東京争議団ニュース第270/2013年11月9日
10月17日、2013司法総行動
裁判所、労働委員会は働く者の権利を尊重した判断を
10月17日、司法総行動実行委員会は統一の要請書を元に、地裁、高裁、最高裁、都労委、中労委、法務省、警察庁、厚労省に対し一斉に要請行動に取組みました。早朝の宣伝、意思統一集会・ミニ講演に続き、昼の地裁高裁前行動には160名が参加するなど、“司法が憲法と国際水準を守ること”を求め一日行動を展開しました。
9月13日にはプレ集会として内藤功弁護士による「今日の情勢と司法の課題―自衛隊の国民監視差止訴訟と砂川事件に見る最高裁の体質」、棗一郎弁護士による「アベノミクスの労働規制緩和と労働組合の闘い」の二つの講演が行われました。
また、10月7日には東京地評が「労働委員会の役割を考えるシンポジウム」を開催しました。
秘密保護法など戦前の日本に戻そうとするかの如き暴走する安倍政権は労働法制の一層の規制緩和をめざし、その突破口として派遣労働の全面解禁とも言うべき大改悪をしようとしています。一方、最高裁は加茂暁星高校非常勤講師雇止め訴訟、日航契約制客乗パワハラ雇止め訴訟の上告棄却。都労委の明治乳業差別事件に対する全面却下の不当命令に示されるように司法反動が顕著となっています。これに対峙する幅広い大きな運動を多くの団体と共に奮闘することが求められています。
最高裁棄却の不当判断!
JAL契約制雇い止め争議
最高裁第3小法廷は10月22日上告を棄却する判断を下しました。
パワハラが原因での雇い止めに対し何ら検証をせず、企業の論理だけを採用した司法の在り方に強く抗議をしたと思います。24日は東京争議団小関議長はじめ21名が最高裁へ抗議要請を行いましたが良心の府など微塵もない、中に一歩もいれない門前での対応に終始しました。
パワハラはなかったと付帯上告していた会社も棄却され高裁判決のパワハラ・退職強要があった事実が確定しました。今後JALに対し原告へ謝罪させるよう謝罪要請を本社宛てにFAXする取組を行います。
多大な苦痛を与えられ、人生を狂わされた原告に対し必ず謝罪させる取組みに皆様のお力添えをお願いいたします。
都労委全公益委員に公開質問状!
明治乳業争議団
明治乳業争議団は、都労委超不当命令を覆す中労委闘争を新たな決意で頑張ります。同時に、超不当命令の結論に至った説明責任を追及することも、都労委の変質を許さない闘いとして継続します。
10・17司法総行動日には、都労委全公益委員への「公開質問状」を門柳審査課長に手渡し、11月29日までの回答を求めました。今回は5項目の質問を示し、確立した判断手法に照らし「なぜ、このような結論になったのか」の説明を求め、質問の後に「私たちの基本的見地」を述べ、判断の異常さを厳しく指摘する内容です。今後、2回〜3回と質問を継続し、命令に責任を負う全ての公益委員に、その職責の重要さを深く認識してもらうことを追及する決意です。
9/17都労委抗議要請都庁前行動
第三次訴訟判決12月2日
「名誉毀損・思想差別事件」の遠因
再雇用拒否田畑和子争議
1995年度の都教委再雇用は豊島区教委と校長の共謀による捏造理由で拒否されました。これは「高速道路説明会事件」が遠因であったと原告・田畑は考えています。
それは前校長の時代1991年12月、千川中の脇に高速道路を建設する計画に学校ぐるみで反対し、千川中体育館で開催された道路説明会で大勢の反対意見を述べる地元の方々の中に千川中3年の男子生徒が混じっていたことから始まりました。
千川中は、もともと公害校舎に指定されエアコンが付いており、喘息の生徒が多数でした。そこへ更に二段重ねの高速道路を増設するというのですから、地元は大反対、生徒の関心も高かったのです。
しかし、原告・田畑は生徒を扇動したと濡れ衣を着せられ「千川中の教育について」文教委員会が開かれ指導室長が矢面に立たされました。室長は生徒の真摯な発言を、「ある保護者に煽動された」と虚偽答弁をし、その場を収めました。
自分の意見をキチンと述べた生徒らを暴徒扱いしたのは反対運動を沈静化するために採った卑劣な手でした。この騒動の豊島区教委の報復が再雇用拒否になったと田畑は思っています。
最高裁は、東京高裁の過ちを正し、
一日も早く労災認定を!
