東京争議団ニュース第309/2017年2月4日


対策会議との団体交渉により解決
大和ハウス解雇争議

 解決の内容については、会社との関係で詳しく述べることはできませんが、これまで支えていただきました多くのみなさまのお陰で合意に達しましたことに、感謝を申し上げます。
 振り返れば、白さんがユニオンちよだに来て、2016年の約1年間、会社前宣伝、千代田総行動、東京地評争議支援、東京争議団、全労連争議支援総行動(エントリー後取り下げ)や大阪での本社・株主総会向けの宣伝などを重ねてきました。
 そして、法廷では東京法律事務所の小部弁護士、長谷川弁護士による厳しい追及がありました。こうした取り組みの下で得られた成果と考えます。
 今後、白さんは自らの夢である一級建築士国家試験の合格と東京工業大学での博士号取得をめざしていきます。この闘いで得た大きな成果と経験、支えていただいた仲間を財産に新たな人生を歩み出します。
 これまでのみなさまの支えに感謝を申し上げ、報告とさせていただきます。


闘いを支えた対策会議のメンバー


日東整争議終結と
JALや社会の不当さを正す運動に関わって行く決意
日東整争議団

 日東整争議を開始してから6年、裁判提訴から5年もJALに不当解雇撤回と雇用確保を求めて闘って来た争議を終結することにしました。
当初は裁判にもならないと言われた争議が最高裁まで果敢に闘うことができました。裁判の中では、JALが日東整つぶしの大きな背景は「物を言う労働者、労働組合を排除」目的であったことを、JALの社内文書をもとに明らかにしました。
 更に、JALの代表取締役会長までも証人尋問に応じさせ、裁判所はJALに対して「和解の調整」するに至りましたが残念ながら不調に終わりました。
 日東整争議を解決に向けて前進面はありませんでしたが、中味の濃い闘いでありました。これもひとえに、多くの皆さんにご支援を頂いた賜物と心から感謝を申し上げます。
これからも、JALの不当さと社会正義を正す運動に寄与して行く決意を述べて争議の終結の挨拶とします。誠にありがとうございました。


1月27日国民救援会新春旗開きで争議終結を報告する佐藤さん(左)と泉さん


百瀬理事長、解決引き延ばし最高裁上告!
鶴川高校教職員組合

 昨年12月、東京高裁は組合員への担任はずしに「必要性も合理性もなかった」と厳しく断罪する判決を下しました。
 しかし、百瀬和男理事長・明泉学園理事会は、12月27日付で最高裁への上告を行いました。すでにこの問題に関して都労委から数えて5回の司法判断が下されています。また、組合員は今年度4月より担任復帰しています。それにもかかわらず、判決を不服として国を訴え続ける学園にまったく道理はありません。
 学園が支払う多額の訴訟費用は、学園財政(生徒納付金と私学助成金年4億5千万円)から支払われます。 私立学校法第1条にもとづく「公共性」をどう鶴川高校に確立させていくのか、このような「自主性」が認められるのか、私たちは運動を広げ闘って行きます。


1月13日最高裁前宣伝行動


総力戦で 解決局面を!
明治乳業争議団

 都労委不当命令から3年半が経過します。この間、逆転救済命令に向け総力を結集してきた中労委闘争も最終局面となり、2月中旬には命令交付を迎えます。
 一昨年の5月から開始した審査課要請行動も1月25日で26回を数え、提出した団体署名も一次二次を併せ5,500団体余となる等、最後に残された全国規模の大企業差別争議に対する中労委命令への、期待と関心が強まる中での命令交付となります。
 争議団と支援共闘会議は、3年半に及ぶ中労委闘争の到達点に確信を深め、命令交付を機に「解決局面への道筋を!」の決意を固めています。2月23日(午後6時30分:全労連2階ホール)に、「中労委命令報告&決起集会」を予定し総決起を図ります。
 多くのご参加を心からお願いいたします。


1月25日中労委最後の要請に署名提出


原告が初めて宣伝カーで訴え
福井信金争議団

 福井信金争議団の原告である松塚さんが、人生で初めての経験をしました。
 1月13日、今年初めての最高裁前定例宣伝行動で、宣伝カーの上からマイクを握って通勤する最高裁の職員に「ワンマン経営で、理事長には何一つモノを言えない状況の中、団体交渉で理事長が関与している不正融資の記事の説明を求めたが、知らぬ存ぜぬと逃げ回るばかりだった。不正の事実をつかみ、公益通報するために、やむを得ずメールにアクセスした。
 金融庁が何度も検査を実施したにもかかわらず、不正融資の事実を見逃し、具体的な改善策を放置してきた。最高裁は事実を直視し公正な審理をお願いしたい」と堂々と訴えました。
 要請行動の後、東京法律事務所の上条弁護士から、最高裁を舞台にした解雇撤回闘争の経験や心構え、たたかいかた等についてレクチャーを受けました。


