東京争議団ニュース第239/2011年4月16日


最高裁、原判決破棄・高裁へ差し戻しと判決
「八重樫さんは労働者」を肯定
新国劇場合唱団員解雇争議

 4月12日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は、@合唱団員・八重樫節子さんは労組法上の労働者、A新国立劇場運営財団は労組法上の使用者、B音楽ユニオンが新国に対し団交権を有することの三点を肯定し、契約打ち切りが不当労働行為にあたるか否かについては東京高裁へ差し戻しました。
 差し戻した理由は、右の@からBまでについて、下級審で審理されていないため、高裁であらためて審理と判断をやり直すこととなりました。
 今後、「労働者の権利」の確立をめざす闘いをINAX、ビクターの仲間を始め、多くの仲間と共に、押し進めていく決意です。
 長きに亘るご支援に、厚く御礼を申し上げますと共に、今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。


4/12 最高裁前で勝利判決を喜ぶ仲間たち


4月5日和解が成立しました
三菱東京UFJ派遣切り争議

 2008年5月に提訴して以来2年近く闘ってきましたが、ついに数回の協議の末、和解が成立しました事をご報告させていただきます。
 2年前にたった一人で不安だらけの中の裁判でどうなる事かと思っていましたが、皆様の温かいご支援と弁護士の先生方のお力で今回「和解」を勝ち取る事が出来ました。派遣に対して企業のあまりに軽い扱いが未だ後を絶たない現状を知るにつけ、決して泣き寝入りせず個々がもっと声をあげて各企業と闘わなくてはいけないとつくづく感じました。最後に諸事情があり、各行動に参加出来ず本当に申し訳ありませんでした。そして本当に有難う御座いました。


4月1日、千田さん解雇される
東映アニメ千田解雇争議

 3月11日の東日本大震災の直後に練馬春闘共闘の一日行動の一環として東映アニメに千田さんの解雇撤回を求める抗議行動を行いました。25日には、同じく団体署名を大泉スタジオで総務に提出し同時に要請行動も行いました。そして、千田さんの契約終了日の31日も、動画労組では、新宿営業所で支援共闘会議の東海林議長、映演労連の金丸委員長も駆けつけて、朝ビラと社前抗議行動を行いました。行動終了後その足で、東京地裁に団体署名を提出しました。しかし、東映アニメは態度を変えず、4月に入り千田さんの契約は終了し解雇が決定しました。これからは、千田さんを職場に戻す闘いになります。
 千田さんは請負契約のため雇用保険もなく、失業給付も受けられません。偽装委託で26年以上も働かせてきた東映アニメの責任は重大です。
 第4回裁判は、4月13日11時から東京地裁13階で行われます。


民事9部、組合に「争議禁止」命令!
埼玉女子短大解雇争議

 川口学園が東京公務公共一般労働組合、首都圏大学非常勤講師組合、争議当該衣川を相手取って「団交申入れ禁止」「宣伝行動禁止」を申し立てた仮処分申立に対し、東京地裁民事9部は、地位確認訴訟が最高裁で敗訴したら、もうその労働者と労働組合は使用者に交渉を申し入れることも、交渉再開を求めて事業所の前の公道で宣伝することもできないとする仮処分決定を出してしまいました。
 これは明らかな憲法違反であり、争議を闘っているほかの争議団や労働組合の活動にも重大な制約を加えかねないものなので、起訴命令申立を行い、本件は仮処分という手続から本訴の手続きに移行します。訴訟で根本的に争う手続きが、これから始まります。

 
3/28 地裁前で訴える衣川さん


会社に資料開示を求める審査指揮
明治乳業争議団

 明治乳業「全国事件」は、都労委終盤への審査指揮で重要局面を迎えています。審査状況は、申立人ら立証の深刻な格差と不当労働行為意思に対し、格差の「合理的理由」立証として、申立人らを無能力者・怠け者と描く、会社の「個別アラ捜し立証」が続いています。
 争議団は、審査課に対し、@正確・迅速な審査に必要な資料開示(人事考課成績の分布実態など)を会社に求めること。A相対比較抜き「個別アラ捜し立証」は規制すること等を求めていましたが、公益委員が3月25日の調査期日で会社に対し、「資料開示について4月20日までに文書回答を」と正式に求めました。
 また、審理促進の立場から、残る会社個別立証証人2名(各2時間)の主尋問を連続で行う審査方法も提起。結論は次回調査期日(4月26日)に持ち越されました。
 争議団は、会社が誠実に審査指揮に応じることを厳しく求め、早期結審・救済に向けて全力で奮闘します。団体署名へのご協力を重ねて要請します。