矢田部過労死裁判
矢田部過労死事件「行政・労災認定裁判」の東京高裁判決は、数々の法令違反と理由齟齬による不当判決を行ないました。
昨年12月に最高裁に上告し、今日まで16回の「要請行動」とともに12、600筆の要請署名を提出してきました。
この間、東京高裁判決の誤りを具体的に指摘し、同時に、一日も早く労災認定を行うよう要請しています。
みなさんのご支援ご協力をお願いします。
10/26 第16次最高裁要請行動
新たな闘いスタート
ネッスル争議団
10月1日の「確認書・合意書」締結に基づき、新たな労使関係構築へ向けて東京支部の団体交渉を10月31日に開催しました。
議題は「組合員の処遇の改善」です。会社は従来の待遇の延長としか考えていなかったようですが,組合は31年の闘いの経過を踏まえた処遇の改善を訴え、会社に回答を迫りました。結論は、会社が持ち戻り検討し直すことで団体交渉を継続することになりました。
又、組合掲示板・組合事務所の貸与も交渉し、組合事務所は貸与も経費援助もしていないとし、掲示板の貸与は同等の条件で貸与するとの言明を得ました。
10/1 合意書サインに立ち会うネッスル日本労組、兵庫労連
判決確定後102件の訓告処分!
社会的規範意識ない百瀬理事長に行政指導を!
鶴川高校教職員組合
6月、「立ち番」裁判の勝利判決が言い渡され、確定しました。
「立ち番」が、教員の人権を侵害した不法行為であるとし、学園及び百瀬理事長に対して損害賠償を命じたものです。しかし百瀬理事長は、文化祭の「係分担表」からは組合員の名前すら記載せず完全に排除しました。
並行して、訓告処分の濫発を再開しました。9月・10月の2ヶ月間で102件にのぼります。これは昨年度1年間分の「立ち番」不実施等に対する「訓告」です。もはや違法と厳しく断罪されてなお人権侵害を続ける百瀬和男理事長は、社会的規範意識を欠いており、学校法人としての長としての適格性が問われる事態です。
私たちは、文科省・東京都私学部へ行政指導を求め要請を行います。
一次集約で370団体の署名
NTT木下解雇争議
日本電信電話株式会社の前身である電電公社に交換手(電話番号案内)として働いていた木下孝子さんが、当時職場で多発していた職業病罹病に端を発して免職され、すでに32年が経過していますが、早期解決の決断を下すよう求める私たちに、NTTは「解決済み」として解決の話し合いに応じようとはしません。
そこで、加害責任を負うNTTおよび、監督官庁でありながら、大企業の隠ぺい工作に加担した厚生労働省に対して、早期に解決を求める団体書名に取り組んでいます。
第一次集約である10月31日までに、370もの団体から頂戴致しました。心より感謝申し上げます。皆様から頂いた署名でNTTを社会的に包囲し、争議解決にむけ前進を図りたいと思います。
口頭弁論に併せ裁判所前で宣伝行動
S・S信託銀行争議
ステートストリート信託銀行の杉山隆子さんは、退職勧奨や不当配転、パワハラを受ける中で体調を壊し、病気休職していましたが、産業医の就労可能との判断で出された復職命令に応じなかったことなどを理由に解雇されました。この不当配転・解雇無効を求めた裁判の第3回口頭弁論が、東京地裁で10月8日に開かれました。
裁判所前宣伝行動を行い、傍聴には金融ユニオン組合員や東京争議団の仲間など35人が参加しました。
被告側は、会社指定医の診断の方が客観的で信頼に足るもの、などとする反論の準備書面を出してきました。原告側は、指定医の診断は医学的に誤りであることを明らかにするため、主治医や会社指定医の尋問などの立証計画を出すとともに、指定医が診断したときのカルテの開示を求めました。
11月22日和解 1月29日最終陳述
「日赤に戻す会」加入募集中
日赤/スタッフ派遣争議
10月25日の証拠調べ期日には傍聴席は満席、控室には沢山の方々が待機していただき本当にありがとうございました。
長丁場の証人尋問でしたが、被告ら証人は、違法派遣を放置したことを認める内容でした。 また両被告代理人の尋問は原告の陳述書の重箱の隅をつつくなど行政から下った違法派遣(常用代替)の実態を覆い隠し、度外視させ原告に責任転嫁するものでした。
さらには裁判官の最後の質問は、まさに原告の主観を無理やり言わせただけで、裁判所としてなんら客観的な判断をしようとする姿勢に程遠いひどいものです。こうした訴訟指揮でいけば、原告の請求を退ける前提に満ちたものといえるのではないでしょうか。
