東京争議団ニュース第220/2009年7月11日


音楽家だって労働者
新国立劇場合唱団員解雇争議

「八重樫さんを再び新国立オペラの舞台に」と銘打ったミニコンサート付き支援集会が6月16日文京シビック小ホールで開催されました。
 新国立劇場争議支援共闘会議の主催で催されたこの集会は、音楽家の労働者性を音楽によって訴えるコンサートの形式を採りました。東京都交響楽団及び神奈川フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる弦楽四重奏で幕を開けると、会場には「音の和」が響きわたり、更に各方面からの支援の言葉で会場は徐々に熱気を帯びてきました。
 当該八重樫さんのソプラノ独唱、弦楽四重奏、そしてコールラパス、東京の歌声の皆さんのコーラスで会場は「音の和」が「支援の輪」更に「共闘の輪」となり、大きなうねりとなって、会場の隅々にまで響き渡りました。


6・16支援集会で決意を語る八重樫さん


日鉄鉱業27回目の敗訴判決
全国じん肺連絡会議

 6月22日福岡高裁で、西日本石炭じん肺2次訴訟の控訴審判決がありました。日鉄鉱業の、実に27回目の敗訴判決となりました。
 福岡高裁は強力に和解を勧めましたが、これを断り、4月28日には1次訴訟の最高裁で敗訴判決を受けながら、なお日鉄鉱業は不名誉な判決を受けることを選択したのです。判決翌日、社長宅前で原告が切々と被害を訴えましたが、社長は出てくることもしませんでした。本社要請でもこれまでの責任を認めようとしない対応は、全く変わりませんでした。要請を行った直後に、日鉄鉱業は上告をしました。日鉄鉱業の非常識な態度には、あきれるばかりです。どうして素直に責任を認めることができないのでしょうか。
 今後ともご支援よろしくお願い致します。


6月23日福岡高裁判決翌日の日鉄本社要請行動


ネッスル東京支部団交拒否事件
地裁19部が会社の行訴を棄却
ネッスル争議団

 6月25日東京地裁民事19部青野洋士裁判長は、中労委の救済命令の取り消しを求めたネスレ社による行政訴訟で会社の訴えを棄却し、中労委救済命令の履行を会社に命じました。19部は、中西茂裁判長の後任裁判長の判決であり注目されました。更に、中労委の救済命令を裁判所が変更する傾向が強く見られるときですから判決が注目されました。幸い、中労委・組合の主張を認める判決でしたが、今後も判決の傾向を監視していくことが大切です。
 ネスレ社は、組合潰しを継続的に強行していますので、今後も裁判闘争が続くと思われます。島田支部事件は最高裁へ上告しています。東京事件も高裁への控訴が予想されます。
 ご支援を宜しくお願いします。


4者・4団体 7月・8月も要請行動を実施
全動労争議団

 4者・4団体は、6月19日〜29日まで国会前や横浜鉄運本社前、国土交通省前行動を展開しました。
 この行動は、自民党にも解決のための窓口が作られたことから国会解散前に1047名問題の政治解決を決断させるため自民党を含めた院内集会を開催することが大きな課題となっていました。鉄運機構横浜本社要請や国土交通省鉄道局要請は実施できましたが、残念ながら国会解散を巡る政治情勢などの動きの中で院内集会の開催は実現しませんでした。引き続き、7月・8月に鉄運機構横浜本社要請や国土交通省鉄道局要請を具体化することにしましたが、上京行動はそれぞれ、地元で国会議員への働きかけを強め、9月頃から改めて、上京行動を具体化することにしました。
 全動労争議団の夏の全体会議も8月8日に北海道札幌で開催し、これまでのたたかいの到達点の上に立って、秋から年末のたたかいで全面解決を勝ち取るための意思統一を図る事にしています。引き続く、みなさんのご協力をお願いいたします。


6月上京行動国土交通省前で激励のトランペット演奏の松平晃さんと太鼓演奏の全損保・多田さん


いよいよ結審勝利判決めざし全力
東京美装セクハラ事件

 セクハラ加害者と企業東京美装を相手のセクハラ裁判。提訴以来17カ月が経過。いよいよ7月13日が最終弁論、結審となります。 
 セクハラ行為が密室のような所で行われることが多く立証が困難とされるセクハラ裁判ですが、終盤の証人尋問では、これまでの「セクハラ全面否定」を押し通そうと無理にでっち上げた被告側のウソの証言が反対尋問で裏目に出て、かえって「セクハラの事実」を明らかにしてしまう場面もありました。
 当該労組、「支援する会」は勝利判決を確信していますが、全面勝利を確実にするため裁判所要請、街頭宣伝など会社を社会的に追い詰める取り組みをさらに強めようと話し合っています。
 みなさまのご支援、ご協力を引き続きお願いいたします。


