東京争議団ニュース第213/2008年12月20日


東京争議団が第47回総会開く

 12月13日(土)東京争議団は第47回総会を、ラパスホールで開催しました。
 主催者挨拶で小関議長は、体が熱くなるような怒り、思いを感ずる日々の闘いにふれ、東京争議団が直面する4つのテーマについて訴えました。
 来賓挨拶では、自由法曹団東京支部の大崎事務局長が、連帯・団結が見直され、労働者の闘いについてニュースキャスターが憲法25条が守られていないと指摘する情勢の変化を指摘。東京地評の菊池組織局長は、労働者の権利をめぐる闘いをマスコミが大きく取り上げるような情勢を切り開いてきた闘いを報告。国民救援会東京都本部の小沢事務局次長は、えん罪事件の勝利判決にふれ言論・表現の自由を守る闘いで共に前進しようと訴えました。
 総会では、解決した中野区保育争議、東芝争議、UOB争議の3名が報告し、NTTTリストラ裁判原告・元東京争議団の先輩を含め22名が早期解決に向けた決意と抱負を述べ論議を深め、09年度役員を選出しました。


東京争議団小関議長

来賓挨拶(左から)
自由法曹団大崎事務局長、東京地評菊池組織局長、国民救援会小沢事務局次長

 新役員は次の通りです。
議長    小関  守(再・明乳)
副議長  斉藤 勝一 (再・ネスレ)
       渡部 謙三(再・全動労)
       木下 孝子(再・NTT)
       加藤 園子(新・一橋MS)
事務局長 寺島 やえ(新・松蔭)
同 次長 岩本 哲男(再・明乳)
       小番 孝也(再・東和)
       清野三恵子(新・立教)
会計監査 鈴木 慶子(新・元UOB)
       福家久美子(新・元中野保育争議)


東京争議団の新役員と参加者


おめでとう!
UOB争議が全面解決
鈴木慶子職業病争議

 2008年11月18日、鈴木慶子さんと千代田区労連はUOB銀行と解決協定を調印し、鈴木職業病職場復帰争議が全面解決しました。
 当初掲げた「職場復帰」は実現しませんでしたが、それに代わり復帰・働いていたと同等の賃金等の諸条件を勝ち取ることができました。
 職業病で闘っている多くの仲間に一定の条件を示すことができたのではないかと思っています。長い間ご支援いただき、ありがとうございました。


解決記念カンパを贈呈し小関議長と握手する鈴木さん


12月25日(木)判決言い渡し大きな傍聴支援を
立教女学院嘱託職員争議

 昨年10月に提訴した派遣労働者の直接雇用後の雇止めと賃金格差を争点とする訴訟は11月17日で結審、12月25日判決となりました。
 同様の業務を行いながらも正規職員と比べると著しい賃金格差がある中で、長年働いてきた清野さんに対し「3年以上雇用している者の雇用を打ち切った際、労働争議で不利」「嘱託職員と正規職員の立場の逆転現象」の解消のためという立教女学院の身勝手な都合による解雇は、到底許すことが出来ません。 
 非正規労働者の権利の確立と合理的な理由のない解雇(雇止め)、労働者の使い捨てに歯止めをかけるための大事な闘いに、裁判所がどんな判断を下すか?
 判決日には皆さんの力強い傍聴支援を何卒宜しくお願い致します!


金子国交大臣争議解決財源を示す
全動労争議団

 7月の南裁判長からの提案、国土交通大臣の発言から約5ヶ月が経過しようとしています。この提案と発言を受けて鉄道運輸機構や国土交通省鉄道局に対して4者・4団体は解決を求める要請行動を行なってきました。一方、鉄運機構は「裁判所が積極的に仲介の労をとってくれることを望んでいる」、鉄道局は「大臣発言は踏み込んだ発言、しかし、その後、何の動きもない」と無責任な態度を取り続けています。
 このような中で、10月22日付けの朝日新聞夕刊は鉄道運輸機構の剰余金1.3兆円と大きく報道しました。この報道を受けて、11月17日に開かれた参議院決算委員会で社民党の又市参議院議員が質問に立ち、この1.3兆円の使途について質問しました。答弁に立った金子国土交通大臣は、「旧国鉄職員の年金の支払い、アスベスト保障の支払い、JR不採用訴訟などの損害賠償の支払いに備えられるため積み立ててある」と応えました。
 この大臣答弁で、1047名の採用差別問題解決のための財源が明確にされました。いよいよ、政府、鉄道運輸機構が、被解雇者の「雇用・年金・解決金」の具体的要求を受け入れ、どの時期に解決の決断をするのかが問われています。


