東京争議団ニュース第282/2014年11月8日


メチャクチャな高裁判決
再雇用拒否田畑和子争議

 10月29日、大竹裁判長は満席の法廷の中で棄却を宣告し、「理由は判決文を読んでください。」と宣うと去ろうとしました。田畑さんは「理由を説明してください。」と声を挙げましたが裁判官らはそそくさと姿を消しました。その判決文のひどさはお話になりません。
 たとえば、中神が当時生徒の自殺を知っていたという田畑さんの主張に対し、裁判所は、「豊島区教委の都教委宛自殺報告書の中の『区教委の見解』欄に『事故』という語はあっても『自殺』という語はないから」という理由でこれを否定しました。「自殺」と報告しているのですから「事故」は「自殺」と対比したのではなく「死亡事故」という意味で「自殺」を指していることは誰にも分かることです。
 また、「学校への指導」には「保護者に誠意ある対応を」「生徒が動揺しないよう事後の指導を」「マスコミ等の取材への対応」等の指示が書かれており、これらは自殺前提の指示であることは言うまでもありません。
 これらに目をつぶり都合のいいところだけを判決に利用するのは、裁判の公正を揺るがすもので看過できないと思います。


「資料開示」求める強い審査指揮!
明治乳業争議団

 10月28日、「審査の枠組み」をめぐる攻防が続く明乳争議の第6回中労委調査において、公益委員が強い審査指揮を執りました。
 第一は、会社に対し「資料開示」を強く求めたことです。
 第二は、申立人ら申請の証人に対し、立証時間短縮の指揮はありましたが、11名全員を採用したことです。
 申立人らは、立証時間枠の若干の増加を前提に指揮を受け入れました。
 今後の焦点は、会社が審査指揮を無視して「資料開示」を拒否した場合の対応ですが、多くの事件審査で蓄積されているように、そのリスクは会社に負わせるべきです。
 申立人らは、中労委の裁量で格差を確定するなど、「累積格差の一挙是正」の判断手法による救済に向け、引き続き会社に対する毅然とした審査指揮を中労委に求めて奮闘します。


資料を示し説明する菊池弁護士


和解に向けて双方協議へ
ステートストリート信託銀行争議

 ステート・ストリート不当配転・解雇事件は10月14日に証人尋問を経た期日がありました。原告本人の最終意見陳述と原告代理人の最終意見陳述が行われました。両最終意見陳述で今まで原告が主張してきた事をわかりやすく、裁判所に訴えることができました。
 結審の後、裁判所から和解の提案があり原告、被告双方において和解の協議に入りました。
 原告側は、東京での復職を求めてこの間、闘ってきました。今後の和解協議の中で、話し合いを進めていくことになります。


市進学院に2回目の是正勧告!
市進学院争議団

 昨年12月の是正勧告・指導票に続き、7月23日柏労働基準監督署より市進学院に対し、2回目の是正勧告が発せられました。
 今回の是正勧告は、8時間を超える勤務時間帯に行われた授業コマに対する割増賃金が支払われていないことに対し、2年前までさかのぼって計算し、報告するようにというものでした。
 前回の不払い賃金・残業代に関し、市進学院は都労委での調査に対し「労基署に報告をし、受理されたため、この問題は解決している」と言っていますが、労基署の監督官は我々に対し「申告者に対し不払い賃金・残業代が支払われない限り、解決したとは思っていない」と述べています。嘘に嘘を重ねる市進学院に対し、私たちは徹底的に闘います。


