東京争議団ニュース第197/2007年8月25日
下請労働者も救済の判決!!
全国じん肺連絡会議
三菱長崎造船じん肺第2陣訴訟 弁護団 熊 谷 悟 郎
7月31日、長崎地方裁判所は、三菱重工業に対するはじめてのじん肺訴訟判決を言渡しました。
この判決は、じん肺に罹患した下請労働者をも救済している点で注目を集めています。粉じんのひどい、汚れた職場で働かされてじん肺になる下請労働者は、本工労働者の数倍に達するだろうと言われています。その人達に対する救済の途を開いたことは、大きな成果です。ところで、三菱重工業は、既に2002年6月に第1陣訴訟で和解をしています。そこでは、患者、遺族に対する謝罪・時効差別のない補償・じん肺の予防を約束していたのです。
同じ造船じん肺訴訟であるのに、しかも多くの患者が三菱重工業が自ら経営する「三菱病院」でじん肺の診断を受け、同病院を通じて管理区分の認定を受けているのに、「原告らはじん肺ではない。」と言い張って不当に抗争を続け、裁判所の和解勧告をも拒否したのです。
三菱重工業のこの対応は、不可解であり、且つ大変悪質だと言う他はありません。提訴以来2名の原告が死亡し、多数の原告が症状を悪化させ、肺癌や呼吸困難の中で悲惨な状態で療養している人もいます。これらの原告を早期に救済することが求められています。
8月10日に三菱重工は、下請労働者と管理2被合併症だけについて控訴しました。
皆さん方の御支援を心からお願いします。
判決報告集会で熊谷悟郎弁護士
新しい展開を切り開く
中野保育争議団
中野区非常勤保育士争議は、いよいよ8月29日に結審を迎え、当日原告4人が意見陳述を行います。
年内にも判決が予想される中、原告2名が8月1日から、中野区立小学校と中学校の障害児介助員として仮就労しました。未だ裁判が係争中であるにも関わらず、原告が直接就労を当局に認めさせたことは大きな運動の成果であり、中野争議は新しい展開を切り開きつつあります。
この闘いを通じて、非正規労働者が自由に解雇されるのではなく、解雇権の濫用法理が適用されることを勝ち取り、委託・民営化にストップをかけたいと思います。引き続きご支援よろしくお願いいたします。
7月25日結審!年内に判決
全動労争議団
全動労裁判の結審日となった、7月25日、103号大法廷が傍聴者で埋まる中、最終弁論が行われ、判決は、暮れ(年末)に行う、約1ヶ月前に連絡するとの訴訟指揮で結審しました。
全動労裁判が結審した7月25日の夜、裁判闘争で1047名が足並みをそろえる中、それぞれの裁判闘争に勝利して解決局面を切り開こうと、全労連国鉄闘争本部と全動労争議団原告団が主催し、国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団が後援し、「裁判闘争勝利」決起集会を、全労連会館ホールで150名が結集して開かれました。
主催者を代表して岩田全労連国鉄闘争本部長が「被告は分割・民営化に反対していた者を採用しなかった、JRにふさわしい者を採用しただけだと、恥知らずな主張をした。この裁判に勝利することが、相手を交渉テーブルにつけること。国鉄闘争本部は奮闘する」と挨拶しました。続いて、各弁護団からそれぞれの裁判闘争の経過と決意が語られ、原告と家族の決意表明では、全動労争議団・梅木団長代行が「5・6月の座り込みを通じ1047名の団結が大きな力を発揮することを実感した。この団結が全国の支援の仲間に歓迎され、激励してくれている」とし、家族の佐藤悦子さんからは「20年間闘い続けられたのは、支援あってのこと。古い友達に会うと、まだ、やってるの、と言われる事もあるが、これが私の人生と答えた」と決意が述べられました。
勝利判決を勝ち取る決起集会
「10・5本社包囲大行動」にご支援を!
明治乳業争議団
「食の安全」掲げて全力
不当労働行為判断要件に基づく事実認定・判断を行いながら、「労働委員会の裁量に違法はない」等として、救済措置を放棄し「控訴棄却」とした高裁判決に抗議し、明治乳業争議団は最高裁に上告。上告受理と弁論開始を求める「上申書(団体署名)」運動を開始して奮闘中です。同時に、集団間格差を「有意な格差」と認定し、不当労働行為意思も「控訴人らの主張を妥当するとみる余地はある」とした、高裁判決の積極部分を武器に会社を包囲し、長期争議の解決と、食の「安全」を求める運動を前進させ、異常体質の明治乳業を大きく包囲する決意です。
「10・5本社包囲大行動」は、その重要な結節点の首都圏行動です。
1000名規模に向け奮闘中。ご支援ご協力を!