機構前行動で挨拶する全労連大黒議長


みずほ銀行全国163支店へ要請宣伝行動展開
明治乳業争議団

 09年4月1日、明治乳業と明治製菓が経営統合し「明治ホールディングス(株)」が設立されることから、双方の筆頭株主である「みずほ銀行」に対し、全国9都府県56地域の内163支店要請と同時に27地域の支店前で宣伝を行いました。
 この行動に300名のご支援をいただき延べ910名が参加しました。各支店の副支店長、お客さまサービス課・課長などに、明治乳業は、労働者を「赤組・白組・雑草組」に分類し差別を続け人権をないがしろにして来た。人権を守れない企業体質の中で、「食の安全・安心」をないがしろにする不祥事がたえず繰り返されている事実など、それぞれ新鮮に受け止めていただいた。経営統合前に、争議解決と健全な企業活動を求め、筆頭株主としての役割と責任を果たすよう強く求めました。


菅原理事長は、中労委命令取消行訴に持ち込む
福祉保育労たんぽぽ保育園分会

 中労委は、菅原理事長・園長による組合への不当労働行為を認め救済命令を交付しました。
 中労委命令は、都労委に続き組合側の全面勝利の内容になっています。しかし、菅原理事長は中労委命令を不服として、中労委を相手取って、命令の取消を求める行政訴訟を起こしました。また、組合には「裁判を起こしたから命令に基づく団体交渉はやらない」と、命令をふみにじる不誠実な対応を取っています。
 この事件には、これまで5年もの歳月が費やされています。いたずらに事態を引き延ばすことで、組合員を不利益な状況におき続けていくという卑劣な手法ともいえます。
 是非とも地裁行訴でも勝利したいと思います。 今年一年、多くの方々にご支援をいただき運動が大きく前進いたしました。来年も引き続きご支援をよろしくお願いします。


地裁行訴の判決2月12日に
松蔭学園教職員組合

 11月26日の弁論には、法廷に溢れるたくさんの方に傍聴いただきありがとうございました。組合側弁護士2人の20分間余の最終口頭陳述後、判決日は2月12日と指定されました。
 この裁判は、学園側が2007年の中労委命令を不服として起こした行政訴訟=不当労働行為救済命令取消訴訟です。この日に向け組合側は弁護団会議を重ね作成した最終準備書面を提出しました。76頁の力作です。学園側は15頁でした。
 公正判決を求める団体署名にご協力を!
 現在、中労委命令を維持する公正な判決を求める団体署名に取り組んでいます。ぜひ、皆さんの周りの諸団体にも広めていただくことを心からお願いいたします。


1月26日東京地裁で最終弁論
東和システム争議団

 名ばかり管理職である「課長代理」という役職の働かされ方自体に問題があると、07年3月20日に東京地方裁判所に提訴した裁判は、1月26日で結審をむかえます。
 被告の東和システムは、11月より就業規則の改悪を強行しました。
 その内容は、原告3名しかいない「課長代理職」を廃止して一般職扱いとするもので、大幅な不利益変更です。
 明らかな組合に対する新たな差別で到底許されるものではありません。最終弁論の傍聴支援をお願いします。


アメリカ大使館へ要請行動
銀産労AIGスター生命争議団

 第19回金融3争議共同行動が11日おこなわれました。
 午前中はAIG社前の行動では朝早くから支援の仲間が駆けつけビラ配布と支援者のリレートークをいただきました。AIGが売却報道されてから、有明テニスの森、名古屋栄行動、鳥取での女性のつどいで争議支援を訴えてきました。「売却前になぜ会社は解決しようとしないのか?」という抗議の声がでています。
 午後からは、T&Dホールディングス、ジブラルタ生命、アメリカ大使館への要請を行いました。近日中に入札決定が行われそうな報道もありますが、AIGが早急にこの争議の解決をしない場合、争議もともに購入することになることを話してきました。25日予定されている団交で会社の対応がどのようであろうとも、決して諦めず最後まで闘う決意をあらたにしました。


金融3争議共同行動AIG社前


東京地裁不当判決続ける
ネッスル争議団

 支部の団体交渉拒否事件に対する東京地裁民事19部中西裁判長の行政事件への判決に続き、民事11部白石裁判長は、中労委命令を否定する反動判決を11月19日に出しました。その内容は19部と同様に会社の不当労働行為を助長する内容でした。「組合を潰せば中労委命令の効力は無くなる。」とするものです。
 12日に高裁の南裁判長は19部判決を地裁へ差し戻す判決を出しました。その直後の地裁判決で裁判官の姿勢が大変に問われるものです。
 しかし、ネスレ社は、高裁判決を最高裁へ上告しました。組合潰しを続ける企業が意図的に不当労働行為を続けることを規制しない法律的な不備を指摘せざるを得ません。
 労働委員会に対して労働者擁護に向けた姿勢を強化させる闘いと同時に、裁判所に対しても労働者を擁護する判決を出させるための闘いが、ますます重要となっています。