3/25 都労委で会社側証人反対尋問について説明する弁護士


和解決裂、5月11日結審 !
浪速通運争議

 裁判官から解雇事案ということで、直ちに和解期日が設定され、1月19日と2月16日に行われましたが、私達が主張する和解案は職場復帰が前提であり、会社は職場復帰は考えてないとして、また、裁判官から会社へ「仮に原審維持となれば、賃金を払い続けなければならないがそれでもいいのか?」の問いに会社は「賃金を払い続けても職場復帰はさせたくない」と頑なな対応です。
5月11日に結審される予定です。傍聴支援をよろしくお願いします。


会社に和解の意思あり
5月9日地裁和解調停に向けて一歩前進か!!
東和システム争議団

 東和システムは、名ばかり管理職の地裁判決直後から原告3名の行動を厳しく監視し、また、2年半以上にわたり仕事を与えないなどの人権無視の報復的なイヤガラセを行なってきました。
 私たちは、不当労働行為を止めさせ正常な労使関係を築くため2009年6月に東京都労働委員会に救済申立てを行いました。2年近く掛け、ようやく4月21日に証人審尋が行われる予定でしたが、4月7日に都労委労働側委員より「会社は和解をまとめる意思がある。また第1回目の証人審尋を延期したいとの申し入れがあった。」との連絡が入りました。
 予断は許しませんが、5月9月の地裁の和解調停が一歩前進する可能性が出てきました。


次回5月9日「立番裁判」和解勧告へ
鶴川高校教職員組合

 3月16日「立番裁判」弁論準備には、大震災直後の混乱が続く中、30名を超える皆さんに駆けつけていただきありがとうございました。
 裁判所は次回期日の5月9日に「生徒たちのために本来あるべき教育を行うために、妥当な和解案を提案したい」と述べ、「被告の事情のわかる方を同行していただきたい」と一度も出廷していない理事長の出席を求めました。
 学園は、震災により終業式を中止とし、生徒の登校を見合わせたこの間にも、「立番」を命じ続けています。立番は、組合員を教育活動から排除し、教育をゆがめる悪質、不当な業務命令です。何としてもこの裁判で勝利するため、原告10名全員が陳述書を提出しました。


株主総会報告&都労委 審問いよいよ開始!
キャノン争議

 3月30日にキヤノンの株主総会が本社で行われました。
 今回、原告も株主として総会に出席し、初めて本社内に入りました。総会では事前質問状に内田社長が答えましたが全く不十分な回答しかしませんでした。しかし、支える会の方が質問に立ち、御手洗会長に対して争議解決を迫り、株主の方からも拍手を頂きました。
 東京争議団の仲間をはじめ20名程度で行った総会前後の宣伝でしたが、総会後には多くの株主から頑張ってと声をかけて頂きました。
 また、キヤノンの都合により都労委での審問が5月12日(木)に順延されました。第1回目の審問には阿久津宇都宮支部書記長とT組合員の主尋問が行われます。
 都労委での闘いにもご支援をお願いします。


東日本大震災、浦安地域の液状化で、
C&S事務所の緊急移転要求!
C&S・日本ファンド争議

 3月11日の東日本大震災の影響で、C&Sの事務所のある浦安・入船地域は液状化現象がおこり、道路の陥没、建物の損壊、上下水道の破損など大きな被害を受けました。一昨年一〇月に会社により組合員のみ隔離配転させられた場所なので、緊急に安全な場所への社屋移転を要求。
 会社は4月5日の団交で、オフィスビルは安全、浦安地域は被災地認定だが「立ち入り禁止ではない」と拒否回答。計画停電などによるさまざまな弊害にも、「停電になったら電気を使用しない業務を実施してもらう」など、従業員の安全や心労へ配慮のかけらもない対応です。
パワハラ事件の判決が確定したあとも被害者や組合への謝罪を拒否し、今でもパワハラの事実はなかったとうそぶく会社。組合を嫌悪した不当労働行為事件は、都労委の救済命令待ちとなっています。


