東京争議団ニュース第382/2023年4月15日


裁判勝訴
原告29名全員の無期雇用を実現!
オランダ航空雇止め解雇事件

 3月27日14時、裁判長は「原告らは被告に対し、いずれも期間の定めのない労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」と発言、法廷内に拍手が起こりましたが、裁判長はそれを制し、民事訴訟では珍しく判決要旨を読み上げました。
 ジャパンキャビンクルーユニオン組合員29名が、KLMオランダ航空に雇止め撤回と復職を求めていた裁判で、東京地裁は全員の無期雇用を認めました。2018年12月提訴後、4年を超える闘いに勝利しました。
 大きな争点は、「無期転換逃れの雇い止めの是非」と「通則法に基づくオランダ国内法の適用の可否(適用が認められれば無期雇用実現)」の2点でした。
 継続的な雇用需要があるにも拘わらず5年の上限を設定して雇い止めする無期転換逃れについては、「契約時の上限設定に規制はなく、当事者がその契約書にサインしていれば契約更新の合理的期待は生じない」との考え方で、雇い止めを有効とする不当な判断が示されました。
 一方で、日本人客室乗務員は、オランダ本社の組織に所属し、労働条件・勤務管理も本社で行われており、雇い入れられた事業所所在地はオランダとされ、契約3年を超えた時点でオランダ法により無期雇用になっていたと判断されました。
会社は4月10日に控訴、東京高裁での闘いとなりました。引き続きご支援をお願いします。


3.27 勝利判決を勝ち取った弁護団


「5・10総決起集会」に是非ご参加を!
明治乳業争議団

 38年目の長期争議を闘う明乳争議団。都労委残留39事件を、「長期争議の集大成」とし総力を挙げて闘っています。
 都労委では、これまの単年度審査による認定・判断の誤った枠組みではなく、潮流間・組合間差別事件の審査方法として定着している事件併合が前提の「大量観察方式による集団間比較」での審査・認定を実現し、「敗訴の連鎖」を断ち切る決意で頑張っています。
 闘いの長期化で争議団の高齢化は避け難い問題ですが、一人ひとりは「このままでは人生を終えられない」の決意で団結し、可能な力を寄せ合い頑張っています。都労委の進捗状況から、今年が正念場の闘いとなりますが、明乳争議の到達点を共有し「労働組合つぶし・賃金差別は許さない『5・10総決起集会』」を設定しました。
◎5月10日(水)午後6時30分〜全労連会館2階ホール 一人でも多くのご参加、ご協力をお願いします。


3.20 座り込みトランペット吹奏の松平晃さん


新潟県労委の証人尋問終わる
勝負の年へ!
帝京長岡高教職組

 3月末、新潟県労委の証人尋問において、学園側証人N教員は、東京高裁の判決がでた元生徒に「謝るつもりはあるか」という組合側弁護士の質問に対し、一度は「確定すればある」と答えたものの、相手側弁護士にさえぎられ、結局は「教員として正しいことをした」と言い換えました。
 その傍聴席には、まさに学園側N教員らにより不登校・転学に追い込まれた元生徒が座っていました。県労委の場で、教育が歪められた瞬間でした。組合側証人M教員は、この場面を捉えて、「まさに現場でこのようなことが起こっているのです」と力強く主張しました。なお、帝京長岡の校長は、判決が確定してもN教員を処分したりするつもりはない旨を証言。7月には結審し、10月頃に「決定」がでる見通しです。
 なお、不当労働行為行政訴訟の東京地裁判決は、5月25日(木)の13時10分に530号法廷であります。


東京高裁要請行動を実施
2通の要請書を提出!
Fさん職業性ぼうこうがん労災事件

 昨年10月の東京地裁敗訴後の控訴審は、2月28日の第1回口頭弁論で結審し、判決は4月27日13時20分の言い渡しになりました。1回で結審しても、双方の主張に対する評価によって判決が逆転することもあります。
 Fさん労災認定を支援する会は、東京高裁に対する要請行動に取り組むこととしました。要請行動は、支援する会と東京争議団が要請書を作成し、3月17日の10時から実施しました。本人と支援する会2名、東京争議団4名の7名が、東京高裁に2通の要請書を読み上げて提出し、本人は自分の思いを訴え、その発言内容のメモを提出しました。また、その時点までに集まった個人・団体署名も提出しました。
 判決は言い渡しの1カ月前には作成されると言われており、やれる取り組みはやりました。後は、良い判決を待ちたいと思います。


4月1日、職場復帰を果たしました!
鶴川高校教職員組合

 新年度を迎えました。鶴川高等学校は、「フェリシア高等学校」と名称を変更しました。昨年11月の中労委での和解を受け、2018年に27年間雇用され無期転換権行使の直前で雇止めとなった組合員は、4月1日「専任教諭」(正規雇用)として職場復帰を果たすことが出来ました。復帰の挨拶で「私が今日ここに立つために沢山の方の尽力をいただきました。この5年間の経験をいかしてみなさんとともに教育活動に力を尽くす決意です」と述べ、大きな拍手に包まれました。みなさまの熱いご支援に心より御礼申し上げます。
 現在は、まだ解決していない4名への「60歳誕生日定年での継続雇用拒否」について和解協議中です。全面解決を目指し奮闘します。


