東京争議団ニュース第244/2011年9月10日


大阪泉南アスベスト
国賠訴訟 大阪高裁不当判決
全国じん肺連絡会議

 8月25日に大阪高裁で出された大阪泉南アスベスト国賠訴訟は、極めて不当にも大阪地裁判決を破棄し、原告全面敗訴判決となりました。
 高裁判決は、労働者や住民の命や健康より産業の発展を重視し国の広い裁量を認めるもので、筑豊じん肺やトンネルじん肺根絶などで確立した基準を無視し、被害者救済を放棄し国の責任を免罪しました。今後は、最高裁闘争が始まります。
6月27日は山口地裁でも下関造船所じん肺訴訟について、じん肺を無視する不当判決が出ており、広島高裁での闘いが始まっています。
 最大の職業病であるじん肺やアスベスト被害の根絶と被害者の救済を求める闘いは、なお多くの課題が残されていますが、10月1日にスタートする2011年(第22回)じん肺全国キャラバンへのご参加ご協力をはじめ、今後ともよろしくお願いします。


「牛乳は大丈夫なの?」
明治は放射能汚染の不安に応えろ!
明治乳業争議団

 7月、宮城県産の牛乳から13・5ベクレル/sの放射性セシウムが検出されましたが、国の暫定基準値(200ベクレル/s)以下だとして販売されました。しかし、国際保健機関(WHO)の基準値は10ベクレル/sであり、特に、子供たちへの影響が心配です。福島県で3月に実施された子供たちの甲状腺検査では、45%(482人)の甲状腺内部被曝が確認される事態なのです。
 学校給食牛乳など、お母さんたちの不安は強まる一方です。争議団は、明治HD株主総会(6月)で、「メーカー独自の検査を行い安全に責任を持つべき」と質しましたが、「行政の検査結果に基づいて行う」等と拒否しています。
 今秋からの闘いで酪農家や消費者団体との懇談・共同を強め、国や東電への責任追及と同時に、明治などメーカー独自の検査体制と数値の定期的な公表を求める等、会社包囲の闘いを大きく前進させる決意です。


炎天の中、放射能問題で明治HD前宣伝


高裁差し戻し審始まる
新国立劇場合唱団員解雇争議

 8月23日、新国争議の高裁差し戻し審が開かれました。
 審理の冒頭、新国争議弁護団の宮里邦雄団長は「労組法7条(不当労働行為)1項の不利益取り扱い、同2項の団交拒否を前提として争われてきたが、高裁(行訴)では不当労働行為の成否の判断を受けられなかった。当該の八重樫節子さんは、合唱団員として十分な歌唱力と実績を持っている。また新国の出演契約改善と出演条件向上のために活動してきた。財団は八重樫さんの組合活動を嫌悪し、試聴会で不合格とした。この試聴会は審査方法に客観性を欠き、合理性がない。当審では充分な立証の機会を与えてほしい。そして試聴会不合格措置は不利益取り扱いにはあたらないとした中労委命令を取り消してほしい」と、意見陳述を行ないました。
 次回高裁は、10月27日11時30分424号法廷で開催予定です。傍聴支援をお願いします。


浪速通運が最高裁へ上告受理申立てを行う
浪速通運争議

 東京高裁の怠慢もあり、上告期限が延びていましたが、浪速通運が8月8日に上告受理申立てを行ったという通知が高裁から8月12日に各個人へ郵送されてきて上告した事実を知りました。
 地裁であれだけ明確な判決が下り、高裁で控訴棄却されたのにまだ解決に向けた団体交渉に応じようとはしない浪速通運と三菱製紙には呆れ果てて、なんとも言えない思いです。一部上場企業とその子会社の対応とは到底思えません。
 直ちに上告をやめて解決に向けた交渉を強く望みます。


一方的な就業規則の変更許さず!
団交開催を約束させる!
加茂暁星非常勤講師解雇争議

 学園は、夏・冬季休暇の短縮を通知のみで済ませ、就業規則の変更も一方的に行おうとしました。組合は、「労働条件の一方的切り下げは法違反」、「労使間の問題は、すべて労使間の自主的な交渉で解決する」とした県労委での労使合意(2007年)に従えと、団交を迫りました。飯沼校長は「組合の意見書をつければ、法的には問題ない」と自分勝手な法解釈で、団交拒否の態度を通そうとしましたが、組合側の勢いに理事長は、団交を約束せざるを得ませんでした。