秋季の連続行動で共闘強化
NTT木下解雇争議

 NTT木下職業病闘争支援共闘会議として、秋季の連続行動が取組まれました。11月19日はNTT東日本本社への抗議・要請行動、11月21日は全労連・東京地評争議支援行動でNTT持株会社前行動を、NTT内4労組(通信労組・電通労組・N関労・東京労組NTT関連合同分会)・1団体(木下支援共闘会議)で取組み、11月23日には、学芸大学駅頭ビラ情宣行動、続いてNTT持株会社抗議・要請行動を、それぞれ取組んできました。一連の行動は、のべ500名の仲間の共闘会議として初めての取組みでしたが、NTT側担当から事前に、「なぜ学芸大学なの、何をするの」と木下さん本人にさぐりの電話が入ったり、当日は労務担当の一人が現地に赴き、写真撮影をするなど、NTT側もかなり神経を使っている気配でした。
 この連続行動の成果を踏まえ、NTT内労組の共闘の強化、地域共闘の強化で早期解決に向けNTTを追い込んで行きたいと思います。


NTT前で訴える木下さん


全労連争議支援総行動で中労委要請
鶴川高校教職員組合

 11月21日、全労連争議支援総行動で中労委に要請を行い、10月の結審後も組合員に懲戒処分を乱発している鶴川高校の現状を訴えました。これを受けて中労委は「早急な命令交付に向けて努力する」「鶴川争議は大きな事件であると認識している」と意欲をのぞかせています。
 次いで12月11日に行われた鶴川闘争支援共闘会議総会では、各労組のみなさん・卒業生で会場がいっぱいになりました。闘争方針が確認された後、組合は、教育機能が麻痺状態に陥っている中にあっても必死に学ぼうとしている生徒の様子を語りました。入学時には重い不登校であった生徒が、人種差別を学び次のように綴ったことを紹介。
 「憎しみが連鎖した時代があるのだから人々の幸福が連鎖する時代が来てもよいとは思わないだろうか。悲しみを生み出さないために私は人間を信じたい。『人を思いやり、信じる心』を持つ人間が増えるよう、まずは私がそうなりたい。」
 教職員は、法廷闘争で何としても勝利し、この生徒たちに十分にこたえられる学校づくりを実現するために、力いっぱい活動する決意を表明しました。


最高裁へ要請行動
再雇用拒否田端和子争議

 10月12日、最高裁へ第1回の要請を行い「この事件の本質」について訴えました。つまり、この校長の虚偽情報による再雇用拒否の背景には、非民主的な学校運営をする中神校長と、憲法を守り子どもたちの民主的人格形成を願って教育実践を続けた田畑教諭との対立があったということです。
 第2回目の11月25日は、「審理が尽くされたかどうか調べ、高裁へ差し戻す」よう要請しました。田畑側の証人申請は全員却下され、客観的な証拠はすべて退けられ、裏付けのない校長の言い分が認められています。これは、痴漢認定を破棄し高裁へ差し戻した沖田さんの場合と同じで、最高裁は「審理を尽くさず明らかな法令違反」と断じました。要請ではこれを引用し、同様に公平な判断をおこなうよう訴えました。


東京美装はセクハラ防止の責任を果たせ
東京美装セクハラ事件

 東京地裁に損害賠償裁判を起こしてから一年がたちました。この間東京争議団共闘会議をはじめたくさんの団体個人の皆さんの応援を頂き本当にありがとうございました。
 来年3月2日には証人尋問を終え、判決を迎えることになります。
 わたしはこの勝利判決を信じていますが、会社がセクハラを認めること、謝罪すること、二度とセクハラが職場で起きないよう対策を講じることも会社に求めてゆく決意です。
 裁判に入る前、3人の上司に「セクハラをやめさせてください」と訴えたとき、「それは個人間の問題で会社は関係ない」「君が若いから男は誰でも触りたくなるよ」「日本では(セクハラは)コミュニケーションですよ」と。
 怒りが胸にこみあがる思いでした。これには外国人差別(当時中国籍)、女性差別、雇用差別(非正規)と同時に、日本社会にある「セクハラ」への間違った考えがあると思います。これも直したいです。来年は勝利するように一緒に頑張ります。


都労委傍聴にご支援を
一橋出版マイスタッフ争議

 現在、東京都労働委員会を活用して、無関係を装う一橋経営を話し合いの場に引きずり出して争議解決を迫っています。この間、平田社長宅への要請行動、緊急要請ファクスの集中、再三の社前行動などにご支援をいただき会社を追いつめています。
 次回12月22日(月)の第9回都労委協議は、会社が解決できる和解案を提示する番です。みなさんの傍聴ご支援が会社を動かす力であり、よろしくお願い致します。
 企業は儲けのためには当然とばかりに、労働者の使い捨てを隠そうともしていません。これに対して「派遣切りは許せない」と、所属組織をこえて労働者が団結し始めました。国と企業の横暴に対して、団結し闘いましょう。


