東京争議団ニュース第281/2014年10月4日


日東整裁判は不当判決
日東整争議団

 9月22日に日東航空整備不当解雇撤回裁判の判決がありました。
 東京地裁民事36部の吉田徹裁判長は、被告JALエンジニアリングに対する労働契約上の地位確認請求、および不当労働行為に基づく日東整解散を理由とする損害賠償請求のいずれも棄却する不当判決を言い渡しました。
 この判決は、本件事案の本質に何ら答えず、被告JALの日東整に対する支配力を振りかざした極めて横暴な不当労働行為をも免責した不当な判決です。
 日東整争議団は、この不当判決を受け入れることは到底できず控訴する所存です。これまで日東整争議に対する多数のご支援・ご協力に厚く御礼申し上げるとともに、本件不当判決の破棄のため、労働争議等をたたかう仲間と共闘し、労働法制の改悪阻止等のたたかいに向けて、引き続き全力を尽くす決意ですので、さらなるご支援を心からお願いします。


記者会見を行う原告団


百瀬理事長に人権侵害の責任を問う
鶴川高校教職員組合

 昨年6月の「立ち番高裁判決」確定から1年が経過しました。判決は、学園と百瀬和男理事長に対し、立ち番業務命令が民法709条にもとづく人権侵害であると認め、1226万円の損害賠償を命じています。
 私たちは判決後3回の団交を持ち、学園理事会の考えを明らかにするよう求めましたが、百瀬理事長は「理事長の進退について検討するには値しない」「賠償金は理事長個人に負担を負わせない」と回答してきました。自らの不法行為を自ら免責するということが、生徒に規範を教える「学校」で許されて良いはずがありません。
 9月30日団交で私立学校法にもとづき厳しく理事会を追及し、引き続き文部科学省・東京都へ指導要請を行います。


最高裁は正しい事実認定を行なってください
矢田部過労死裁判

 裁判は「事実認定に始まり事実認定に終わる」と言われています。
 とりわけ民事の場合は、原告・被告双方の証拠・主張を比較し、どちらの側の証拠に優越性があるか否かで事実認定が行われると、元裁判官の小原卓雄弁護士は話されています。
 しかし、「矢田部過労死・損賠控訴審」における高裁判決は、事実を審理せず、原告側が提出した重要な証拠を排斥し、これまでに確立した過労死の「判例法理」や厚労省の「専門検討会報告」をも否定した不当判決でした。
 最高裁は、これらの誤った下級審判決に対しこれを正し、司法としての職責を全うする。これが司法の頂点に位置する最高裁の責務です。
最高裁における法の正しい履行と運用を図るように最高裁要請を強めていきます。
皆さんのご支援をお願いいたします。


改めて団交をしても無回答
無言に終始する東京都
公共一般東京都団交拒否事件

 組合は、8月の団交が全く進展しなかったことから、改めて9月11日に団交を開催しました。しかし、前回と同じ各局管理職の対応は変わらず、用意した回答文を読み上げるだけで、回答を受けて組合が質問や追及をすると無回答か、無言に終始するという不誠実な対応に終始しました。
 団交担当者なる人物達が組合とのやり取りに全く対応できないため交渉が一向に進展しません。併せて、現在当局から非常勤の身分を一般職へ切り替える提案を受けました。一般職化されると、これまで認められてきた団交権、ストライキ権に制限が加えられ重大な権利侵害になります。また、一般職になると正規組合の組織対象にもなるため、東京都の狙いは「正規との交渉窓口一本化」「公共一般つぶし」にあることは明白です。誠実団交の実現と、一般職化反対で引き続き奮闘していきます。


争議となっている解雇理由・その1
市進学院争議団

 昨年2月末解雇された佐藤・高畑両組合員の解雇理由と裁判の経過をご報告いたします。 佐藤さんの解雇理由はただ単に51歳を超えたからというものです。市進学院の就業規則には「満50歳での更新が最後」と書かれており、会社側は裁判でも「年齢だけが理由だ」と言っています。いまどき50歳で雇い止めする会社などどこにあるでしょうか?しかも会社は佐藤さんを雇い止めしておきながら、新たに54歳の講師を採用しているのです!
 高畑さんの解雇理由は「勤務成績不良」ですが、会社が裁判に提出した証拠資料では高畑さんよりずっと勤務成績の悪い講師たちが解雇されず働いています。このような会社の不当な扱いに対し、断固闘ってまいります。