次回は11月22日(金)14時30分から和解期日、来年1月29日(水)10時から527号最終陳述です。
10月25日東京地裁前宣伝行動
和解交渉決裂、従前の裁判闘争の継続へ
スタジオ・イースター争議
10月、「原告が退職しない場合、10月で社員が皆辞めてしまい事業が継続できなくなる」とのことで急遽、会社側からの和解交渉に3度臨みました。会社側は、原告山田さんの退職を条件とし、原告団請求額の5分の1に満たない解決金を提案し、もはや支払能力がないことを終始主張。原告の要求とは大きなかい離があり、折り合いがつかず、和解は不成立となりました。また会社の、「原告が退職しない場合、10月で社員が皆辞めてしまい事業が継続できなくなる」との主張は、裁判官や原告を欺くものでした。
今後は、従前の裁判闘争の継続と社長個人を相手取った損害賠償も視野に争議を継続していきます。
証人尋問は年明け
日東整争議団
東京地裁から証人尋問の計画案が届きました。尋問は2期日で、いずれも2014年の年明けの日程です。原告側が申請した6証人全員の名前がありました。
次回の弁論準備(11月13日水曜11時〜東京地裁民事36部)で決定される予定で、裁判は山場に向かって進んでいます。JALの整備子会社つぶしの日東整争議をより多くの人に知っていただく為に、宣伝行動や裁判所宛署名などの運動を引き続き行っていきます。
さらにJALパイロット・客室乗務員不当解雇撤回裁判原告団と契約制客室乗務員雇い止め争議の仲間と共に、JAL経営に対し争議の自主解決を迫って行きますので、引き続き皆様のご支援とご協力をお願いします。
成田空港にて日東整とJAL原告の横断幕を並べて宣伝行動!!
新国は文化芸術立国に恥じぬ運営を!!
新国立劇場合唱団員解雇争議
新国立劇場(以下・新国)争議支援共闘会議と新国運営財団との団体交渉が、11月27日16時から劇場内で行われます。共闘会議は、今度こそ財団から大きく前進した回答を引き出し、解決へ向かいたいとしています。
また、10月30日、超党派の文化芸術振興議員連盟(旧・音楽議員連盟)、文化芸術推進フォーラムの共催でシンポジウム「文化省の創設を考える」が開かれました。
これは、2020年までに「文化省」を創設し、文化芸術立国の実現をめざすものですが、財団は文化省創設前に、八重樫節子さんと音楽ユニオンへの謝罪、試聴会の廃止、解決金の支払いを速やかに実行すると共に、この争議への反省を踏まえ、劇場運営の民主的改革に着手することを、一刻も早く国の内外に表明するべきと考えます。
上告理由補充書6を提出し
再任拒否の違法性を指摘!
杉並区立図書館雇い止め解雇争議
非常勤公務員の再任拒否の違法性に係る注目すべき論文が発表されました。「日本労働研究雑誌」本年8月号に掲載の櫻井敬子学習院大学教授の「労働判例にみる公法論に関する一考察−期限付公務員の再任用拒否事案を素材として」です。
櫻井論文は、期限付公務員の再任拒否について、公法関係と私法関係は異質であるとの単純な公法私法二分論を前提として、私法関係で発達した解雇権濫用法理の類推適用を拒絶する裁判所の態度を厳しく批判し、信義則に基づく再任拒否の違法論を展開するものです。
本年10月11日付提出の上告理由補充書6は、櫻井教授の展開する論文の論旨に従って判断しても、杉並区の岩アさんに対する再任拒否は、信義則に違反し、無効と解することになるという内容です。
東京争議団サポーターの広場
10月は司法総行動はじめ、多くの行動がありました。
東京労連女性センター定期大会でコーヒー販売に参加しましたが、コーヒーメーカーが故障してしまい、さっそく新しい器具を購入し一層コーヒー販売に協力したいと思っています。
25日は日赤スタッフサービス廣瀬さんの裁判の証人調べがありましたが、「職場に戻す会」の発起人の伊藤さん、小番さんなど満席になるほどの方が傍聴してくれました。
夜の日航大決起集会には現役争議団と共に多くのサポーターが参加しました。
次の大きな行動は12・4全労連東京地評争議支援総行動です。12月15日には総会があります。
サポーターの皆さんの参加をお願いします。
全労連東京地評
12・4 争議支援総行動
東京争議団第52回総会
日時 12月15日(日)9時30分
場所 ラパスホール
秋季年末カタログ
ご協力お願いします!
東京争議団、個別争議それぞれで取組んでいます!