5・24全労連争議支援総行動 明乳社前行動
ご支援・ご協力ありがとうございました
住友軽金属九争議
住軽金9争議支援愛知連絡会議は、2007年6月29日総会を開催し、解散することにしました。
9件の内6争議は団体生命保険の闘いで、地裁、高裁では勝利を勝ち取りましたが、最高裁では不当判決を受け、悔しい敗訴となりました。
不当性を追及する長年の闘いは、最高裁の判決文の中に「運用は逸脱があった。」「原告の請求は認めなかったが、そのことがそく住軽金の受取を認めたものでない」とした。金融庁は制度運用の改善指導を実施した。
強制出向事件は地裁で敗訴しましたが、高裁の和解協議で和解が成立し、強制出向を解いて住軽金の職場に復帰するという勝利的和解を勝ち取ることができました。スミケイ運輸の不当労働行為は、完全勝利を勝ち取りました。県労委、中労委で勝利し、その後の交渉で和解が成立しました。
大企業の敷地内にある下請子会社の事務所内に、少数組合の組合事務所を確保するという、非常に大きな成果を上げることができました。
2件の労災認定の闘いは、残念ながら職場ぐるみの労災隠しの壁を打ち砕くことができず負けました。しかし、職場の労働安全衛生活動への数々の改善提案が実現し、労働災害が大幅に減りました。
以上が闘いの概略です。
大変長い間お世話になりました。
七・二四金融3争議共同行動
銀産労AIGスター生命争議団
司法、行政の正しい判断がでても一切従おうとしない、この金融3争議に共通する企業の姿勢は、今、強硬に私たちの前に立ちはだかっています。
しかし、仕事をうばい、生活を根こそぎはぎとるこの企業に対し、私たち働くものは互いの強い連帯のなかで、闘いつづけなければなりません。
AIGスター生命は、エジソン生命との合併でさらに巨大企業となり、その利益追求のために労働者の犠牲を平気で強いていく形は、これからさらに加速するものとおもわれてなりません。
今年4月に発覚した保険金不払いは、この企業が最悪であったことが報道されています。従業員の仕事の保障もできず、契約者との約束も破る信じられない方向に向いています。
嘘の約束をして使い捨てる、会社の一方的な理由で簡単に切り捨てていくことに何の疑問ももたず、それがあたりまえとして長年とおしてきた会社が本当に契約者の未来を保障するのでしょうか。
誠実な話し合いのテーブルにつかせ、解雇を撤回させるまで、どんなことがあろうとも最後まで頑張る決意です。
さらにご支援よろしくお願いいたします。
7.24金融3争議 AIG本社前で訴える高梨さん
重ねて社会保険の遡及是正を要求
UOB銀行鈴木争議
社会保険の遡及是正を重ねて要求しました。
「鈴木さんの賃金が月給制から時間給制に変更になりました」という届け出をUOB銀行は2000年1月31日に麹町社会保険事務所へ秘密裏に提出していました。
その結果、鈴木さんの傷病手当金が約200万円、減額支給され、将来受け取る厚生年金も減額されます。
「賃金の変更には労使間の合意が必要」
銀行側団交員の弁護士はこのように発言しながら、合意のない「時間給」に基づく社会保険の是正を「考慮しません」と7月25日の団交で回答しています。組合は重ねて「是正」するよう求めました。
次回団交は9月5日です。
UOB銀行前の鈴木さん
都労委へ不当労働行為救済申立を行う!
福祉保育労たんぽぽ保育園分会
菅原理事長・園長は、2006年及び2007年の賃金改定(昇給)と、今年の夏季一時金に関する団体交渉を拒否し続けています。組合員の生活を守る為、団体交渉の手続きをルール化する為に、8月3日申立を行いました。
連日行われる 組合員への差別や人権侵害!
園長は、組合員のSさんに対し、夏休み期間中の夏休3日と、年休2日の取得を認めないと、休暇届の受け取り拒否をしています。更に、職場復帰後の通院の為取った年休を「無断欠勤」扱いとしてきました。組合は、不当な差別をやめるよう抗議し、労基法・就業規則に基づき休暇を認めるよう要求しています。
延長保育担当のNさんに対しては、保育作業準備や食事を含む休憩を「女子更衣室」でと業務指示をしてきました。Nさんだけを、女子更衣室に押し込めることは人権侵害であり、抗議とともに、直ちに撤回するよう求めています。
中労委第2回調査が9月14日(金)10時から、都労委第1回調査が9月25日(火)13時から行われます。引き続き、ご支援をよろしくお願いします。
東芝は中労委で争議の全面解決をはかれ
東芝の職場を明るくする会
東芝の職場を明るくする会は3月から始まった第二次申立事件の中労委調査で、「第一次申立人と各工場の差別是正社長申し入れ者を含む約100名の差別を是正し償え」という要求をかかげて闘っています。8月の第4回中労委調査では、全面解決に向けた和解協議の実現に全力をあげると同時に、不当労働行為を反省せず、04年中労委命令を履行せず労組法を無視した違法行為を続ける東芝に対して「法令を順守し社会的責任はたせ」の運動を強化します。
東京地評・東京争議団、全労連の争議支援総行動とともに、独自に本社・支社・支店・工場を包囲する運動を展開します。
秋から冬への東芝争議の行動に、大きなご支援をお願いします。
都庁前宣伝の海老根さん
賃金第二次差別事件
中労委から差別是正命令出る!
