東京争議団ニュース第332/2019年1月12日


闘う多くの仲間たちに呼びかけ
企業の横暴や司法反動を許さない
争議団共闘を大きく前進させましょう!
東京争議団共闘会議  議長  小関 守

 仲間の皆さん、新年おめでとうございます!
歴史を元号で区切ることへの様々な議論は別として、平成の時代が終わる節目の新年です。私も含め争議を闘う当事者は、闘いの到達点を踏まえて新年への目標を定め、新たな決意で奮闘しています。 東京争議団第57回総会でも議論されましたが、発足から6年が経過した第二次安倍政権の暴走が、その異常性を際立たせながら加速する中での年明けですが、重大なのは異常な政治状況が司法判断に大きく影響していることです。今年は、この暴走政治を変える道筋として、野党共闘と幅広い市民連合との共同を軸に参議院選挙が戦われますが、企業の横暴や司法反動と闘う争議の勝利への道筋も、闘う仲間たちとの絆を強め争議団共闘のウイングを大きく広げることではないでしょうか。
 仲間の皆さん、今年も、相手に怯むことなく、元気に、楽しく、闘う仲間の絆を大切に、大いに奮闘しようではありませんか。


地裁で和解解決
日本HP雇止め解雇争議

 ヒューレット・パッカード(以下HP)事件が12月14日、東京地裁で和解が成立して解決しました。提訴から2年9か月。
 HP事件は原告の青木正憲さんが2015年4月30日をもって雇止め=解雇されたことで始まりました。青木さんは02年からHPに直接雇用され、業務用プリンターの苦情処理に当たりました。
 後に04年9月から派遣会社マンパワーを紹介され、マンパワーの「派遣労働者」としてHPで引き続き同じ仕事を継続。09年にはKSK事業部という実態のない部署への業務委託契約に変更になり、そこにマンパワーからの派遣に変更、13年4月に一度雇止めになりますが、地域労組こうとうに加入し、違法派遣を申告し、団交を行う中で雇止めを撤回し継続雇用が実現していましたが、15年4月に再び雇止めに。
 青木さんは、本来直接雇用され働いていた労働者を会社の都合で「派遣」にしたが、これは「仮装」だ、雇用責任を持つのはHPだとして直接雇用を求めて地位確認裁判を提起。
 和解では、職場復帰は実現できませんでしたが、解決金を支払うことで合意しました。支援していただいた東京争議団の仲間のみなさん、ありがとうございました。


12・6全労連・東京地評争議支援総行動


「一日も早く職場復帰を」と堂々の意見陳述
鶴川高校教職員組合

 12月26日、東京地裁にて第1回口頭弁論が行われました。溢れる傍聴支援に心よりお礼申し上げます。
 原告は意見陳述で自らの思いを堂々と述べました。
 「鶴川高等学校に勤務し27年、生徒たちが友と学びあい、切磋琢磨し、時には紆余曲折しながら、模索しながら自分の道を見つけ成長し巣立っていく姿をつぶさに見、間近で接せられ、共に歩むことができたことは、教師冥利に尽きました。
 雇止め通告の日は年度末期末試験中であり、受け持つクラスの進級の処理の繁忙期に、雇止めの理由も示さず、期間満了だからと言って今まで培ってきた教育活動を蔑ろにされ奪われ、突然生活の術を失うことに激しい憤りと教育者としてあるまじき行為だと感じました。
 一日も早く権利を回復し職場に戻れるようお願いして、意見陳述とします。」


東電本社への要請行動
東電モラハラ裁判

 昨年12月6日(木)に行われた「全労連・東京地評争議支援総行動」の一環として東電本社(東京電力ホールディングス(株)、東京電力パワーグリッド(株))に対して要請行動を行いました。当日はご両親をはじめ、全労連の渡辺事務局次長、小関東京争議団共闘会議議長ほか総勢8名で東電本社に出向き、対応した東電担当者2名に対して、@芦澤拓磨君と遺族に謝罪することAかけがえのない生命の重さに見合う解決金を支払うことB職場のハラスメント防止の実効性ある対策を確立することの3点を要請しました。東電本社の滞在時間は約70分に及びましたが、東電側は何を聞いても「回答は差し控える」を連発していました。
 しかし、「要請内容はしっかりと伝える」ことを約束しました。小関議長からは「司法判断を待つまでもなく主体的に解決すべき」と厳しい指弾がありました。


東電本社要請行動


長期争議の決着に「待ったなし」の新年
明治乳業争議団

 明乳争議団は、中労委命令を契機に作り出した「潮目の変化」に確信を深め、(株)明治を多様な角度から包囲する運動に総力を挙げ、その前進の中で新年を迎えました。
 昨年の東京地裁判決(11月29日)は、主文「棄却」とした中労委命令の枠組みを維持する不当判決でしたが、集団間格差の存在を「紛れもない事実」と認め、不当労働行為意思についても「会社は批判を免れ得ない」と断罪し、会社に解決を強く提起した中労委命令「付言」は否定できませんでした。
 争議団は高裁で控訴審を闘いながら、前進させてきた異常企業体質包囲・告発運動を一気に強め、高裁を舞台に解決局面を作り出すのが今年の目標です。高齢者集団の明乳争議団、「待ったなし」の決意で頑張ります。
最後までのご支援をお願いし、新年のご挨拶といたします。