市進ホールディングス前情宣活動


解決にむけがんばります
NTT木下解雇争議

 10月3日に東京総行動が行われ、持株会社に対して、33年にも及ぶ職業病解雇争議の早期解決を申し入れました。
 NTT持株会社前には60名を超える仲間が結集し、社前行動で木下さんの「国を相手に職業病の責任を問うところまできた。厳しい闘いですが皆様のお力をお借り解決へ向け前進したい」との決意表明をうけ、NTTとの要請に移りました。7名の要請団に対してNTTは「上部に伝えます」との繰返しで、いつものとおり全く誠意は感じられませんでした。要請団は、「このような対応を改め、誠意ある回答をいただけるまで何回でも伺う」と伝え要請を終えました。
 今後の行動は、11月13日(木)の千代田総行動(NTT持株会社への要請・14:30〜)、11月26日(水)の東部けんり総行動(NTT持株会社への抗議・要請、13:40〜14:10)が予定されています。
 解決にむけがんばりますので、皆様のご支援をよろしくお願いします。


NTT前で訴える木下さん


高裁に控訴!
日東整争議団

 9月22日の東京地裁判決を受け、両原告は新たに決意を表明しました。
 佐藤原告「東京地裁から言い渡された判決は不当な判決です。航空業界の親会社と子会社の経営支配の実態について、私たちが書面と証拠で丁寧に説明してきたことが、この裁判の根幹であります。この根幹を裁判で認めてもらうまで闘い抜く決意であります。」
 泉原告「判決は日航と日東整の関係、日東整労組への経営の介入を理解しておきながら、日航による支配従属と不当労働行為意思を認めず、私たちにとって矛盾する内容であり、決して納得できるものではありません。JALの職場に復帰するために、そして家族のためにも日航の責任を追及し、東京高裁に訴えていきます。」
 日東整裁判は10月3日に東京高裁に控訴しました。
 引き続きご支援をお願いします。


記者会見で判決について述べる両原告


最高裁は司法の責務を果たしてください
矢田部過労死裁判

 労災認定を求めた「行政訴訟」で東京地裁判決は、暁則さんの死因は(株)クォークの労働が極度の睡眠不足、生活リズムを崩す長時間・深夜の不規則労働であり、疲労の蓄積による慢性過労状態をもたらした過労死であると認定判断をしました。
 この判決に対し、損賠訴訟における一審、二審の下級審判決は、
 1、暁則さんのくも膜下出血発症は、(株)クォークの過重労働により血管病変が増悪し発症したが、退職6か月後の発症であり、この間に暁則さんの疲労は解消したと思われる。
 2、暁則さんの「血圧」「脈拍」「心拍数」の測定資料がないので、証拠として提出した「母親の陳述書」医師や専門家の「意見書、鑑定書」は認められないとし、立証した証拠を排斥した認定判断をしました。
 最高裁の責務は、誤った下級審判決を正すことにその職責が存在します。
 司法の頂点に位置する最高裁は、「法と証拠」による事実認定を行い、事実に基づく判決をしてください。


11月26日判決
アメックス解雇争議

 判決は10月22日の予定でしたが、その2日前になって11月26日(水)に延期するとの連絡が裁判所から入りました。当初の判決日には、延期の知らせが間に合わなかった何人かの支援者の方がかけつけてくださいました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
 昨年の2013年1月に提訴したアメックスの復職拒否・「退職扱い」事件は、1年10カ月たって判決を迎えます。8月6日の結審では、「休職に追い込まれたことと復職を拒否されたこと、そして裁判が続いていることで、3年半以上の間、私だけでなく私の家族も大変な苦痛を受けています」と公正な判決を訴えました。判決日の11月26日、ぜひ傍聴にお越しください。
12月3日の全労連・東京地評争議支援総行動で、初めての社前行動をおこないます。アメックスのオフィスは、新宿駅から10分のJR荻窪駅南口から徒歩4分です。ご支援をよろしくお願いします。


