東京争議団ニュース第187/2006年10月19日
ネスレ組合役員解雇事件で最高裁が「解雇無効」
ネッスル争議団
2001年4月に起こった、ネスレ日本の組合役員「解雇事件」は10月6日に最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)で判決が言い渡されました。
判決は原告の冨田、栗村さん二人の訴えを認め、第二審の東京高裁判決を「破棄」する逆転勝利判決を下したため初審の水戸地裁判決が確定しました。
判決は、会社が主張する「暴力事件とされる事項から、7年半にわたる長時間が経過した後の懲戒解雇は権利の濫用で是認できない。」とした上で、懲戒解雇を無効としました。
またこの判決により、経営者が都合のいい時に、都合のよい過去の事件を蒸し返して労働者を解雇することができなくなり、解雇権の濫用に一定の「歯止め」がかけられました。さらに、経営者がたやすく解雇ができない新たな基準を示した判断だと言えます。
判決後、原告の冨田さんは「家族と一緒に喜べることが嬉しい。」と語り、栗村さんは「退職強要され、職場を去った仲間もいる。みんなのことを思うと一人だけが喜んでいられない。」と涙で声を詰まらせました。
加えて今回の最高裁判決は、第二審東京高裁判決の全てを破棄して、地裁判決については「復活範囲を限定せず」確定させました。
ネスレ社は一部の報道機関などで、「暴行の事実は確定したが、懲戒解雇処分が認められずに残念。」などというコメントを発表していますが、これこそが、最高裁判決さえ従おうとしないネスレ社の違法体質を明確にしたものです。
最高裁の判断をねじ曲げ、自分達に都合の良いように勝手な解釈をするネスレ社の姿勢は許されるものではありません。私たちは、ネスレ経営者が、国際社会からの批判が高まっていることを今こそ悟るべきだと、今後も広く社会に訴えていきます。
労働組合は現在、富田、栗村さんの職場復帰に際し、給与や仕事内容などの労働諸条件と今後の対応などについて、本人を含む話し合いを行うよう要請しています。
一橋出版=マイスタッフ争議
一橋出版=マイスタッフ事件の法廷闘争は最高裁に舞台を移しました。支援共闘会議は、非正規雇用労働者の生活と権利をまったく考慮しようとしない、司法の放棄ともいうべき東京地裁・東京高裁の不当判決を受け、最高裁に上告しました。司法の最後の砦である最高裁に対し、“偽装派遣”を厳しく断罪するよう、最高裁前宣伝、最高裁宛て団体署名等の運動に取り組んでおります。
10月6日には、第3回支える会総会を行いました。当日は台風の最中でしたが、明乳・凸版のみなさんを含め、97名のご出席をいただきました。この日は、ネスレ最高裁全面勝利判決の喜びも大きく、会はおおいに盛り上がった決起の場となりました。
この間の運動の最大の取り組みとして、11月1日に、同じく最高裁で“偽装派遣”を問う伊予銀行事件と共同企画で、『最高裁が問われる“偽装派遣”・・・格差社会を考える11・1のつどい』を一〇〇〇人規模で開催します。二つの解雇事件のからくりを掘り下げ、蔓延する偽装労働、非正規労働者の増大、その結果の格差拡大から社会不安に至る悪循環にレッドカードを突きつける『11・1のつどい』は、準備段階から賛同が続々と寄せられ、(実行委員団体が増え続けています10月13日現在30団体)。東京争議団も実行委員として毎回の会議での討議に加わっていただき、ご尽力いただいております。当日は、東京争議団から、司会・ご発言(AIGスター生命・中野保育・ヒルトン)をお願いしております。
みなさまおそろいで、非正規で働く仲間をぜひ誘い合わせてご参加くださいますよう心よりお待ちしております。
10.6支える会総会で発言する凸版争議団・明乳争議団
明治乳業 「和解勧告」拒否10・31本社前行動で抗議!!
