東京争議団ニュース第165号/2004年12月15日


第43回東京争議団総会開催される


総会後現役・OB争議団交えて記念撮影

 東京争議団第43回総会が、12月12日にラパスホールで行われました。総会は、小関議長がいま、東京争議団が置かれている立場、そして東京争議団に求められているもの、課題となっているものについて冒頭で発言があり、6人の来賓(京王新労の和解報告も)からのあいさつを受けました。(それぞれの個人写真掲載)
 特に、現在の司法の反動判決や労働委員会の労働者救済機関としての機能の欠如、様々な争議を抱えている広範な人々との共同や協力と、東京争議団としての組織の拡大などが、議長の発言をはじめ、多くの来賓からも語られました。
 今年1年間で8争議が解決し、そのうち6争議団から解決の報告とお礼のあいさつがあり、またこの1年に東京争議団に加わった7争議団の自己紹介がありました。今年の4月に最高裁で勝利判決が確定し、国の責任を明確にした勝利を勝ち取った筑豊じん肺原告団・弁護団から、東京争議団にカンパの贈呈もありました。
 午後は、今井事務局長の2004年総括と2005年の活動方針について報告があり、長野や愛知、茨城からの参加者も含め、各争議団は自らの争議を報告する中で、東京争議団に対する期待や仲間としていっしょに活動していく決意を語り合いました。
 2004年度の総括として、1800人規模の9・17東京争議団総行動の成功とその原因と意義、事務局体制の強化による例会の充実、メールなどを活用したニュースの速報性を重視したことや様々なIT機器やソフトを利用して編集作業を簡便にしたことが語られ、2005年の方針の中では、特に司法に対し、労働者の権利を守り、擁護する判決を出させるための運動を起こすことが必要であることが強調され、現時点では2・17全労連総行動の昼メイン行動で東京地裁・高裁を包囲する行動を取組むことが確認されました。
 船木副議長は労働相談を受けている立場から、争議にさえ立ち上がることのできない労働者の悲惨な状態を報告し、争議団のますますの役割の重要性が強調され、団結がんばろうで総会は閉会しました。
 その後は、参加者のほとんどが交流会に流れ、総会で発言できなかった参加者が思い思いに、総会の感想や争議団への期待をユーモアいっぱいで語り、大いに盛り上がりました。

続々と解決する争議団のみなさん


解決の報告をする京王新労岡澤幸雄さん

筑豊じん肺大塚さんと鹿毛さんと馬奈木昭雄弁護士

 総会には、総会直前に解決を果たした争議団がかけつけてくれました。 東京争議団には加盟していませんでしたが、常に協力関係にあった京王新労の岡沢書記次長が解決の報告に参加してくれました。和解内容は、新会社に組合員は出向するが、今後は組合員の地位変更については労使協議をすること、今度の解決にあたり京王が解決金を払うことなどを盛り込んだものでした。組合員全員が職場復帰し、労働組合活動を正常化させた素晴らしい解決と思います。
 また、今年の初めに東京争議団に加盟した全日検神戸支部争議団も、総会直前の12月6日に神戸地裁で和解成立となりました。この争議は、2001年に次いで2度目の訴訟でしたが、一方的な賃金体系の変更による賃金カットは元に戻し、一時帰休を撤回し職場復帰を明確にすることなどを内容とした和解を勝ち取りました。
 総会では全日検神戸の荒井さんから、ある定年間近であった組合員が、東京の慣れない土地でオルグをしたときに地域の争議団が丁寧にいっしょに回ってくれ、それぞれのオルグ先で話を一生懸命に聞いてくれて、励まされたことが今ではいい思い出になっていると語っていたという報告がありました。


全労連組織局小林正彦さん


都労委労働者委員立花宏平さん


東京地評事務局次長柴田和啓さん


自由法曹団東京支部事務局長滝沢香弁護士


東京労働争議研究会代表清水明さん


 東京争議団2005年度新役員体制

議  長  小関 守(明治乳業争議団)
副議長   吉兼 重雄(国金発展会) 藤井 將貴(目黒電波測器労組) 木下 孝子(NTT争議団)
        渡部 謙三(全動労争議団) 船木 龍夫(ヒルトンホテル分会) 井上 俊雄(全印総連凸版印刷労組)
事務局長  今井 道雄(東京商科法科分会)
事務局次長 岩本 哲男(明治乳業争議団) 井上 晴雄(目黒電波測器労組) 黒沢 昭徳(東京東信争議団)
        野中 晴 (東都タクシー嘱託雇用を勝ちとる会) 谷口 寛 (スギタ争議団)
会計監査  森 弘子(松蔭学園教職組) 谷本 富子(東戸山小争議団) 柳下 孝夫(元全信不動信金争議団)