液状化で土台が盛り上がった事務所近くの建物


春季行動でNTTに争議の解決を迫る
NTT木下争議団

 解雇撤回の闘いは30年目を迎えており、今年こそ解決をと決意も新たに取組んでいますが、11春季の行動は2月24日のNTT持株会社前の抗議・要請行動から始まり、社前には60名を超える仲間の皆様の結集を頂きました。
 NTTの対応は、担当が新しく替わったこともあり、その態度は人を馬鹿にしたもので、誠意のかけらも見えませんでした。その後3月25日、4月6日と連続してNTT持株会社への要請行動を取組みましたが、態度は少し改まったものの内容は「最高裁で決着がついている、上部には報告しておく」という全く誠意のないものでした。
 このようなNTTの不誠実な態度を許さず、早期の解決をもとめ闘いを強化したいと思います。今後ともご支援ご協力をよろしくお願い致します。


「生徒死亡事件の学校 対処」に関し意見書提出
再雇用拒否田畑和子争議

 前回、意見書「生徒死亡事件と学校の対処の仕方について」を提出しました。これは豊島区教委から都教委へ「自殺」と報告しているのに中神元校長は「警察から事故であると聞いた」と主張しているため、都教委の「処理要綱」を基に元校長の対処の異常さを論じたものです。
【要旨】
 ∧学校の管理職を差し置いて区教委が独自に調査・判断し報告することはあり得ない。校長が学校の組織を無視してひとりで処理し、秘密裏に物事を進めるのは異例である。真実に基づかない教育による生徒や保護者の失望は、学校への不信感となり取り返しのつかない損失を招く。原告が真実を明らかにするよう求めたのは実際的な教育指導を目指した評価できる発言である。∨


高裁で十分な審理を
加茂暁星非常勤講師解雇争議

 4月13日から、いよいよ高裁での審理が始まりました。
 控訴人である学園側からの控訴理由書と証拠は、2週間遅れの3月後半にわたしたちの手元に届きました。弁論1週間前にも追加の準備書面と証拠を出し、さらに4日前に現校長の陳述書が出されました。これは、反論を考える時間を与えない手法といえます。
 さらに、その内容が事実と全く異なり、例えば、専任教員を対象にした就業規則をあたかも非常勤にも適用されるかのように見せたり、一審で公的な証拠から公立高校の教員一人あたりの授業持ち時間数平均は16時間台であることが認定されたにもかかわらず、今でも18時間と主張し論理を組みたてるなどです。数え上げればきりがありません。


まもなく第5回口頭弁論
八千代銀行解雇争議

 八千代銀行の中野さんのパワハラ「退職扱い」撤回争議は、現在まで4回の口頭弁論が東京地裁で開かれましたが、銀行側は一貫して、「手続き」は問題が無く、支店長のパワハラの存在も否定。組合側は、退職願は支店長のパワハラにより精神的に追い詰められ正常な判断ができない状況で書かされたものであること、退職願を撤回したにもかかわらず強行されたことを主張し、中野さんの早期職場復帰を求めてたたかっています。
 第5回口頭弁論は4月21日(木)東京地裁第620号法廷で午前10時30分からです。今後ともご支援よろしくお願い致します。


中労委が結審
7月12日には最終意見陳述が行われます!
帝京長岡高教職組

 3月29日に、中労委で組合の新井書記長の審問が行われました。主審問では、当時委員会や部活の顧問でなかったにもかかわらず、「顧問として熱意が感じられない」などの理由でマイナスされたこと、また別件で校長室に行った際に校長の意見に反論したところ、校長が怒りのあまり、査定に対して組合が出した抗議文に触れ「新井先生と○○先生(組合員)の査定は恣意的に行われた。しかし、△△先生の査定は違う。ミスがあったから査定した。」と自ら査定が恣意的に行われている事実を口走ったことなどが証言されました。
 一方、反対尋問では、学園側弁護士からの終始意味の無いような質問が続きました。なお、この審問で結審となりました。


震災救援救護活動をする日本赤十字社
恒常的業務における違法行為に真摯に向きあえ!
日赤/スタッフ派遣争議

 2011年2月25日全国一般・東京地本・一般合同労組へ加盟しました。
 今月から本格的に裁判が始まります。法のしくみで不条理を味わっていますが、従前の業務へ戻れるよう地位確認を争っていきます。
 日赤の役目と体制の問題を社会的関心に―災害など非常時のための日赤ですが、恒常的業務に常用代替の派遣はいらず。日赤は社会的に違法を摘発されれば会社間契約を打ち切り、労働者の生命線を剥奪してきました。原告廣瀬は失職後自己申告をしました。
 行政処分済みである間接雇用の搾取が顕著な違法派遣を法廷で闘いますが、現在法的救済措置がなく、運動や世論が必然です。
 第2回裁判4月19日(火)13時10分〜東京地裁606号法廷 (傍聴席50名)傍聴支援よろしくお願いします!