明治乳業争議団
高裁(民事5部小林裁判長)は、12月4日に結審予定の明治乳業事件に対し、「長期に及んでいる・・・最後の機会と思われるので和解を考えたい」との勧告を行い、その期日が10月10日にありました。明治乳業は「諸般の事情を踏まえ、内部検討もしたが判決しか考えていません」等として、長期争議解決への道筋を頑なに拒否。裁判長は、和解断念を宣告しつつも、最後に「ファイティングポーズを解いて解決への努力を・・」と提起しました。争議団は、第一に、「和解勧告」の大儀すら拒否した明治乳業の、異常企業体質を徹底的に追求し包囲する闘いを前進させること。その為にも「10・31本社前大行動」を絶対に成功させる。第二に、逆転勝訴を目指す高裁対策に全力で取り組むこと。隔週宣伝・要請行動の質量を高め、公正判決を求める「団体署名」を判決(来春3月頃か)に向け一気に強め、さらに、広範な団体の「直接要請行動」を組織する等を必ず達成し、異常な明治乳業を解決の決断に追い込む闘いを、来春に向けて作り出す決意で奮闘します。ご支援を宜しくお願いします。
関東工場座り込み行動
AIGスター生命北海道行動
AIGスター生命争議団
金融労連発足第一回全国統一行動として「渡島信金争議の全面解決を求める10・6行動」が函館、及び本店所在地森町で開かれ、それと同時に札幌、函館でのAIGスター生命への抗議宣伝行動が行なわれました。
5日、札幌駅北口、AIGスター生命北海道総支社前での行動では、金融労連佐野中執、北洋銀行労働組合黒沢委員長はじめ中央執行委員全員参加のもと、地元北海道銀行銀産労組合員も加わりマイクとビラでの宣伝。市民の方の「頑張ってね」という声、「この争議はいったいどういうことなのか」という質問をいただきながらの宣伝行動でした。その後、北海道総支社へ行き、この争議が丸3年にもなること、本社へぜひ早期解決するように伝えていただきたい旨を要請してきました。さらにアリコ・ジャパン札幌支社、AIGエジソン生命へもAIGグループ企業としてAIGスター生命への具申を要請、どちらも社内応接間での対応をいただき長い時間この争議について説明する事ができました。
今後もこのグループ企業への要請も続ける予定でいます。
6日、8時よりAIGスター生命函館営業所前でビラ配布からスタート。前夜から営業所裏手のホテル宿泊者(京都、大阪、青森、千葉、静岡、道内網走、札幌、渡島、函館)を含めおよそ20名で、五稜郭周辺のビラ配布等宣伝行動を行い、宣伝後所長に面会、金融労連田畑書記長、佐野中執と共に要請書を手渡し、争議早期解決を本社へ具申を要請いたしました。
その後、函館財務事務所要請、市内宣伝後森町渡島信金本店へのデモ、AIGなど外資の横暴さに匹敵するような渡島信金争議のひどさを訴え、ビラの戸別配布など一日行動が行われ、翌日、北海道新聞には大きく写真入りで報道されました。
9月12日公判田畑先生の陳述
再雇用拒否田畑和子争議
9月12日の公判で田畑さんは、主として次の陳述をしました。
中神校長が生徒作成の掲示物「南京大虐殺」を偏向と決めつけ、「教師には事実を事実として教える自由はない」と断言したこと。
田畑教諭の退職する1995年、文化祭展示のため生徒が作成した掲示物「南京大虐殺」を校長が「偏向」と決めつけ、指導担当のS教諭に、この掲示物の傍らにその内容を否定する旨記載した張り紙を張るよう指示したが、S教諭はこれを断った。そのやりとりの中で校長は「学問の自由・授業の自由はない。事実を事実として教える自由はない。校長は全教科指導できる。私は分からないときは上の人に聞く。」等断言し、納得できないS教諭は「授業内容までお上が決めるというのは戦前と同じでしょう。民主主義教育の前提が崩れてしまう。」と退席したことが分かった。
校長が職員会での話し合いを拒否するので、田畑は千川中学校分会の委員団のメンバーとして、抗議行動に携わった。都教組豊島支部も教育基本法・学校教育法違反であり由々しき事態ととらえ、これに取り組んだ。田畑はこの事件の真っ最中豊島区教委指導室長の面接を受け、不適格教師と判定された。
校長のこの言動は、まさしく教育基本法10条「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し、直接に責任を負って行われるべきものである。」に違反するものです。教育基本法は現場では機能しているとは言い難い現状ですが、本当になくなったらもっとひどい状況になるのは目に見えています。この裁判は教育の右傾化を防ぐ上でも重要です。是非、ご支援をお願いします。
裁判闘争でも1047名連帯した闘い開始