本八幡教室前宣伝


力強い総行動!
笹社長の悪質な組合潰しを許すな!
建交労ダイワードユニオン分会

 ダイワードユニオンは拙速に成果主義賃金を導入した笹社長に抗議するため、9月24日の東京地評争議支援総行動に参加しました。 日本社宅サービス・ダイワード本社前に73名もの支援者にご参加頂き、日東整泉団長を始めとする心強い連帯の挨拶、響くシュプレヒコール等で最後まで闘う意志を強くした総行動でした。支援者の皆様に深く感謝します。
 笹社長は、「労働組合と雇用関係は無い」とする悪質な団交拒否を7年間も続け、これを都労委に断罪された後も組合の要求は一切拒否する不誠実団交を行い、今度は成果主義で生活できない賃金への引下げを図る等、違法な労働組合潰しを続けます。
 ダイワードユニオンはこれを絶対に許さない決意で頑張ります。


ダイワード本社前争議支援総行動


10月22日13時10分 判決
アメックス解雇争議

 昨年2013年1月に提訴したアメックスの復職拒否「退職扱い」事件は、判決を迎えます。
 これまでの審理で、主治医も会社指定医も就労可と診断したにもかかわらず、会社が復職を認めなかったことの不当性が明らかになっています。
 復職を拒否された2012年12月までに、5か月間、独立行政法人東京障害者職業センターの職場復帰支援(リワーク)プログラムを受講して、問題なくこなしていました。このプログラムは、会社の指示で通っていたカウンセリング会社からの紹介です。
 復職して仕事をする生活を取り戻すことでしか、病気から回復できたことにならないと思って闘ってきました。
 判決は10月22日(水)です。皆様のご支援をお願いします。


中労委で山場!「資料開示」の攻防
明治乳業争議団

 中労委を闘う明乳争議団は、「審査の枠組み」に関る資料開示を会社に迫っています。会社は書面で、都労委命令と同じ「単年度審査」を主張し、「資料があったとしても提出の必要はない」といい、申立人らが求める「大量観察方式による累積格差」の判断を、中労委でも回避する狙いです。
 申立人らは中労委に対し、「開示拒否」を受けての審査指揮として、多くの事件審査を通して確立されているように、開示拒否のリスクは会社が負うべきであることを主張し、「申立人ら提出の資料に基づいて審査・判断すべき」と迫ります。また、事件の全体像を鮮明にする立場から、ワンポイントも含め11名(9時間25分)の証人申請を行い、その実現に向け奮闘する決意です。


9月17日東京争議団 中労委前共同宣伝


名誉毀損・思想差別事件の高裁判決迫る!
再雇用拒否田畑和子争議

 1996年1月田畑さんは理由を知らされないまま、再雇用を拒否されました。校長は、「予想だにしなかった」と言い、豊島区教委は「田畑先生は教員として不適格というのではない。遠慮してほしい」と言うのみでした。
 納得できない田畑さんは、都教委を訴えたところ、中神校長が不採用理由を捏造していた事が判明。しかし、裁判所は「誰を採ろうが自由だ」と主張する都教委の主張のみを採用し、田畑さんを敗訴させました。以来田畑さんは訴訟を続け、現在、三次訴訟で高裁の判決を待っているところです。今回は、初めて元同僚が証人に採用され、中神校長の捏造・偽証が法廷で明白になりました。この真実を基に判断すれば田畑さんは勝訴します。


再度の総務・厚労省交渉
国の安全配慮義務違反を追及
NTT木下解雇争議

 9月25日、参議院議員会館において7月に続き総務省・厚労省交渉が行われた。
 私たちは、小関議長をはじめ共闘会議のメンバー及び福島議員(社民党)と秘書の15名、厚労省は5名と総務省2名の出席。
 冒頭に木下さんが質問書を省側に手渡し、その後事前に提出していた前回の交渉では究明されなかった4項目(@加害者が被害者を認定するという電電公社の認定制度の認識A電話交換手の働き様、職場環境の認識B罹病原因を患者の心因性と強調するプロジェクト答申についてC今も苦しんでいる患者の救済)の回答を受けた。省側は、前回と同じく「法律に基づき適切に運用・指導してきた」との繰返し。私たちは、国の指導・対応は不十分で安全配慮義務違反は明らで、今も苦しんでいる事実がある。NTTに対し指導を含め救済を求めて頂きたい、と要求。また省側に指導したという資料の提出とプロジェクト答申が厚労省に提出されていたかの確認を求め、必ず回答するとの確約と、改めて交渉を持ち直すことを確認し90分間を超える交渉を終了した。


