東京争議団ニュース第228/2010年04月10日


政府も 和解案受け入れ表明
全動労争議団

 4月9日、与党3党と公明党の原告一人あたり2200万円の支払いを柱とする和解案について、政府は受入れの態度表明を行い、4者・4団体も、この和解案を受入れることを明らかにしました。
1.政府は平成22年4月9日に与党3党と公明党からの申入れのあった解決案を受入れる。(解決案受入れの条件)として、4者・4団体(原告910名)が、次の事項について了解し、その旨を正式に機関決定すること。
@この解決案を受入れること。これに伴い裁判上の和解を行い、すべての訴訟を取り下げる。
A不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと。
B政府はJRの雇用について努力する。
と4党と国交大臣・財務大臣・内閣官房長官の名で明らかにされました。


3月18日にストライキに突入した建交労鉄道大宮工場分会の組合員


新・北海道石炭じん肺 第3陣完全勝訴
全国じん肺連絡会議

 3月26日、札幌地裁は、国の時効援用を認めることは「不法行為によって損害を被った被害者にとって著しく酷であり不当だからである」として、国の主張を認めず原告15名について全員救済の判決を言い渡しました。完全勝訴判決です。これは極めて正当な判断であり、単なる時の経過によって被害救済の差別をするという国の姿勢を厳しく断罪するものです。
 国のじん肺被害に対す賠償責任は筑豊じん肺最高裁判決で確定しているのですから、国は控訴せず、また訴訟によらずじん肺被害者を平等に救済するシステムを作るべきです。これまでのご支援に感謝すると同時に、今後の「国に控訴させないたたかい」「石炭じん肺被害救済システム作りの運動」にご協力くださいますようお願いします。
(本件は国が控訴せず確定しました。)


新北海道じん肺第3陣勝利判決報告集会


高裁で逆転勝訴
国公法弾圧堀越事件

 東京高裁は、3月29日、休日に職場から離れた自宅近くでビラ配りをしたことが「国家公務員法違反」だとして逮捕された事件について、堀越さんの行為を処罰するならば、公務員の政治活動の自由を「必要やむをえない限度を超えて制約」するもので、憲法に違反するとして無罪を宣告しました。さらに、判決は付言として「国民の法意識も変容し、公務員の政治的行為についても寛容になって」いると指摘しました。
 堀越さんは、「日本の歴史を変える判決」と喜びを語り、最後まで闘う決意を表明しています。


堀越さん3.29


中労委命令の一部履行で過料は逃れられない
鶴川高校教職員組合

 3月18日、私たちは「命令履行せよ」とストライキを決行しました。保護者宛のビラを配布した後、学園と文部科学省への要請を行いました。保護者からは「生徒が主人公の学校にして欲しい」「過料制裁を保護者の納付金から払うことになるのは納得できない」など様々な要望が寄せられています。
 一方、地裁にて検討されている「確定中労委命令」不履行に関する過料制裁は、いまだ決定していません。学園は過料逃れのため、今年度組合員3名を担任につけました(昨年度1名)が、それでも担任が不足し、新規採用教員や教頭までを担任につけているのが実態です。一部のみの命令履行に惑わされず早急に過料決定を行うよう、中労委を通して地裁へ働きかけています。


中労委第1回調査 新潟から19名参加
帝京長岡高教職組

 3月30日、中労委で帝京長岡高校・不当労働行為救済申立事件の第1回調査が行われました。新潟からは、帝京長岡職組組合員のほか私教連や私学争議団支援共闘会議から19名が参加。現地から東京争議団など15名の支援者が駆けつけました。
 調査に先立ち、参加者は中労委前で早朝宣伝を行いました。
 調査では、組合側は帝京グループによる組合嫌悪の体質、組合つぶしのために様々な組合攻撃をおこなっており、それが今回の不当労働行為事件の背景にあることを訴えました。これに対し、公益委員から「根が深い問題ですね」との発言がありました。また、学園が現在も県労委命令を無視したままで、違法状態となっていることも強調しました。


第一回控訴審は5月21日逆転勝利をめざして
東京美装セクハラ事件

 セクハラ被害の日時にいくつかの不正確な記述があったことを主な理由に、セクハラの事実の審査を怠り、まるで「木を見て森を見」ようとせず、またセクハラに対する異様で、世間離れした不当な判決がくだった東京美装のセクハラ事件。地裁の不当判決を全面的に批判した控訴理由書を3月28日、東京高裁に提出、第一回控訴審が5月21日(金)、午後1時30分、812号法廷に決まりました。
 「支援する会」では高裁での逆転勝利をめざして裁判所前の宣伝を毎月第一水曜日、8時30分から9時30分まで独自に行うことにしました。木曜の共同宣伝と連なりますがよろしくお願いします。


