」への行動も今春から開始。
 さらに、千葉共闘では主要駅リレー宣伝を継続中で、8月30日には「松戸駅→浅野社長宅→柏駅」を予定。東京でも7月19日には、北千住駅前で地元足立区労連の支援を頂き、一千枚のチラシを配布しました。
 食の「安全・安心」を前面に、異常体質の会社を徹底的に包囲し、全面解決への道筋を掴み取る決意で、争議団は奮闘中です。


7月19日北千住駅前宣伝行動


東京争議団の仲間と宣伝行動!
労働者の連帯に感謝!
建交労ダイワードユニオン分会

 売上下落中の企業が成果主義を導入する目的は賃金カットしかありません。ブラック経営者ダイワード笹社長は売上下落の責任を放置したまま、これまで同様に「頑張った社員の給料は上がる」と言い張り、退職者の増加をよそに「成果主義賃金の導入」を強行しようとしています。
 7月12日(土)、「社員総会」と呼称するダイワード全社員を集める集会があり、私たちも東京争議団の仲間の支援を得て、会場前のビラ配布で賃金不払いの指摘と、経営者を監視する必要性を訴え、成果主義反対のために労働者の力の結集を呼びかけました。
 経営側の見張りがいてもビラの受け取りが良く、多くの従業員が会社の行く先を心配しているのが分かります。笹社長のブラック経営では「この会社だけは嫌だ」と退職者がとどまらない状況です。


音楽ユニオン全国大会で
八重樫さん決意表明
新国立劇場合唱団員解雇争議

 7月22日、音楽ユニオン第34回臨時全国大会で、八重樫節子さんが七地本から集った代議員に対し、12年目に突入した争議の状況を説明、争議へのさらなる支援を訴えました。代議員からは温かな拍手がわきおこり、八重樫さんを激励しました。
 また、大会冒頭の来賓挨拶では、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)事務局次長で新国争議支援共闘会議副議長の緒方承武さんが、「団交を形骸化させる昨今の状況ではあるが、団結して闘えば必ず解決する。オペラの観客はわかってくれている」と、力強く語りました。
 次回支援共闘会議では、争議解決への道筋の討議をさらに深める予定です。
 ご支援をよろしくお願い致します。


音楽ユニオン全国大会で決意表明


日本IBM支部大会であいさつ
S・S信託銀行争議

 ステートストリート信託銀行不当配転・不当解雇事件は、結審に向けて最終意見陳述書を作成しています。
 また7月26日に品川労政会館で行われたJMIU日本IBM支部の大会に招いていただき挨拶をいたしました。同じアメリカ系企業であり、またステートストリートは世界的にIBMにアウトソーシングをしています。
 同じブラック企業と闘う仲間として連帯し復職に向けてがんばって行きましょうと話しました。 


7月26日、日本IBM 支部大会にて


機能を停止した?裁判所
再雇用拒否田畑和子争議

 最終準備書面作成に携わっていると、田畑さんは裁判所からこんなひどい扱いを受けていたのかと憤りが湧いてきた。
 @地裁‥中神元校長らが「真実性、誤信相当性を争わない」と言明したため、裁判所は田畑さんの尋問時間を短時間にし、元同僚らの証人申請を却下。
 これは裁判所が中神元校長の陳述・証言が虚偽だと判断したからに他ならない。当方も中神元校長の証人申請をしなかった。
 ところが、この言明が各口頭弁論調書に記載されていないので当方は準備書面で調書訂正を申し立てたが、裁判所はそれを無視し不当判決を出した。これでは裁判所は中神元校長ら主張を鵜呑みにしたと考えるざるを得ない。
  A高裁‥‥初めて証人採用したのはいいがそれが終わった途端、中神の証人申請を却下し、弁論終結を宣言。こちらの最終準備書面も読まずに判決を出されてはたまらない。
 傍聴席と控訴人席から不満が示されると、結審を8月6日に変更した。