各争議組合、争議団の要請・近況報告
▼ネッスル争議団
11月29日(金)18時30分より全労連会館ホールでネッスル争議解決報告集会を開催します。
▼S・S信託銀行争議
次回は弁論準備です。11月20日(水)10時、地裁13階民事11部。ご支援をよろしくお願いします。
▼日赤/スタッフ派遣争議
次回:11月22日(金)和解14時30分〜 終わり次第報告会。次々回:2014年1月29日(水)地裁前宣伝行動9時〜 最終陳述10時〜527号、終わり次第報告会
▼新国立劇場合唱団員解雇争議
11月28日(木)17:30〜歌劇「ホフマン物語」、1月19日(日)13:00〜歌劇「カルメン」の各公演の新国前宣伝行動にご参加ください。
▼再雇用拒否田畑和子争議
判決は12月2日(月)1時20分、615法廷です。「公正判決を求める署名」(団体・個人)にご協力下さい。
▼スタジオ・イースター争議
第4回弁論準備は、12月9日13:30より東京地裁民事11部(地裁13階)です。
▼日東整争議団
12月11日水曜日10時半〜有楽町JALプラザ前宣伝、19日8時半〜日航本社前宣伝です。
▼明治乳業争議団
いよいよ、中労委第一回調査期日。11月13日(9時30分から12時)、当事者・代理人の意見陳述を予定。大勢の支援傍聴で突破させてください!!
▼鶴川高校教職員組合
2013年12月12日(木)18:30〜鶴川闘争支援共闘会議総会(軽食あり)町田市民ホール第4会議室。
▼NTT木下解雇争議
パンフ「頸肩腕障害の責任追及は終わらない―NTT木下職業病闘争30年」を3刷りしました。お持ちでない方は是非ご購入をお願いします≪頒価300円≫。
====東京争議団予定===
一二月
〇六13:00三役会議(東京労働会館5階)
16:00ニュース、議案書発送(東京労働会館5階)
一五09:30第52回総会(ラパスホール)
一月
一〇13:00三役会議(東京労働会館5階)
一一13:00全体会議(東京労働会館5階)
16:00ニュース発送(東京労働会館5階)
===行動予定===
一一月
一二終 日11・12 千代田総行動
13:00明治HD前宣伝
14:30明乳・みずほ本店(丸の内)宣伝
16:00明乳・東陽町駅宣伝
一三09:00明治乳業中労委前宣伝
09:30明治乳業中労委調査
11:00日東整地裁弁論準備 民事36部 13階
18:00JAL本社前行動
一四09:20雇用共同アクション厚労省前宣伝
09:3012・4総行動第2次統一オルグ 全労連会議室
15:30全厚生ILO、裁判提訴報告 11.14決起集会
18:0012・4総行動第3回実行委員会 全労連会議室
一五08:00東京争議団共同宣伝 最高裁前
10:00東京争議団共同要請 最高裁
16:30アメックス地裁13階民事36部
一九13:30ストップ過労死!院内集会 参議院議員会館
二〇10:00ステートストリート信託銀行争議 地裁11部13階
二一12:00雇用共同アクション院内集会 参議院議員会館1階
18:30ストップ秘密保護法案集会 日比谷野音
二二14:30日赤/スタッフ地裁11部13階
二三12:30東京地評労働者の権利討論集会 ラパスホール
二六18:30DNPファイン決起集会 牛込箪笥ホール
二八09:30雇用共同アクション厚労省前宣伝
17:30新国立劇場前宣伝
二九18:30ネッスル争議解決報告集会 全労連ホール
一二月
〇二13:20田畑先生再雇用拒否第3次訴訟 地裁判決 615法廷
〇四終 日12・4全労連東京地評争議 支援総行動
〇五18:30JAL雇い止CAを空にもどす会 報告集会 日比谷図書館地下ホール
〇九13:30スタジオ・イースター地裁 11部13階
18:30裁判所・労働委員会東京対策会議 地評会議室
一一08:30東京争議団共同宣伝 地高裁前
10:30有楽町JALプラザ前宣伝
一二18:30鶴川支援共闘会議 町田市民ホール第4会議室
一三08:00東京争議団共同宣伝 最高裁前
10:00東京争議団共同要請 最高裁
18:30労働法制改悪反対大集会 日比谷野音
一四13:00国際人権活動日本委員会総会 東京労働会館地下会議室
一六14:00矢田部過労死 高裁822号法廷
二四10:30日航客乗 高裁 101号法廷
二五13:00大阪泉南アスベスト厚労省前行動
16:00大阪泉南アスベスト院内集会
二六午前中日航乗員高裁 101号法廷