全動労争議団
9月14日、建交労・国労・国鉄共闘・中央共闘の4団体と4者(国労闘争団全国連絡会議、国労闘争団鉄建・鉄運訴訟原告団、全動労争議団鉄運訴訟原告団)がまとめた「具体的解決要求」を持って、建交労・国労・国鉄共闘・中央共闘の4団体ともに鉄道運輸機構・国鉄清算事業本部に解決を求めての申し入れを行いました。
対応した鉄道運輸機構・国鉄清算事業本部田中職員局課長は「4者がまとまって具体的要求を出したことは進歩であるが、少なくとも現時点では交渉テーブルを設けるつもりはない」と従来の答弁に終始しました。
また、10月5日には、この「具体的解決要求」を持って、4者・4団体とともに厚生労働省と国土交通省へ解決を求めた要請行動も行なわれました。
国土交通省は「政府として新しい措置を講ずることは極めて難しい」、厚生労働省は「政府はILO結社の自由委員会へ『新たな措置は難しい』とした追加情報を出した。申入れは責任持って上部に伝える」と双方とも、これまでの対応を変えようとはしていません。しかし、追い詰めていることは明らかです。
秋から年末にかけての諸行動で、解決の道筋をつける決意で10月25日に1047名の解雇争議の早期解決を実現する院内集会を開催し、26日には、国会前座込み行動を行ないながら、被解雇者と家族が全面に出て、衆議院・参議院全国会議員720名を対象にした1047名の解雇争議の早期解決を求める賛同を目的とした国会議員要請行動も予定しています。
裁判も、未提訴だった国労闘争団も年末にかけて鉄道運輸機構を相手に裁判に入ります。裁判闘争でも1047名の連帯したたたかいが始まります。全動労裁判も、来年、年度末にかけて結審、5月連休明けから夏にかけて判決という見通しとなっています。重大局面を迎える裁判闘争でも勝利解決につながる判決を引き出すため全力を上げてたたかう決意です。
9・15東京地評東京争議団総行動
大企業は社会的責任を果たせ!司法に正義を!労働者の権利を奪う「労働契約法制」反対!国鉄闘争とすべての争議の解決を!のスローガンのもと9・15東京地評・東京争議団争議総行動が行われました。
この日、昼は「首切り自由は許さない9・15霞ヶ関大行動」として展開され裁判所・厚生労働省への個人請願行動が行われ700名が参加しました。
各社前参加・昼の霞ヶ関大行動の延べ参加者は2600名でした。
国鉄清算事業本部前で挨拶の渡部副団長
主催者挨拶をする 小関議長
連帯挨拶する中野保育争議団 福家さん
『最高裁が問われる“偽装派遣”
一橋出版=マイスタッフ事件と伊予銀行事件
・・・格差社会を考える11.1のつどい』
【日時】2006年11月1日(水)18:00
【会場】豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)
【内容】○非正規で働く労働者から
○パネルディスカッション
「“偽装派遣”と格差社会を考える」
各争議組合、争議団の近況報告
▼アステラス製薬男女差別裁判
9月20日会社側元人事部長証言。採用区分の主張くずれる。いよいよ署名活動5000団体目標に開始。
▼ネッスル日本労組
解雇事件最高裁勝利判決。引き続き姫路配転事件の最高裁闘争継続
▼銀産労AIGスター生命争議団
中労委へ救済命令履行状況報告書提出、17日中労委へ要請。AIG北海道札幌、函館営業所要請。全国の営業所への要請行動強める。
▼一橋出版マイスタッフ・加藤解雇争議
10月6日、支える会総会ご参加ありがとうございました。11月1日の集いにご参加をお願いします。
▼電算労・東和システム争議
10月23日都労委での和解斡旋も最終段階になる予定です。
▼全国じん肺連絡会
10月20日10時より日比谷野音でじん肺・アスベスト根絶決起集会。続いて国会請願デモ。ぜひご参加をお願いします。
▼NTT木下解雇争議
10月25・26日NTT東日本本社前座込み。木下争議は解決済みとするNTTを包囲し解決を迫る。皆様のご参加をお願いします。
▼松蔭学園教職員組合
第2次賃金差別事件について中労委調査が10月24日(火)15時より行われます。
▼UOB鈴木慶子職場復帰対策会議
UOBに対して「解決できる回答を示せ」と争議決断を迫る行動を取り組んでいます。
▼明治乳業争議団
明治乳業は東京高裁からの「和解勧告」を拒否し「司法判断を尊重します」との公言すら否定した態度に対し、社会的に包囲する運動と「公正判決」を勝取るためガンバリます。
▼国金発展会
最高裁に上告して1年10ヶ月が経過。「最高裁は上告を受理して、口頭弁論を開け」の団体署名(上申書)を取り組み中。是非ご協力を!