署名・学校前宣伝のご協力お願いします
東京国際福祉専門学校事件

 3月16日、第4回守る会の総会を行い、争議の協力へ感謝を伝えました。「連帯と団結」の力で、この争議の展望を切り開いていく決意を固めました。
 4月17日に弁論準備が控えています。裁判は合議体となります。3月から裁判官あての署名活動を開始しています。これまで以上の運動の広がりを目標に各組合を訪問したいと考えています。ご協力をお願いします。
 団交では、雇用の継続についての検討を行わず、ハラスメントの訴えも不法行為も認めない不誠実団交ですが、ハラスメント防止法の施行も根拠に、今後は私たちに行ったような対応は行わないことは認めさせました。第2・第4の東京外語専門学校前での定例の宣伝で職員の皆さんにも伝えていきます。引き続き、多くの方の街宣活動への参加よろしくお願いします。
 4月から新たな留学生が入学されたでしょう。日本語教育を行う学園が、学生と働く人の人権が守られる民主的な教育の場となることを目指します。


3月16日 守る会第4回総会


不当判決に対し控訴、東京高裁での闘いが続く
コープみらい及川労災事件

 コープみらい損害賠償訴訟の不当判決に対し、「2023年2月17日さいたま地方裁判所第6民事部(沖中康人裁判長)は、原告及川宏の請求を全部棄却すると言う不当判決を言い渡した。これは及川氏の長年の苦難に関する真実の叫びを無視し、結論先にありきの誤った判断をしたものであり、到底容認できない。怒りを込めて弾劾する」と、原告及川氏、支援する会、及川労災訴訟弁護団が声明を発表しました。
 判決は、コープみらいには安全配慮義務違反はなく、仮に業務中に転倒したとしても業務起因性は認められないと判断、作業の実態についてもコープみらいがそれなりに過重労働であったことを認めているのに、労災を生じさせるほど過重ではないと判断しています。仕事中の転倒でケガをしても労災にならないとは、納得できるはずがありません。
及川さんは東京高裁に控訴してたたかいます。労災認定を求める裁判はさいたま地裁で継続中です。引き続き皆さまのご支援をお願いします。


編集部だより
4・8JAL争議 解決報告集会

 4月8日、日比谷図書館のコンベンションホールで日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)主催のJAL解雇争議解決報告集会「12年を経て新たなスタート、そして未来へ」が開催されました。
 昨年7月、CCU、JFU(乗員組合)が、会社と合意解決したことを踏まえ、12年にわたる闘いを振り返りまとめの報告が行われました。会場に199名、オンラインで40名が参加、CCU組合員44名の当事者も多くが参加し、一人ひとりがその思いを発言しました。


東京争議団サポーター広場
これからはサポーターとして活動します
JAL争議 比留間久代

 2010年大晦日にJALを整理解雇され、翌年の「東京争議団・新春のつどい」に参加して、訴えの機会を頂きました。その時、小関議長はじめ皆さんの温かさに触れ、忘れられない日となりました。原告団の事務局長だった杉山さんが、東京争議団への加盟を働きかけ、JAL原告団は全員一致にはなりませんでしたが、オブザーブでの参加を得る事が出来ました。
 私は途中から全体会議に出席するようになりましたが、「一人の解雇も差別も許さない」の言葉の下、それぞれの争議に寄り添い、真剣に話し合う姿に仲間を思いやり、共に闘う絆を感じました。
 この場所で知り合った夫との結婚を祝福して下さった事も、忘れられない思い出です。 JAL争議も昨年解決して、今期からサポーターになりました。これからは、争議を抱えている方々の一日も早い解決の一助となるよう、努めたいと思います。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼明治乳業争議団
 京橋エドグラン前 第76次「座り込み行動=4月24日(月)12時〜13時。
 「継続は力 !」で頑張ります。ご支援をお願いします。
 ◎5月10日(水)午後6時30分〜「5・10総決起集会」全労連会館(2階ホール)
▼東京国際福祉専門学校教職員組合
 東京外語専門学校前での宣伝行動
 4月11日(火)・4月25日(火)12:30〜13:00
 新年度になりました。会員継続で争議の応援をお願いします。
 TwitterやYouTubeで「東京国際福祉専門学校を守る会」を検索・フォローお願いします。
▼鶴川高校教職員組合
 4月26日(水)16:00 鶴川継続雇用地裁 606号法廷
▼Fさん労災事件
 4月27日(木)13:20労災裁判控訴審「判決」東京高裁822号法廷
▼帝京長岡教職員組合
 行訴・東京地裁判決が5月25日(月)13時10分(530号法廷)に変更になりました。


====東京争議団予定===

五月
 十二13:00 三役会議
 十三13:00 全体会議
六月
 〇九13:00 三役会議
 〇十13:00 全体会議


===行動予定===

四月
 十七11:30 東京国際福祉 弁論準備 東京地裁民事11部
 十九15:00 明乳都労委 都庁南塔38階
 二四12:00 明乳第76次座り込み 京橋エドグラン前
   16:30 和洋九段 中労委
 二五12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 二六16:00 鶴川再雇用拒否裁判 東京地裁606号法廷
 二七09:30 全労連「争議支援総行動」第一次オルグ
   13:20 Fさん労災控訴審 判決 東京高裁822号法廷

五月
 〇一 終日 第94回メーデー 代々木公園等
 〇九12:30 東京国際福祉定例宣伝 東京外語専門学校前
 〇十08:30 東京地裁高裁前共同宣伝
   18:30 明乳「5・10総決起集会」労連会館 2階ホール
 十一09:30 全労連「争議支援総行動」第二次オルグ
 十六12:00 明乳77次座り込み 京橋エドグラン前
 二四 終日 全労連「争議支援総行動」
 二五13:10 帝京長岡 不当労働行為行政訴訟(判決)東京地裁530号法廷


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