東京争議団ニュース第384/2023年6月10日


中労委の救済命令を取消。東京地裁が不当判決!
帝京長岡高教職組

 5月25日、東京地裁民事第19部は、中央労働委員会の救済命令を取り消すという判決を出しました。学園の組合敵視に基づく不当労働行為の事実を見ない誤った判決です。
 中労委命令は、新潟県労働委員会による初審命令に沿う形で、@吉田教諭への懲戒処分をなかったものにすること、A校長及び教頭は不当労働行為発言について謝罪と反省の文書を手交し教務室内にも掲示すること、を内容とするものでした。
 ところが東京地裁の判決は、中労委が事実と認定した学園による数々の不当労働行為をしっかり見ることなく、吉田教諭に問題があったとする学園の主張を鵜呑みにし、懲戒処分には相当の理由があったとしています。これは、事実誤認も甚だしく極めて不当であると言わなければなりません。
 私たちは、学園による組合嫌悪を是認した不当判決に対し控訴し、今後もより良い教育環境を目指します。


「5・10総決起集会」で怒り・決意を新たに!
明治乳業争議団

 都労委残留39事件を、「敗訴の連鎖断ち切る集大成」として闘う明乳争議団。審理に向けた証人申請も出揃い、今秋には審査計画が示されます。
 38年の「日本一長い差別争議」を闘う争議団は、長期に闘いを支えて頂いている支援者に「明乳争議のそもそもと到達点」を共有して頂き、異常企業体質の告発包囲運動を強め、都労委を舞台に解決局面を切り拓く決起の場として「5・10総決起集会」を全労連会館大ホールで開催しました。
 満席の集会は、主催者挨拶に全労連、農民連が連帯挨拶し、事件の経過と今後を解明した弁護団報告、異常企業体質と人権侵害を告発した青年劇場による朗読劇と続き、争議団の決意表明で締めくくりました。(採択された決議文は明治HD及び(株)明治本社と、5月の役員宅訪問で執行しました。)
 集会は、異常企業体質への怒りと「なんとしても解決を!」の熱気が会場に溢れ大きく成功しました。ご参加ご協力に心からお礼を申し上げます。


5.10 開会の熱気を盛り上げる大熊さんと合唱団のみなさん

5.10 総決起集会で決意表明する小関団長


損害賠償・行政訴訟とも重要局面を迎える!
コープみらい及川労災事件

 損害賠償訴訟は、2月7日にさいたま地裁が、仕事中の転倒でケガしても労災にならない、との不当判決を出したため、怒りを込めて5月9日に東京高裁に控訴しました。控訴理由書の柱としている争点は、コープみらいの「安全配慮義務違反、復職配慮義務違反の有無」と、及川さん転倒の事実の有無で、地裁の不当判決の問題点を指摘しています。東京高裁第1回口頭弁論は6月27日(火)11時30分からです。
 労災認定を求める行政訴訟は、今までは脳脊髄液減少症の有無の医学論争が中心でしたが、4月に裁判長が交代すると「業務起因性(仕事中の転倒の有無)の中間判決」を出す、との訴訟指揮を執りました。原告側は「中間判決前に原告本人の証人尋問を求める要請署名」に取り組んでいます。
 両訴訟とも重要な局面を迎えており、皆様のご支援お願いいたします。


組合員1名の再雇用拒否を新たに救済申立て!
フェリシア高校教職員組合

 6月1日、東京都労働委員会にて調査が行われました。組合員4名の「60歳誕生日定年での継続雇用拒否」について和解交渉が決裂したため、審問が再開されました。4名のうち1名は昨年の6月に継続雇用を拒否されましたが、この間和解協議を行ってきたため救済申立を行っていませんでした。しかし、同日、都労委へ第4次事件として追加の救済申立てを行いました。今回の調査では、都労委から争点案が出されました。次回期日は証人申請するとともに審査計画が示される予定です。
 並行している地裁での審理も大詰めとなっており、今秋9月には都労委証人尋問、10月には東京地裁での証人尋問となる見通しです。 全面解決を果たすその日まで、みなさまのご支援をお願いいたします。


解雇撤回をあきらめません6月16日、傍聴支援を!
東京国際福祉専門学校事件

 5月24日全労連・東京地評争議支援総行動での支援にご参加ありがとうございました。多くの団体・個人の皆さんの応援、近所の方々からも声をかけていただきました。偶然にもこの日は、外語の職員面接が実施されていました。新規採用を行う余地があるなら、解雇された組合員を職場に戻すべきです!
 卒業生の有志も、色々な活動を通して応援してくれています。卒業生に労働者の権利や組合の意義を伝えるためにも、決して負けるわけにはいきません。
 6月16日(金)11:30〜、東京地裁526号法廷で口頭弁論です。裁判官の体制は合議となりました。傍聴席を埋め尽くしたいです。
 裁判官あての署名も引き続き取り組んでいます。第二次締め切りは7月末です。
今後、各労組や団体へのオルグを行い、署名等のご協力のお願いをする予定です。よろしくお願いします。