1月13日最高裁前宣伝行動で初めて
宣伝カー上で訴えた原告松塚さん


宣伝行動に奮闘
大阪市労組組合事務所争議 

 橋下前市長は突然、「組合事務所の退去通告と使用不許可処分」を行いました。同時期、2012年2月に実施されたのが「思想調査アンケート」です。「処分」という言葉と「業務命令」で職員を脅し、強制的に回答を迫りました。憲法で保障された「思想・信条の自由」を侵害し、心の中に土足で踏み込み、まるで戦前・戦中の「踏み絵」のようだと職員は恐怖におののきました。
 職員は瞬く間に委縮し、「職場にはどこでもドアがある。ドアの向こうには、いつでも橋下市長がいる」と密告を恐れ、職場の人間関係は壊されました。地裁では勝利しましたが、市が控訴し、2月26日に高裁での判決を迎えます。
 59人原告は勝利判決を勝ち取るまで最後まで、がんばろうと毎週宣伝にも取り組み奮闘しています。思想調査の裁判、組合事務所裁判に勝利し、「市民の生活と権利を守る」憲法が生きる大阪市を作りたいと思っています。


大阪市への要請行動


1月20日証人尋問報告?会社が努力を怠ったことを証言!
 JAL・CAマタハラ事件

 1月20日証人尋問が行われました。原告側からは原告の神野知子さんと古川CCU委員長、同僚の藤原真美さんの3名が、会社側からは元客室本部担当者が証言しました。
 原告側から@JALのCAの労働契約は被告の言う乗務だけではなく、地上業務も就業規則に入っており、地上職への配置転換を業務命令で指示していたこと、A産前地上勤務は、恩恵的制度ではなく、労働組合が労基法65条3校に則り要求し確立した制度であること、B申請不許可の理由や産前地上勤務に就いている人数など開示しない会社の不誠実な対応、C神野さんが申請した当時、産前地上勤務の業務はあったが会社が努力をしなかったこと等を証言。被告側は、JALの産前地上勤務の枠は9枠しかなく広げることはできなかったことを強調しました。
 裁判長は、「妊娠することは普通の社会生活のこと。妊娠して地上勤務につけず、無給休職となってアルバイトも認めない、寮も出てくれとなったらどうやって生活すればいいのか」と直接質問し「退職をさせるためのシステムにみえる」と指摘しました。証人は、「個人的に制度整備はあっていいと思っていた」と答えました。


1/20 裁判所前で宣伝


1・18都要請で3.23スト予告、新年度雇用迫る
 公共一般東京都団交拒否事件

 1月18日(水)定例のCAD昼宣伝を行い、その後東京都産業労働局に要請に行き、「裁判等の決着を待たず、新年度講師募集の時期に当たり、空きが生じたポストへ原告らを雇用し、争議を早期解決せよ」と訴えました。また、3月23日の第4波ストを予告しました。
1月25日(水)都労委、1月30日(月)東京地裁で、それぞれ4月に組合側3名、都側3名の証人調べが決まりました。組合側は委員長・副委員長のほか、教育学者が職業訓練の公的責任と講師の身分保障のILOやユネスコの条約から委託・解雇の問題を指摘する証人も出ていただけることになりました。


争議団旗開きで中嶋さん


先輩のように
 JAL不当解雇撤回争議団 斉藤良子

 2016年12月、暮れも押し迫った日、尊敬する先輩が逝ってしまいました。
 病と闘っていることは知っていましたが、まさかこんな急に亡くなるとは思っていませんでした。
 いつも穏やかで怒った顔や声を荒げるところを見たことがない、誰に対しても優しい人でした。その一方、会社に対しては正しいことは正しいとはっきりと物を言う正義感の塊のような人、穏やかな瞳の奥に信念と芯の強さを宿した人でした。私達の解雇をずっと心配して応援してくれていました。
 解雇争議は、去年会社の不当労働行為が断罪され、解雇を行う過程で違法な行為があったと認められました。会社をあきらかに追い詰めてはいますがまだ解決には至っていません。
 なかなか解決しないことから心が折れそうになることがあります、でも先輩のように強くそれでいてしなやかに、解決に向け頑張っていこうと思います。


1/12 JAL本社前宣伝行動 中央が斎藤さん


新加盟争議紹介
土浦日大高争議団(仮称)

 土浦日大事件は,土浦日本大学園による組合潰し、組合員への嫌がらせが10年に渡って続く事件です。
 一度目の砂岡委員長の解雇事件以前から嫌がらせが始まり,裁判所で和解して職場復帰しましたが,職場復帰後、組合が配布したニュースの文言の誤りに難癖をつけ、組合員3名を譴責処分にし、組合配布物の配布禁止を通告してきました。そればかりでなく、学園は、名誉棄損だとして損害賠償を求めて裁判に訴えました。が、地裁・高裁・最高裁と原告敗訴が確定し、結果的に名誉棄損でないことが決定しました。同時に学園の不当労働行為を労働委員会に申立、中労委で組合完全勝利の救済命令が発令されて学園の不当労働行為が認められました。しかし学園は、中労委審問中である一昨年に砂岡委員長を二度目の解雇にしてきました。
 現在は係争中で、学園が中労委命令を不服とした行政訴訟、解雇撤回・損害賠償裁判、解雇およびパワハラ、団交拒否などの不当労働行為を茨城県労働委員会に申し立てた審問と司法・行政での闘いをしています。