「立ち番」裁判スタート・原告の意見陳述に怒りと涙
鶴川高校教職員組合

 7月1日、「学園防衛当番」は教員本来の職務ではなく、不当な業務命令であるとして提訴した通称「立ち番裁判」の第1回目が行われました。東京争議団をはじめ町田地域の方もバスを借り切って駆けつけ、法廷は熱気でいっぱいになりました。一方、被告・百瀬理事長は今回も姿を見せませんでした。この日は原告2名が、「立ち番」の不当性を訴える意見陳述を行いました。今年2月、期末試験中のため待機していた原告に、理事長が「当番に行け」と命じ、雪模様の寒さの中で立ち続けたとう陳述は、満員の傍聴の怒りを呼びました。組合は4月1日をもって「教員の本来業務に専念する」と通告し当番には立っていませんが、今もなおこの不当な業務の強制は続いています。
 私たちはこの裁判を通して、学校教育の現場において入学した生徒の教育に責任を持つとはどういうことなのかを訴え、「第2次賃金裁判」と合わせてたたかい抜く決意です。


都労委審理で差別・不当労働行為が鮮明に!
明治乳業争議団

 6月22日、申立人ら個別立証の第二陣として、福岡工場と愛知工場の二証人への主尋問が行われました。
 福岡の後藤証人は、自らが昭和50年まで長期に労組役員を歴任した事実と、この闘う組合支部の乗っ取りを執拗に狙う会社が、組合有資格の職制らを全国から福岡工場に転勤させ、昭和50年には一気に組合員の43・4%もの職制を集め、労組転覆を強行した事実を生々しく証言。
 愛知の野村証人は、会社は格差(差別)の理由として、新職分制度への「移行格付け試験」不受験を主張するが、しかし、愛知工場の申立人は移行格付け試験を受験して合格したが、合格後に組合活動を始めたら昇格据え置きが続き、なんと不受験者よりも低い職分のまま定年退職になったと証言。結局、合格しても、不受験でも、会社の意に沿わない者は差別される仕組みであることを証言。傍聴席から驚きと怒りの声が…。
 また、職場管理者への試験(登用試験)に合格した活動家が、転向工作とスパイ活動の強要を拒否したために排除され、敷地内の草むしりや掃除などを強いられている事実など等を、赤裸々に証言しました。
 こんな不当労働行為・差別は絶対に許せないことです。


広がりを感じるNTT株主総会情宣
NTT木下争議団

 NTT第24回株主総会が6月24日、グランドプリンスホテル新高輪において開催されました。それに先立ち一昨年、昨年に引き続きNTT内4労組(通信労組、電通労組、N関労、東京労組)団体(木下支援共闘会議)で株主に対しての情宣行動が、大雨の降りしきる中、40名の仲間の結集で行われました。大雨のお陰か、昨年のような公安の妨害もなく、ビラの受け取りもよく、粛々と情宣行動を展開しました。
 昨年に続き木下さん本人と石原分会長の2名が発言し、NTTに対して道義的責任を追及しましたが、回答にはなんら誠意は感じられませんでした。
 しかし情宣中に、宣伝カーまで足を運んでくれて、ビラを受け取ったり、励ましの声をかけてくれる女性の方々もいて、闘いの広がりを感じさせられた行動でした。


NTT2009年度株主総会宣伝行動


AIG7月にも売却決定?
銀産労AIGスター生命争議団

 満6年を経過した争議解決に責任を負わないAIGは、7月にもプルデンシャル傘下のジブラルタ生命に売却が決まるとの報道がされています。一方、AIGスター生命で委託型エージエンシーセールスマネージャーとして働いているSさんが加入しました。会社はSさんは委託契約のため雇用関係がない、団交には応じられないが会談はする。と事実上の団交を行い今後労働者性を争う事にもなります。
 29日、金融3争議共同行動では、東京海上日動・株主総会行動に併せ錦糸町・赤坂見附・神宮前でのビラ配布。社前では北区労連野中さんからも応援を頂き、新組合員も交え、暑い一日元気に行動できました。