第三次訴訟の請求内容
(被告 東京都と中神元校長)
再雇用拒否田畑和子争議

@【思想調査と虚偽報告による、期待権及び情報プライバシー権の侵害】 中神校長は田畑さんの思想調査をしていただけではなく、豊島区教委に報告していました。1995年の文化祭における生徒作成の掲示物「南京大虐殺」(校長はこれを否定する張り紙を教員に命じた)について、虚偽を沢山含んだ報告文書を出し、「校長と意見のずれた者」として田畑さんの名前をあげています。丁度この頃、田畑さんは区教委の面接を受けました。
A【虚偽陳述書の作成・偽証による名誉毀損】中神元校長は、陳述書でさらなる虚偽を重ね、田畑さんを誹謗し、社会的評価をおとしめました。


4・13争議団総行動・最高裁要請実施
りそな企業年金裁判

 東京争議団総行動の一環として、3月19日にりそな企業年金裁判で最高裁要請を行った。東京争議団共闘会議から斎藤副議長、寺島事務局長が参加、年金連絡会のJAL、KDDI、西日本放送、支援する会など217名の要請団となった。
 寺島事務局長が4・13東京争議団総行動の要請として、退職年金減額事件の上告早期受理を要請、斎藤副議長は最高裁判所の役割は国民の意思で政権が変わったように、国民の権利を守り世の中の流れを変えるべく、正しい審理を行うように要請、参加者全員が不当な判決の見直しを訴えました。
 社前のビラ宣伝は3月22日より、りそな銀行東京本部、大阪本店、埼玉りそな本店その他で実施し、24日には雨の中で最高裁宣伝を行った。


全国キャラバン埼玉行動
銀産労AIGスター生命争議団

 3月4日埼玉大宮での宣伝行動は、昼の時間帯、多くの市民にビラを手渡しました。久しぶりの大宮でしたが、争議の説明を求める方が何人かいて、前回の宣伝の時より非正規の闘いに関心が集まっていることを実感しました。
会社はいままでの団交のなかで、非正社員だから、配偶者のある女性だから雇用が切られても何ら問題はないと発言しています。業務は正社員、非正社員との区別はなく、まったく同じ仕事を正社員以上にさせ、それでも一人の労働者として認めない。その姿勢が団交のなかにあらわれています。
 先日おこなわれた団体交渉もいつものことながら、やはり責任ある会社の代表者は出席しませんでした。
 なお、AIG埼玉営業所で本社への具申をお願いしました。


金融3争議共同行動・JR大宮駅前


C&S社に「早期退職募集」! 
争議解決に向けて全国から1000団体署名!
C&S,日本ファンド争議

 2010年春闘で会社の回答は一時金をさらに昨年実績以下の回答で年収ダウンを図る一方、平均年齢57歳というC&S社の組合員に対して「高齢化、高コスト体質」のため「ワールド・ファミリー社は、C&S社の高コストを負担するだけの余裕がない」として「早期退職募集」を出してきました。
 2月下旬から取り組んだ争議解決に向けた経営・都労委・地裁宛の団体署名は、全国約1000団体。現在さらに、多くの組合、団体から集約中です。
 この力を背景に、労働委員会、東京地裁、経営宛に争議解決を迫っていきます。


新公益委員のもと都労委で「弁論更新」
明治乳業争議団

 3月18日、新公益委員(和田正隆・会長代理)のもとで、弁論更新を内容とする調査が行われました。
 これは、新委員に事件の全体像を正確に伝えると同時に、事件終結に向けた早期審理を求める上で重要な期日でした。意見陳述は、改めて、当事者の怒りや、事件の全体像、市川工場事件との相違点、全体が定年を迎えた事件での審査指揮の在り方や、早期救済に向けた労働委員会の使命などが、解りやすく述べられました。
 また、支援共闘会議として都労委要請行動を実施。審査課長(山口労働者委員も同席)に、@1回廷4時間以上の集中審理を行うこと。A相対比較無しの「個別アラ捜し立証」を認めないこと。B全員「定年退職」の現実を重く受け止め、早期事件解決に向けた指揮を発揮することの、3点の要請を行い前向きの回答を得ていました。


都労委支援傍聴の仲間たち


5月7日都労委審問に松浦理事長が証言
松蔭学園教職員組合

 解雇、仕事外し、団交拒否、賃金差別について、13回になる判決、命令がすべて不当労働行為を断罪しているにも関わらず、学園側は未だに全面解決に応じません。
 1月の都労委あっせんが不調に終わり、2003年度以降の差別、特に一時金差別、退職金差額の支払いをめぐり、証人調べが行われることになりました。
 学園側は、都労委による求釈明があった一時金支給の実態を明らかにしていません。5月の松浦理事長に対する反対尋問を有効に活用し、差別を明らかにしたいと考えています。組合側証人はは寺島さんです。
 ぜひ傍聴して下さい。 