文書提出命令で栃木労働局が
1500ページの文書を提出!
9ヶ月ぶりに裁判再開!
キャノン争議

栃木労働局が提出した文書の中には、キヤノンの職場長や請負会社の管理者が、「適正な請負とは言えないと思っていた」と実情を話した陳述書も入っており、請負開始当初からキヤノンで偽装請負が続いていた実態が一層明らかになりました。
 そして、この文書の提出を受けて裁判が9か月ぶりに再開されます。この間、7月末で古久保裁判長が東京高裁から異動してきており、証人尋問は大法廷で行うとの前裁判長の発言は白紙に戻ったと考えています。
 今後、年内に行われるだろう3回ほどの裁判期日を傍聴人であふれさせ、年明けの証人尋問は是非とも大法廷で行いたいと考えています。
 都労委の審問共々、傍聴をよろしくお願いします。


都労委審問後の報告会


「立番」和解協議に理事長出廷
鶴川高校教職員組合

 8月31日、立番裁判の第3回和解協議が行われました。総勢40名もの皆さんに支援に駆けつけていただき、本当にありがとうございました。
 裁判所からの「出頭勧告」に応じて、百瀬理事長が初めて出廷しました。理事長はこの和解協議中、組合員が「立番」を行わず「学園の秩序を乱した」として600件を超える処分を行っています。
 この日、裁判所は75分間にわたって学園の意見を聴取しました。理事長が「和解の意思はある」と述べたことから、次回も和解協議を継続することになりました。
 私たち原告は、不当で異常な業務命令「立番」を「実質的な生徒指導」に転換させるため、具体的な和解案を検討して次回に臨みます。引き続きご支援をお願いします


東京地裁、文書送付嘱託採用せず
再雇用拒否田畑和子争議

 8月29日口頭弁論で、当方は裁判所へ目白警察への文書送付嘱託を申し立てました。
 これは、これまで2回依頼した調査嘱託が「個人情報に係る事項」という曖昧な理由で拒否されたので、改めて裁判所からの依頼を求めたものです。
 裁判長は被告(東京都・中神元校長)に「抗弁するかどうか」尋ねました。これは、「真実(自殺か事故か)を知ることが必要か」という問いかけです。被告は「抗弁しない」と答えました。
 裁判長は原告側に「これは原告の主張(自殺である)が通り、原告が勝つということです。」と説明されました。そして裁判官3名の合議の末、送付嘱託の請求は「必要なし」として認められませんでした。


司法の場では派遣法違反を認めず
日赤/スタッフ派遣争議

 日赤本社への要請、団交と本裁判を並行中です。日赤が違法不法行為に対し謝罪する事、神奈川血液センターでの献血業務へ形式上の派遣という身分ではなく、きちんと期間の定めのない身分で業務復帰させる事を要請しています。
 これまでの経緯ですが、社会的是正指導の煽りを受けた理不尽な2009年9月末の失職後、2009年10月20日付で神奈川労働局へ派遣法違反の勧告と自身の業務復帰の自己申告をしました。その後、神奈川血液センターは派遣法違反是正のため、派遣社員15名に対し直接雇用を申込み、そのうちの12名が直接雇用になりましたが、申告した本人は業務に戻れていません。
 団交では両社ともに派遣法違反とその是正をした事をしっかり認めてきました。しかし司法の場では認めません。裁判の場で真実を明らかにしていきます。


いよいよ今秋証人尋問
八千代銀行解雇争議

 八千代銀行従業員組合の中野さんの第7回口頭弁論が8月4日(木)、東京地方裁判所で行われました。
 現在、銀行側は、被告支店長、当時の次長、人事部長を、組合側は中野さん、従業員組合委員長、以前中野さんと同じように被告支店長からパワハラを受け退職に追い込まれた元行員の3人を証人申請中です。
 次回期日は9月22日(進行協議)で、申請中の証人や証拠物件の採用の可否を踏まえて、証人尋問の具体的な日程の調整に入ります。
 また8月18日には、被告支店長の現在の勤務先である町田支店へ早朝ビラ宣伝も行いました。今後も皆さんのご理解とご支援をよろしくお願い致します。


社屋移転団交3回開催するも難航
まもなく都労委命令
C&S・日本ファンド争議

 液状化被害を受けた新浦安からの緊急社屋移転要求について、会社が移転表明をしてから6月9日、30日、7月27日と3度の交渉が行われました。
 しかし会社は、液状化のない強固な地盤や通勤の利便性と労使紛争の解決の糸口として「東西線・東陽町」を主張する組合の要求にまともに対応せず、千葉県にある倉庫会社から離れた場所はだめだなどと、都労委命令の結果待ちとも思える姿勢に終始しています。
 その都労委命令が東京地評争議支援総行動が行われる9月15日に交付されることが決まりました。ワールド・ファミリー社前行動でその内容を報告する予定です。