東京争議団サポーターの広場
全ての争議の勝利解決を目指し
団結して頑張りましょう!
 日本音楽家ユニオン 安並克磨

 新国立劇場合唱団員(八重樫節子)争議は、東京争議団共闘会議第54回総会直後の、平成27年12月24日に解決しました。長きにわたる皆様のご支援有難うございました。これからは、サポーターとして支援に力を入れて行きます。
 先ず最初に、今、明治乳業争議団が中労委命令を目前にしています。是非とも長期争議を勝利解決してほしいと思いますので、支援に力を入れて行きましょう。
 次に、最近は個人争議が増えています。個人争議こそ支援が必要ですので、全ての個人争議が早期解決するよう、支援に力を入れて頑張りましょう。
 もうひとつ大事な争議が有ります。オブザーバー加盟でも、日本航空(JAL)の操縦士と客室乗務員の争議は、必ず勝利解決してもらわなければならない重要な争議です。根底に不当労働行為性が有り、国がらみで、経営者の無責任と不公正な判断を応援している様な事件だと思いますので、皆んなで支援に力を入れましょう。
 現在、労働法制改悪、憲法を変えて戦争法制定、その他悪法制定を考えていると思われる安倍政権が続投しています。これを改善改革するには、国民の最低でも75%は占めている労働者が大同団結し、誰もが住みよい国民本位の社会を作ろうと立ち上がらなければならないと思います。東京争議団は、その手本を示す戦いを、これからも率先して進めて行きましょう。


2017年新春の集い、1月28日に61名が賑やかに交流
すべての争議の早期解決を目指して、今年も頑張ろう!

 来賓ご挨拶をいただいた皆さん

左から東京地評・森田議長、じん肺・横山弁護士、日本国民救援会都本部・山崎事務局長

左から自由法曹団・萩尾弁護士、国際人権日本委員会・松田事務局長


オープニングで八重樫節子さんとピアノ伴奏の浦畠さん(左)、中国舞踊を披露する大和ハウス白さん(右)

サポーターの出し物

料理を作った森本さん


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼明治乳業争議団
中労委命令を受け、全面解決への決断を迫る社前「座り込み」の決行。新社屋「京橋エドグラン」(地下鉄京橋駅:7番・5番)前。=2月27日、11時〜13時)。
2月23日(木)18:30中労委命令報告&決起集会 全労連ホール
▼大阪組合事務所争議
2月1日に最高裁から不受理決定が届きました。
今後も宜しくお願いします。
▼鶴川学園教職員組合
2月27日(月)16:30 東京地裁527号法廷 鶴川 常勤講師裁判第2回口頭弁論。
▼JALCAマタハラ事件
次回口頭弁論4月26日(水)10時?東京地裁527法廷です。
▼日本HP雇止め解雇争議
2月15日13時15分から 地裁527号法廷
傍聴よろしくお願いします。
▼JAL不当解雇撤回争議団
2月13日17:30から蒲田東口 大田宣伝
2月16日18:30〜 JAL国民支援共闘会議総会・決起集会 文京区民センターA会議室
2月28日18:30〜JAL本社大包囲行動 天王洲アイル本社。


====東京争議団予定===

三月
 〇三13:00三役会議
 〇四13:00発送作業・全体会議

四月
 〇七13:00三役会議
 〇八13:00発送作業・全体会議


===行動予定===

2月
十〇08:00東京争議団共同宣伝 最高裁
   10:00東京争議団共同要請 最高裁
十三17:30蒲田東口・JAL不当解雇撤回 大田宣伝行動
十四12:00(株)明治戸田橋工場宣伝
十五08:30東京争議団共同宣伝 中労委
   13:15ヒューレット・パッカード地裁 527号法廷
十六18:30JAL国民支援共闘会議総会・決起集会 文京区民センター3A会議室
十七18:45いすゞ自動車争議解決報告集会 横浜市従会館3F
二一08:00東京争議団共同宣伝 都庁
二三18:30明乳総決起集会 全労連会館2Fホール
二七11:00明治HD社前座り込み 京橋エドグランビル前
   16:30鶴川常勤講師裁判 地裁527号法廷
二八18:30JAL本社大包囲行動 天王洲アイル本社

3月
〇一08:00東京争議団共同宣伝 裁判所
   11:00:30JALプラザ前座り込み
〇二11:00JALプラザ前座り込み
十三10:30土浦日大地裁527号法廷
十五08:30東京争議団共同宣伝 中労委
二一08:00東京争議団共同宣伝 都庁
二三11:00CADスト統一行動都庁前

4月
〇五08:00東京争議団共同宣伝 裁判所
   11:00JALプラザ前座り込み
   13:30CAD都労委
〇六11:00JALプラザ前座り込み
十八08:00東京争議団共同宣伝 都庁
十九08:30東京争議団共同宣伝 中労委
二一17:00労働委員会対策会議年度総会
二六10:00JALマタハラ地裁527号法廷
   13:30CAD都労委


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