松蔭学園争議団
第二次賃金差別事件について、中労委から8月22日に命令書が送られてきました。
再開2期日目の7月9日、和解打ち切りとなりました。学園の回答がこれまでと変わらず、和解に対して真剣に対応する姿勢を疑わざるをえない状態に、中労委は、和解はこれまでと断を下し、今回の命令となりました。
命令では争点だった寺島、森の復帰時の賃金について、「学園回答が低すぎることは明らかである」、「非組合員の格差は明らかである」としています。そして「各和解所定の給与額が将来の給与額決定の基礎となることについて、合意があったとはいえず」と判断しています。その上で二人の復帰後の賃金を、すでに第一次事件命令確定で差別是正が実現している組合員の矢口の水準に合わせて決定しています。寺島については大学卒業後の5年間の遅れのうち、2年の前歴換算を認めています。総合的に組合側が主張してきた内容を認めた嬉しい差別是正命令です。
事実認定についても、1980年の組合結成前の1974年からの組合準備活動から認定しています。全面解決を迫っていくにふさわしい中労委命令といえます。
この夏には文部科学省、東京都私学部、私学共済など要請活動にも取り組んできました。27年をこえる長期争議の真の早期解決を!を現実のものにするため、皆さんの一段と力強いご支援をお願いします。
またもやウソを重ねる校長!
再雇用拒否田畑和子争議
7月24日、被告中神校長の尋問が行われました。法廷での宣誓など何のその、ペラペラと新しいウソをつきまくり、原告側代理人に先行訴訟の証言との矛盾を追及されると、「お陰様で思い出しました。今度の証言が本当です。」と誤魔化し、前は「7年前のことですから記憶をたどっても分からない」と言っていたのが「12年前のことを現在、思い出した。」と平然と言い訳しました。そして「田畑先生は校長が指導すると抵抗すると聞いていたので、教頭に指導させ、自分が指導することは少なかった。」と言っていたのに、今回は「すべて自分が校長室に呼んで指導した。」と言い、その場面や田畑さんのセリフや様子まで幾つも捏造しました。また、同僚や教え子の陳述書についてもその内容を否定し、一方的に余計なことをしゃべりまくりました。しかし、さすがに恥ずかしかったのか、満員の傍聴席に顔を見られぬよう被告席では斜めに座っていました。
当方は、かねて同僚と教え子2名を証人申請したのですが、被告が反対し、「陳述書の内容は争わない」と約束した上で裁判所が却下したものだったので、この法廷での態度は許し難く、再度の証人申請を行いました。更に、田畑さんを不採用にすべく校長に協力したと思われる元千川中学校教員1名も証人申請しました。まだまだ真相は明らかになりません。
一橋経営は労担不在で、申し入れを拒否!
一橋出版加藤争議
共闘会議、出版労連、出版情報関連ユニオンにより、7月18日、20日、8月3日、一橋経営に対して団体交渉申し入れを行いました。事前に通告しておいたにもかかわらず、3日間とも門扉を閉めて張り紙をし、一橋経営は労担不在、役員不在の対応に終始しました。
一橋経営の不誠実な対応に抗議するために、今後も申し入れ行動を引き続き行うとともに、9月21日には東京地評総行動による社前行動、10月には単独の社前抗議行動、11月には大規模な会社包囲デモを計画しています。
裁判の不当判決に助けられて自らの違法派遣を反省するどころか、あぐらをかき続ける一橋経営の姿勢を許すことは、急速に拡大する非正規労働という現代版奴隷労働をさらに拡大するものです。
無権利状態の非正規雇用労働者の拡大再生産にストップをかけるために、一橋マイスタッフ争議に今以上のご支援をお願いいたします。
申し入れを拒絶する一橋経営
御礼
東京争議団夏季カンパにご協力ありがとうございました。
一同御礼申し上げます
9・21東京地評 争議支援総行動
皆様のご支援・ご協力をお願いいたします。
各争議組合、争議団の近況報告
▼全動労争議団
年末に判決となりました。この判決をにらんで11月30日に全国大集会を開催。解決につながる判決を引き出す決意です。
▼明治乳業争議団
最高裁への上申書運動と10・5明乳包囲大行動に全力で取り組んでいます。皆様のお力をお貸しください。
▼全国じん肺連絡会
三菱長崎造船は会社が控訴しました。又、福岡高裁での闘いが続きます。今後もよろしくお願い致します。
▼一橋出版=マイスタッフ・加藤解雇争議
猛暑お見舞い申し上げます。経営側のやりたい放題の違法派遣を許さないたたかいに、みなさまの力をお貸しください。
▼中野区保育争議団
8月29日結審で原告の意見陳述。傍聴支援をお願いします。9月5日(水)18:30〜新宿農協会館で、勝利をめざす!団結ビァパーティ。
▼東芝の職場を明るくする会
9月13日に東京・神奈川・千葉・埼玉県内の支社・支援要請行動を行います。11月30日(金)東芝争議全面解決を勝ち取る総決起集会・支援共闘会議第3回総会(鶴見公会堂)を行います。
▼田畑先生の再雇用拒否の真相を究明する会
証人尋問は終わりましたが、被告側はウソを並べて正当化しようとしています。次回【9/25(火)11時〜11時半 627法廷】は証人申請等が審理されます。傍聴支援よろしく!