派遣法抜本改正をめざす12・4集会


各争議組合、争議団の近況報告

▼立教女学院嘱託職員争議
裁判はいよいよ判決です!判決日:12月25日(木)14:30 東京地裁528号法廷。皆様の傍聴支援を宜しくお願い致します。
▼松蔭学園教職員組合
判決日09年2月12日(木)13時10分、528号法廷。差別のない松蔭学園をめざす闘いにご支援を!
▼電算労・東和システム争議団
名ばかり管理職の東京地裁裁判は、1月26日に最終弁論。
▼一橋出版MS・加藤解雇争議
第9回都労委和解協議、12月22日14:00〜に傍聴ご支援をお願いいたします。
▼再雇用拒否田畑和子争議
最高裁からの「棄却」を怖れながら要請を行っています。まだの方は是非協力してください。03-3991-3727へ、ご連絡を。
▼全国じん肺連絡会
ご協力戴きました三菱長崎造船じん肺で又緊急の団体署名を集めております。1月15日までにご協力をお願い致します。
▼東京美装セクハラ事件争議
12月17日(水)16時30分から、地裁528法廷です。皆様の傍聴支援をよろしくお願い致します。
▼全動労争議団
全動労東京地裁判決1周年の来年1月23日の夜、全労連ホールで国鉄問題、社保庁民営化問題、雇用破壊などをテーマに集会を開催、ご参加を!
▼東京労組・NTT木下職業病争議
石原分会長の違法な転籍問題で12月19日、初審命令に続き、中労委から勝利命令が出されました。
▼AIGスター生命争議団
AIGは責任放置せず、売却する前に争議解決を。売却予定先にも要請。 
▼明治乳業争議団
1月27日(火)第12回支援共闘会議総会と新春旗開きを開催します。(ラパス18時半)皆様のご参加をお願いします。


====東京争議団予定===

〇九年
一月
一四 17:00三役会議(東京地評5F)
一七 13:00全体会議(東京地評5F)
    18:00新春の集い ラパスホール
二四 14:00ニュース発送作業

二月
一三 13:00三役会議(東京地評5F)
一四 13:00全体会議(東京地評5F)
    17:00ニュース発送作業


=====諸行動予定=====

〇八年
十二月
二二10:00 たんぽぽ保育地裁631号
   14:00 一橋MS都労委第9回調査 
二四08:00 東京争議団・最高裁前共同宣伝
   10:00 東京争議団・最高裁要請行動
   11:00 鉄建公団訴訟控訴審結審101号
   12:15 経団連前宣伝
   13:30 明乳都労委
   18:00 1047名を激励する大望年会 新宿区役所地下食堂
二五14:30 立教女学院地裁判決528号
二六12:00 明治製菓本社前宣伝
   13:30 みずほ銀行本店前宣伝要請

〇九年
一月
〇二11:00 明乳社長宅要請 JR北小金駅
〇五08:00 明治製菓本社前宣伝
   12:00 明治乳業本社前宣伝
〇六18:30 東京地評旗開きホテルベルクラシック
〇八18:30 全労連旗開き・東京ガーデンパレス
一四09:00 東京争議団・中労委前宣伝
   15:00 AIG金融3争議共同行動・本社前
一七18:00 東京争議団新春の集いラパスホール
二〇08:00 東京争議団・都庁前宣伝
二一10:00 明乳都労委
二二08:30 東京争議団・裁判所前共同宣伝
二三13:00 メレスグリオ地裁619号
   18:30 全動労判決一周年集会・全労連会館
二六10:00 新国立劇場八重樫高裁808法廷
   10:30 東和システム地裁528法廷
二七16:00 鶴川地裁八王子支部
   18:30 明乳支援共闘総会&旗開き・ラパス
二九08:30 1047共同宣伝地裁前
三〇18:30 じん肺新春の集い・プラザエフ
三一10:00 じん肺キャラバン実行委・プラザエフ

二月
〇二08:00 「1の日」宣伝・JR新宿駅西口
〇五08:30 1047共同宣伝・地裁前
   12:00 全動労原告裁判日宣伝・地裁前
   13:30 全動労鉄運訴訟控訴審・808号
〇九13:30 三菱長崎長船第2陣判決福岡高裁
   16:30 東京美装地裁619号 
一二08:30 1047共同宣伝・地裁前
   13:10 松蔭地裁判決528号
   18:30 松蔭判決報告集会 エデュカス


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