女性部主催の交流会にて


理不尽な主張をくり返す財団
新国立劇場合唱団員解雇争議

 10月2日、新国立劇場の14/15シーズン開幕に向け、初日宣伝行動にとりくみました。最近は、毎回約400枚のビラを配り切り、オペラファンの関心の高さが感じられます。
 翌3日には、団体交渉が行われ、小林支援共闘会議副議長は「共闘会議と財団の間に大きな価値観の違いがあるが、率直な意見を述べ合い、争議を終結しよう」と呼びかけ、韮沢・新国運営財団理事長は「早期解決をめざしたい」と応じましたが、解決金について支払う根拠がないなどの主張をくりかえしました。
 当該の八重樫節子さんは「この10年、合唱団員の働く状況は良くなってない。なんのために新国を建てたのか」と、財団の責任を鋭く問いただしました。
 今後の交渉の進め方について、双方の事務レベルで検討することを確認し、終了しました。
早期全面解決への、ご支援をよろしくお願いします。


争議支援総行動・新国立劇場前で八重樫さん


担任外し事件 
中労委へ最終陳述書を提出
鶴川高校教職員組合

 2011年11月年度途中で強行された担任外し事件に関して、中労委では3回の調査期日を経て、2014年8月伊藤副校長の証人尋問をもって結審。10月17日、最終陳述書を提出しました。
 2月から東京争議団とともに9回の中労委前宣伝に参加。10月8日には司法総行動に参加し、「正常な学校運営を実現するために早期の命令交付を求める」と要請書を提出。 中労委宛署名は、現在385団体・個人2497筆、集約しています。 都労委命令を維持する公正命令を求めて、これからも尽力します。
 みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。


ダイワード笹社長は傲慢な経営を止め
経営責任を取れ!!
建交労ダイワードユニオン分会

 新人事制度発表後、退職者の大量排出でマンション30棟を担当する従業員が出ています。管理会社でこの棟数を担当させる会社はほぼありません。十分なサービスが出来ないからです。
 この原因は成果主義の賃下げだけにある訳ではありません。経営者の傲慢さ・不誠実さにあります。
@新人事制度に関する従業員の質問に焦点をずらした不誠実回答を行った。
Aその後の朝礼でパワハラ経営にも係らず「コミュニケーションが下手だ」と従業員に訓示した。
B従業員も売れないを言わざるを得ない新商品「見守りセキュリティサービス」を「業務だ!やれ!」と強引に販売させ失敗した。など事例は多数列挙できます。
 私たちは笹社長の経営責任を追及し続けます。


東京都が中労委からの和解提案拒否、
組合攻撃も更に激化
公共一般東京都団交拒否事件

 10月1日、中央労働委員会の第1回調査が行われました。公益委員から和解提案がありました。しかし、東京都は和解提案を拒否して、引き続き調査を行っていくこととなりました。
 団交実態としては、現在、非常勤職員の一般職化問題で団体交渉を行っていますが責任所管である総務局欠席が続き団交が全く進展しません。
このような事態から、新たに東京都が一般職化問題で不誠実な対応、団交拒否を行っているとして10月20日に東京都労働委員会へ不当労働行為救済申し立てを行いました。これで07年に起こった団交拒否事件から数えて第3次の申し立てになります。
 現在、東京都は委員長(都の非常勤)の職場を委託化する提案を行い、露骨な組合排除の姿勢を益々強めています。
 今後は、更にこの闘いへの支援と協力の輪を広げていくことを進めてきます。ご支援をどうかよろしくお願いします。


東京争議団サポーターの広場

 12月3日に全労連争議支援総行動があります。9月の東京地評争議支援総行動、10月の司法総行動では大勢が参加してくださいましたが、12月もぜひそれを上回る参加ご協力をお願いします。
 そして、12月14日は東京争議団の総会です。
 今日の労働者の置かれている状況、各争議団の到達点等等、運動していく上でとても勉強になります。
 当日はサポーターでコーヒーを提供します。ぜひ多勢の皆さんの参加をお待ちしています。
 1月23日は新春のつどいです。準備のため人手が必要です。あなたのサポートを心からお願いします。
 今から、予定を確保しておいてください。