谷口争議支援の小石川デモ雨中300人の闘う闘志

スギタ谷口争議団

 11月18日午後6時30分、礫川公園にて、「平和、くらし、谷口争議支援決起集会&小石川デモ」が催されました。これは、文京地域と全印総連がタイアップして企画されたもので、谷口争議としては、年内最大の取り組みとして企図されたものです。
 当日はあいにくの雨。しかし集合時間を過ぎると、礫川公園は約300人の参加者の傘で埋め尽くされ、こんなに多くの人々が集まってくれた事に、感動しつつ、闘う労働者・市民の底力を思い知る気がしました。
 決起集会は、スギタ争議対策会議の山田事務局長の司会で、地域から文京区労協の川内議長、地連からスギタ争議対策会議の是村議長がそれぞれ主催者挨拶に立ち、決意表明として文京民商の小林副会長、都教組文京支部の泉書記長、そして自分が立ちました。社前行動ではないので、多くの人々が集まってくれた事へのお礼と争議を断固闘い抜く決意を述べました。最後に東京土建文京支部の高田委員長の団結ガンバロウで集会を締めくくりました。
 しのつく雨を吹き飛ばす元気でデモは2悌団で出発。礫川公園から千川通りを、スギタの近傍を通る形で行進。最後は共同印刷前で解散し、大いに気勢を上げる事が出来ました。ご参加下さった皆さんにお礼申し上げます


デモ前の集会で決意を語る谷口さん


江戸の仇を長崎でAIGスター生命、長崎行動
AIGスター生命争議団

 AIGスター生命「雇い止め」解雇撤回闘争も、都労委も結審は、公正な命令を待つ段階になりました。一方会社側から出された見当違いのビラ裁判は、12月20日最終陳述に向け準備中です。
 銀産労では、全国の営業所への要請と宣伝行動を強化しておりますが、この度本社業務の一部を移転した長崎での要請と宣伝行動を行いました。
秋晴れの11月24日、変額保険被害者の会1名を含む5名で前日より現地入りし、地元長崎県労連事務局長、市従委員長、建交労委員長、長崎造船関係者4名の応援の基、長崎駅前ターミナルや、AIG長崎エージェンシーオフィス前でのハンドマイクを使っての宣伝とビラ配布を行いました。終了後オフィスマネージャーへの要請行動に県労連、長船の方にも加わっていただき要請書をお渡しし、それぞれの立場から「一日も早く争議解決を図るよう本社へ伝達するよう」要請の趣旨を話しました。
 また、長崎県商工部、長崎市商工部を通じ、県知事、市長さんへの争議解決への働きかけの要請をして参りました。5月に東京事務所を通じての要請書も届いていることが、要請の中で確認されました。長崎県、市としても雇用対策に神経を使っている、最終的には「1600名の雇用確保が見込める、今金融機関、商店の採用がない中苦慮している」との発言がありましたが、県労連の方から議会での13億もの助成金問題、今後東京でおきている解雇問題が長崎で起きないとも限らない、との発言もあり、早期に問題解決を求める何らかの働きかけを求める要請の立場への理解も頂けました。活発な意見交換で、2時間近くにも及びました。
 その後、繁華街「鉄橋」でのビラ配布は市民の皆様の関心が高く、道行く人の8割方の方が受け取り、熱心に質問される場面も見られました。
 夕方、現地、カスタマーサービス、等2ヶ所へ要請と門前でのビラ配布をしましたが、ハンドマイクも使っていたため、窓から見たり、入り口付近をうろうろして、気にしておりました。2000枚のビラも使い切り、長崎での行動を終わらせる事が出来ました。
長崎市内は路面電車、バスも多く、人の往来も多く非常に活発でした、車体をAIGグループカラーで彩られた、広告路面電車が行き交う姿には驚かされました。