東和は
「会社の管理職=労基法の管理監督者」
といまだ主張!!
東和システム争議団

 東京高裁判決で「東和システムの課長クラス管理職は労基法の管理監督者にあたらない」と確定し、東和システムは判決に従い提訴した3名へ未払い残業代を支払いました。
 しかし、約90名いる他の課長クラス管理職には未だに残業代支払いをしようとしていません。高裁判決を無視し「会社の管理職は労基法の管理監督者である」といまだ主張を変えていません。
 組合と対峙していた労務担当の部長が65歳となり3月末で雇用延長が満了して退職し、4月から新たな労務体制になりました。
 今後も「報復的不利益変更」事件を東京地裁で組合差別の不当労働行為事件を都労委で闘っています。


労働福祉(酷使)機構 労災病院の労働実態
三浦労災認定裁判

 平成11年度の所定休日と、判決で認定された休日数を( )に記すと、
 平成11年10月は11日(6日)、
 同年11月は10日(6日)、
 同年12月は12日(9日)、
 平成12年1月は12日(9日)、 同年2月は9日(8日)、
 同年3月は9日(5日)。
 また三浦さんが記載した業務内容記録からも、平日に代休が上記休日出勤分を与えられず、恒常的に休日を失っていることは明らかである。
 ところが出勤簿によると平成11年11月19日、平成12年1月6日、同年3月7日に年休が使用された。 
 また、同年3月22日(但し、薬局業務日誌に代休と記載はあるが、出勤簿は出勤扱い)。 出勤簿と薬局の業務日誌と三浦さんの記録が一致しない 。
 三浦さんの同年4月18日の日記に「代休分の年休をとる」とあることからも、代休が代休として取得できないことが理解できる。
 出勤簿が正確でないことは、誠に遺憾である。


キヤノン株主総会報告
キャノン争議

 3月30日、株主総会が大田区下丸子のキヤノン本社で行われました。 当日は、原告・他争議原告・支援組合など総勢21名で宣伝行動を行い、1時間ほどで900枚のビラをまきました。
 ビラやハンドマイクでは、キヤノンが未だに偽装請負について謝罪も責任も取っていない事と、会社に対する原告らの心情をうったえました。
 株主総会では偽装請負についてコメントを求めた方がいたようです。諸江専務(偽装請負は無かったと言う嘘の記者会見をした役員)は「過去の経緯については心を痛める点はあったが、この6月をもって直接雇用の体制が整った」と言っていたようです。
 これ以上、キヤノンに言い逃れをさせないよう、これからも闘っていきます。


皆さんの力に支えられ♪音楽家だって労働者♪
新国立劇場合唱団員解雇争議

新国立劇場争議支援コンサート in 東京を開催

 3月16日、牛込箪笥区民ホールにて、八重樫節子さんの争議支援コンサート集会が開かれました。
 新曲の「シティ・ローズ」や「わが母の歌」等を東京のうたごえ合唱団、日本フィル弦楽四重奏団は「さくら変奏曲」等、また新国に歌手として出演経験のある青柳素晴さん(テノール)と山口俊彦さん(バス)がオペラのアリア、八重樫さんと青柳さんで乾杯の歌、うたごえの皆さんと八重樫さんでヴィリアの歌等が演奏されました。
 八重樫さんは「この一年で運動が広がった。音楽家が安心して芸術に専念できる新国になるよう、がんばりたい」と決意を語りました。
 最後に、豊秀一・支援共闘会議議長が、八重樫さんの職場復帰に向けがんばろうと呼びかけました。


3・16新国立劇場争議支援コンサート


争議解決に向け団体交渉開始
埼玉女子短大解雇争議

 3月18日、首都圏非常勤講師組合(東京公務公共一般非常勤講師分会)と学校法人川口学園(埼玉女子短期大学の設置者、豊島区高田馬場)とが港区内で初の団体交渉を持ちました。
 学園顧問弁護士も同席し、双方の窓口担当者の間で連絡ルートができ、徐々にですが解決に向けて動き出したようです(そのため、4月13日の統一総行動エントリーは見合わせました)。
 控訴審口頭弁論・判決申渡し日の多数の傍聴、多くの署名や陳述書を提出したこと、争議団はじめ支援の広がりがこうした確かな一歩前進へとつながったと思います。 
 とはいえ、解決までは油断禁物と心得ます。
 なお、東京私大教連も組織的に支援に加わっていただけることになりました。


