東京争議団ニュース第346/2020年3月7日


高裁と都労委の闘い
必ず局面打開を!
明治乳業争議団

 明乳争議団・支援共闘・弁護団は、当事者目録を外せば5頁にも満たない東京高裁「不当判決」を最高裁で闘うことを確認。
 同時に、都労委の審査指揮の結果生じている残留事件(市川工場事件26件、全国事件13件)の審査開始も準備し、(株)明治の不当労働行為と差別の「やり得」は絶対に許さない決意で頑張ります。特に、地裁に続き高裁の不当判決でも維持された中労委命令「付言」が、格差の存在は「紛れの無い事実」、会社の不当労働行為意思も「非難を免れ得ない」とした上で、「互譲による解決への道筋」を明確に示したことを武器に、最高裁と都労委を闘いながら(株)明治に決断を迫る運動に総力を挙げる決意です。
 引き続き、「明治の製品は買わない・食べない」の大キャンペーンなど、異常企業体質告発・包囲運動へのご理解とご協力をお願いします。


第50次座り込み松平晃さんトランペット演奏


不当な裁判引き延ばし
法改正での救済は棚ボタ?
オランダ航空雇止め解雇事件

 2月27日、第3陣(原告3名)の3回目の裁判が行われ、会社側は当日「準備書面1」を出してきました。
 1回目も裁判当日に答弁書を出してきましたが、通常は裁判の1週間以上前に書面を出すのがルールです。証拠となる訓練内容についても裁判長から求められていたのに提出せず、裁判引き延ばしの不当な意図が明白となりました。
 出された準備書面には、労働契約法の変更に偶然めぐり合わせた「原告らに棚からボタ餅的な利益をもたらす訴訟であり、労働者保護の要請の程度は低い」と書いてありました。
 原告の方々の募集要項には、有期雇用との記載はなく、採用が決まってから5年上限の契約社員と知らされ、泣く泣く合意した契約です。
 だからこそ法律により救済されるべきだと私たちは主張しています。
 しかし、それを「棚ボタだ」と準備書面に書いてくることは驚きです。すでに論戦では裁判に勝てないと思っているのでしょう。
 次回裁判は4月16日です。


2020、2、27裁判前宣伝行動


鶴川高校パワハラ
26億の使途不明金の陳情が都議会へ
鶴川高校教職員組合

 私立学校は「助成金」を交付されている「公教育」の場です。学校教育の私物化は許されません。
 しかし、鶴川高校は教員賃金分として交付された助成金を蓄財し、隈研吾氏設計の豪華校舎を建築しました。
 また、一部教員の仕事を取り上げて不当懲戒処分を繰り返し、セクハラ被害を学校に訴えた教員には「退職届」を送りつけるなどのパワハラ・セクハラを継続してきました。 さらに、授業料とともに保護者から徴収した「後援会費」などの決算報告をせず、使途不明金は30年間で26億円にのぼると試算しています。
 昨年12月、「都内私立高校の自主性と公共性の発展に関する陳情」は卒業生を代表として320筆の署名とともに提出されました。2月14日に都議会文教委員会で審査され、パワハラと保護者徴収金の決算報告に関しては趣旨採択となりました。
 3月の本会議で審議が行われます。 


1月 駅頭宣伝


組合つぶしの廃校
締め出し解雇・雇止めとの闘い
東京国際福祉専門学校事件

 組合は廃校の根拠となる学園全体の財務諸表の提出を求めてきましたが、都労委あっせんを経ても提出されることはありませんでした。
 また来年度、組合員のみ大幅に労働条件引き下げを提示されたので、差別に反対し教育の質を保障するための団体交渉を続けてきました。
 しかし学園は2月20日、組合員3人の雇止め・解雇を一方的に告げました。更に、契約期間は3月20日にも関わらず、3人に対し翌日から出勤停止を命じました。
 授業や学生指導、補講の仕事が残っていたにも関わらず、翌日出勤すると理事等に止められ、警告を受けました。
 出勤停止の理由を尋ねても「文書で質問しろ」との一点張りです。2年生担任の組合員は、最後の授業もできず、卒業式にも出られません。
 身分保障、教育の質保障のため、闘いを続けます。
 ご支援よろしくお願い致します。


2月25日の出勤闘争・街宣運動


中央労働委員会が和解勧告
帝京長岡高教職組

 2月18日に、第15回中央労働委員会調査が行われました。相変わらず学園は和解については拒否しませんでしたが、歩み寄りの姿勢を全く見せませんでした。それは労働者委員が「学園側が県労委で勝ったような姿勢だ」と呆れる態度でした。
 このような膠着状態が12月から続いているため、労働委員会は異例ではあるものの、労使の合意がないまま和解を勧告しました。その内容は、和解協議の中で組合が主張してきたもののみが取り入れられました。そして労働委員会から、この勧告に従うか否かの結論を3月10日の調査までに出すことを求められました。
 これに対し学園は、2月25日付け準備書面で、結審を求めました。つまり、和解勧告に従わないという結論を出したのです。それと並行して学園は吉田先生に対し不当労働行為を再開しました。


2019.12.14 東京争議団総会で司会をする吉田先生


最高裁上告にあたって
〜司法の劣化を憂う〜
東電モラハラ裁判 

 東電社内での陰湿かつ継続的ないじめを苦に自殺に追い込まれた芦澤拓磨さんの行政裁判は最高裁への上告審に移行しています。
 12月末に上告理由書は提出済みですが、現段階では受理番号の発番はありません。この事件では、拓磨さんの遺書やブログなど、先輩社員による明らかないじめの存在を示す証拠があるにも関わらず、何故労災認定が否定されてしまったのか、それは東京電力によるきわめて明白な隠ぺい行為が、行政、さらに司法による何らの追及のないままに経過をしていることへの強い憤りを覚えるばかりです。
 拓磨さんの遺した遺書とブログには、仕事上のトラブルから生じたヤングサポーター役の先輩社員との人間関係の急変以降の、執拗な無視、指導放棄といった数々のいじめ行為が4カ月間以上継続し、それにより精神疾患を発症し、自殺に追い込まれたことが示され、自殺と業務の因果関係は明らかです。最愛の息子を亡くした心労に加え、闘いも9年目を迎え、ご両親も疲弊感を募らせていますが、引き続き皆様のご支援をよろしくお願いします。