司法総行動でサポーターの松木さん


12・3 全労連・東京地評
争議支援総行動 皆さんのご支援・ご参加をお願いします。


十二月十四日(日)
東京争議団第53回総会
ラパスホール


一月二三日(金)
東京争議団新春のつどい
ラパスホール


東京争議団
冬季カンパへのご協力を
お願いします



各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼アメックス解雇争議
判決が延期されました。11月26日(水)13時05分から地裁420号法廷です。引き続きご支援をお願いします。
▼新国立劇場合唱団員争議
11月27日(木)17:30〜 歌劇「ドン・カルロ」公演初日の劇場前宣伝行動へのご参加を、よろしくお願い致します。
▼市進学園争議団
都労委の審問が11月28日(申立人側)12月8日(被申立人側)ともに11:30より都庁第1本庁舎南塔34階で行われます。皆様の御支援、宜しくお願いいたします。
▼明治乳業争議団
中労委第7回調査が12月2日(火)午前10時から予定。会社が「資料開示」に応じるかどうか、証人調べの審査計画が確定するかなど重要な調査です。支援傍聴をよろしく!
▼再雇用拒否田畑和子争議
敗訴でしたが、やれることは全部やったので、悔いはありません。「差し戻し」を勝ち取ろうと思います。
▼公共一般東京都団交拒否事件
都庁前、中労委前など宣伝活動強化中です。皆さんのご支援・ご協力をよろしくお願いします。


====東京争議団予定===

十二月
  〇六13:00三役会議
     16:00発送作業
  十四10:00第五三回総会

二〇一五年
一月
  〇九17:00三役会議
  十〇13:00全体会議


===行動予定===

十一月
十二 9:3012・3総行動2次オルグ
   18:0012・3総行動実行委員会
十三 8:00東京争議団共同宣伝最高裁
   10:00東京争議団共同要請最高裁
   13:30千代田総行動 明乳・みずほ大手町宣伝
   14:30千代田総行動・NTT木下要請
   18:00JAL本社前宣伝
十五12:30「労働者の権利」討論集会
十六12:00JAL新浦安駅宣伝
   14:00明乳JR千葉駅宣伝
   15:30明乳JR津田沼駅宣伝
十八 8:00都庁前共同宣伝
   12:00明乳坂戸工場宣伝行動
   16:00明乳埼玉工場宣伝行動
十九 8:30中労委共同宣伝
二一12:30MIC総行動DNP本社前
二五18:00JAL全国一斉宣伝
二六11:30明乳・東大行動
   13:05アメックス地裁判決420号
   13:40東部けんり総行動NTT木下要請
二七17:30新国立劇場前宣伝行動
二八11:30市進都労委審問 
   18:30安心して働きたい東京のつどい

十二月 
〇一17:3012・3総行動コース責任者会議
〇二10:00明乳中労委調査
〇三 終日 全労連・東京地評争議支援総行動
〇四11:00JAL本社座り込み
〇五11:00JAL本社座り込み
〇五18:30MIC望年パーティー
〇六16:00東京争議団発送作業
〇八11:00JAL本社座り込み
   11:30市進都労委審問
〇九13:00新国立劇場前宣伝行動
   18:00JAL本社包囲行動
十〇 8:00東京高裁・地裁共同宣伝
   18:00鶴川支援共闘会議総会
十四 9:30東京争議団五三回総会
十六 8:00都庁前共同宣伝
  11:00市進証人尋問東京地裁619号
  12:00明乳戸田工場宣伝行動
  16:00明乳神奈川工場宣伝行動
十七 8:30中労委共同宣伝
  11:30DNP裁判埼玉地裁C105号
  18:0012・3総行動総括会議
二四10:00明乳・中労委調査
   13:30公共一般中労委調査

二〇一五年
一月
〇七 8:00東京高裁・地裁共同宣伝
十〇13:00全体会議
十三11:00市進地裁証人尋問619号法廷
二三18:30東京争議団新春のつどい


東京争議団のホームページへ戻る