9月25日参院議員会館で総務省・厚労省交渉


退職勧奨、不当配転、パワハラ、それでも辞めなかったら解雇
S・S信託銀行争議

 ステート・ストリート信託銀行で働いていた原告は2012年1月、突然、「あなたの仕事はなくなった、退職してほしい」といわれ、自宅待機にされました。
 原告は、金融ユニオンに加入して交渉し、この時はさすがの被告も解雇をしてはまずいと思ったのか、何とか解雇については回避できました。しかし、退職に応じなかった原告に対する報復として、被告は何の事前の折衝もなく、突如として同年7月に福岡の営業所へ配転を命じました。
 福岡では原告だけに対して毎日、上司との面談や業務日報の提出を命ずるというパワハラの連続。毎日続けられる叱責等により、配転から3カ月後の10月には体調を壊して東京の実家に帰り療養せざるを得なくなりました。
 しかし、会社は原告の主治医の意見を無視して、「就労可能」だとして、突然2013年3月22日から福岡へ出社するよう命じました。当時、原告は復職できる状況ではなく、引き続き自宅療養が必要との主治医の診断書を出して休職を続けていました。しかし、会社は突如として「信頼関係がなくなった」などとして5月5日付で原告を解雇しました。
 現在、不当配転・解雇の無効を訴え東京地裁に提訴し闘っています。
 次回は10月14日(火)11時から611号法廷です。傍聴支援をよろしくお願いします。


9・24総行動12名の仲間が要請
新国立劇場合唱団員解雇争議

 9月24日、東京地評争議支援総行動Cコースのトップとして同劇場前で新国立劇場合唱団員=八重樫節子さん契約打ち切り事件の集会が行われ、22労組の仲間70名が結集、新国財団に向けて争議の早期全面解決を訴えました。
 東京地評の松本秀典副議長は「音楽文化の分野で働く人に正しい処遇を」、高鶴淳二MIC事務局長は「オペラの文化を守る新国財団は責任をとるべき」、小林雅之公共一般労組副委員長は「芸術家を切り捨て放題の財団に責任をとらせ、合唱団運営の確立をめざそう」、小関守東京争議団議長は「争議解決に向けて財団の経営能力、判断が迫られていることを認識せよ」と、また、八重樫さんは決意表明で「団員が芸術に専念できる状況をつくるべき」と、それぞれ力強く訴えました。
 争議勃発以来、最多の12名が参加した要請団は早期解決を強く訴え、音楽ユニオンの篠原代表運営委員は田栗浩財団制作部長に対し「毎年行なわれる試聴会システムが基本的人権を破壊している。世界からも財団は無責任と言われている」と指摘しました。
 ご支援ありがとうございました。


新国立劇場前で八重樫さん


最高裁に上告棄却決定の
更正を求める申立書を送付!
杉並区立図書館雇い止め解雇争議

 上告人岩アさんは、上告から1年7か月余が経過した本年3月14日に最高裁から「上告事由に該当しない」という誤った理由の上告棄却決定通知を受け、愕然とする思いになり、「このまま看過できない」と、本年3月28日に最高裁に棄却決定の撤回を申し入れました。
 その後も4回に渡り同様の申し入れをし、撤回できない理由がある場合にはその旨を回答することを求めましたが、何の連絡もないので、「事実誤認又は単なる法令違反を主張している」という上告棄却理由の記載は、民事訴訟法257条1項の「計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤り」であり、更正されるべきであると、9月9日、最高裁に「決定更正申立書」を送付しました。


問題整理
青年ユニオンSHOP99裁判

 原告は昨年の9月に復職しました。週3回、1日4時間の時短勤務です。
組合が復職してからの問題としているのは次のとおりです。
@復職後ずっと給与から時短勤務の分カットされていること。
Aボーナスが1回目は満額もらえたが、2回目から時短勤務の分カットされていること。
B9月の給与から手当てが半分カットされていること。
 会社の一方的なやり方は許されません。誠実な話し合いで解決を目指していきます。


新加盟争議紹介
宮城 明成高校教職員組合

 学園は、平成21年に「高校財政悪化の主原因は人件費、特に高年齢の賃金が高額」と言う事で、平成23年4月、高年齢層の賃金を引き下げ若年層を上げるという給与改定を実施。殆どの組合員が属する高年齢層の引き下げ幅は非常に大きく、組合を狙った改定と捉えている。
 地裁は学園の言い分を丸呑みした判決であったが、高裁では、高校及び法人の財政状況と独立採算制・労働契約法10条へのあてはめを検証した結果、「改定の合理性は認められない」として原判決を取り消す「逆転勝利!」学園は即日最高裁に上告受理申立を行ったが、我々は上告棄却・上告申立不受理の決定を求め、本判決の確定を求めている。
 応援宜しくお願いします。