雇い止め撤回裁判記録集が出来ました
JAL契約制雇い止め争議

 昨年10月、最高裁上告が棄却(原告、被告共)。上司のパワハラ・退職強要の一部の不法行為・損害賠償の支払い・被告会社も責任を負うという高裁判決が確定しました。
 全国の労働局の「パワハラ」相談が前年より15%増の約5万9千件に上ったと厚労省は発表しています。 この事件の高裁判決確定は、厚労省のHPにも掲載され、パワハラで苦しんでいる全国の労働者にも少なからず影響がある判決だったと思います。
 また、JALの職場では、この原告の闘いがあったからこそ、それ以降の「退職強要」はありません。
 彼女の「3年半にわたる闘いの記録集」が完成しました。
 9月5日にこの闘いに区切りをつける集会を行う予定です。


3年半にわたる闘いの記録集


総務局に団体交渉を申し入れ
公共一般 東京都団交拒否事件

 7月24日、不当命令公布後改めて公共一般は東京都総務局へ、非常勤職員の賃金・雇用問題・団体交渉のルールについて団体交渉の申し入れを行いました。
 非常勤職員は、現在も毎年、正規職員の賃金引下げが決定されたと同時に、一方的に賃金が引き下げられる事態が続いています。
 このことに関する交渉は、非常勤職員制度全般にわたる事項のため、各局の責任者では到底対応できないことは明白であり、実際、各局の管理職はこれまでも回答不能な対応になっており、命令はこの事実を判断していないのです。。
 責任所管である総務局しか回答できない実態を団交の中で改めて追及していきます。


最高裁に4度目の上告棄却決定の撤回を申し入れ!
杉並区立図書館雇い止め解雇争議

 上告人岩アさんは、上告から1年7か月余が経過した本年3月14日に最高裁から「上告事由に該当しない」という誤った理由の上告棄却決定通知を受けました。
 それに対して、岩アさんは、「誤りは、憲法32条で保障された国民の裁判を受ける権利に関わる重大な問題であり、このまま看過することはできない」と、最高裁に対し、上告棄却決定を速やかに撤回することを求める書面を訴訟代理人弁護士と連名で本年3月28日に送達しました。
 その後、4月30日、6月10日にも同様の書面を送達しましたが、何の連絡もないので、7月8日に改めて最高裁に対し、直ちに誤った上告棄却決定の撤回と、上告から棄却決定に至る審査過程の情報開示を求める書面を送達しました。


新加盟争議紹介

市進学院常勤講師雇止解雇

 全国一般東京東部労組市進支部は、学習塾「市進学院」の講師8名で組織する労組です。市進学院の講師は1年の有期雇用契約ですが、組合員は20年以上にわたって勤続しており、実態は常用雇用であって、まさに「名ばかり有期雇用」です。契約の更新を奇貨とする賃金カット等の労働条件の不利益変更撤回、一時金・退職金がないなどの正社員との差別是正を求めて2013年1月に労働組合として公然化しました。
 公然化直後に2名が不当な雇い止め解雇、そして今年2月末日をもってさらに2名が雇い止め解雇されるなど、会社は組合つぶしを露骨に行っています。これに対し組合は、解雇撤回等を求める署名を集め、地位確認の裁判と都労委への救済申し立てをし闘っています。
 今回、新たに東京争議団に加盟し、心強い仲間のみなさんと共に、敢然と闘い敢然と勝利する決意です。どうかよろしくお願いいたします。


土田さん、安田さん


東京争議団サポーターの広場

 東京のお隣、神奈川県からうれしいお知らせが2つ。資生堂アンフィニ争議の判決が七月十日ありました。 資生堂に対する請求は棄却されたものの、アンフィニの期間社員としての地位が現在まで続いている一部勝訴の判決でした。
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団の解雇争議で、神奈川県労働委員会は解雇は不当、職場復帰を命令しました。資生堂争議の皆さんからは、東京美装裁判などで支援してもらいました。
 さぁー、東京も負けないぞ〜 F