▼松蔭学園争議団
賃金第二次差別事件で、8月22日に中労委から差別是正命令が郵送されてきました。完全勝利命令でした。
▼国金発展会
9月12日15時、最高裁で第6回和解協議。
====東京争議団予定===
九月
〇六13:00三役会議 (東京地評5F)
〇八13:00全体会議 (東京地評5F)
17:00ニュース発送作業 (東京地評5F)
一〇月
一一13:00三役会議 (東京地評5F)
一三13:00全体会議 (東京地評5F)
17:00ニュース発送作業 (東京地評5F)
=====諸行動予定=====
八月
二七17:30明乳本社前宣伝行動
二八08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
二九11:00中野区保育高裁結審812号
三〇08:301047連絡会事業本部前宣伝行動
12:00全動労争議団裁判所前宣伝・要請行動
三一11:00鉄建公団訴訟控訴審101大法廷
18:30鉄建公団訴訟控訴審裁判報告集会 skプラザ地下ホール
九月
〇一13:00裁判所対策学習交流会SKプラザ5F
〇二〜〇三 東京争議団サマーレク北茨城平潟港
〇二14:00じん肺キャラバン実行委員会 中央大学駿河台記念館
〇三08:00「1の日」宣伝行動JR新宿西口
12:00「1の日」宣伝行動事業本部前
18:30労働法制東京連絡会事務局会議地評
〇五09:00東京争議団中労委前共同宣伝行動
10:30中労委任命取り消し訴訟高裁824号
18:30中野区保育団結ビアパーティー 新宿農協会館8F
18:30じん肺東京支援連絡会議地評5F
〇六08:30東京争議団裁判所前共同宣伝行動 1047連絡会地裁前宣伝行動
〇七08:20UOB銀行前宣伝行動
09:309・21東京地評総行動 第2次オルグ地評会議室
13:30司法総行動実行委員会地評
一〇11:45東和システム地裁710号
17:30明乳東陽町駅宣伝
一二11:00中野区保育中野駅前宣伝
12:00中野区保育中野区庁舎前抗議行動
12:00全動労争議団裁判所前宣伝・要請行動
15:00国金発展会最高裁和解協議
一三08:301047連絡会事業本部前宣伝行動
18:3011・16全労連争議支援総行動 第1回実行委員会全労連
一四08:20一橋マイスタッフ荻窪駅宣伝&要請
10:00たんぽぽ保育中労委調査
13:30明乳全国事件都労委進行協議
一八08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
一八〜二一
10:30〜17:00国鉄闘争座込み国土交通省前
一九08:15国民救援会最高裁宣伝・要請
18:30裁労会議地評地下会議室
二〇08:301047連絡会裁判所前宣伝行動
08:30東京争議団裁判所前共同宣伝行動
10:30国労闘争団鉄運機構訴訟結審103号
16:00メレス黒田地裁13F民事19部
18:30国労闘争団鉄運機構訴訟結審報告集会 skプラザ地下ホール
二一終日 東京地評争議支援総行動
二五11:00田畑究明する会地裁627号
13:00たんぽぽ保育都労委調査
二六08:00東京争議団最高裁前共同宣伝行動
二七08:301047連絡会事業本部前宣伝行動
十月
〇一〜一九じん肺全国キャラバン
〇一08:00「1の日」宣伝行動JR新宿西口
12:00「1の日」宣伝行動事業本部前
〇五08:20UOB銀行前宣伝行動
18:30明乳本社包囲大行動
一六08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
一八12:00UOB銀行前宣伝行動