東京争議団サポーターの広場

 9月は裁判所傍聴、コーヒー販売、総行動、事務処理などサポートして来ました。
9・24の地評争議支援総行動には、12人以上の方が参加されていました。ありがとうございました。
11月8日の定例の全体会議の後、サポーターの交流会を開きます。ぜひ都合をつけて参加下さい。
12月1月に開催される総会、旗びらきなど確認していきたいと思います。


10・8 司法総行動
皆さんのご支援をお願いいたします。


12・3 全労連・東京地評
争議支援総行動
皆さんのご支援・ご参加をお願いします


12月14日
東京争議団第53回総会
ラパスホール


各争議組合、争議団の要請・近況報告

▼S・S信託銀行争議
次回結審です。10月14日(火)11時から611号法廷です。みなさんの傍聴をお待ちしています。
▼新国立劇場合唱団員争議
10月14日(火)15:00〜 歌劇「パルジファル」公演最終日の劇場前宣伝行動へのご参加を、よろしくお願い致します。
▼アメックス解雇争議
次回は判決です。10月22日(水)13時10分から地裁420号法廷です。引き続きご支援をお願いします。
▼明治乳業争議団
中労委第6回調査が10月28日(火)午前10時から予定。会社の「資料開示」、及び証人枠をめぐる攻防の重要な調査です。支援傍聴をよろしく!
▼再雇用拒否田畑和子争議
とうとう終わりです。できるだけのことはやったので悔いはありません。後は裁判官の良心が判定されるだけ。皆様、どうぞ法廷へ。10月29日15時、511法廷。
▼市進学園争議団
柏労基署は昨年12月に続き、「8時間を超える授業コマに対し割増賃金が計算されていない」労基法37条違反として、市進学院に対し2度目となる是正勧告を発しました。
▼公共一般東京都団交拒否事件
都庁前、中労委前など宣伝活動強化中です。応援参加よろしくお願いします。


====東京争議団予定===

十一月
  〇七 17:00三役会議
  〇八 13:00全体会議

十二月
  〇六 13:00三役会議
  十四 10:00五三回総会


===行動予定===

十月
〇七15:00司法総行動・中労委要請行動
〇八 終日 司法総行動
十〇08:00東京争議団共同宣伝最高裁前
十四11:00ステートストリート地裁611号法廷
   15:00新国立劇場前宣伝行動
十五08:30東京争議団共同宣伝中労委前
   12:00じん肺厚労省・環境省前集結
   14:00じん肺院内集会・集結報告会
十六12:00じん肺国会請願デモ
   17:30新国立劇場前宣伝行動
   18:30IIBM大集会みらい座池袋
十七10:30中労委委員推薦書共同提出厚労省
二一08:00都庁前共同宣伝
   12:00明乳戸田工場宣伝行動
   12:10市進情宣行動 市進HD東京事務所(東大鉄門前)
   16:00明乳神奈川工場宣伝行動
二二10:30安倍雇用院内集会(衆院第2)
   13:10アメックス地裁420号法廷判決
   18:30国際人権委員会幹事会 労働会館5階会議室
二三15:30明乳山口損賠事件高裁判決809号
二六13:00新国立劇場前宣伝行動
二八10:00明乳中労委調査608号室
二九15:00田畑高裁511号法廷 判決
   18:00JAL原告団全国一斉宣伝
   18:30裁判所労働委員会対策会議 東京地評会議室
三一09:3012・3全労連・東京地評争議支援総行動統一オルグ 全労連会館
   17:3012・3全労連・東京地評争議支援総行動実行委員会 全労連会館
 
十一月
〇五10:30JAL原告有楽町プラザ前宣伝
〇六10:00権利討論集会 最終企画会議 労働会館5階会議室
〇八・〇九  働く女性の中央集会
十二09:3012・3全労連・東京地評争議支援総行動統一オルグ 全労連会館
   17:3012・3全労連・東京地評争議支援総行動実行委員会 全労連会館
十五12:00東京働くものの権利討論集会 ラパスホール(コーヒー販売予定)
十八12:00明乳坂戸工場宣伝行動
   16:00明乳埼玉工場宣伝行動
二七17:30新国立劇場前宣伝行動
二八13:30市進都労委審問
 
十二月
〇一17:3012・3全労連・東京地評争議支援総行動コース責任者会議 全労連会館
〇三 終日全労連・東京地評争議支援総行動
〇八13:30市進都労委審問
十〇08:30東京争議団共同宣伝裁判所前
十四10:00東京争議団総会 ラパスホール
十六11:00市進 地裁619号証人尋問
   12:00明乳戸田工場宣伝行動
   16:00明乳神奈川工場宣伝行動
十七18:0012・3全労連・東京地評争議支援総行動総括会議 全労連会館

〇一月
十三11:00市進 地裁619号 証人尋問


東京争議団のホームページへ戻る