猛暑に負けず力強いひまわり


東京争議団
夏季カンパへのご協力を
お願いします


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼日東整争議団
有楽町JALプラザ宣伝10時半〜=8月6日、9月3日。東京地裁前宣伝8時半〜=8月28日、9月11日。
▼アメックス解雇争議
次回は口頭弁論で結審となります。8月6日(水)11時30分から地裁420号法廷です。引き続きご支援をお願いします。
▼再雇用拒否田畑和子争議
結審が目前に迫りました、8月6日は東京高裁511号法廷にきてください。
▼明治乳業争議団
中労委第4回調査が8月18日午後1時30分から予定。証人採用枠など、会社とのせめぎ合いが強まります。支援傍聴をよろしく!
▼鶴川高校教職員組合
8月25日(月)14時より中労委にて学園副校長の証人尋問です。支援傍聴をお願いします。
▼公共一般東京都団交拒否事件
中労委の第1回期日が10月1日(水)10時に決まりました。応援傍聴宜しくお願いします。
▼S・S信託銀行争議
10月14日(火)結審 611号法廷です。引き続きみなさんのご支援をよろしくお願いします。


====東京争議団予定===

九月
 一二 17:00三役会議
 一三 13:00全体会議

 十月
 〇三 17:00三役会議
 〇四 13:00全体会議


===行動予定===

八月
〇五 15:00司法総行動実行員会
〇六 08:30東京争議団共同宣伝 裁判所前
    10:30日航三争議JALプラザ前宣伝
    11:30アメックス結審地裁420号
    15:30田畑三次訴訟結審高裁511号
〇七 18:00JAL日航本社前宣伝
一二 13:00明治HD宣伝
    14:30みずほ銀行大手町宣伝
    16:30明治本社宣伝
一八 13:30明乳中労委調査
一九 08:30東京争議団共同宣伝中労委前
二〇 09:30東京地評争議総行動2次オルグ
    17:00同第3回実行委員会
二二 07:50東京争議団共同宣伝最高裁前
    10:00東京争議団共同行動最高裁要請
    16:00明乳埼玉工場・神奈川工場宣伝
二五 14:00鶴川中労委・副校長証人尋問
二六 08:00都庁前共同宣伝
二七 18:45スタジオイースター勝利報告集
二八 08:30日東整裁判所前宣伝
    14:00JAL行政訴訟裁判判決
二九 18:00JAL全国一斉宣伝
三〇 13:00明乳JR松戸駅宣伝
    15:30明乳JR柏駅宣伝
三一 終日 サマーレクレーション

九月
〇一 終日 サマーレクレーション
〇二 16:00司法総行動実行員会・懇親会
〇三 08:30東京争議団共同宣伝 裁判所前
    10:30日航三争議JALプラザ前宣伝
    18:30裁労対策会議
〇九 13:00明治HD宣伝
    14:30みずほ銀行大手町宣伝
    16:30明治本社宣伝
一一 08:30日東整裁判所前宣伝
一七 08:30東京争議団共同宣伝中労委前
一八 12:00明治戸田・坂戸工場宣伝
一九 18:30司法総行動プレ企画 全労連ホール(コーヒー販売を行います)
二二 13:10日東整地裁判決419号
    17:00東京地評争議総行動コース会議
二四 終日 東京地評争議支援総行動
二五 10:30権利討論集会第2回企画会議 労働会館5階会議室
三〇 10:00明乳中労委調査

十月
〇一 08:30東京争議団共同宣伝 裁判所前
    10:00公共一般中労委調査
    18:00東京地評争議総行動総括会議
〇八 終日 司法総行動
一四 11:00S・S地裁結審611号法廷
二三 15:30明乳山口裁判高裁判決
二五 10:30権利討論集会第3回企画会議 ラパスホール

十一月
〇六 10:00権利討論集会最終企画会議 労働館5階会議室


東京争議団のホームページへ戻る