液状化で土台が盛り上がった事務所近くの建物(地震直後の様子)


第3次賃金差別事件8月4日中労委調査
長時間の傍聴ありがとう!
松蔭学園教職員組合

 2003年度以降の賃金差別をめぐる第3回調査が行われました。委員会の調査の進行をめぐり、組合側弁護団長の田原弁護士が抗議をするなどのやりとりがあり、1時半から5時までと長時間の調査となりました。
 委員会より数点について主張整理、証拠提出の要請がありましたが、労使共に何が争点なのか知るため、また、進行促進のためにもオープンにすべきという田原弁護士の抗議もあり、労使同席の場での言い渡しとなりました。
 労使双方とも証人申請がなく、次回10月4日の調査で結審の予定となりました。また、当日、委員会に30年以上に及ぶ組合の闘い、その思いをより正確に伝えるため、組合側から陳述書を提出しました。
 学園側に全面解決を迫る毅然とした命令を求めていきます。


川口学園事件で署名活動開始
埼玉女子短大解雇争議

 首都圏大学非常勤講師組合では、現在東京地裁民事50部で続行中の「組合活動差し止め裁判」の問題を広く訴えるため、署名活動を開始することにし、8日に厚労省記者クラブで記者会見を行いました。今後、広く展開していく予定です。
 そもそも、街頭宣伝を予め禁止することを許した民事9部の仮処分決定は、労働組合法の団結権・団体交渉権、憲法に定められた表現の自由をまっこうから否定したもので、許しがたいものです。
 「労働組合を嫌って組合活動禁止裁判を乱発している」「あの早稲田速記が教育ではなく裁判にお金をつぎ込んでいる」として全国的に有名になる前に、学園は争議の解決に応じてほしいものです。


新加盟争議紹介
日本航空の日東整使い捨ては許さないぞ
日東整争議

 日本航空の旅客機の重整備をしていた日東航空整備梶i=日東整)は、2011年1月突然に事業終了、会社解散を発表し、従業員147名は3月31日で首を切られました。
 日東整が30年行なってきた整備作業は、日東整より労働条件の低い日本航空の別の子会社に移されました。これは航空の安全を軽視する行為であり、日本航空は更生計画を利用して日東整潰しをしたのです。
 日東整争議団は不当解雇を撤回し、日本航空の親会社責任でJALグループに雇用を確保させ、日本航空の健全な安全運航の確立をめざし、労働者の人権を守る闘いを、日航不当解雇撤回裁判の乗員・客乗原告団と共に闘っています。皆様のご理解とご協力をお願いします。


JAL原告団と共に宣伝行動に取り組む日東整争議団


安房勝山で鋸山、海釣りを楽しんだ
2011サマーレクリエーション


郵産労の平川邸にお世話になりました


淀中労委労働者委員を囲んで

2日目は、海と山のグループに分かれて

萬栄丸のHPを飾った面々


山グループは、鋸山・日本寺へ


東京地評9・15争議支援総行動
 ご支援宜しくお願いいたします


10・5司法総行動
皆様のご支援、ご参加をお願いいたします


全労連・東京地評11・25争議支援総行動


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼新国立劇場合唱団員解雇争議
高裁の傍聴支援をありがとうございました。次回高裁10月27日(木)11時30分424号法廷です。
▼再雇用拒否田畑和子争議
「抗弁がなければ原告が勝つ」という裁判長の説明は一般論であって、私の場合はこれまでの経過からそう簡単でないと思っています。勝訴を勝ち取るため全力を尽くします。次回(10月24日、1時30分から615法廷)傍聴支援よろしくお願いします。
▼松蔭学園教職員組合
第3次賃金差別事件の中労委第4回期日は10月4日(火)13時半です。結審の予定です。傍聴支援を!
▼八千代銀行争議団
今秋、いよいよ証人尋問が行われる予定です。現在、銀行側3名、組合側3名を人証申請中です。今後ともご支援ご協力、よろしくお願い致します。
▼加茂暁星非常勤講師解雇争議
非常勤講師解雇撤回控訴審裁判への傍聴参加を!
9月28日(水)午後2時〜、東京高裁・第822号法廷 飯沼校長の証人尋問がおこなわれます。あからさまな組合無視、組合嫌悪の体質の発言にご注目!
▼NTT木下解雇争議
木下争議で物販として好評だったストロングポールが、製造主が亡くなられ製造中止になってしまいました。よって販売も中止させて頂きます。部品はありますので、不具合が発生した折には連絡をお願いします。
▼明治乳業争議団
9月25日には浅野社長宅包囲行動、26日には都労委要請を行ないます。10月24日の都労委に向け、諸行動に取組みます。一層のご支援をお願いします。
▼C&S・日本ファンド争議
9月15日10時に都労委から命令が交付されます。これを機に一気に解決をめざします。一層のご支援をお願いします。
▼キャノン争議
9月28日10時より都労委審問、翌29日11時30分より地裁527法廷があります。連日になりますが、傍聴支援をよろしくお願いします。