6.29金融3争議共同行動社前行動


「名ばかり管理職」不当労働行為事件は
地裁・高裁・都労委の3舞台で
東和システム争議団

 「名ばかり管理職」事件の控訴審第1回弁論準備手続きは、7月1日13時30分より東京高裁民事8部の弁論準備室にて、加藤謙一裁判官の元で行われました。
 裁判官より和解テーブルにつく気持ちはあるのかと問われ被控訴人の争議団側は「席に着くことはやぶさかでない」、控訴人の東和システムも「条件が合えば」と次回は7月15日13時30分より和解の素案を双方が持ち寄ることになりました。
 控訴審裁判の次回弁論準備手続きは、次回9月2日11時から行われます。
 昨年11月一般職への不当降格による特励手当不払いなど不利益変更について、平成21年(ワ)第1507号の事件として、第1回公判は6月11日に行われ、原告小番が意見陳述を行い、事件の根底には被告東和システムの28年に亘る電算労東和システム支部への組合敵視がある事を訴えました。
 東和システムは相変わらず続く組合の小林、松木、小番だけに対する仕事外し、不利益取り扱い、パワハラ、イヤガラセなど不当労働行為を続けております。
 粘り強く解決を目指して闘っていきます。傍聴や抗議行動への支援を今後ともよろしくお願いいたします。なお、都労委の第1回調査は、9月2日(水)13時30分に変更になりました。 


SHOP99裁判 
次回8月26日(水)15時〜立川地方裁判所101号法廷
首都圏青年ユニオン

 6月24日に行われたSHOP99裁判は雨の中、傍聴支援していただきありがとうございました。
 原告の自身の働かせ方は異常で、一か月間に約340時間働いていました。しかし、残業代が支払われず、時給計算すると約742円でした。原告以外にも、上司が2名倒れ、うち1人は入院までしました。裁判を起こしてからも、この会社で体調を悪くして退職した社員がいました。
 この会社の長時間労働と過重な業務内容が、意見陳述され、原告の訴えに拍手がまきあがりました。次回は少し先ですが、皆様引き続きご支援よろしくお願いします。


第1回本社前座り込みに取り組む
メレスグリオ黒田争議

 メレスグリオ本社前において6月25日に1回目の座り込みを行いましたが、東京争議団の皆さまが支援に駆けつけて下さったおかげで成功して終わることができました。10団体と個人の参加でした。
 17年目にして初め ての座り込みでしたが、ビラの受け取りも良く、わざわざ聞きに来る人や話しこんでいく人もいましたが、離れた道路から覗きこんで、宣伝カーの声に耳を傾ける人もいて、抗議行動の重要性がよく分かりました。
 7月2日の第1回裁判は、会社が前日に書面を出してきたために、9月2日に次回の法廷が入りました。
 会社に対する行動を強めていかなければなりませんので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。


2009.6.25 初めての本社前座込み行動


地裁裁判長による『現地調査』が行われることに!
福祉保育労たんぽぽ保育園分会
福祉保育労たんぽぽ保育園分会

 6月10日の地裁和解協議では、法人は、中労委命令の中で、「掲示板の設置場所の設置場所の提案として相当ではない」と明言された、保護者はもちろん、組合員や男性保育者も目にすることができない場所を再び持ち出してきました。
 これは、菅原理事長が掲示板を有名無実化するするものに等しく、また事件の引き延ばしを図ろうとすることに他なりません。
 保育園内の設置可能な場所の写真を撮ってきて協議するなど、実質的な手立てが取られていますが7月27日には裁判長が保育園の現地調査を行うことになりました。
 組合掲示板は、職員や保護者への情報提供や手をつないで子ども達の保育を守るため、運動を進めるためになくてはならないものなのです。
 早期実現のために、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。


7月24日都労委調査開始
松蔭学園教職員組合

 本年2月、東京地裁は賃金差別を是正するよう命令しました。松蔭学園の理事長もこの判決を受け入れ、本件で判断が示された2002年度までは是正!1980年の組合結成以来続いてきた不当労働行為は、ようやく全面解決へと扉が開きました。
 ところが、2003年度以降の差別については、誠意ある是正内容を示さず、引き続き都労委で解決を求めることになりました。
 「産休を二度とったものは人の倍働け」という当時の理事長の言葉に象徴される松蔭学園の民主化のたたかいですが、現在では組合員以外でも産休、育休を取る人も出ています。差別是正を実現し、私学平均より極めて低く抑えられている職場の賃金水準を引き上げることをめざします。


各争議組合、争議団の近況報告

▼立教女学院嘱託職員解雇争議
7月14日(火)18:30〜 北沢タウンホールにて、「争議解決報告集会」を行います。皆さまの参加をお願い致します。
▼全動労争議団
横浜人活訴訟が8月6日に横浜地裁で結審、採用差別国労訴訟は東京地裁で9月30日に結審となります。判決は年末から年明けが予想されます。
▼一橋出版マイスタッフ争議
都労委協議は継続に(7月13日(月))。解決まで引き続きの傍聴ご支援をお願いいたします。
▼電算労・東和システム争議団
東京高裁、東京地裁、都労委と3舞台、これからも支援をお願いします。
▼保育福祉労たんぽぽ保育園分会
8月25日(火)午前11時〜、地裁和解協議の傍聴をお願いいたします。
▼青年ユニオン・SHOP99
次回裁判 8月26日(水)15:00〜立川地方裁判所101号大法廷
▼AIGスター生命争議団
AIG売却先宣伝行動も視野に、売却前争議解決を迫る。
▼鶴川高校教職員組合
9月10日、第2次賃金裁判は原告側2名・学園側2名の主尋問・反対尋問となります。地裁405号法廷・傍聴席約50席をいっぱいにして勝利を目指します。
▼松蔭学園教職員組合
7月24日(金)15時より、都労委調査。2003年度からの賃金差別の是正問題です。ぜひ傍聴支援をお願いします。
▼東京美装セクハラ事件争議
原告川崎さんが働いているのは東京高輪の有名ホテル。当初、川崎さんに冷ややかだった同僚の人たち、最近では「早く勝って乾杯しようョ」と励ます人や、裁判で会社への協力を断る人もいるなど職場でも闘いは前進しています。