日本赤十字社在職時の廣瀬さん


東日本大震災救援カンパにご協力ありがとうございました


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼新国立劇場合唱団員解雇争議
最高裁に公正判決を求める署名は、おかげさまで、4月6日現在、1,074団体、個人8,062筆が集まりました。ご協力に感謝申し上げます。
▼全国じん肺連絡会
3月29日住友重機で永年下請け労働者として働きアスベストによる中皮腫や石綿肺で死亡した5人の遺族との間で和解が成立しました。ありがとうございました。
▼松蔭学園教職員組合
第3次賃金差別事件中労委第1回調査は4月13日に実施。第2回は6月7日(火)13時半〜傍聴支援をお願いします。
▼八千代銀行争議団
4月21日(木)の第5回口頭弁論にあわせ、八千代銀行本店前にて7:40〜ビラ宣伝、9:05〜抗議行動を行います。
▼電算労・東和システム争議団
4月21日(木)の都労委・証人審尋は中止になりますが、引き続き、抗議行動への 参加、地裁、都労委での傍聴支援をよろしくお願いします。
▼明治乳業争議団
審査終盤に向け、審査方法等に関する重要な調査期日が、4月26日(10時30分〜12時)に都労委34階審問室で開催されます。支援傍聴をお願いします。
▼再雇用拒否田畑和子争議
5月16日久しぶりに裁判が行われます。1時30分 615法廷。傍聴席を満席にして私たちの意志を伝えたいと思います。傍聴支援をよろしく。また12時〜13時裁判所前でビラ撒きをしますので乞ご協力。
▼加茂暁星非常勤講師解雇争議
少しでも多くの署名を裁判所に届けたいと思っています。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


====東京争議団予定=== 

五月
一三13:00三役会議(東京地評5F)
一四13:00全体会議(東京地評5F)
   17:00ニュース発送作業

六月
一〇13:00三役会議(東京地評5F)
一一13:00全体会議(東京地評5F)
   17:00ニュース発送作業


第八二回メーデー
5月1日(日)一〇時
やきとり、石狩鍋、フランク、おにぎり、飲み物販売



全労連・東京地評
 5・27争議支援総行動


=====諸行動予定====

***訂正あり

四月
一八12:15全厚生 厚生省前行動
   15:30日航乗員 地裁103法廷
一九08:00東京争議団共同宣伝・都庁前
   13:10日赤/スタッフ 地裁606号
二一07:40八千代銀行本店前宣伝
   09:05八千代銀行本店前抗議行動
   10:30八千代銀行 地裁620号
二六10:30明乳 都労委調査
   11:00ネッスル 地裁13階36部
   15:30日航本社前行動***
二七09:306・24東京争議団総行動 第1回オルグ 地評5階
   17:00渡部さんを送りだす会 南大塚公園
二八16:00明乳都労委要請 34階審問室
                     
五月
〇一10:00第82回メーデー 代々木公園
〇三13:30憲法集会&銀座パレード 日比谷公会堂
〇九11:00東和 地裁11部13階
   15:00鶴川立番 地裁立川支部5階 
一〇08:30東京争議団共同宣伝・裁判所前
   08:00旧明治乳業本社宣伝(東陽町)
   09:45みずほ京橋支店宣伝
   11:00明治HD宣伝
一一09:305・27全労連地評争議支援総行動 第2次統一オルグ 全労連3階
   10:45浪速通運 高裁820号
   18:30じん肺東京支援連会議地評5階会議
一二07:30キヤノン本社前宣伝
  10:00キャノン都労委第1回審問
一六13:30田畑再雇用拒否事件 地裁615号
一八08:30東和社前 MIC争議支援総行動
   16:35ワールド・ファミリー社前 中野坂上 MIC争議支援総行動
二四08:00東京争議団共同宣伝・都庁前
二六15:00明乳 都労委審問
二七終日5・27全労連地評争議支援総行動
   18:30ストップ!衆議院比例定数削減 豊島区立生活産業プラザ多目的ホール
三○13:30京王新労組 都労委審問
三一11:00東映アニメ 地裁13階11部
   13:30ショップ99判決 地裁立川支部 404号


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