====東京争議団予定=== 

一〇月
〇七13:00三役会議(東京労働会館5階)
〇八13:00全体会議(東京労働会館5階)
    17:00ニュース発送作業

一一月
一一13:00三役会議(東京労働会館5階)
一二13:00全体会議(東京労働会館5階)
   17:00ニュース発送作業


===行動予定===

九月
一一終日イレブン・アクション
   12:00同右中央宣伝行動JRお茶の水駅頭
一三 終日 JAL解雇撤回全国一斉宣伝行動 新宿、池袋、有楽町マリオン前等
   08:00〜明乳本社・みずほ銀行・HD宣伝
   10:00川口学園都労委 都庁34階
一四13:509・14東京権利総行動NTT持株会社
   15:30同右キャノン本社前
   18:009・15コース責任者会議
一五 終日 9・15東京地評争議支援総行動
   10:00C&S都労委命令
   18:30国際人権活動日本委員会代表者会議 労働会館地下会議室
一六10:00JAL解雇撤回裁判客乗証人尋問 地裁103号
   12:15JAL解雇撤回裁判昼宣伝地裁前
   16:45夏井さんパワハラ解雇事件 高裁825号
一九13:30さようなら原発集会 明治公園
二〇08:00東京争議団共同宣伝 都庁前
二一18:30原発労働シンポジウム総評会館4F
   18:3011・25全労連・東京地評争議支援総行動第1回実行委員会 全労連
二二11:00八千代銀行地裁民事11部13階
   18:309・15総行動 総括会議 労働会館5階会議室
二五09;00東京地評定期大会墨田リバーサイド
二六10:00JAL解雇撤回裁判乗員・証人尋問 地裁103号
   12:15JAL解雇撤回裁判昼宣伝地裁前
   13:30キャズテック都労委審問
   14:30日赤スタッフサービス地裁11部13階
二七18:30裁判所労働委員会対策会議
二八07:30キャノン本社前宣伝
   10:00キャノン 都労委審問
   13:10西日本石炭じん肺判決 福岡地裁
   14:00加茂暁星高校 高裁822号
   15:00JAL解雇撤回裁判日航本社前行動
二九11:30キャノン地裁527号
   12:00西日本石炭じん肺日鉄本社前宣伝
   18:30同右判決報告集会 中大記念館
三〇09:00西日本石炭日鉄本社前座込み
   10:00JAL解雇撤回裁判客乗証人尋問 地裁103号
   12:15JAL解雇撤回裁判昼宣伝地裁前

一〇月
〇二13:00新国立劇場前初演宣伝
〇三   じん肺全国キャラバン出陣式 札幌
   13:30労使関係セミナー 中労委7階
〇四13:30松蔭学園第3次賃金差別事件中労委
〇五08:30東京争議団共同宣伝 裁判所前
   終日 司法総行動
   14:00矢田部過労死事件 高裁825法廷
〇六10:00じん肺キャラバン東京出陣式
〇八 10:日本国民救援会第65回東京都本部大会 全労連会館
〇九14:00新国立劇場前初演宣伝
一一14:00司法総行動中労委要請
一二09:3011・25全労連・東京地評争議支援総行動第1回統一オルグ 全労連
   11:00川口学園事件 地裁626号
   13:30キャズテック都労委審問
   16:00鶴川立番 地裁立川支部 5階
   18:3011・25全労連・東京地評争議支援総行動第2回実行委員会 全労連
一五、一六はたらく女性の中央集会 日本教育会館
一七16:30鶴川第3次賃金事件 立川支部4階
一八08:00東京争議団共同宣伝 都庁前
二三   青年大集会明治公園
二四10:00明乳都労委
   13:30田畑先生地裁615号
二七11:30新国立解雇争議高裁424号
二九09:00東京労連定期大会 エデュカス
三一07:30キャノン本社前宣伝


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