====東京争議団予定===

八月
〇七 13:00三役会議(東京地評5F)
〇八 13:00全体会議(東京地評5F)
    17:00ニュース発送作業

九月
〇七 13:00三役会議(東京地評5F)
一二 13:00全体会議(東京地評5F)
    17:00ニュース発送作業

十月
〇九 13:00三役会議(東京地評5F)
一〇 13:00全体会議(東京地評5F)
    17:00ニュース発送作業


9・11東京地評争議支援総行動
皆様のご支援・ご協力を宜しくお願いいたします


=====諸行動予定====***変更有り

七月
一三13:00東美最終弁論地裁619号
   13:30一橋M・S都労委協議
   14:00明乳みずほ銀行京橋支店宣伝
   15:15明治HD宣伝(京橋明菓ビル)
   17:00明治乳業本社宣伝(東陽町)
一四18:30立教女学院争議解決報告集会 北沢タウンホール
一五12:00東美溜池山王支社前宣伝
   13:15国労採用差別訴訟103号
   13:30東和高裁民事8部16階
   18:00明乳争議団励ます集い船橋フェィス
一六08:301047裁判所前共同宣伝行動
   18:30国際人権代表者会議労働会館
一七18:30じん肺東京支援連地評5階
二一08:00東京争議団共同宣伝・都庁前宣伝
二二12:00東美JR錦糸町駅前宣伝
二三08:301047・東京争議団共同宣伝
   11:30メレスグリオ本社前宣伝
   16:00鶴川賃金裁判立川支部506号
二四09:309・11東京地評争議支援総行動 第1次オルグ地評会議室
   15:30金融3争議錦糸町AIG本社前
   15:00松蔭都労委調査
   18:309・11東京地評争議支援総行動 第2回実行委員会地評会議室
二五13:00じん肺原告団総会中央大学駿河台
二七14:00明乳みずほ銀行京橋支店宣伝
   15:15明治HD宣伝(京橋明菓ビル)
   16:00たんぽぽ保育園裁判官現地調査
   17:00明乳東陽町駅宣伝
三〇08:301047裁判所前共同宣伝行動
三一18:00出版労連争議支援集会 文京区民センター

八月
〇一08:00「1の日」宣伝・JR新宿駅西口
〇四10:00明乳全国事件都労委
   13:30じん肺キャラバン実行委員会 中央大学駿河台記念館
〇五12:00東美西新宿本社前宣伝
〇六08:30東京争議団共同宣伝・裁判所前
   11:30メレスグリオ本社前宣伝
一〇14:00明乳みずほ銀行京橋支店宣伝
   15:15明治HD宣伝(京橋明菓ビル)
   17:00明治乳業本社宣伝(東陽町)
一九12:00東美溜池山王支社前宣伝
二〇08:30東京争議団共同宣伝・裁判所前
二四10:30グットウィル527号法廷
   14:00明乳みずほ銀行京橋支店宣伝
   15:15明治HD宣伝(京橋明菓ビル)
   17:00明乳東陽町駅宣伝
二五08:00東京争議団共同宣伝・都庁前
   11:00たんぽぽ保育園地裁13階
二六08:00東京争議団共同宣伝・最高裁前
   15:00SHOP99地裁立川支部101号
二七09:309・11統一オルグ地評会議室
   15:00新国立劇場争議支援共闘会議
   18:309・11第3回実行委員会
   18:30国際人権幹事会労働会館6階
三〇〜三一 東京争議団サマーレク***
三一16:40三菱東京UFJ派遣切り地裁527号

九月
〇二11:00東和高裁民事8部16階
   13:30東和都労委調査
   16:30鶴川立ち番裁判地裁立川支部
〇三10:30メレスグリオ高裁809号
〇六〜〇七 東京争議団サマーレク***
一〇13:00鶴川賃金裁判立川支部405号
一一 終日 東京地評争議支援総行動
一四16:45東和地裁527号法廷


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