▼田畑先生真相を究明する会
次回公判10月31日(火)16時〜16時30分 東京地裁627法廷【原告陳述あり】
====東京争議団予定===
九月
〇四14:00事務局会議(東京地評5F)
〇九10:00三役会議(東京地評5F)
13:00全体会議(東京地評5F)
二〇14:00ニュース発送作業(東京地評5F)
十月
一二14:00事務局三役会議(東京地評5F)
一四10:00全体会議(東京地評5F)***
十九14:00ニュース発送作業(東京地評5F)
十一月
〇九14:00事務局会議(東京地評5F)
十一10:00三役会議 (東京地評5F)
13:00全体会議 (東京地評5F)
十五14:00ニュース発送作業(東京地評5F)
第45回東京争議団総会
12月2日(土) 午前10時から
東京労働会館7階ラパスホール
=====諸行動予定=====***変更・訂正***
一〇月
二〇10:00全国じん肺決起集会 日比谷野音
12:00全国じん肺国会国会請願 霞門集合
12:00 UOB鈴木丸の内中通り宣伝
二三17:00東和システム都労委和解
二四08:15国金発展会財務省前宣伝
15:00松蔭学園中労委調査
二五08:00東京争議団最高裁共同宣伝・要請
08:00 NTT木下争議東日本本社前座込み
10:00東芝明るい会本社行動(JR浜松町)
10:30中野保育高裁812号法廷
12:00全動労裁判日宣伝 地裁前
12:001047問題の解決を求める院内集会 衆議院第2議員会館第4会議室
13:15全動労地裁710号法廷
18:30じん肺支援連会議地評5F
18:30学習の夕べ 労働法制東京連絡会 ラパスホール
二六08:301047連絡会共同宣伝 裁判所前
10:00〜15:00国鉄闘争国会前座込み行動
10:001047問題の解決を求める衆参全議員 要請 衆議院第1議員会館第4会議室
15:00 NTT木下争議東日本本社前座込み
二七09:3011・17全労連争議支援統一オルグ
10:00〜15:00国鉄闘争国会前座込み行動
10:30建交労鉄道1047問題衆参国土交通 委員要請 衆議院第2議員会館第1会議室
18:00凸版解決報告集会如水会館
二九10:00国鉄団結祭り 亀戸中央公園
三〇08:30東京争議団地裁高裁共同宣伝行動
三〇〜三一13:00明乳本社前座込み
三一18:30明乳本社前大行動
一一月
〇一08:00「1の日」JR新宿駅西口宣伝
12:00「1の日」事業本部前宣伝
11:00 NTT木下争議NTT東日本本社要請
18:00一橋マイスタッフ・伊予銀行集会 豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)
〇二08:301047連絡会共同宣伝事業本部前
17:00鶴川高校都労委調査
〇八13:15中労委不公平任命取消訴訟判決710法廷
13:30国労闘争団鉄運訴訟裁判103号法廷
〇九08:301047連絡会共同宣伝裁判所前
一〇08:10 UOB銀行前ビラ配布
一一13:00国際人権活動委員会総会
一三08:30東京争議団地裁高裁共同宣伝行動
一六08:301047連絡会共同宣伝事業本部前
16:30鶴川教組東京地裁八王子支部
一七終日 全労連争議支援総行動
二〇08:30明乳高裁前宣伝・要請
二一08:00東京争議団都庁共同宣伝
二二08:00東京争議団最高裁共同宣伝
二七08:30東京争議団地裁高裁共同宣伝
10:30ネッスル中労委調査(団交拒否事件)
11:30明乳本社宣伝
二八18:30全労連争議支援総行動総括会議 全労連3F
一二月
〇二10:00第四五回東京争議団総会(ラパス)
〇四08:30明乳高裁前宣伝
11:00明乳高裁「結審」最終弁論101大法
15:00明乳都労委調査
〇五12:00国土交通省包囲行動
一二18:30千代田区労協50周年レセプション 如水会館