各争議組合、争議団の近況報告

▼全国じん肺連絡会
お陰様で新北海道石炭じん肺は完全勝訴致しました。又、控訴断念させるFAXを沢山いただき有り難うございました。今後ともよろしくお願い致します。
▼全動労争議団
ついに、政府が和解案を受入れ、4者・4団体は受け入れることを表明しました。しかし、雇用問題など全面解決まで、まだ、気を許せません。
▼C&S・日本ファンド争議団
MIC争議支援総行動 4月16日(金)17:10〜35 中野坂上ハーモニータワービル前、ワールド・ファミリー社前抗議行動。
▼松蔭学園教職員組合
5月7日(金)14時から16時半、組合側寺島、学園側松浦理事長が証言。これ以上差別を許さず、30年争議の早期全面解決を!
▼明治乳業争議団
申立人ら最後の個別立証(大阪、伊藤証人)、5月11日(火)10時〜12時への支援傍聴をお願いします(都庁S塔34階)。
▼再雇用拒否田畑和子争議
第一回裁判5月17日(月)1時30分〜 615法廷原告陳述予定。教育界の浄化をめざすこの裁判の支援傍聴をお願いします。
▼全港湾浪速通運支部
5月20日(木)13:00〜初めての証人尋問です。証人は原告の藤田と山本です。傍聴をお願いします。
▼電算労・東和システム争議団
名ばかり管理職提訴への報復的不利益変更を東京地裁で、組合差別の不当労働行為を都労委で闘っています。
▼新国立劇場合唱団員解雇争議
新国立劇場に対して、音楽家が安心してオペラに専念でき、だれでも気軽に身近に楽しめるオペラのための正常な運営を求めていきます。
▼東京美装セクハラ移住労事件
システムエンジニア(中国人男性)の不当解雇事件発生。地裁に仮処分申請準備中。争議団共闘会議にも加盟の予定です。


====東京争議団予定=== 

四月
三〇10:00三役会議(東京地評5F)

五月
〇八13:00全体会議(東京地評5F)
   17:00ニュース発送作業

六月
一〇13:00三役会議(東京地評5F)
一二13:00全体会議(東京地評5F)
   17:00ニュース発送作業


=====諸行動予定====

四月
一三 終日 東京争議団総行動
一四12:00ラピュタ解雇争議阿佐ヶ谷駅前宣伝 
   12:00東美西新宿本社前宣伝
   16:00鶴川立ち番地裁立川支部405号
   18:30裁判労働委員会対策東京会議・地評
一六09:25MIC総行動・東和要請行動
   10:15財務・金融共同行動錦糸町AIG前
   16:00MIC総行動・新国立劇場前抗議行動
   17:10MIC総行動・C&S本社前抗議行動
   18:30じん肺東京支援連会議地評
   18:30東京海上日動火災勝利報告集会 日本青年館4階
二〇08:00東京争議団共同宣伝都庁前
   16:00三菱UFJ派遣切り裁判606号
   17:30派遣法東京連絡会宣伝池袋駅
二一09:305・27全労連地評争議支援総行動 統一オルグ 全労連
   12:00東美山王溜池東京支店前宣伝
   18:005・27第1回実行委員会 全労連
二二08:30東京争議団共同宣伝裁判所前
二三08:00明治製菓関東工場宣伝
   18:30中労委民主化対策会議労働者委員候 補出陣集会決起集会 全労連2階
二五13:00メーデー前夜祭上野公園水上音楽堂
二七10:00C&S地裁最終弁論527号
二八08:00東京争議団共同宣伝最高裁前

五月
〇一11:00第81回メーデー
〇三13:305・3憲法集会&1万人銀座パレード 日比谷公会堂
〇六08:30東京争議団共同宣伝裁判所前
〇七14:00松蔭都労委審問
一〇14:00東和特励手当裁判弁論501号
一一10:00明治乳業都労委審問
一三09:305・27全労連地評争議支援総行動 統一オルグ 全労連
   18:005・27第2回実行委員会 全労連
一七07:30キャノン社前宣伝
   13:30田畑再雇用拒否事件615号
   16:00キャノン地裁527号
一八08:00東京争議団共同宣伝都庁前
一九18:30大阪泉南じん肺判決集会 中央大学駿河台記念館
二〇08:00日鉄鉱業本社前宣伝
   08:30東京争議団共同宣伝裁判所前
   10:30じん肺厚労省前宣伝
   13:15浪速通運地裁620号 
   13:30アスベスト集会 社会文化会館
二一13:30東美高裁812号 
二六08:00東京争議団共同宣伝最高裁前
二七 終日 全労連・東京地評争議支援総行動

六月
〇二13:10SHOP99地裁立川支部101号
〇九10:00東和都労委調査
   18:005・27第3回実行委員会 全労連
一一 終日 司法総行動
一五08:00東京争議団共同宣伝都庁前


前号第227号のショップ99の記事の日程を次の通り訂正をさせていただきます。
ショップ99 証人尋問
6月2日 午後1時10分
東京地裁立川支部101号


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