5・24総行動 外語専門学校前


勝利判決を踏まえて復職解決を目指す
オランダ航空雇止め解雇事件

 原告3名の第3陣訴訟は、昨年6月の控訴審一回目の口頭弁論で会社が無期雇用を認めたものの、日本での職場がないため、一時的にオランダで働くための和解協議が続いています。1年経過し大詰めの段階となっています。
 原告29名の1・2・4陣訴訟は、3月27日の勝利判決後、会社が控訴し控訴審が始まりますが、並行して自主交渉に応じる姿勢を示しているため、組合で原告の意向のとりまとめをしています。
 5月24日には、全労連・東京地評の争議支援総行動にエントリーし、日本支社前に50名が集まり、抗議行動を行いました。
 主催者あいさつに立った全労連寺園通江事務局次長は、看護師として人命を預り、対人業務でストレスがかかる仕事をしてきた経験から「客室乗務員の業務は看護師と共通しており、そうした人たちを有期雇用で使い捨てすることは許されない」と力強く訴えました。そして2名の連帯あいさつ、当該労組の決意表明後、元気にシュプレヒコールを行い行動を締めました。


5.24総行動 KLM日本支社前


不当判決に対し最高裁に上告、宣伝・要請行動準備中
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件

 一審不当判決後、東京高裁が1回の口頭弁論で結審し、4月27日「控訴棄却」の不当判決を出したことに対し、Fさんは最高裁に上告してたたかうことを決意し、5月17日上告しました。
 最高裁は、地裁や高裁のようには口頭弁論を行わず、書類だけで判断を出すことがほとんどです。そうした点で、口頭弁論を開かせるための最高裁前での宣伝や要請行動などの取り組みが求められます。
 現在、国民救援会や働くもののいのちと健康を守る東京センターが、最高裁宣伝・要請行動を行っており、Fさんを支援する会と東京争議団は、上告書類が最高裁で受け付けられた段階から、共同での取り組みを準備しています。
 引き続き皆さまのご支援をお願いいたします。


編集部だより
6月1日、多くの傍聴支援のもと証人尋問実施
和洋九段女子中学高等学校教職員組合定昇未払い事件

 和洋九段女子中高教職員組合の未払い定昇請求裁判は、6月1日山場の証人尋問が行われました。東京私教連、東京争議団などの支援者で傍聴席はほぼ満席となる中で、組合側2名、学園側2名の証人が法廷で証言しました。
 組合側が、労使関係の実態に基づく定昇の取り扱いから労使慣行として確立していること。また、経営上の理由も疑問がある中、協議もせずに定昇ストップしたことは無効だと証言。これに対し、学園側は都度定昇の実施可否を決められる書面があることを利用し、経営上の理由で定昇ストップは可能と形式的な証言をしました。
 裁判官交代により担当となった小原一人裁判長(4月27日、帝京長岡中労委命令取り消し判決を出す)は、形式面で組合主張に疑問がある旨の質問をしたのち、最終準備書面は不要だとしてこの日で結審を宣言、和解勧告するとして6月13日に期日が入りました。


東京争議団サポーター広場
明治乳業の勝利を!
元松蔭学園教職員組合 寺島 やえ

 全労連会館ホールで明乳争議支援の「5・10総決起集会」が開催されました。
 支援を続けている市川の合唱団や大熊啓さんの熱唱、そして、争議のそもそもが、朗読劇の怒りを込めたセリフから会場中に響きました。
農民連副会長の酪農危機の訴えは明乳争議は労働者だけの問題ではない、この国の酪農、農業のためにも負けられない闘いだと確認できました。
 満員の会場には、東京争議団のサポーターの皆さんが、私がお見受けしただけでも20名以上の方が参加されていました。久しぶりにお会いした方も沢山いらっしゃいました。
 サポーターのみなさん、38年になる明乳争議の勝利のため一層力を尽くしましょう。


東京争議団
夏季物品販売

争議解決に向け、みなさんのご支援・ご協力を、お願いいたします!


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 東京外語専門学校前での宣伝行動
 6月13日(火)27日(火)12:30〜13:00
 守る会会員継続で争議の応援、引き続きよろしくお願いいたします。
 TwitterやYouTubeで「東京国際福祉専門学校を守る会」を検索・フォローお願いします。
▼明治乳業争議団
 京橋エドグラン前 第78次「座り込み行動=6月20日(火)12時〜13時。
 「継続は力 !」で頑張りますが暑くなります。
 体調と相談してご支援を !
▼コープみらい及川労災事件
 両訴訟とも重要な局面を迎えています。ご支援お願い致します。
 6月27日(火)11:30 損賠訴訟 東京高裁511号法廷
 7月5日(水)11:00 行政訴訟 さいたま地裁105号
▼フェリシア高等学校(旧鶴川高校)教職員組合
 6月1日に4名の継続雇用拒否問題で都労委へ第4次事件として追加の救済申立しました。
 引き続きご支援をよろしくお願いします。


====東京争議団予定===

七月
 〇七13:00 三役会議
 〇八13:00 全体会議
八月
 〇四13:00 三役会議
 〇五13:00 全体会議


===行動予定===

六月
十二10:30 明乳 都労委 都庁南塔38階
十三12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
十三14:00 和洋九段 裁判(和解協議)東京地裁民事19部
十六11:30 東京国際福祉 裁判 東京地裁526号法廷
二〇12:00 明乳第78次座り込み 橋エドグラン前
二七11:30 コープみらい 及川労災裁判(損害賠償)東京高裁5T1号法廷
二七12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前

七月
〇四08:30 東京地裁高裁前共同宣伝
〇五11:00 コープみらい 及川労災裁判(行政訴訟)さいたま地裁105号法廷
〇六16:30 和洋九段 中労委
十八16:00 明乳第79次座り込み 京橋エドグラン前:夏時間


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