東京争議団総会の席上、支援を訴える拓磨さんのお母さん


国際労働基準に反する日本航空
JAL不当解雇撤回争議団
JAL原告女子団長  内田妙子

 ILO(国際労働機関)が、国際的なルールとして定めた条約のうち、重要と位置付けている8つに含まれる87号(結社の自由及び団結権の保護)、98号(団結権および団体交渉権についての原則適用)は日本も批准している。批准した条約は国内で拘束力を持つ。
ILOはこの条約に照らして日本航空の解雇事件に対し「労使協議で解雇問題の解決を要請」する勧告を出し続けてきた。
 最初の勧告は解雇から2年半後の2012年6月5日。「解雇問題の解決に踏み出す」と会社が公言したのが、6年後の2018年5月14日。
その後、1年半以上経っても解決策を示さないため、昨年10月、ジュネーブにあるILO本部を訪問し高官らと面談した。
 解決する姿勢にない日本航空の対応を知った高官らは深い憂慮を示し、なぜ?なぜ?の質問を繰り返した。
 国際労働基準を遵守しようとしない日本航空は、私たちだけでなくILOも裏切り続けている。


ILO本部訪問。中央が内田さん


東京争議団サポーターの広場
戦争への疑問

元・目黒電波労働組合 藤井将貴

 空は雨雲に覆われている。聞きなれたB29の爆音。大波が打ち寄せるような爆音の落下音.目の前を幾つのも黒い球が斜めにものすごい速さで落ちて行く。帰校途中の私は爆音より一瞬早く、訓練通り目耳鼻をおさえて地面に伏せた。
 爆弾は私から三百メートルほど離れた師範学校の周りに落ちていた。校舎二棟が直撃され、くの字を横にしたように潰れている。
 翌日、弾片を拾いに現場に行く。小さな家のすぐそばに爆弾による大穴ができ水がたまっている。壊れかかった家の中で警防団員ほか大人数人が動いていた。竹棒の先で持ち上げているのは、人のはらわただ。そばに防空頭巾、付けられた名札とも茶色く血で汚れている。
 「間違いなく〇〇さんのお子さんです」警防団員がいう。付属国民学校の子が警報が出て帰る途中にやられたのだ。大きな弾片を拾って喜んでいた私は血の気が引いた。
 「人間同士がどうしてこんなことをしなければならないのか?」生まれた初めて、戦争への疑問が湧いた。敗戦の三カ月前だった。


2019.10.23 中央が藤井さん


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼帝京長岡高校教職員組合
 3月10日(火)15時〜第16回中労委調査は、コロナウイルスの影響で延期となり ました。
▼明治乳業争議団
 異常企業体質の包囲告発運動に総力 ! 
 「継続は力」の立場で続く、京橋エドグラン「座り込み」行動にご支援を、
 「3月19日(木)12時〜」
▼KLMオランダ航空雇止め解雇事件
 3月19日(木)10時00分〜第1、2、4陣第8回裁判 地裁803号法廷
 4月16日(木)11時30分〜第3陣第4回裁判 地裁703号法廷
 第4陣までになった原告団をどうぞご支援よろしくお願いします。
▼鶴川高校教職員組合
 3月31日(火)16:30〜解雇撤回裁判 地裁517号法廷(ラウンド法廷)
 4月9日(木)17:00〜都労委調査(解雇・差別)都庁38階 
 常勤講師の賃金差別判決は確定しました。それをバネに頑張ります。


====東京争議団予定===

四月
 〇三13:00三役会議
 〇四13:00発送作業・全体会議

五月
 〇八13:00三役会議
 〇九13:00発送作業・全体会議


===行動予定===

三月
十〇15:00帝京長岡中労委調査(延期)
十二 終日 千代田総行動
十四13:30新宿区労連30周年レセプション(中止)
十五12:00JAL争議支援共闘羽田空港大アピール行動第一ターミナル(延期)
十七13:30東北大学不誠実団交事件 中労委第1回調査(当事者のみ・傍聴なし)
十九10:00KLMオランダ航空第一・二・四陣地裁709号
   12:00明乳京橋エドグラン前座込
   14:30明乳オリ・パラ晴海トリトンスクエア宣伝
二六10:30労委対策会議 出版労連
二七18:00JAL都内6駅一斉宣伝行動
       立川駅北口・高田馬場早稲田口・錦糸町北口
       品川港南口・練馬りそな前・有楽町マリオン前
三一16:30鶴川解雇撤回裁判地裁517号(ラウンド法廷)

四月
〇一08:00東京争議団共同宣伝裁判所
〇九17:00鶴川 都労委調査
十〇08:00東京争議団共同宣伝最高裁
十二12:00JAL争議支援共闘羽田空港大アピール行動
十六11:30KLMオランダ航空 第3陣地裁709号
十七12:00明乳京橋エドグラン前座込
   14:30明乳オリ・パラ晴海トリトンスクエア宣伝
二二18:30裁判所・労働委員会対策会議 東京地評会議室
二四14:30労働委員会対策会議年度総会 ラパスホール
   18:00JAL6駅頭一斉宣伝


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