本社デモで会社を追い込み支援共闘総会で意思統一
凸版争議団

 11月26日、MIC争議支援総行動の昼のメイン行動として、凸版印刷本社に対する包囲デモが行われました。恵まれた晴天の下、250人が参加し、凸版印刷の賃金差別、リストラ「合理化」に抗議し、また「平和と憲法を守れ」のシュプレヒコールをあげながら、凸版印刷のまわりを一周しました。凸版印刷は相変わらず多数の警備員を立たせて警戒態勢をとりましたが、これとは対照的に、昼休みのビル、商店、沿道の人々の大きな注目を集めました。膠着状態を続ける和解交渉を後押しする行動として成功を収めたと確信しています。
 12月3日には支援共闘会議第5回総会が行われました。500人の参加を得た6・18集会、2回の全国宣伝、本社デモなどこの1年間の諸活動の前進に確信を持ち、来年こそ解決の年にするためにさらに運動を強化することを意思統一しました。 
本社デモ、総会(その後の交流会も含め)には東京争議団から多数の参加をいただき、ありがとうございました。 来年はひとつでも多くの争議が解決するようともに頑張っていきましょう。よろしくお願いします。


凸版本社を通るデモ隊


NTT木下職業病闘争支援共闘会議
結成集会参加のお願い
NTT木下争議団

 日頃からの木下解雇争議・N関労の闘いにご支援ありがとうございます。
 11月24日のNTT上野ビル前、12月1日のNTT持株会社前での抗議・要請行動にご参加頂きありがとうございました。
 木下争議は24年めを迎えていますが、NTTは最高裁の敗訴判決(木下側敗訴)を口実として「木下事件は終わった」として団交の場でも誠実に話し合おうとはしません。
 今NTTは通信業界の激烈な競争の中で新たな合理化を準備しており、より一層の内部矛盾を生み出そうとしています。こうした情勢の中、木下争議の解決に向けて現情勢を大きなチャンスと位置づけ、1年間の19行動の成果をふまえ、闘う体制を更に強化し、24年にも及ぶこの闘いの全面解決を実現していきたいと思います。
 来年の2月25日(金)18時30分より東京都しごとセンター(旧シニアワーク)で木下職業病支援共闘会議結成集会を開催いたしますので皆様の多数のご参加をお願い申し上げます。


最高裁要請に、ビラ配りに頑張っています
署名をお願いします
再雇用拒否田畑争議

 12月9日「人権デー」の行事(国際人権活動日本委員会)に参加し、総務省前で田畑裁判を通じて実感した、裁判所の不当審理による人権侵害について訴えました。
 12月10日、東京地評総行動の一環として行われた最高裁要請に参加し、田畑さんと都教組豊島支部、究明する会、東京争議団の仲間が、1、2審の不当性を具体的に訴えました。特に東京都の再雇用制度は全員採用が原則であり、不採用は実質的な解雇である点を強調しました。
 これからも要請やビラ配りを続け、不受理にならないように頑張ります。署名は来年も続けていきますので、これからも送ってくださるようにお願いします。


ハンドマイク片手に訴える田畑さん


雨天の「本社包囲行動」に
350余名結集解決迫る包囲運動に全力
明治乳業争議団

 「汚染原料再利用」で厚労省から食品衛生法違反の指導を受けた明治乳業に対し、不正行為繰り返す異常な企業体質への抗議と、長期労働争議の全面解決を迫る「11・19本社包囲行動」が雨天のなか350余名の結集で大きく成功。さらに、争議団は「12・10地評総行動」の前段行動として社前座り込み行動(8日〜9日)を行う等、「異常企業体質の象徴である長期労働争議の解決を!」と包囲行動に全力。 また、この明治乳業に215億円(国民の財産)もの低利長期融資を行っている農林漁業金融公庫を相手とする情報公開訴訟(次回12月17日14時30分〜地裁606号法廷)も、証人採用を巡る攻防などいよいよ重要な局面です。多くの支援傍聴をお願いします。


12・10東京地評争議支援総行動


国土交通省前昼集会250名


各争議組合、争議団の近況報告

▼国民金融公庫発展会
最高裁に上告して闘います。今後、最高裁へ向けての運動はもとより、全国的な旺盛な宣伝活動を行います。
▼東都タクシー野中さんの嘱託雇用を勝ちとる会
都労委でまさかの申立棄却の不当命令。中労委に再審査申立で闘います。
▼松蔭学園教職員組合
中労委での全面解決にむけた和解は不調に。年内命令か?都労委も結審に(2月4日最陳提出)
▼ヒルトンホテル争議団
12月23・24日とヒルトンホテル前で座り込みます。ぜひ、ご参加を!!
▼メレスグリオ争議団
最高裁からの連絡によっては、急な行動も出てくると思いますのでよろしくお願いいたします。
▼銀産労AIGスター生命争議団
ビラ裁判12月20日10:00地裁722号。都労委へ救済を求める団体署名の協力をお願いします。
▼東和システム争議
都労委で新たな事件の審問・調査が来年より始まります。今後ともご支援を宜しくお願いします。
▼田畑先生再雇用拒否の真相を解明する会
最高裁要請、ビラ配りに頑張っています。署名はこれからも続けますので、来年に入っても送ってください。
▼東京商科・今井争議団
いよいよ判決日(12月22日午後1時10分)が近づいていきました。最後まで裁判所に働きかけます。