11・19明治包囲デモ


CAD争議勝利記念シンポ・祝勝会開く
公共一般東京都CAD解雇事件 

 12月21日(金)16時より勝利記念シンポジウム、18時半より祝勝会で全労連会館で開き、103名の方に参加いただきました。祝勝会では東京争議団の小関議長のあいさつと、多くの争議の仲間にご列席いただきました。
 シンポジウムは、弁護士、組合、東京自治問題研究所(公務の民間委託問題解明)の3人のシンポジストとフロア発言により、法の狭間で無権利な非正規公務員(1年任用)の解雇撤回の難しさを、裁判・都労委、団交、宣伝、委託の違法と失敗の追及など立体的な運動で突破したたたかいを総括し、また公務の民間委託を許さない運動の課題を議論しました。内容は、近日の組合理論誌『セオリスト』に掲載予定です。


12月21日 CAD祝勝会で


お客様の安心安全のために
 建交労ダイワードユニオン分会

 クラシテは昨年度1億円も売上が減少しました。過去最大の売上高減少です。この減少は昨年起こった横領事件に象徴される技術力低下・モラル低下が根本原因ですが、経営者は修繕工事等の受注が減少したためで、本業である管理受託件数はほぼ横ばいである(本業に影響していない?)との認識のようです。
 本来、リーマンショック以降も業容が拡大しているマンション管理業界で、大手会社の一人勝ちを憂い、その当時「大手にも負けていない」と豪語した笹社長の言葉を反省すべきです。しかし、昨年掲げた「新たなビジョン」には「大手にも負けてない」と同様、何ら具体性はありません。
経営者は社員が辞めてしまうと嘆く前に、具体性あるビジョンと技術力を高める施策で、顧客や社員を大切にする姿勢を示すべきです。今年、賃金カットが予定されています。


愛媛県知事選
 JAL不当解雇撤回争議団 大池ひとみ

 11月18日、愛媛県知事選挙が行われた。愛媛県には伊方原発がある。原発を容認する現職と原発反対の新人の一騎打ち、非常に分かりやすい選挙だった。しかし、投票率は過去最低の39・05%、県民の意識は驚くほど低かった。
 翌日のニュースの見出しは“もの言う知事当選” 中村時広氏は、加計学園問題で県職員を信じ安倍首相にノーを突きつけ「愛媛の知事、やるじゃないか」と一躍有名になった。
 しかし結局、加計学園への補助金31億円は県税から支払われることになった。再選された中村氏は原発について、「国が補償すると言ってくれたのだから、再稼働に問題はない。」と言い切る。補償されても失われた物は永久に戻らない。福島を見れば誰でも分かる。
櫛田ふきさんの言葉、「無知は罪、沈黙は同罪」を強く感じた知事選だった。


大池ひとみさん


東京争議団サポーターの広場
近況報告その2

元全動労争議団 渡部 謙三

 東京から地元に戻って少しはゆっくりしたいと思っていたのですが、情勢と地域の方々の思いはそれを許してくれませんでした。それでも、みなさんの厳しいたたかいと比べるとまだまだ、楽な方だと思っています。東京・首都圏でのたたかいで厳しい、苦しいと思ったことは何度もありました。その時は、自分よりもっと苦しみながら頑張っている仲間がたくさんいるんだと自分に言い聞かせて闘ってきました。いまも、その思いは変わりありません。争議でたたかうみなさん、道は必ず、切り開くことができます。
 苦しくて厳しいたたかいですが、苦しくて厳しいたたかいであればこそ、解決した時の喜びは、それに比例して大きくものがあると思います。わたしも北海道で、引き続き、がんばります。ともに、歴史の歯車を前にすすめるために頑張りましょう。


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼明治乳業争議団
 異常企業体質の告発包囲運動に総力。
 新春から京橋エドグラン前「座り込み」行動を再開します。ご支援を!
 エドグラン前1月23日(水)12時〜13時です。
▼東電モラハラ
 行政訴訟第3回弁論:2月6日(水) 高裁101号
 民事訴訟第3回弁論:2月27日(水)15時〜高裁809号
 引き続きご支援宜しくお願いします。
▼鶴川高校教職員組合
 常勤講師の解雇並びに賃金格差の裁判を並行して取り組んでいます。
 2月27日(水)16:30 常勤解雇地裁第2回口頭弁論 東京地裁527号法廷
 3月18日(月)16:30 常勤賃金格差地裁第14回口頭弁論 東京地裁527号法廷


====東京争議団予定===

二月
 〇一13:00三役会議
 〇二13:00発送作業・全体会議

三月
 〇一13:00三役会議
 〇二13:00発送作業・全体会議


===行動予定===

2019年
一月
 十六08:30東京争議団共同宣伝中労委
 二三08:15国民救援会最高裁統一宣伝・要請 西門
    12:00明乳京橋エドグラン前座り込み
 二四18:30国民救援会都本部 新春の集い全労連ホール
 三〇19:00国民春闘総決起集会杉並公会堂
二月
 〇一13:00明乳争議支援共闘会議総会 東京労働会館地下会議室
    18:00明乳争議団旗開き ラパスホール
 〇四13:30エミレーツ航空中労委調査
    18:30エミレーツ航空決起集会 大田区産業プラザ
 〇六08:00東京争議団共同宣伝裁判所
    15:00東電モラハラ労災認定行政訴訟 高裁101号
 十〇17:00東京争議団新春の集 ラパスホール
 十三08:00東京争議団共同宣伝裁判所
 十九18:30裁・労対策東京会議 東京地評会議室
 二〇08:00東京争議団共同宣伝中労委
 二七15:00東電モラハラ民事訴訟 高裁809号法廷


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