 ヒルトン争議 X’mas 座り込み
 12月23日 13時〜16時
 12月24日 15時〜19時
 クリスマスのひとときをヒルトンホテル前で過ごしましょう


====東京争議団予定===

一月
    〇七10:00事務局会議(東京地評5F)
    〇八10:00三役会議(東京地評5F)
       13:00全体会議(東京地評5F)
       17:00旗びらき(ラパス)

二月
    一六14:00事務局会議(東京地評5F)
    一九10:00三役会議(東京地評5F)
       13:00全体会議(東京地評5F)



=====諸行動予定=====

十二月
一四19:00凸版製本都労委調査
一五07:30スギタ争議茗荷谷駅朝ビラ
一六08:20メレス本社宣伝
   14:30デジタルアーツ浅石地裁(川越支部)
   16:00鶴川高校不利益変更裁判(八王子支部)
一七14:30明乳情報公開訴訟(606号)
   15:00ネッスル都労委審問
   15:00東京商科共闘会議事務局(私教連)
一九10:00明乳社長宅訪問(北小金駅)
二○08:30明乳・変額地裁高裁宣伝
   10:00AIG争議ビラ裁判(722号)
   18:30学習交流会「地裁労働部を監視しよう」(シニアワーク第二セミナー室)
二二08:00メレス・田畑争議最高裁宣伝
   13:10東京商科さいたま地裁判決(105号)
       判決報告会(埼玉自治労連会館)
   18:00全日検神戸争議和解報告集会(全労連ホール)
   18:30東京商科判決報告集会(エデュカス)
二三13:00ヒルトンホテル前座り込み(〜16時)
二四15:00ヒルトンホテル前座り込み(〜19時)
   16:30西武鉄道金田地裁(川越支部)


一月
〇二13:00明乳社長宅新年あいさつ
〇六18:30東京地評旗びらき(ホテルベルクラシック大塚)
〇七08:00<メレス最高裁前宣伝>中止
〇八17:00東京争議団旗びらき(ラパスホール)
〇九  東和システム社長宅要請(藤沢市鵠沼海岸)
一二08:20メレス本社前宣伝
   08:30明乳高裁前宣伝
   11:30明乳本社宣伝
一三13:30凸版印刷都労委あっせん
一六14:00凸版新春のつどい
一七08:20国金本店前宣伝
   08:20国金最高裁前宣伝
   18:30裁判所労働委員会対策会議東京(地評)
一八08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
   09:302・17全労連総行動オルグ(全労連)
   18:30明乳争議団旗びらき(ラパスホール)
一九07:30スギタ争議春日駅朝ビラ(A5出口)
   08:30長野塚原学園最高裁前宣伝
二○08:00<メレス最高裁前宣伝>中止
    丸の内仲通り昼デモ
二一10:00凸版製本都労委調査
二三13:00ネッスル霞ヶ浦工場付近宣伝行動
二四08:30明乳高裁前宣伝
   11:30明乳本社宣伝
   18:30司法総行動実行委員会(地評5F)
二五18:30国際人権活動日本委員会代表者会議(地評5F)
二六16:00東京商科中労委調査
   18:302・17総行動実行委員会(全労連)
二七08:20メレス本社前宣伝
   10:00東京東信都労委審問
二八10:00スギタ争議地裁弁論準備(地裁13F)
三一18:30筑豊じん肺勝利報告集会(スクワール麹町:四ッ谷)


二月
〇一10:30東戸山小谷本高裁(825号)
〇二09:302・17総行動オルグ(全労連)
   18:30明乳支援共闘会議総会(地評)
〇四18:00 松蔭学園都労委結審
   18:30NTT木下闘争支援共闘会議準備会(東京労組事務所)
〇八18:30国鉄北部集会(豊島公会堂)
一○16:00鶴川高校都労委調査
一五08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
一七  全労連争議支援総行動
二四18:302・17総行動総括会議(全労連)
二五18:30NTT木下闘争支援共闘会議結成集会(東京しごとセンター←旧シニアワーク)


三月
五10:00千代田区争議団総会
一一  千代田総行動
一五08:00東京争議団都庁前共同宣伝行動
一八15:00鶴川高校都労委調査


東京争議団のホームページへ戻る